『ワン マン バンド』 アンドリュー・ヒメネズ、マーク・アンドリュース

 いや~、見直してみてもやっぱり面白い。
 わかりやすい登場人物、ひねりのきいたオチ、絵画のように美しいディテール。どれをとっても素晴らしい。特にディテールに関しては、ピクサーのこれまでのどの短編よりも細かく丁寧に描きこまれていているように見えます。




 【物語】
 体にたくさんの楽器を身につけた男が、その楽器を使って、噴水のある広場で演奏をしている。
 その前を少女が通りかかり、コインを噴水に投げ込もうとする。
 男は、噴水に投げ込むくらいなら自分にくれないかと少女にアピールする。
 男の演奏を見て、少女がその気になりかけた時、もう1人の演奏者が現れて、彼もまた少女にアピールする。
 少女のコインを巡って、2人の演奏合戦が繰り広げられる。
 しかし、コインは少女の手から落ちてころがり、マンホールの中に落ちてしまう。
 少女は、2人に向かって、どうしてくれるんだと、手を差し出す。
 2人とも一文無しなので、肩をすくめるばかり。
 じゃあ、楽器をちょうだいという少女に、一方が他方のバイオリンを引きちぎるようにして取って手渡す。
 チューニングして、少女が演奏を始めると、どこからともなく彼女の前に大金が投げ込まれる。
 少女は、その中から2枚のコインを取り出して、2人にあげようかどうしようか一瞬思案気な顔をした後、噴水へとコインを高く投げ上げる。
 2人の演奏者は呆然とするばかりだった……。

画像

 文字だけでは、ちょっと伝わりづらい部分もありますが、キャラクターがいいんですね。子どもみたいに懸命になって我を忘れて張り合う2人の演奏者の無邪気さ、そんな2人に翻弄され、とまどう少女の純粋さ、と思うと2人の演奏者よりも彼女が1枚上手だったりするところ……。

 2人の演奏者が実に活き活きとしていて、好きなことで生きている2人に作り手(アニメーター)が自分たちを重ね合わせているんじゃないかとも想像されます。

 ◆監督について
 アンドリュー・ヒメネズ
 サンディエゴ生まれ。5歳の時に観た『スター・ウォーズ』で映画の面白さに目覚める。
 1995年にサンディエゴ州立大学のTV. Film and New Media Production学科卒業。
 大学卒業後すぐには映画の仕事には就けず、OwnerGUARD社で2年間保険の仕事をする。
 映画の仕事に就きたいと言い続け、何度かの面接の後、ようやくワーナー・ブラザーズの面接にたどりつき、それがワーナー・ブラザーズでブラッド・バード監督の『アイアン・ジャイアント』(1999)に関わることにつながる。ワーナーでの『バクテリア・ウォーズ』“Osmosis Jones”(2001)の後、ソニー・ピクチャーズで『スパイダーマン』(2002)に参加。2003年には“The Memory Jar”の監督をする。
 2001年の『モンスターズ・インク』からピクサー作品に主にdegital artistとして関わるようになる。

 1999年 『アイアン・ジャイアント』[digital artist]
 2001年 『バクテリア・ウォーズ』[digital story artist、scene planner]
 2001年 『モンスターズ・インク』[digital artist]
 2002年 『スパイダーマン』[digital story artist、story reel editor]
 2003年 “The Memory Jar”[監督]
 2003年 『ファインディング・ニモ』[additional computer graphics artist]
 2004年 『Mr.インクレディブル』[digital artist]
 2005年 『ワン マン バンド』[監督]
 2005年 “Artscape” [監督]
 2006年 『カーズ』[digital artist]

 *参考サイト
 Pixar Artist’s Corner:http://www.pixar.com/artistscorner/andrew/interview.html
 Popcorn Taxi:http://www.popcorntaxi.com.au/Events.asp?Event_ID=400

 マーク・アンドリュース
 1999年 『アイアン・ジャイアント』[絵コンテ]
 2001年 『バクテリア・ウォーズ』[head of story]
 2002年 『スパイダーマン』[絵コンテ]
 2003年 「スター・ウォーズ クローン大戦」[story、絵コンテ]
 2004年 『Mr.インクレディブル』[head of story]
 2005年 「ジャック・ジャック・アタック」[story]
 2005年 『ワン マン バンド』[監督]

 ◆作品データ
 2005年/4分/台詞なし
 アニメーション
 2005年度アカデミー賞短編アニメーション賞ノミネート
 『カーズ』(2006)劇場公開時に併映
 DVD『カーズ』に併録

 *権利元の要請によっては、You Tube上にある本動画のリンク元がいつ削除されるとも限りません。そういう可能性があることを予めご容赦ください。
 リンク元の動画が削除されたので、新たに動画を探して、再リンクしました(2007年2月3日)。

 ピクサー公式サイト(米国):http://www.pixar.com/index.html
 ピクサー公式サイト(日本):http://www.pixar.com/jp/
 いずれのサイトでも冒頭1分余りをよりクリアな映像で鑑賞することができ、iTunesからダウンロードして購入すれば、全編を観ることができます(ただし、日本版サイトでも日本語字幕なし)。

 *この作品を他の誰かにも教えてあげたいと思ったら、人気ブログランキングにクリックをお願いします。
 ↓ ↓ ↓ ↓
 

 *当ブログ関連記事
 ・アカデミー賞短編アニメーション賞 リスト!

 ・
ピクサーの短編作品についてまとめてみました

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック