『Knick Knack ニック・ナック』 ジョン・ラセター

 ジョン・ラセターがピクサーで発表した4つ目の短編で、長編制作に向かう前の最後の作品。




 前作『ティン・トイ』に続いて、おもちゃの世界を描いた作品ですが、前作がおもちゃの視点で人間世界を描いたのに対して、こちらはそのまま人間に置き換えても変わらないような物語になっています。 

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 前作『ティン・トイ』が多少子ども向けであったのに対して、こちらは少し大人向けというかちょっと俗っぽい感情を描いていて、クスクス笑ってしまいますが、これに顔をしかめる人もいたらしく、当初は大きなバストだった人形の胸が、その後、平べったい胸に修正された、ということもあったようです。

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 ◆監督について

 ジョン・ラセター

 1957年 米国・カリフォルニア州ハリウッド生まれ。

 早くからアニメーションに魅せられていた彼は、高校時代に、ディズニーにアニメーションの仕事に就きたいと手紙を出す。ディズニーは人物描写やデザイン、色などを勉強するよう返事を送る。
 彼が高校を卒業するのに合わせたかのように、ディズニーはthe California Institute of the Artsに新たにアニメーション・プログラムを設け、彼はそこに入学(クラスメートにティム・バートン、ブラッド・バード、ジョン・マスカーがいる)。

 学生時代に“Lady and the Lamp”“Nitemare”を作り、ともに学生アカデミー賞(アニメーション部門)を受賞(http://www.oscars.org/saa/winners/winners.pdf)

 そのままディズニーに入社し、『キツネと猟犬』“The Fox and the Hound”(1981)、『ミッキーのクリスマス・キャロル』(1984)などに関わる。

 1982年の実写映画『トロン』で、彼は、CGに目覚め、アニメーターのグレン・キーンとともに、モーリス・センダックの『かいじゅうたちがいるところ』“Where the Wild Things Are”を映像化した30秒のテスト作品を制作。そこで、手書きのキャラクターをコンピューターとカメラで合成して制御する技術を開発。

 彼はコンピューターに興味を持って、ルーカスフィルムのILMを訪れるようになり、1984年にディズニーを辞めて、1ヶ月だけという予定でルーカスフィルムに加わる。1ヶ月の予定は半年に延びるが、この時に手がけた作品が『ヤング・シャーロック ピラミッドの謎』(1985)で、彼はステンドグラスから騎士が現れる部分のCGに関わる。

 ルーカスフィルムは、コンピューター・アニメーション部門を立ち上げ、それが1986年に独立して、ピクサー・アニメーション・スタジオとなるが、ラセターはその創立に関わり、ピクサーの監督に就任。彼は、数多くのCMの製作・監督を務めながら、1986年に『ルクソーJr.』を発表。アカデミー賞短編アニメーション賞にノミネート。

 『レッズ・ドリーム』、『ティン・トイ』(アカデミー賞短編アニメーション賞受賞)、『Knick Knack ニック・ナック』を経て、1995年にセル画を全く使用しないフルCG 3-Dアニメーション『トイ・ストーリー』を完成させる(アカデミー賞特別賞受賞)。

 ディズニーを辞めても、ラセターはオリジナル・ストーリーやキャラクター担当の作家としてディズニーとの関係は続いていて、それが、『トイ・ストーリー』でディズニーとピクサーが組むきっかけになる。(ここまでYahoo!Movies参照:http://movies.yahoo.com/movie/contributor/1800019798/bio)

 その後の活躍はご承知の通り。現在は、ピクサーの副社長(Vice President)。
各映画賞に、長編アニメーション部門が設置されたのは最近なので(アカデミー賞は2002年(2001年度)から、ゴールデン・グローブ賞は2007年(2006年度)から)、これまでは『トイ・ストーリー』でアカデミー賞特別賞、『トイ・ストーリー2』でゴールデン・グローブ賞ミュージカル/コメディ部門の作品賞にとどまっていた。

 『カーズ』は、ゴールデン・グローブ賞にアニメーション部門が設けられて初めての受賞作品となったわけで、これまではアニメーション賞のノミネートの機会すらなかったアカデミー賞で、CGアニメの第一人者であるジョン・ラセターがアニメーション賞を受賞するかどうかが注目されている。

 【監督作品】
 1979年 “Lady and the Lamp”[短編]
 1980年 “Nitemare” [短編]
 1986年 『ルクソーJr.』[短編]
 1987年 『レッズ・ドリーム』[短編]
 1988年 『ティン・トイ』[短編]
 1989年 『Knick Knack ニック・ナック』[短編]
 1995年 『トイ・ストーリー』[長編]
 1998年 『バグズ・ライフ』[長編]
 1999年 『トイ・ストーリー2』[長編]
 2006年 『カーズ』[長編]
 2006年 『メーターと恐怖の火の玉』[短編]
 2008年 『トイ・ストーリー3』[長編]

 【その他】
 1984年 「アンドレとウォーリーBの冒険」[モデルの1人として]
 1985年 『ヤング・シャーロック ピラミッドの謎』[コンピューター・アニメーション]
 1997年 『ゲーリーじいさんのチェス』[製作総指揮]
 1998年 “It’s Tough to Be a Bug” [製作総指揮]
 2000年 『フォー・ザ・バーズ』[製作総指揮]
 2000年 『バッグス・バニーは永遠に! ~チャック・ジョーンズの贈り物~』[出演]
 2001年 『千と千尋の神隠し』[製作総指揮]
 2001年 『モンスターズ・インク』[製作総指揮]
 2002年 『マイクとサリーの新車でGO!』[製作総指揮]
 2003年 『バウンディン』[製作総指揮]
 2003年 『ラセターさん、ありがとう』[出演]
 2003年 “Exproring the Reef”[製作総指揮]
 2003年 『ファインディング・ニモ』[製作総指揮]
 2004年 『ハウルの動く城』[製作総指揮]
 2004年 『Mr.インクレディブル』[製作総指揮]
 2005年 『ジャック・ジャック・アタック』[製作総指揮]
 2005年 『ワン マン バンド』[製作総指揮]
 2007年 『レミーのおいしいレストラン』[製作総指揮]

 ◆データ
 1989年/4分/台詞なし
 『ファインディング・ニモ』(2003)劇場公開時に併映
 DVD『ファインディング・ニモ』に併録
 『世界と日本のアニメーションベスト150』(ふゅーじょんぷろだくと)で237位。

 【物語】
 スノーボールの中の雪だるまが、ビキニ姿の女性の人形に恋をする。そこで何とかして、パッケージの中から出ようとするが、うまく行かない。勢いあまって、スノーボールがパッケージごと棚から落下。落下しつつあるスノーボールの中から雪だるまは非常口を開けて脱出。
落ちた先は水槽の中。そこでは別の人形が雪だるまに微笑みかけてくれる。雪だるまが喜んで、そちらに向かおうとすると、遅れてスノーボールが落ちてきて、雪だるまはまたその中に納まって、出られなくなってしまう。

 *権利元の要請次第では、いつ観られなくなるとも知れません。その点はご容赦ください。

 動画のリンク元が削除されたので、新たに動画を探して、再リンクしました(2007年2月3日)。

 ピクサー公式サイト(米国):http://www.pixar.com/index.html
 ピクサー公式サイト(日本):http://www.pixar.com/jp/
 いずれのサイトでも作品の一部を鑑賞することができ、iTunesからダウンロードして購入すれば、全編を観ることができます。

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 *当ブログ関連記事
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