あまりにも美しい… 映画『薬指の標本』&オルガ・キュリレンコ

 この映画に関しては、フランスの監督が日本の作家・小川洋子の同名小説を映画化したものというくらいの認識しかなくて、さほど期待してなかったんですが、思いがけずよかったですね、映画『薬指の標本』。小川洋子って、『博士の愛した数式』しか私は読んでいなかったんですが、こういうおとぎ話めいたお話も書けるんですね~。

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 舞台は、標本工房で、そこで働くことになった娘の視点で語られる物語なんですが、顧客がそこに持ち込む“標本にしてもらいたいもの”が、最初は「家の焼け跡に生えたキノコ」とかごくありきたりなものだったのが、「楽譜に書かれた楽曲」とか、「顔に残るアザ」とか次第に非現実的なものにエスカレートしていって、物語がだんだん幻想的になっていく。その不可思議さがなんとも言えず魅力的なんですね。
 どこか『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の頃の村上春樹の世界に近しいものがあり、映画で言うと是枝裕和監督の『ワンダフルライフ』にも通じるものがあるとも思います。

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 標本にするということが、“大事だからとっておく”のではなく、“忘れてしまいたいものだから”であったり、“ケリをつけたいこと”であったりもするようなのですが、あまり論理的に説明されてはいません。元々ガチガチの論理で物語自体が組み立てられてはいないようで、物語の結末から遡って物語全体を論理的に考えようとすると、どうも大事なものがするりと抜け落ちてしまいそうになります。
 あえてこの標本工房が何なのかを言い当てるとするなら、そこは現世と冥界の間にある場所で、「まだ冥界に落ちるというところまではいかない人」がやってきて、“忘れてしまいたいもの”や“忘れてしまった方がいいもの”を吐き出して、すっきりして現世に帰っていくための場所、と言ったらいいか。現世と冥界の間にある場所だから、まだ自分が死んでいることに気がついていないような少年(の亡霊?)が時折顔を覗かせて、遊んでいたりもするわけで……。

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 という風に考えると、同日にユーロスペースのもう一方の劇場で封切られた作品が『奇跡の朝』だったというのは、とても意味深ですね。

 まあ、それはそれとして、この作品をとても魅力的な作品にしているのは、主演のオルガ・キュリレンコに負うところが多いのは、誰しも認めるところだと思います。
 そこで今回は、彼女について調べてみることにしました。

 オルガ・キュリレンコ
 ◆プロフィール
 1979年11月14日、ウクライナのベルジャンスク生まれ。
 身長:175cm バスト:87cm ウエスト:57cm ヒップ:89cm
 靴:39 服:36 髪:ダーク・ブラウン 目:ブラウン(グリーンという説もある) (Source:NEXT MODELS(http://www.nextmodels.com/modules/models/?PHPSESSID=6b5b9178fa1537262becf52097470888&state=model&m_id=126)など)
 13歳の時にモスクワの地下鉄でキャスティング・ディレクターに見いだされ、モデル・デビュー。モデルとして成功を収めたのは16歳でフランスに渡ってから。
本作で女優としてデビュー。
 ルックスは、若い頃のブリジット・バルドーや山田麻衣子に似ています。モデルっぽい濃い目の化粧をすると、ちょっとキャサリン・ゼタ・ジョーンズっぽくも見えます。
 モデルとしてのイメージは、いかにもモデルモデルしたもので、映画『薬指の標本』で見られるイメージとはかなりかけ離れたもの。
 ウクライナ出身でパリで活躍している女優なんて珍しいと思ってしまいますが、同郷の先輩には、ミラ・ジョヴォヴィッチがいます。

 ◆モデルを務めた広告:bebe、Bisou Bisou、Clarins、Evelyn lingerie、Harvey Nichols、Helena Rubinstein、 J J Garella、Just Cavalli、La City、Lejaby lingerie、Sisley、Van Cleef & Arpels、Yamamay, Yves Rocher

