ティム・バートンが絶賛した才能 シェーン・アッカー 『9(ナイン)』

 「これまでの人生で見た映画のなかで、最高の10分間だった」
『9』は、ティム・バートンによって、そう言わしめたシェーン・アッカーの短編で、それが単なる口先だけのお世辞ではない証拠に、プロデューサー=ティム・バートン、監督=シェーン・アッカーで長編化が進められています(2007年完成予定)。

↓画面が暗いので高い解像度での鑑賞をお奨めします。

 

 【物語】
 すべてが廃墟と化してしまった世界。
 何をするにも自分で何とかしなければならず、“9”(“2つ目玉”)は、必要なものがあると、外に出て、ガラクタの中から探し出してくる。
 “9”がガラクタを漁っていると、“5”(“1つ目玉”)がやってきて、“9”を呼び寄せ、2人で電球をはずし、まだ使えるかどうかチェックする。
 そこにモンスターがやってくる気配がして、“5”は“9”に自分が持っていた光るコンパクトを授けて、“9”を逃がしてくれる。
 “9”は物陰から“5”とモンスターの対決を見守るが、“5”はあっさりやられてしまう。
 モンスターは“5”が手渡してくれた光るコンパクトを探しているようで、ずっと“9”を追ってくる。“9”の棲家も荒らされ、“9”が話し相手として作っていた人形も破壊されてしまう。
 “9”は廃工場にモンスターを導き、モンスターを滑落させて、倒す。
 夜、“9”が1人で焚き火をしていると、突然、コンパクトの光が激しくなって、破裂。中からは、 これまでモンスターに吸い取られた人々の魂があふれ出してくる。その中には“5”の魂もあった……。

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 画面が暗いこともあって、何がどうなってるのか、1度観ただけではよくわからないのですが、何度か見直してみて、理解したあらすじは大体上のような感じです。

 監督によると、『ベオウルフ』の物語(夜な夜な襲いくる怪物をベオウルフが退治する)を下敷きにしているそうです。

 人形の造形は、ブラザーズ・クエイ、作品の雰囲気はリュック・ベッソン『最後の戦い』やジャン=ピエール・ジュネ&マルク・カロの『ロスト・チルドレン』に近い雰囲気があります。
 実際に監督は、この作品で、ヤン・シュヴァンクマイエルやブラザーズ・クエイ、Lauenstein兄弟にオマージュを捧げていて、Lauenstein兄弟の“Balance”にインスパイアされて、この作品を作ったとも語っています。

 この作品を観て、そう思えるかどうかはわかりませんが、“5”は“9”にとって導師的な存在なのだそうです。

 ◆作品データ
 2005年/米/10分50秒
 ストップ・モーション・アニメ
 台詞なし/字幕なし
 2005年 学生アカデミー賞受賞
 2005年 Siggraphコンピュータ・アニメーション・フィルムフェスティバル Best of Show Award受賞
 2005年度 アカデミー賞短編アニメーション賞ノミネート

 日本では、2005年のショートショートフィルムフェスティバルで上映されました。

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 ◆監督について
 シェーン・アッカー
 1971年イリノイ州ホイートン生まれ。
 1994年フロリダ大学で建築を学んだ後、さらにUCLAに進むが、そこでアニメーションの授業でアニメーションに目覚め、一生の仕事にすることに決める。1998年に建築学の修士を取得した後、UCLAのアニメーションのワークショップへ。
 ワークショップ時代に“The Hangnail”と“The Astounding Talents of Mr. Grenade”を発表。
 “9”にとりかかりながら、途中で、『ロード・オブ・ザ・リング』の視覚効果を手がけるWETAで仕事をするためにニュージーランドに行き、6ヶ月半の間、アニメーターを務める。
 その後、4年の歳月をかけた“9”を完成(3年の課程のフィルム・スクールも5年かけて卒業)。“9”は、学生アカデミー賞アニメーション部門ゴールド・アワードを受賞し、アカデミー賞短編アニメーション賞にもノミネートされる。

 ・1999年 “The Hangnail”「ささくれ」[監督]
 ・2003年 “The Astounding Talents of Mr. Grenade”「ミスター手榴弾の驚異の才能」 [監督]
 ・2003年 『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』[アニメーター]
 ・2005年 “9”(短編版) [監督]
 ・2007年 “9”(長編版) [監督]

 *参考サイト

 ・シェーン・アッカーの公式サイト:http://www.shaneacker.com/

 ・frame per second》animation lives here(監督ロング・インタビュー):http://www.fpsmagazine.com/feature/050929acker.php

 ・Animwatch:http://www.animwatch.com/Spotlight-9.php

 ・Animwatch(監督インタビュー):http://www.animwatch.com/F17-ShaneAckers9.php

 ・UCLAlumni Assciation NOBLE ALUMINI:http://www.uclalumni.net/AlumniStories/Notable/Acker.cfm

 ・Animation Trip.com(監督シンタビュー):http://www.animationtrip.com/item.php?id=742

 ・Daily Bruin(監督インタビュー):http://dailybruin.com/news/articles.asp?ID=33692

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 *当ブログ関連記事
 ・アカデミー賞短編アニメーション賞 リスト!

 ・
シェーン・アッカー 「ささくれ」 “Hangnail”

 ・シェーン・アッカー 「ミスター手榴弾の驚異の才能」“The Astounding Talents of Mr. Grenade”

この記事へのコメント

通りすがりです
2009年02月04日 10:48
【物語】の下記の部分に疑問を感じたのでコメントさせていただきます。
『モンスターは“5”が手渡してくれた光るコンパクトを探しているようで、ずっと“9”を追ってくる。“9”の棲家も荒らされ、“9”が話し相手として作っていた人形も破壊されてしまう。』
このシーンは、9が追われているのではなく、おびき寄せたのです。
この動画の冒頭部分で、9が人形やいろいろなもの作っていますが、すべてはモンスターを倒すための準備です。
イチゴちゃん
2010年11月18日 15:32
9~ナイン~
スッゴクおもろかった。。。
ってゆうか、うちの中で ティム・バートンサイコー↑
  マヂ神

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