見どころなど 第79回米国アカデミー賞!

画像 第79回アカデミー賞を、前哨戦の結果と過去の実績から予想してみたいと思います。
 予想が難しいのは、作品賞と監督賞で、その他の部門にはおおむね大本命があります。

 ノミネーションの前の数字は、前哨戦での受賞回数です。
 ○が本命、△が対抗です。
 略号に関しては、こちらをご覧ください。

 ◆最優秀作品賞

 ③『硫黄島からの手紙』(クリント・イーストウッド):NBR、LAFC、SDFC
○⑧『ディパーテッド』(マーティン・スコセッシ):BFC、BFCA、CFC、FFC、LVFC、SA(ドラマ部門)、SEFC、SLC
△①『バベル』(アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトウ):GG(ドラマ部門)
 ①『リトル・ミス・サンシャイン』(ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス):SLC(コメディー/ミュージカル部門)
 ②『クイーン』(スティーヴン・フリアーズ):NYOFC、TFC

 *惜しくもノミネートを逃した作品:『ドリームガールズ』『ユナイテッド93』

 *これまでのアカデミー賞作品賞受賞作を振り返ってみると、テーマ性、社会性、文学性、エンターテインメント性、華やかさ、インパクト、そして現代(のアメリカ)を映していることなどが受賞ポイントとして挙げられると思います。それらから考えると、それに相応しい作品は……現代を映しているという意味では、『バベル』でしょうか。しかし、唯一ゴールデン・グローブ賞でのみ作品賞を受賞した『バベル』がアカデミー賞でも作品賞というのはちょっと考えられません(アカデミー賞だけならアリなんですが)。
 前哨戦の結果を踏まえると、本命は『ディパーテッド』なんですが、「男のドラマとしての面白さ」が果たして作品賞に値するのかどうか……。

 ◆最優秀監督賞

 ・アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトウ(『バベル』)
 ②クリント・イーストウッド(『硫黄島からの手紙』):SA、SDFC
 ②スティーヴン・フリアーズ(『クイーン』):NYOFC、TFC
△④ポール・グリーングラス(『ユナイテッド93』):KFC、LAFC、NSFC、SFFC
○⑮マーティン・スコセッシ(『ディパーテッド』) :BFC、BFCA、CFC、DFC、FFC、GG、LVFC、NBR、NYFC、OFC、onFC、PFC、SEFC、SLC、WFC

 *惜しくもノミネートを逃した監督:ビル・コンドン(『ドリームガールズ』)

 *アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトウ、ポール・グリーングラスは初ノミネート、スティーヴン・フリアーズは2回目、クリント・イーストウッドは4回目(うち2回受賞)、マーティン・スコセッシは7回目のノミネートになります。
 アカデミー賞監督賞に関しては、昨年のアン・リー(『ブロークバック・マウンテン』)、2001年のスティーヴン・ソダーバーグ(『トラフィック』)など、作品賞を外しても監督賞できっちり評価するという傾向があります。
 この5作品の中で特に監督の手腕が特筆されるものといえば、私は『ユナイテッド93』だと考えますが、過去の受賞者を調べてみると、作品賞でノミネートされていない監督が監督賞を受賞するということはないんですね。
そう考えるとやっぱり前哨戦通りにスコセッシが本命で、悲願の監督賞受賞ということになるでしょうか。
 ネックとなるのは、この作品でスコセッシにアカデミー賞をあげなくてもいいんじゃないかっていう空気が感じられることで、そういう空気が強くなれば、地すべり的に、グリーングラス、もしくはイニャリトウが受賞するという可能性もあります。
 イーストウッドは今年は(あげなくても)いいだろうという雰囲気が強く、フリアーズも、『クイーン』はヘレン・ミレンの映画だと見なされるので、可能性は極めて希薄、です。

 ◆最優秀主演男優賞

 ・ウィル・スミス(『幸せのちから』)
○(21)フォレスト・ウィテカー(“The Last King Of Scotland”)ケヴィン・マクドナルド) :BFC、BFCA、CFC、DFC、FFC、GG(ドラマ部門)、KFC、LAFC、LVFC、NBR、NSFC、NYFC、NYOFC、OFC、onFC、PFC、SA(ドラマ部門)、SEFC、SLC、VFC、WFC
 ・ピーター・オトゥール(“Venus”)
 ・ライアン・ゴスリング(“Half Nelson”)
 ①レオナルド・ディカプリオ(『ブラッド・ダイヤモンド』):AFC(ただし『ディパーテッド』において)