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 bebeでのモデル写真:http://www.bwgreyscale.com/ads/bebe.html

 ◆カバーを飾った雑誌:米国版“Glamour”

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 アルゼンチン版“Glamour”

 フランス版“Elle”、“Madame Figaro”、フランス版“Marie Claire”
 (Source:christin schostag(http://www.fashionmodeldirectory.com/models/olga_kurylenko)

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 モデル時代の写真や『マリ・クレール』誌の表紙写真は、例えばここ(Olga Kurylenko homepage:http://supermodels.nl/olgakurylenko)にあります。

 オルガ・キュリレンコに関する写真を集めたファン・サイト:Bellazon.com(http://www.bellazon.com/main/index.php?showtopic=168)(←オルガ・キュリレンコに関する写真を集めたサイトとしてはおそらく世界一!)
 パリ時代に、一世を風靡したのは、ランジェリーのモデルとしてであるようで、そういった写真がかなりあります(いやらしさはなくて、セクシーでかっこいい)。
 ヌード写真もありますが、パリ時代のものはプロのカメラメンの手によると思われるアート系のもの。ロシア時代のものは、ちょっとロリータ・ヌードめいたもので、モスクワでスカウトされたというのは、こういうためのものだったのかとちょっとがっかりしてしまいます。健康的と言えば健康的なヌードですが、質も決して高くはありません。こういう時代もあったというか、こういう時代を乗り越えて、心機一転パリに出て、本格的なファッション・モデルを目指したというのは、一大決心でもあったのでしょうが、それは非常に賢明な判断だったと思われます。

 ※追記:残念ながら上のサイトは削除されてしまったようです(会員制になった?)。
 しかしながら、オルガの写真は、まだ、ここ(http://supermodels.nl/olgakurylenko)とか、ここ(http://www.fashionising.com/forums/t--Olga-Kurylenko-modelling-photospictures-2381-1.html)とかでたくさん見ることができます。

 日本でも知られているマジシャン Marco Tempestの横で、ちょこっとアシスタント的なことをしているオルガの動画もあります(You Tube):http://www.youtube.com/watch?v=HkKc0TfvweA

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 ◆フィルモグラフィー

 ・『薬指の標本』(2005年/仏 監督:ディアーヌ・ベルトラン)
 劇場パンフにも彼女へのインタビュー記事は掲載されていなかったので、ネット上で探してみたのですが、残念ながら私には見つけられませんでした。

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・“La Matinale,”(Episode dated 8 June 2005)(2005年/仏)[TV]

・“Tout le monde en parle”(Episode dated 4 June 2005) (2005年/仏)[TV・トークショー]

 ・『パリ、ジュテーム』(2006年/リキテンシュタイン・スイス・独・仏)
 パリを舞台にしたオムニバス・ストーリー。日本では2007年に東宝東和配給で公開予定。
 オルガが出演しているのは、ヴィンチェンゾ・ナタリのパート('Quartier de la Madeleine')で、彼女の役はヴァンパイア。彼女の犠牲になる役が、なんとウェス・クレイブン。あと、アメリカ人旅行客の役でイライジャ・ウッドも出演しています。

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 インタビュー動画(仏語):http://www.lecnc.tv/default.asp?id=7&mnu=7
 カンヌ国際映画祭の<ある視点>部門で『パリ、ジュテーム』が上映された際のインタビュー映像。「アメリカの監督に作品に出演されてどうでしたか」と訊かれて、「あまり映画の国籍とかは関係ないわ」などと答えているようです。

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 ・Le Porte-bonheur(2006年/仏・スイス 監督:Laurent Dussaux 出演:Pascal Elbé、Atmen Kelif、Béatrice Agenin
)[TV]

 ・Le Serpent(2006年/仏 監督:エリック・バルビエ 出演:Simon Abkarian、イヴァン・アタル、Jean-Claude Bouillon、Clovis Cornillac、Minna Haapkylä) スリラー

