こういうことなのかなあ~ 映画『インサイド・マン』

まだ封切りから2週間だとはいえ、平日の昼の回でもかなりの入りで、最終回は早い時間に満席になってしまう。『マルコムX』(92)ほどではないにせよ、10年以上ぶりのヒットですね。
ヒットの要因は、デンゼル・ワシントン、ジョディー・フォスターらの豪華出演陣と、内容が銀行強盗を扱った痛快な娯楽作(スパイク・リーによる初めての本格的なサスペンス)であるという触れ込みのせいですね、たぶん。スパイク・リーの名前でお客さんが来るとも思えないので、おそらくは『交渉人』(F・ゲイリー・グレイ監督の方)のような作品を期待して観に来たのではないかと考えられます。
まあ、それはそれなんですが、観終わって、なんだかしっくりしない部分が残ることも確かで (あれはどういうことだったの?とか) 、どうも落ち着きません。劇場パンフもちょっと立ち読みしてみたのですが、エッセイみたいなのばかりで、内容も薄そうだったので買い求めはしませんでした(シナリオが採録されていたらよかったんですが)。
仕方がないので、ここで、ちょっと自力でわかる範囲のことを書いてみたいと思います。
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◆ダルトン・ラッセルの自己紹介の台詞
My name is Dalton Russell, pay strict attention to what I say because I choose my words carefully and never repeat myself. I told you my name, that's the Who. The Where can most readily be described as a prison cell. But there is a vast difference from being stuck in a tiny cell and being in prison. The What is easy, recently I planned and set in motion events to execute the perfect bank robbery, that's also the When. As for the Why, beyond the obvious financial motivation, it's exceedingly simple... because I can. Which leaves us only with the How, and therein, as the bard tells us, lies the rub.
【拙訳】私の名前は、ダルトン・ラッセルだ。私が言うことを注意して聞いてくれ。言葉を選んで言うし、二度と繰り返すつもりはない。名前は言ったな。それがWhoだ。Whereは、ほとんど刑務所の独房のように見えるかもしれない。だが、独房に押し込められてるのではなく、刑務所でもない。Whatは簡単だ。最近私は完璧な銀行強盗を計画して実行に移した。これはWhenでもある。Whyについて。金銭的な動機以上に……これが簡単にできてしまうからだな。残るはHowか。詩人が言うように、“それがやっかいなんだ”。
*字幕(戸田奈津子)では、確か、「ハムレットいわく それが問題だ」というようなものになっていましたが、“therein lies the rub”は確かに『ハムレット』にある有名な台詞のようです。5W1Hを使って状況を説明するっていうやり方っていうのも、何か“上手な説明の仕方”に関するHow to本に書いてあるようなやり方をまねて言ってみた、というようなニュアンスが感じられますが、何気なくシェイクスピアを引用してみせて、学のある銀行強盗であることも示しているようです。
Why部分でだけ一度言いよどんだあと、「簡単にできてしまうからなんだ」というような台詞で逃げているいるわけですが、ここでは「理由は別にあるけど、それは今は言えない」と言っているようにも感じられます。
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◆最初にして最大の疑問は……
ダルトンはただの銀行強盗なのか? 銀行強盗の4人はどういうチームなのか? スパイク・リーはただ“銀行強盗と警察との頭脳戦”を撮りたかったのか?