 *惜しくもノミネートを逃した男優:サシャ・バロン・コーエン(“Borat”)

 *よほどの番狂わせがない限り、主演男優賞はフォレスト・ウィテカーで決まりです。オスカーは、実在の人物を演じた俳優に与えられやすいので、そういう意味でもまず間違いはありません。

 *ウィテカーとゴスリングは初ノミネート、ウィル・スミスは2回目、ディカプリオは3回目、オトゥールは8回目。誰が受賞しても初受賞になります。功労賞的な意味でオトゥールにという可能性もないではありませんが、ウィテカーが強すぎます。

 ◆最優秀主演女優賞

 ・ケイト・ウィンスレット(『リトル・チルドレン』)
 ・ジュディ・デンチ(“Notes on a Scandal”)
 ・ペネロペ・クルス(“Volver”)
○(25)ヘレン・ミレン(“The Queen”(スティーヴン・フリアーズ)) :BFC、BFCA、CFC、DFC、FFC、GG(ドラマ部門)、KFC、LAFC、LVFC、NBR、NSFC、NYFC、NYOFC、OFC、onFC、PFC、SA(ドラマ部門)、SDFC、SEFC、SFFC、SLC、TFC、UFC、VFC、WFC
 ②メリル・ストリープ(『プラダを着た悪魔』(ディヴィッド・フランケル)):GG(ミュージカル/コメディー部門)、SA(コメディー/ミュージカル部門)

 *文句なし、ヘレン・ミレンで決まりです。これも実在の人物を演じているので強みがあります。彼女がノミネートされた映画賞では、わずかな例外(オースティン映画批評家賞)を除いて、すべて彼女が受賞しています。

 *ペネロペ・クルスは初ノミネート、ヘレン・ミレンは3回目、ウィンスレットは5回目、デンチは6回目(1回受賞)、ストリープは14回目(2回受賞)のノミネートです。
 今回は英国勢3人に、アメリカ人1人、スペイン人1人というノミネーションになりました。

 ◆最優秀助演男優賞

 ①アラン・アーキン(『リトル・ミス・サンシャイン』):VFC
△②エディー・マーフィー(『ドリームガールズ』):BFCA、GG
 ④ジャイモン・ハンスゥ(『ブラッド・ダイヤモンド』(エドワード・ズウイック)):LVFC、NBR、SLC、WFC
○⑦ジャッキー・アール・ヘイリー(『リトル・チルドレン』):CFC、DFC、NYFC、OFC、onFC、SEFC、SFFC
 ②マーク・ウォールバーグ(『ディパーテッド』):BFC、NSFC

 *惜しくもノミネートを逃した男優:ジャック・ニコルソン(『ディパーテッド』)、マイケル・シーン(『クイーン』)

 *前哨戦の結果を踏まえれば、ジャッキー・アール・ヘイリーですが、実在の人物を演じたという意味ではエディー・マーフィーにも目があります。

 *マーフィー、ヘイリー、ウォールバーグは初ノミネート、ハンスゥは2回目、アーキンは3回目。誰が受賞しても初受賞になります。

 ◆最優秀助演女優賞

 ①アビゲイル・ブレスリン(『リトル・ミス・サンシャイン』):onFC
 ①アドリアナ・バラッザ(『バベル』):SFFC
 ③菊地凛子(『バベル』):AFC、CFC、UFC
△⑥ケイト・ブランシェット(“Notes On A Scandale”(リチャード・エア)):DFC、FFC、OFC、PFC、TFC、VFC
○⑧ジェニファー・ハドソン(『ドリームガールズ』(ビリ・コンドン)):BFCA、GG、LVFC、NYFC、NYOFC、SA、SEFC、SLC、WFC

 *まるで新人女優賞のノミネート枠かというようなノミネーションになりました。ブランシェットが3回ノミネート(1回受賞)している以外は、すべて初ノミネートです。
 本命はジェニファー・ハドソン。
 日本人としては、菊地凛子に獲らせたいという気持ちもありますが、彼女は日本を舞台に日本語で演技をしただけ、というのがネックになります。アカデミー賞は、ハリウッドの映画仲間を称える賞という性格が強いですから。

