韓国の映画会社について調べてみました!

 韓国映画をある程度観てくると、何度も同じ映画会社のロゴマークに出会います。
漫然と見てるだけでは、その映画会社がどんな映画会社なのかは意識したりはしませんが、きっと映画会社ごとのカラーがあるだろうということは容易に予想がつきます。日本でも、東宝、松竹、東映、アスミック・エース、シネカノン、オズ、アップリンクなど、制作会社によって、作品のタイプが違いますもんね。

 制作会社があって、出資会社があって、配給会社があって、どの会社がどんな形で、その映画に関わっているか。それもその映画会社がどんな会社なのかを示す重要な要素なのですが、こんな基本的な情報すらきちんと整理して記してある(日本語の)データベースはほとんどないに等しい状態です。というわけで、ここで韓国の主な映画会社を調べてみました。
 元々参考にしたデータベースが曖昧だったりもするので、このリストも若干曖昧さを残してしまいますが、とりあえず複数のデータベースからの情報を元にリスト化してみました。リストは、こちら
 リストアップしたのは、基本的には2000年の『シュリ』以降で、日本で公開された韓国映画を手がけた映画会社(制作会社と出資会社(提供元))の主だったものです。

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 韓国映画が日本で注目を浴びたのは、もちろん1999年の『シュリ』ですが、韓国においても『シュリ』の大ヒットは大きく注目されたようで、やりかた次第では韓国映画で大いに当てることも可能だと考えられる契機となり、その結果、多くの投資会社が生まれることになりました。 それらの投資会社の出資による作品からまたヒット作品が生まれ、ブームとなって新しい投資会社や制作会社も設立されるということになりました。だから、今の韓国映画界を支えている映画会社はここ10年以内に設立されたものばかりです。
 シネコンの普及やコンテンツ・ビジネスもこのブームに大いに拍車をかけたようですが、この投資から、制作・配給・上映・2次使用・3次使用までの一連の流れを確立するために、映画会社の吸収・合併もまた頻繁で、日々、再編・再々編に向けて、業界は急速に変化しています。
 大雑把にとらえてみるなら、CJ対シネマサービスの対決の構図に、ショーボックスが参入して、ショーボックス対CJの対決となり、さらに現在では、親会社同士の対決の構図――CJグループ、オリオングループ(ショーボックス)、KTグループ(サイダス)、SKテレコムグループ(iHQ)――となっていると見るのが一般的なようです。

 この辺の話は、シネカノン代表取締役の李鳳宇さんの講演「文化庁主催 第3回コンテンツ流通促進シンポジウム」(http://www.bunka.go.jp/1tyosaku/contents_sympo3/keynote/01.html)がとても詳しく、参考になります。李鳳宇さんは、現在の韓国映画を取り巻く状況を、こんなにわかりやすく話せる方だったんですね。

 ◆韓国映画会社設立の歴史

 1990年
 ・テウォン・エンタテインメント(制作)設立。

 1993年
 ・カン・ウソク・プロダクション(制作)設立。
 ・第一製糖(チェルジェダン)がサムスン(三星)グループから独立。

 1995年
 ・ウノ・フィルム(制作)設立。
 ・シネマサービス(制作・配給)設立。
 ・Film Production 1927(制作)設立。

 1998年
 ・カン・ジェギュ・フィルム(制作)設立。→1999年『シュリ』、2004年『ブラザーフッド』
 ・コリア・ピクチャーズ(投資)設立。→2001年『友よ チング』

 1999年
 ・チューブ・エンタテインメント(投資)設立。
 ・よい映画(制作)設立。
 ・EBMプロダクション(マネジメント)設立。

 2000年
 ・CJエンタテインメント(投資)が、CJのエンタメ部門から独立。→2000年『JSA』
 ・ウノ・フィルムとEBMプロダクションが合併してサイダスが誕生。
 ・通信企業ローカスが、建設会社コアテック・システムを買収して、ローカス・ホールディングスを形成する。
 ・Film Production 1927がゼニス・エンタテインメントに改称。