この疑問にしっくりくる答えは、「ダルトンらは全員ユダヤ人で、この銀行強盗はユダヤ人を犠牲にして金儲けをした銀行家の罪を暴くという大儀を行なうのために実行さわれたもので、スパイク・リーはそうしたユダヤ人の運命を自分たち黒人(もしくは搾取される立場にあるすべての人々)に重ね合わせた」というものです。
『SAYURI』で日本人の役に中国人を使うと言って憤慨した日本人ですが、他の人種や民族に対しては全く無頓着なのもまた日本人なので、ひょっとしたらアメリカの普通の観客はひと目見て、ダルトンたちがユダヤ人であるとわかるのかもしれません。そうすると、以下に私が挙げるようなこともすべて意図通りというか、収まるべきところに収まるように見えるのですが……。
結果から言うと、ダルトンを演じたクライヴ・オーウェンがユダヤ系なのかどうかも調べがつかず、他の強盗仲間役の俳優も名前から言って違うんじゃないかっていう感じですね。
スティーヴ役のカルロス・アンドレアス・ゴメスはどうみてもスペイン系の名前ですし、スティーヴィー役のキム・ディレクターは、単にスパイク・リー作品の常連女優(『ラストゲーム』(98)、『サマー・オブ・サム』(99)、“Bamboozled”(00)、“She Hate Me”(04))だったりします。
“仕事”を依頼したのが、マンハッタン信託銀行会長アーサー・ライスの過去を知る人物で、ダルトンは彼の依頼を受けただけということになるでしょうか。ここらへん、ダルトン(と仲間)の過去が一切明かされていないので、これ以上のことはわかりません。ただ、スパイク・リーが自分なりの理解の仕方で、映画を自分の好きな方に味付けしたということはできるかと思います(元々この映画を監督する予定だったのは、ロン・ハワードだったが、『シンデレラマン』のために降板した)。
・アメリカのユダヤ人エンターティナーのリスト:http://www.answers.com/topic/list-of-jewish-american-entertainers-1
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◆キャスト
ダルトン・ラッセル(銀行強盗の主犯):クライヴ・オーウェン
キース・フレイジャー捜査官:デンゼル・ワシントン
ビル・ミッチェル捜査官(フレイザーの相棒):キウェテル・イジョフォー
スティーヴ(デイヴィッド・ペルツ):カルロス・アンドレアス・ゴメス
*ペルツとして、人質の中にまじり、「こんなことやってられない」と言って、勝手にマスクを取って、強盗たちにわざと痛めつけられる、というパフォーマンスも見せている。
スティーヴィー(メアリー):キム・ディレクター
スティーヴO(オー)(ケネス):ジェームス・ランソン
カイム(ラビ):ベルニー・レイチェル
コリン警部(フレイジャーたちのボス):ピーター・ゲレティ
ジョン・ダリウス警部:ウィレム・デフォー
マンハッタン信託銀行会長アーサー・ケイス:クリストファー・プラマー
マデリーン・ホワイト:ジョディー・フォスター
NY市長:ピーター・キベット
コリンズ巡査部長(最初に銀行強盗に気づいた警官):ヴィクター・コリッチオ
グロスマン(休暇をとっていた刑事)
シルヴィア(フレイジャーの恋人):カサンドラ・フリーマン
ピーター・ハモンド支店長:ピーター・フェッチェット
チャーリー・キム:
グラディス・ペレズ(巨乳の女):ライマリー・アゴスト
ハーマン・グルック(心臓病をかかえる男):ゲイリー・ヴィッキ
ヴィクラム・ウォリア(シーク教徒):ウォリス・オールウォリア
ミリアム・ダグラス(服を脱ぐのに抵抗した女性):マルシア・ジーン・クルツ
ブライアン・ロビンソン(ゲーム機で遊んでいた少年):アミール・アリ・サイード
ケヴィン(元妻がアルバニア人):アル・パラゴニア
イリーナ・マリチア(アルバニア人女性):フロリーナ・ペチュー
ポール・グティエレス(人質の1人、前科者):レイモン・アンダーソン
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◆この映画の隠されたテーマ?