 ◆最優秀脚本賞

 ・アイリス・ヤマシタ、ポール・ハギス(『硫黄島からの手紙』)
 ・ギレルモ・アリアガ(『バベル』)
 ②ギレルモ・デル・トロ(“Pan’s Labrynth”):AFC、onFC
○⑨ピーター・モーガン(『クイーン』) :CFC、GG、LAFC、NSFC、NYFC、NYOFC、SA、SLC、TFC
△⑤マイケル・アーント (『リトル・ミス・サンシャイン』):BFCA、KFC、PFC、SEFC、WFC

 *前哨戦の結果を踏まえれば、ピーター・モーガンです。

 *ポール・ハギスが3回ノミネート(1回受賞)している以外は、すべて初ノミネートです。

 *脚本賞は、『クラッシュ』『エターナル・サンシャイン』『ロスト・イン・トランスレーション』『天国の口、終りの楽園。』などストーリーの面白さ、発想のユニークさで引っ張る作品が選ばれる傾向が強いようです。
 だとすれば、『バベル』や“Pan’s Labrynth”が獲る可能性もなくはありません。

 ◆最優秀脚色賞

 ②アルフォンソ・キュアロン(『トゥモロー・ワールド』):AFC、onFC
○⑤ウィリアム・モナハン(『ディパーテッド』):CFC、KFC、PFC、SA、SEFC
 ・サシャ・バロン・コーエン他(“Borat”)
 ①トッド・フィールド他(『リトル・チルドレン』):SFFC
 ・パトリック・マーバー(“Notes on a Scandal”)

 *アルフォンソ・キュアロンとトッド・フィールドがそれぞれ2回目、他は初ノミネートになります。

 *オリジナルからの飛躍が評価されるとしたら、やはり『ディパーテッド』でしょうか。この部門は作品賞と重なることが多いことも特徴として挙げられます。だとするとやっぱり……?
ちなみに、これまでの受賞作は、『ブロークバック・マウンテン』『サイドウェイ』『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』『ピアニスト』『ビューティフル・マインド』。

 ◆最優秀撮影賞

 ・ヴィルモス・ジグムント(『ブラック・ダリア』)
○⑥エマヌエル・ルベツキ(『トゥモロー・ワールド』(アルフォンソ・キュアロン)) :AFC、CFC、LAFC、LVFC、NSFC、onFC
 ③ギレルモ・ナヴァロ(“Pan’s Labrynth”):BFC、FFC、NYFC
 ②ディック・ポープ(“The Illusionist”(ニール・バーガー)):NYOFC、SDFC
 ・ウォーリー・フィスター (“The Prestige”)

 *ナヴァロとポープが初ノミネート、フィスターが2回目、ジグムントが4回目(1回受賞)、ルベツキが4回目のノミネートになります。

 *『ブラック・ダリア』と『トゥモロー・ワールド』はともに昨年のベネチア国際映画祭のコンペ部門に出品されていて、その時はルベツキがオゼッラ賞(技術貢献賞)を受賞しています。

 ◆最優秀編集賞

 ・アルフォンソ・キュアロン、アレックス・ロドリゲス(『トゥモロー・ワールド』)
○②クリストファー・ローズ他(『ユナイテッド93』):onFC、SDFC
・Douglas Crise、スティーヴン・ミリオン (『バベル』)
 ・スティーヴン・ローゼンブラム(『ブラッド・ダイヤモンド』)
△②セルマ・スクーンメイカー(『ディパーテッド』):LVFC、PFC

 *構成の面白さから言うと、『ユナイテッド93』『ディパーテッド』『バベル』あたりでしょうか。
 近年の受賞作を見てみると『クラッシュ』『アビエイター』『シカゴ』『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』と並ぶので、ちょっと傾向性がつかめません。

 *セルマ・スクーンメイカーは6回ノミネート(『ウッドストック』『レイジング・ブル』『グッド・フェローズ』『ギャング・オブ・ニューヨーク』『アビエイター』。うち『レイジング・ブル』と『アビエイター』で受賞)、スティーヴン・ローゼンブラムは3回ノミネート(『ブレイブハート』『グローリー』)、スティーヴン・ミリオンは2回ノミネート(『トラフィック』)で、他は初ノミネートになります。

 ◆最優秀アート・ディレクション賞(Best Achievement in Art Direction)

 ①エウヘニオ・カバイェーロ (“Pan’s Labrynth”):LAFC
 ・ジャニーヌ・クライディア・オップウォール<art director>、グレッチェン・ラウ<set decorator>、レスリー E. ローリンス<set decorator> (“The Good Shepherd”)
○・ジョン・マイヤー<art director>、 ナンシー・ハイ <set decorator> (『ドリームガールズ』)
 ・ネイサン・クローリー<art director>、ジュリー・オチピンティー<set decorator> (“The Prestige”)
△・リック・ヘインリックス<art director>、シェリル・カラシック<set decorator> (『パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト』)