 ・Tyranny(2008年/米 監督:John Beck Hofmann 出演:Sarah Coleman 、Mimi Ferrer、Mikael Forsberg、Aric Green) スリラー

 モデル出身、ミラ・ジョヴォヴィッチの後輩であること、ヴァンパイアものにヴァンパイアとして出演していること、などを考えると、リュック・ベッソン映画のヒロインたちに近いポジションにいるのかなあという感じもします。

 ※追記

 ・“Suspectes”[TVシリーズ](2007年/仏 監督:Laurent Dussaux)

 ・『ヒットマン』(2007年/米・仏 監督:ザヴィエ・ジャン)

 ・『007/慰めの報酬』“007/Quantun of Solace”(2008年/英・米 監督:マーク・フォスター)

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この記事へのコメント

とらねこ
2006年10月17日 00:51
こんばんは☆
TBありがとうございました。
そうですよね。男の子が出てくる部分等、きちんと説明のつかないものでありましたよね。
私も、この作品の異次元空間的感覚をだすための御伽噺テイストを、ちょびっと加えただけのものだったと思っています♪

そうですか!『パリ・ジュテーム』が、とても楽しみになりました。
吸血鬼役、というのもあの陶器のような肌を生かせて良いように思われますね♪
ヴィンチェンゾ・ナタリの短編というのも楽しみですー。
かえる
2006年10月17日 18:31
こんにちはん。
この映画って、女性好みなタイプかなーと思っていたんですが、男性でもハマれるんですね。(とある男性ブロガーさん2名ほどはイマイチのような感想だったので。)
日本の小説がこんなにステキなフランス映画になるなんて嬉しいですー。
雪になあれ
2006年10月17日 23:08
TBからやってきました。
あの少年の解釈は凄いですね、そういう風に受け取ると合点がいきますね。
それ以上に驚かされたのは、あの女優さんのモデルの写真・・・
映画ではロリータ的に見えましたが、とんでもない(綺麗な)人なんですね。
umikarahajimaru
2006年10月23日 02:31
とらねこさま
コメント&TBありがとうございました。
『パリ、ジュテーム』は、オリヴィエ・アサヤス、コーエン兄弟、アルフォンソ・キュアロン、ヴィンチェンゾ・ナタリ、ウォルター・サレス、諏訪敦彦、トム・ティクヴァ、ガス・ヴァン・サントなど、そうそうたる監督の競作なんですが、噂によるとアレクサンダー・ペイン篇がなかなかいいらしいですね。
umikarahajimaru
2006年10月23日 02:37
かえるさま
コメント&TBありがとうございました。
まあ、性別というより感受性の問題じゃないかと思うんですけどね。
以前、別のブログをやっていた時、書いてる私のことを女性だと思ってるらしい人がけっこういて、否定もしませんでしたけど、ちょっと困惑しましたねえ。
かえるさんだって、ブログを読むかぎりでは女性っぽい感じはするけれど、「間違いなく女性」っていう確信に至るまではちょっと時間がかかりましたよ(笑)。
umikarahajimaru
2006年10月23日 02:44
雪になあれさま
コメント&TBありがとうございました。
オルガ・キュリレンコは、確かに『薬指の標本』で見せるキャラクターとモデルでのイメージには大きなギャップがありますね。
彼女も、今後、ミラ・ジョヴォヴィッチヤアンヌ・パリローのような活躍を見せるのでしょうか。楽しみです。
みほぽりんご
2007年10月14日 01:01
TBさせていただきますね。彼女!パリジュテームのバンパイアでしたか!パリジュテームも観てましたので思い出しました!
かわいかったです!彼女の美しさが全面的にイイ!
umikarahajimaru
2007年10月14日 16:53
みほぼりんごさま
コメント&TBありがとうございました。
やっぱり『薬指の標本』を観て、オルガ・キュリレンコが気になる方が多いみたいですね。日本に来日することになるような作品にも出てほしいものです。

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