◇この映画では外見や見た目で判断されること、そのことで不利益を強いらされる人があることを繰り返し描いています(黒人もそういう立場にあるといいたいのでしょうが)。
①ターバンを巻いた男性が、すぐアラブ人=テロリストとみなされてしまう。
このシーンで思い出すのは、ジョディー・フォスターが主演した『フライトプラン』にも、アラブ人=テロリストとみなされるシーンがあったことで、ジョディー・フォスターもそうした短絡的な考えや思い込みに危機感を感じているのだと思われます。だから、この映画におけるそういう主張に共感して、出演を決めたのだと思います。
ちなみに、『フライトプラン』と本作のプロデューサーは同じです。
ジョディー・フォスターの役名(苗字)の「ホワイト」にスパイク・リーが無関心のはずもなく、なんらかの象徴的な意味合いが込められていると考えてよさそうです。
②銀行強盗一味は、全員を集めて、まず銀行のスタッフと客に分け、続いて男性と女性に分け、その後、全員を下着姿にして、同じユニフォームを着せ、マスクをつけさせます。
これは、のちの展開のために必要だったりもするのでしょうが、銀行のスタッフと客、男性と女性という区別以外は意味のないものであり、外見を同じにしてしまえば、みんな何ら変わるところがない、と言っているようにも思えます。
③ダリウス警部は、最初フレイジャーたちを軽んじるような態度を取りますが、これはやってきたのがいつもこの種の事件を担当している捜査官と違うから(ダリウスよりもフレイジャーの方が階級が下?)ということもあるのでしょうが、ひょっとすると、いつもの捜査官は白人だったからなのかもしれません。
映画の終りの方で、人質から解放された黒人警備員が手荒な扱いをされて「オレはここの警備員だぞ」と憤るシーンがありますが、地位や身分が示されないと一般的に黒人は疑われるような手荒な扱いを受けるということを象徴的に示しているのかもしれません。
◇この映画では、世界が暴力や争いに満ちていて、人種や民族、考え方の違いで、人が人を殺すことについて考えさせようともしているようです。
①アルバニア大統領エンヴェル・ホッジャの演説
スターリンの信奉者でアルバニアでスターリンのような粛清を実施した人物。指導者間闘争の中で自殺したとされますが、自らも粛清されたという説もあります。ホッジャは独裁者である一方、ナチスから祖国を解放した人物でもあるようです。
エンヴェル・ホッジャに関するWikipedia:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%83%E3%82%B8%E3%83%A3
②銀行強盗がジェット機とパイロットを要求する
これは、ミュンヘン・オリンピックで犯人たちが要求したのと同じ要求で、こんなことがうまくいくはずがないといった趣旨の発言がありますが、この要求こそ、銀行強盗の一味が捜査当局ならびに世間にこの強盗を通じて思い出させようとしたことだと思われます。すなわち、この銀行強盗は、単にお金のためではなく、大儀のために実行したものであるということで、だからこそ、ミュンヘンでの虐殺が引き起こした暗殺劇のようにではなく、一滴の血も流さずに済まさなければならなかったのだと考えられます。
③オープニングとエンディングにかかる音楽
これは、マニ・ラトナムの映画『ディル・セ 心から』で使われた有名な楽曲「チャイヤ・チャイヤ」ですが、これを使うことで、“本作が、生まれと育ちが人をテロリストに変えるという悲劇を描いた『ディル・セ 心から』”へのオマージュを示しているのは明らかです。音楽的には明るく楽しいもので、『インサイド・マン』の作風とはちょっと合わない気もするのですが。
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◆そのほかのちょっとした思いつきなど
・本作には、たくさんの「取引き」が描かれますが、その中でも特に気になったのは、アルバニア人女性が駐車違反の切符をもみ消してくれと取引きを申し出たところで、社会的にも大きな意味を持つ取引きを散々しているわりにはこうした誰も被害を被らないもみ消しには警察官たちも不平を言ったりするわけです。
このシーン自体は、単に笑いを取るシーンなのかもしれませんが、ひょっとすると、アルバニア人(=移民)であるがゆえに不当な扱いを受けて違反キップを切られやすいといった事情も秘められているのかもしれません。
・戦時中にナチスに協力してユダヤ人の資産を吸い上げることで成功を成し遂げたアーサー・ライスのような人物には、きっとモデルがあるはずですが、例えば、こちら(http://inri.client.jp/hexagon/floorA6F_hb/a6fhb500.html)を読むとそれらしい人物のことが何人か書かれてあります。