 *エウヘニオ・カバイェーロ、レスリー E. ローリンス、ナンシー・ハイ、ネイサン・クローリー、ジュリー・オチピンティーが初ノミネート、グレッチェン・ラウとリック・ヘインリックスがそれぞれ3回ノミネートで1回受賞、ジャニーヌ・クライディア・オップウォールは4回ノミネート、ジョン・マイヤーは4回ノミネートで1回受賞、シェリル・カラシックは5回ノミネートになります。

 *近年の受賞作を見てみると、『SAYURI』『アビエイター』『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』『シカゴ』と並ぶので傾向がつかめません。勢いのある作品がこの部門を制するといった感じもあります。『ドリームガールズ』のジョン・マイヤーが受賞すれば、2年連続になります。

 ◆最優秀衣裳デザイン賞

△①パトリシア・フィールド(『プラダを着た悪魔』):SA
 ・イー・チュンマン(“満城尽帯黄金甲”(Curse of the Golden Flower))
 ・コンソラータ・ボイル (『クイーン』)
 ②ミレナ・カノネロ (『マリー・アントワネット』):LVFC、PFC
○・シャレン・デイヴィス(『ドリームガールズ』)

 *ミレナ・カノネロが8回ノミネートで2回受賞、シャレン・デイヴィスが2回ノミネートで、他は初ノミネートになります。

 *近年の受賞作は、『SAYURI』『アビエイター』『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』『シカゴ』で、アート・ディレクション賞と全く同じです。ミレナ・カノネロは、前回『マリー・アントワネットの首飾り』という同じような作品で受賞を逃しています。作品自体の注目度から言えば、『ドリームガールズ』か『プラダを着た悪魔』でしょうか。

 ◆最優秀視覚効果賞

 ①『スーパーマン・リターンズ』:PFC
○②『パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト』:SA、SLC
 ・『ポセイドン』

 *とりたてて『パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト』にあげない理由が思いつきません。

 ◆最優秀メイクアップ賞

 ・アルド・シグノレッティ、ヴィットリオ・ソダーノ(“Apocalypto”)
○・David Martí、Montse Ribé(“Pan’s Labrynth”)
 ・辻一弘、ビル・コルソ(『もしも昨日が選べたら』)

 *この部門は外国人ばかりがノミネートされる部門になりました。

 *アルド・シグノレッティが2回ノミネート、ビル・コルソが2回ノミネートで1回受賞、他は初ノミネートになります。

 *今回のアカデミー賞には、菊地凛子のほかにもう1人日本人(辻一弘)がノミネートされていますが、全く話題にされていないのは、地味な賞だからでしょうか。彼は、1969年京都生まれで、20歳の頃から映画のメイクアップに携わっている、この道20年以上になるベテランです。関わった作品には『スウィートホーム』『八月の狂詩曲』『ミンボーの女』『ワイルド・ワイルド・ウエスト』『グリンチ』『Planet of the Apes 猿の惑星』『メン・イン・ブラック2』『ザ・リング』『ヘルボーイ』『ザ・リング2』があります。大作では複数でアイクアップを担当するのが普通なので、これまではあまり注目されてきませんでしたが、『グリンチ』『Planet of the Apes 猿の惑星』では、師であるリック・ベイカーとともにいくつかの賞を受賞しています。今回ノミネートになった『もしも昨日が選べたら』にもリック・ベイカーは関わっていますが、今回はリック・ベイカー抜きでのノミネートになりました。

 ◆最優秀音響賞(Best Achievement in Sound)

 ・アンディ・ネルソン、アンナ・ベルマー、アイヴァン・シャーロック(『ブラッド・ダイヤモンド』)
 ・ジョン・T・レイズ、ディヴィッド・E・キャンベル、グレッグ・ルドルフ、ウォルト・マーティン(『父親たちの星条旗』)
 ・ケヴィン・オコーネル、グレッグ・P・ラッセル、フェルナンド・カマラ(“Apocalypto”)
○ポール・マッシー、クリストファー・ボーイズ、リー・オーロフ(『パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト』)
△マイケル・ミンクラー、ボブ・ビーマー、ウィリー・B・バートン(『ドリームガールズ』)