 2001年
 ・エッグ・フィルム(制作・投資)設立。→2003年『オールド・ボーイ』『ラブストーリー』
 ・チャンオラム・フィルム(制作)設立。→2004年『大統領の理髪師』、2006年『グエムル 漢江の怪物』
 ・シネマサービスがローカス・ホールディングスの傘下に。

 2002年
 ・ショーボックス(投資・配給)設立。→2003年『二重スパイ』、2004年『ブラザーフッド』、2005年『トンマッコルへようこそ』、2006年『グエムル 漢江の怪物』
 ・シネマサービス、KMカルチャー、ショーボックス、IMピクチャーズと業務提携を結ぶ。

 2004年
 ・ゼニス・エンタテインメントがシネマ・ゼニスに改称。

 2005年
 ・サイダスがよい映画と合併し、サイダスFNHとなる。同年、KT傘下に組み入れられる。

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 ちなみに、韓国映画歴代興行ランキング(2006年10月現在)は――

 1位 『グエムル 漢江の怪物』 2006年 投資:ショーボックス 制作:チャンオラム・フィルム

 2位 『王の男』 2006年 投資:シネマサービス、CJエンタテインメント、シネワールド 制作:イーグル・ピクチャーズ

 3位 『ブラザーフッド』 2004年 投資:ショーボックス 制作:カン・ジェギュ・フィルム

 4位 『シルミド』 2003年 投資:コリア・ピクチャーズ 制作:シネ・ラインⅡ

 5位 『JSA』 2000年 制作:CJエンタテインメント、ミョン・フィルム、Intx.com、KTBネットワーク

 6位 『シュリ』 1999年 制作:サムスン・エンタテインメント、カン・ジェギュ・フィルム

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 ◆参考

 1年2年で状況がすっかり変わってしまうものもあるので、既に過去のものになった情報もあるかもしれません。公式サイトで確かめられないものは、できるだけ複数の情報源でチェックしたかったのですが、なかなかそれもかないませんでした。

 参考にしたのは、以下に挙げた日本語サイトと、各映画会社の公式ホームページ(英語サイトがあるものもありましたが、ない場合はウェブ翻訳を利用して「解読」に努めました)、および韓国の映画関係のウェブ記事です。

 ・Contact Numbers for Korean Film Companies(英語):http://www.koreanfilm.org/contacts.html#production

 ・Mr.Showbiz(日本語):http://www.mp3-hollywood.com/showbiz/

 ・CiNELiNE(韓国語):http://www.cineline.net/

 ・Innolife.net(日本語):http://innolife.net/

 ・西村嘉夫(ソチョン)さんの「韓国映画とハングル」~サイト自体は閉鎖されてしまっているようですが、各ページ(データベース)の断片は探せば読むことができます。
 ・輝国山人の韓国映画(日本語):http://www.hf.rim.or.jp/~t-sanjin/korea.html

 ・IMDb(英語):http://www.imdb.com/
 ご存知IMDbですが、韓国映画はタイトルが原音表示なので、検索が非常に難しく、人名も日本語読みとローマ字表記がなかなか一致させづらいので、あまり便利とは言えません。

 *プレナス・エンタテインメント、ローカス・ホールディングス、CJグループ等の動きによくわからない部分があったり、韓国における「投資」「制作」「配給」の関係がどうなっているのかわからなかったりもするので、その点でもいろいろと誤りがある可能性があります。

 *「制作」と「製作」の区別には、まだはっきりと定まったものはないのですが、ここでは、出資(投資)を「製作」(提供)とし、映画の撮影や編集といった実務を行なう方を「制作」として区別しています。

 *リストは、本当なら韓国語ができる方や韓国映画事情に詳しい方に監修していただきたいくらいなのですが、それもかなわないので、今、現状で私ができる精一杯のところです。
 まあ、それでも、他にこういう情報を整理したものはないので、多少なりとも価値があり、より正確で有効なものへのたたき台となればよいと思ってします。

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  • ショーボックスとシネカノンが提携

    Excerpt: こちらの記事によると、ショーボックスは『フラガール』の韓国での配給を機にシネカノンと提携したようです。シネカノンは現在日本で配給するショーボックス作品をどれにするか検討中とのこと。 ショーボックスは.. Weblog: ~遅れてきた韓流~ racked: 2007-04-08 00:39