・行方不明になっていた14万ドル小切手。
事件の決着とともにひょっこり出てきた小切手を、フレイジャーを捜査に引っ張り出すためにダルトンが仕組んだことではないかと書いている方もありましたが、さすがにダルトンもそこまでは考えていないと思います(偶然の要素が多すぎますし)。フレイザーの恋人の弟(軽犯罪の常習犯)がくすねようとしたけど、結局返してきたというのが真相なのではないのでしょうか。
「14万ドルの小切手が紛失したことで左遷された捜査官」を主人公に据えるというのは、最初からエリート捜査官と分かっている捜査官ではなく、そういう微妙な立場にある人物を主人公にすることによって生まれるドキドキ感で、映画をより面白くしようとしたという、ちょっとした仕掛けというところでしょうか。
・犯人グループが要求に猶予を与えるために出したクイズ
「1年間にグランド・セントラル・ステーションを通過する電車の総重量と、現在米国内で流通する紙幣に使われる木材の重量では、どちらが重いか?」
答え:どちらも同じで0グラム。グランド・セントラル・ステーションは駅ではなく郵便局で、駅の方はグランド・セントラル・ターミナルであり、米国紙幣は木材ではなく、綿花で作られているから。
このクイズには特にメッセージ性はなく、ただのクイズのようです。
参考:グランド・セントラル・ターミナル http://www.grandcentralterminal.com/pages/default.aspx
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◆スパイク・リーのフィルモグラフィー
・Last Hustle in Brooklyn (1977)
・The Answer (1980)
・Sarah (1981)
・ジョーズ・バーバー・ショップ Joe's Bed-Stuy Barbershop: We Cut Heads (1983) 日本配給=ユーロスペース
・シーズ・ガッタ・ハブ・イット She's Gotta Have It (1986) 日本配給=KUZUI+シネセゾン
・スクール・デイズ School Daze (1988) ビデオのみ
・ドゥ・ザ・ライト・シング Do the Right Thing (1989) 日本配給=UIP
・モ’・ベター・ブルース Mo' Better Blues (1990) 日本配給=UIP
・ジャングル・フィーバー Jungle Fever (1991) 日本配給=UIP
・マルコムX Malcolm X (1992) 日本配給=UIP
・クルックリン Crooklyn (1994) 日本配給=UIP
・クロッカーズ Clockers (1995) 日本配給=UIP
・キング・オブ・フィルム 巨匠たちの60秒Lumière et compagnie (1996) ビデオのみ
・ガール6 Girl 6 (1996) 日本配給=20世紀フォックス映画
・ゲット・オン・ザ・バス Get on the Bus (1996) 日本配給=アップリンク
・4 Little Girls (1997) ドキュメンタリー
・ラストゲーム He Got Game (1998) 日本配給=クロックワークス
・Freak (1998) (TV)
・Pavarotti & Friends for the Children of Liberia (1998) (TV)
・Pavarotti & Friends 99 for Guatemala and Kosovo (1999) (TV)
・サマー・オブ・サム Summer of Sam (1999) 日本配給=ブエナ・ビスタ
・And Ya Don't Stop: Hip Hop's Greatest Videos, Vol. 1 (2000) (V) (video "Fight the Power")
・キング・オブ・コメディ The Original Kings of Comedy (2000) WOWOWにて放映
・Bamboozled (2000) デイモン・ワイアンズ、ジェイダ・ピンケット・スミスら出演
・The Making of 'Bamboozled' (2001) (V)
・A Huey P. Newton Story (2001) (TV)
・The Concert for New York City (2001) (TV) (segment "Come Rain or Come Shine")
・Come Rain or Come Shine (2001) ドキュメンタリー短編
・Jim Brown: All American (2002) (TV)