 *この部門は技術部門の中でも専門性が強いので、ノミネートされた方もベテランばかり。しかも複数ノミネートが普通なので、ノミネート経験者が多数います。
ノミネートと受賞を順に挙げていくと―
 11、8、4(1)
 4(1)、6(1)、4(2)、1
 17、10、1
 5、5(2)、7(1)
 10、7(3)、7(1)
 これまでの受賞作を見てみると、『キング・コング』『Ray/レイ』『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』『シカゴ』と、迫力の感じられる作品が選ばれているようです。
 ケヴィン・オコーネルは、これまで16回もノミネートされながら1回も受賞していないという残念な記録を持っています。

 ◆最優秀音響効果賞(Best Achievement in Sound Editing)

 ・ショーン・マコーマック、カミ・アスガール(“Apocalypto”)
 ・ロン・ベンダー(『ブラッド・ダイヤモンド』)
△アラン・ロバート・マーレイ、バブ・アシュマン(『父親たちの星条旗』)
 ・アラン・ロバート・マーレイ、バブ・アシュマン(『硫黄島からの手紙』)
○クリストファー・ボーイズ、ジョージ・ウォータース2世(『パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト』)

 *音響賞は録音に関する賞で、音響効果賞はSEなどを扱うポスト・プロダクション関係の賞になります。

 *ジョージ・ウォータース2世が8回ノミネート、アラン・ロバート・マーレイが5回ノミネート、バブ・アシュマンが3回ノミネート、クリストファー・ボーイズが3回ノミネートで1回受賞となっています。
 クリストファー・ボーイズは音響賞とダブル・ノミネートです。

 *近年の受賞作には、『キング・コング』『Mr.インクレディブル』『マスター・アンド・コマンダー』『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』があります。

 ◆最優秀作曲賞(Best Achievement in Music Written for Motion Pictures, Original Score)

○①アレクサンドル・デプラ(『クイーン』):GG(ただし『五彩のヴェール』において)
 ②グスタボ・サンタオラヤ(『バベル』):SA、SDFC
 ①トマス・ニューマン(“The Good German”(スティーヴン・ソダーバーグ)):LVFC
 ②フィリップ・グラス(“Notes on a Scandal”):BFCA、NYOFC(ただし“The Illusionist”において)
 ・ハビエル・ナバレーテ (“Pan’s Labrynth”)

 *トマス・ニューマンが7回目のノミネート、フィリップ・グラスが3回目、グスタボ・サンタオラヤが2回目(前回受賞)となります。

 *アレクサンドル・デプラにはノミネート作のほかに『五彩のヴェール』があり、フィリップ・グラスには“The Illusionist”があります。どれも同じに聞こえてしまいかねない(笑)フィリップ・グラスよりはアレクサンドル・デプラの方が受賞の可能性は高いでしょうか。

 *近年の受賞作には、『ブロークバック・マウンテン』『ネバーランド』『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』『キングダム・オブ・ヘブン』があります。

 ◆最優秀オリジナル歌曲賞(Best Achievement in Music Written for Motion Pictures, Original Song)

 ・"Our Town"(『カーズ』、ランディ・ニューマン)
 ・"Listen"(『ドリームガールズ』、Henry Krieger (作曲)、Scott Cutler (作曲)、Anne Preven (作詞))
○・"Love You I Do"(『ドリームガールズ』、Henry Krieger (作曲)、Siedah Garrett (作詞))
 ・"Patience"(『ドリームガールズ』、Henry Krieger (作曲)、Willie Reale (作詞))
 ・"I Need To Wake Up"(『不都合な真実』、Melissa Etheridge)

 *3曲もノミネートされている『ドリームガールズ』のうちのどれかじゃないかと思いますが、タイトルから"Love You I Do"を本命としてみました。

 *最近の受賞作は、『ハッスル・アンド・フロー』『モーターサイクル・ダイアリーズ』『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』『8マイル』。

 ◆最優秀外国語映画賞

 ・『善き人のためのソナタ』(独、フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク)
 ・“Efter brylluppet”(デンマーク、Susanne Bier)
 ・『Water』(カナダ、ディーパ・メータ)
 ・“Indigènes”(アルゼンチン、ラシド・ブシャル)
○⑪“Pan’s Labrynth”(メキシコ、ギレルモ・デル・トロ):AFC、BFC、FFC、LVFC、NYOFC、OFC、onFC、SEFC、SFFC、SLC、WFC

 *惜しくもノミネートを逃した作品:“Volver”