・「ゴアVSブッシュ」(10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス)Ten Minutes Older: The Trump et (2002) (segment "We Wuz Robbed") 日本配給=日活
・25時 25th Hour (2002) 日本配給=アスミック・エース
・セレブの種 She Hate Me (2004) アンソニー・マッキー、ケリー・ワシントン、エレン・バーキン、モニカ・ベルッチら出演 *2006年9月日本公開予定
・Sucker Free City (2004) (TV)
・"Miracle's Boys" (2005) (mini) TV Series (episodes 1 and 6)
・Jesus Children of America (2005) 短編
・All the Invisible Children (2005) リドリー・スコット、エミール・クストリッツァ、ジョン・ウーら8人の監督によるオムニバス映画
・"Shark" Pilot (?) TV Episode
・インサイド・マンInside Man (2006) 日本配給=UIP
スパイク・リー作品は、日本ではこれまでいろんな配給会社によって配給されてきていますが、このごろでは、テレビ作品や短編、ドキュメンタリーはともかく、普通のフィクションでも日本未公開に終わる作品が多くなってきています。比較的買いやすいけれど、(黒人による黒人のための映画という趣が強かったり、アジテーションのための映画だったりもするので、)なかなか結果も出ず、続けて買う気にはなれないということでしょうか。
本作には、自作“Bamboozled”からの引用があるらしいのですが、残念ながら未公開なのでわかりはしません。
追記:改めて
「解答編!」
を書いてみました。よかったらこちらをご覧ください。http://umikarahajimaru.at.webry.info/200607/article_5.html
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この記事へのコメント
私はいつも表面しか観ていなくって、とても参考になりました。
この映画、あまり評価は高くないようですが、私としては「クラッシュ」よりも気に入りました。
いろいろ調べてますね~
>最初にして最大の疑問は……
↑
ここの部分ですが犯行に関係している人間がもう一人・・・その人が分かればもうちょっと違った解釈が生まれてくるかもしれませんよ!!
自分は1回目じゃ気づきませんでした(´・ω・`)
見ている間はとても楽しめたのですが、数々の疑問を残す作品でもありましたね。
最大の疑問である犯人の正体について少し分かったような気がします。
さすがにスパイク・リーはいろんなことを盛り込んでいますね。
TBありがとうございました。
詳しく調べていらっしゃるのですね。
興味深く読みました。
久しぶりにスパイク・リー監督のスマッシュヒットを観ることができました。
たくさんの隠れたメッセージや隠喩を含んだ大人向けの映画だと思いました。
凄い情報量ですね。参考になります。
「取引」もこの映画のポイントですね。犯人は誰かと取引をしてる…という事を暗示してるのかも知れません。考えるほど、奥の深い映画だと思います。
私は、あの小切手14万ドルは、マデリーン・ホワイトが警察のトップに手を回したものと解釈しておりました。
要するにフレイジャーの、憂いの種は消えてなくなった、これでこの件は"解決”とみなし、黙っているように、と・・・。
マデリーンの後ろ盾の大きさ、もしくはケイスの手も借りてしたものだと・・・。
ここで手を引いていれば刑事として安泰ですからね。
だがフレイジャーは、それを選ばず、戦うことを選んだのだ、と・・・。
興味深く読ませていただきました!
私の頭はこの映画についていっていなくて、
表面的な部分しか見えていませんでしたが、
こちらの記事を拝見して、もう一度観てみたくなりました・・・。
いつもながら明快なる分析に胸がすく思いで読ませて頂きました。
今回は私の悪い頭でもだいたいは読み解けていたようですが、チャイヤチャイヤの歌まで意味があったとは知りませんでした~。情報感謝致します!!!!
コメントありがとうございました。
『交渉人』あたりを期待すると、確かに期待とは違ったという人もいるのでしょうが、けっこう読みどころ満載の映画だと思いました。上にも書きましたが、このところスパイク・リーの映画は日本未公開のまま終わってしまうことも多いですし。
コメント&TBありがとうございました。
ラビ役のカリムのことじゃなくてですか?