 *“Pan’s Labrynth”が文句なしに最有力です。

 ◆最優秀ドキュメンタリー作品賞

○⑱『不都合な真実』(デイヴィス・グッゲンハイム):BFCA、CFC、DFC、FFC、KFC、LAFC、LVFC、NBR、NSFC、NYOFC、OFC、onFC、PFC、SEFC、SFFC、SLC、UFC、WFC
 ③“Deliver Us From Evil”(Amy Berg):BFC、NYFC、SA
 ①“Iraq in Fragments”( James Longley):GTHM
 ・“Jesus Camp”(Heidi Ewing、Rachel Grady)
 ・“My Country My Country”(Laura Poitras、Jocelyn Glatzer)

 *『不都合な真実』が断然最有力です。

 ◆最優秀短編ドキュメンタリー賞

○・“The Blood of Yingzhou District”( ルビー・ヤン、トーマス・レノン)
 ・“Recycled Life”(レスリー・イウォークス、マイク・グラッド)
 ・“Rehearsing a Dream”(カレン・グッドマン、カーク・サイモン)
 ・“Two Hands ”( ナサニエル・カーン、スーザン・ローズ・ベール)

 *詳細不詳です。
 ルビー・ヤンは『ジョイ・ラック・クラブ』や『オータム・イン・ニューヨーク』で編集を担当した女性監督。
 レスリー・イウォークスは『ライアー・ライアー』や『ナッティ・プロフェッサー』でアシスタントを務めた方。
 ナサニエル・カーンは『マイ・アーキテクト』の監督。

 ◆最優秀アニメーション作品賞

○⑧『カーズ』(ジョン・ラセター):AFC、BFCA、GG、NBR、OFC、SDFC、SEFC、SLC
△⑥『ハッピー フィート』(ジョージ・ミラー):DFC、NYFC、NYOFC、LAFC、TFC、WFC
 ②『モンスター・ハウス』(ギル・キーナン):FFC、LVFC

 *今回のアカデミー賞で最も注目される部門の1つ。というのは、現在のCGアニメの立役者であるジョン・ラセターは、これまで短編部門での受賞はあっても、長編では特別賞をもらったことがあるだけで、アカデミー賞にアニメーション賞ができてからは長編作品を発表しておらず、受賞の機会がなかったからです。ジョン・ラセターのこれまでの仕事に対する賛辞を贈るとするなら、受賞作は『カーズ』となるでしょう。といっても、ピクサー自体は受賞作が多いのですが。

 *最近の受賞作は、『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』『Mr.インクレディブル』『ファインディング・ニモ』『千と千尋の神隠し』。割とオーソドックスな受賞結果となるようです。

 ◆最優秀短編アニメーション賞

 ・“The Danish Poet”(カナダ)(トリル・コーブ)
○・“Lifted”(米)(ゲイリー・リドストレム)
 ・“The Little Matchgirl”(米)(ロジャー・アレーズ、ドン・ハーン)
△・“Maestro”(ハンガリー)(Géza M. Tóth)
 ・『熱血どんぐりハンター』(クリス・ルノー、メイク・サーメイア)

 *トリル・コーブは『王様のシャツにアイロンをかけたのは私の祖母』に続いて2度目のノミネート。
 ゲイリー・リドストレムは、音響効果の専門家で、これまでアカデミー賞でも8回ノミネートされ、4回受賞しています(『ターミネーター2』『ジュラシック・パーク』『タイタニック』『プライベート・ライアン』)。
 ロジャー・アレーズは、『ライオン・キング』『オープン・シーズン』の監督。ドン・ハーンは『ファンタジア2000』の監督。
 Géza M. Tóthは、“Ikarosz”という短編で評価されているハンガリーの監督。
 『爆笑どんぐり伝説』は、『アイス・エイジ』からの派生作品で、DVD『アイス・エイジ2』にも収められています。クリス・ルノーとメイク・サーメイアは、それぞれ絵コンテとアニメーターという立場で、『ロボッツ』『アイス・エイジ2』に関わっています。
 “Lifted”はピクサー作品、“The Little Matchgirl”はディズニー作品、『爆笑どんぐり伝説』は20世紀フォックス(正確にはブルー・スカイ・スタジオ) 作品となります。
 ちなみに、“Lifted”は今夏公開の『レミーのおいしいレストラン』の併映作品となる予定です。

 ◆最優秀短編賞(実写)

 ・“Binta y la gran idea”(Javier Fesser、Luis Manso)
 ・“Helmer & Son”(Søren Pilmark、Kim Magnusson)
 ・“The Saviour”( Peter Templeman、Stuart Parkyn)
○・“West Bank Story”(Ari Sandel)
△・“Éramos pocos”(Borja Cobeaga)

 *詳細不詳ですが、数々の映画祭で賞を受賞しているのは、“West Bank Story”と“Éramos pocos”です。

 ◆名誉賞(Honorary Award)

 ◎エンニオ・モリコーネ
映画音楽に対する多面的で優れた功績に対して

 その他・技術開発関係の賞も多数あり、こちらは既に受賞者が決定していますが、字数の関係であえなく割愛することになりました。

 (註)音響関係や音楽関係などの賞に関しては、翻訳が統一されておらず、媒体によって異なる表現になっているものが多々見かけられます。最も混乱しているのは、Best Achievement in Soundを音響賞としているものと、Best Achievement in Sound Editingを音響賞としているものがあることですが、当ブログでは前者を音響賞としました(キネ旬と同じ)。

--------------------------------

 作品ごとのノミネート数は―
 『ドリームガールズ』が6部門8ノミネート
 『バベル』が6部門7ノミネート
 『ディパーテッド』と『クイーン』が6部門6ノミネート
 『リトル・ミス・サンシャイン』と『ブラッド・ダイヤモンド』と“Pan’s Labrynth”が5部門
 『パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト』と『硫黄島からの手紙』と“Notes On A Scandale”が4部門ノミネート

 主要6部門(作品賞・監督賞・主演男優賞・主演女優賞・助演男優賞・助演女優賞)を見てみると、『バベル』『ディパーテッド』『クイーン』『リトル・ミス・サンシャイン』がそれぞれ3部門で並びます。

 カンヌ国際映画祭からの流れは、『バベル』、『マリー・アントワネット』、“Volver”、“Pan’s Labrynth”、“Indigènes”。
 ベネチア国際映画祭からの流れは、『クイーン』、『トゥモロー・ワールド』、『ブラック・ダリア』、『プラダを着た悪魔』。

  『バベル』『ドリームガールズ』『リトル・ミス・サンシャイン』が多数ノミネートされていることもあって、今年は比較的フレッシュな顔ぶれが並んでいます。
初ノミネートとなる方も多く、受賞すれば初受賞となる方も多いようです。

 2006年は、『クラッシュ』『ブロークバック・マウンテン』『SAYURI』『キング・コング』がそれぞれ3部門ずつ仲良く受賞部門を分け合う形になりましたが、2007年はさらに細かく部門を分け合う形になりそうです。私の予想では、最多受賞作品は『ドリームガールズ』の3~4部門、次が『クイーン』の3部門です。


 *この記事を読んでアカデミー賞がますます楽しみになった!と思ったら、人気ブログランキングにクリックをお願いします。
 ↓ ↓ ↓ ↓
 


 *当ブログ関連記事
 ・2006年度ナショナル・ボード・オブ・レビュー発表!

 ・アカデミー賞までのスケジュール!

 ・菊地凛子に大注目!

 ・2006年度米国映画賞 スコア表

 ・完全版!第63回ゴールデン・グローブ賞結果発表

 ・見どころなど 第78回米国アカデミー賞!

 ・速報!第79回米国アカデミー賞結果発表!

 ・予想と結果 第78回米国アカデミー賞!

この記事へのコメント

2007年01月27日 01:50
こんばんは☆
記事、お疲れさまでした。

楽しく読ませていただきました。
やっぱり実在の人物を演じると強いですよね~。

フォレストは確実だと思います、
先日試写でこの作品見てきたんですけど
確かに強烈になりきっていました。
様々な賞を受賞してることからも、アカデミー賞だけ逃すというのはありえなさそうです。

メリルには個人的にとってほしいけど、
きっとヘレンミレンでしょうねー。。。。。
どちらにしても楽しみですね♪
umikarahajimaru
2007年01月27日 02:09
migさま
コメント&TBありがとうございました。
メリル・ストリープはアカデミー賞の常連というイメージがありますが、受賞回数自体は案外少なかったですね。
2007年01月29日 20:54
TBさせていただきました。TBありがとうございました。
「ドリームガールズ」が作品賞に入っていなかったのが驚きでした。一番ハリウッドらしい作品と言ったら、「ディパーテッド」かもしれないので、もしかしたら受賞するかもという気がします。マーティン・スコセッシ監督にはリメイクでは受賞して欲しくないです。「グッドフェローズ」「レイジング・ブル」で既にとっていてもおかしくなかったと思います。個人的にはポール・グリーングラスに受賞して欲しいです。メイクでリック・ベイカーのお弟子さんの辻さんがノミネートされていてびっくりしました。よくテレビに出いていたので。技術部門では石岡瑛子さん以来の受賞となるか楽しみです。
umikarahajimaru
2007年01月29日 21:22
ten_years_afterさま
コメントありがとうございました。
私も監督賞はポール・グリーングラスが獲ればいいなあと思うんですが、上にも書いた通り、作品賞にノミネートされてない監督が監督賞を受賞することってないんですよね。

この記事へのトラックバック

  • 第79回アカデミー賞ノミネート発表

    Excerpt: ラジー賞、ときたらアカデミー賞! 今年は日本絡みのノミネートがあって やっぱり嬉... Weblog: 映画/DVD/感想レビュー 色即是空日記+α racked: 2007-01-27 01:15
  • アカデミー賞&ラジー賞 ノミネート発表☆

    Excerpt: 昨日、23日 今年のアカデミー賞ノミネートが発表されました{/ee_2/} 発表はサルマ・ハエック。 まだ昨日観た映画レビューもたまってるので ゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)ノミネートリストも.. Weblog: 我想一個人映画美的女人blog racked: 2007-01-27 01:52
  • 第79回 アカデミー賞 ノミネート発表!!

    Excerpt: 本年度のアカデミー賞ノミネートが発表されました!! *作品賞 『バベル』 『ディパーテッド』 『リトル・ミス・サンシャイン』 『硫黄島からの手紙』 『クィーン』 *監.. Weblog: Sweet* Days racked: 2007-01-27 06:44
  • 第79回アカデミー賞【作品賞】を受賞するのは!?

    Excerpt: 今年も華やかな映画界の祭典! 米アカデミー賞のシーズンがやってきました。 今年の【作品賞】ノミネート作には、 主要キャストに日本人も多数出演しており、 例年以上に興味深い年と言えます。 本命.. Weblog: NERO助@eBet racked: 2007-01-27 08:26
  • 第79回アカデミー賞ノミネート

    Excerpt: 日本勢?からは「硫黄島からの手紙」が作品賞に。 そして,やはり最大のビッグニュースは菊地凛子さんが助演女優賞に! 日本人女優が候補に挙がったのは, 「サヨナラ」のナンシー梅木さん以来49年ぶ.. Weblog: Akira's VOICE racked: 2007-01-27 10:39
  • 一日遅れで第79回アカデミー賞大胆予想!!!(笑)

    Excerpt: 昨日書けよ、ってなツッコミが各所から飛んできそうですが・・・ まぁ、時間のある時にゆっくり語りたいのですよ。。。 とゆーことで、主要部門を大予想します! <font size=&q.. Weblog: 小娘鴉の老婆心 racked: 2007-01-28 00:01
  • 第79回(2006)アカデミー賞ノミネート発表

    Excerpt: またまたやって参りましたこの時期が!昨年は地味めでしたが、今、日本では菊地凛子さんの話題がすごいですね。謙さんや二宮くんは残念でした。二宮くん本人曰く“国際的俳優”になって少しは名前が知られただけでも.. Weblog: 映画鑑賞★日記・・・ racked: 2007-01-28 11:55
  • 第79回アカデミー賞ノミネート発表

    Excerpt: 第79回アカデミー賞ノミネート 作品賞 「バベル」 「ディパーテッド」 「硫黄島からの手紙」 「リトル・ミス・サンシャイン」 「リトル・チルドレン」 「クィーン」 監督賞 ア.. Weblog: ラジオ映画館 racked: 2007-01-29 00:28
  • 79回 アカデミー賞 予想

    Excerpt: アメリカ時間の昨夜、1月23日にアカデミー賞のノミネート作品が発表されました。主だった賞の、下記のように予想をしてみました。管理人の偏見と希望的観測に基づいた大胆予想です。 (自己満足なので、無視して.. Weblog: アリゾナ映画ログ - 砂漠から... racked: 2007-01-29 01:26
  • 第79回アカデミー賞ノミネート作品発表~

    Excerpt: 第79回アカデミー賞ノミネート作品発表    いよいよ今年もアカデミー賞のノミネート作品が発表されました 先立ってアカデミー賞前哨戦のゴールデングローブ賞の発表もありましたが、皆さん.. Weblog: 京の昼寝~♪ racked: 2007-01-29 08:13