イヤホンで警察のやりとりを盗聴していたのは彼らしいのですが。
コメント&TBありがとうございました。
この映画が、ダルトンが観客に語りかけるスタイルになっているというのは、観客に対しての挑発(頭脳戦)であり、伝えたいメッセージがあるのだと示していると受け取れますね。
コメント&TBありがとうございました。
私としては「真面目な映画ではなくて、娯楽映画」ではなくて、「娯楽映画だけれど、メッセージ性がある映画」だという風に受け取りました。
コメント&TBありがとうございました。
そうか、そうですね。そう考えると「血を一滴も流さない」原則に合いますね。
コメント&TBありがとうございます。
ノベライズをパラパラ立ち読みしてみたのですが、ノベライズでは小切手ではなくて、「取引き現場にあったお金」ということになっていて、それをつかまった麻薬ディーラーが、フレイジャーを貶めるために「現場に14万ドルあった」と言っているだけのようです。
コメントありがとうございました。
いや~、私もいろんなコメントをいただいて随分勉強させていただいております。
コメント&TBありがとうございます。
2度以上観た方のブログを読むと、一度観ただけではわからない仕掛けがあるみたいですね。
こちらからのTBが反映されないようですで、コメントだけ失礼しますね。
ダルトンたちがユダヤ人だったというのはありえますよね。監督はそういう人種問題を扱う人だし。ターバンを巻いた人がアラブ人と間違えられて罵倒されるシーンは印象的でした。
コメントありがとうございます。
この強盗を起こしたのがなぜ今なのかということもあって、問題の“ブツ”のありかがみつかるまでに60年かかっちゃったということも考えられると思います。ということにしても、探し当てた人と手引きした人が必要なんですが。
ダルトンは彼から依頼を受け犯行に及んだ。
簡単なヤマだから。
最終的に黒幕の思い通りにはことは運ばなかった。
なぜ黒幕が交渉人に指輪の回収を頼まなかったか?ハーケンクロイツの刻印されて書類の存在が劇中希薄になっていくハーケンクロイツの刻印されている書類。語られることのない書類に関する逸話。あの書類は本物だったのか?
貸し金庫392の中身は黒幕しか知りえないもの。歳を重ね、自身の人生を誇れるものにしたい、人類の発展に貢献したと自分の人生を評価する黒幕。
消したい過去。自分の手を汚さず、人目にふれずにあれを始末するには?
ダルトンらが得た報酬は392のダイヤ。それだけは被害額としてカウントされないことを知っていた。
被害額ゼロとして早々に打ち切られる捜査。
被害額を調べる中で、392の中身にたどり着く警察。餌をちらつかせ丸め込もうとする交渉人。
などなどいろいろ考えるとおくが深い。
すべてが計画どおり。
ダルトンが貸し金庫に指輪を残すのを除いて・・・
長いコメントありがとうございました。
でも、ほのめかしが多くて、よくのみ込めないんですが(苦笑)。
貸金庫No.392の持ち主は、一般的にはケイスであったと思われていると思うのですが、ケイスのものではなかったということでしょうか。ケイスの過去を知る人物がそれを使ってケイスを強請っていたということ?
自分にとってまずい書類であれば処分してしまえばいいわけで、わざわざ貸金庫に取っておく必要はありませんものね。
ケイス自身もその書類の行方を探っていたということになるでしょうか?
今、ユダヤ人と映画のことをちょいと調べて、書き物を考えていたので、とても勉強になりました。
我々日本人は、本当に他の国の人種には無関心なのですが、あちらの人はユダヤ人というのは名前かなんかですぐに分かるのでしょうかね、そこが知りたい。だとすると、どんなイメージを抱くのか、どういう存在なのか。
またまたコメントをくださり、どうもありがとうございました。
それで、これまでにいただいたTBやコメントを参考にいろいろ考えた結果、『インサイド・マン』に関してはもう一度記事を書くことにしました。コメントに対するレスはそちらに代えさせていただきたいと思います。どうぞよろしく!
コメントありがとうございます。
ユダヤ人かどうかの判別は、まず「顔」だと思いますよ。欧米人の間では感覚的にユダヤ人っぽいルックスのイメージっていうのがあるようですから。映画『ミュンヘン』を観るとこれがそうなのかなあというのが多少わかったりします。でも、そういうのは差別的とも受け取られてしまうので気をつけなければなりませんが。
名前に関しては、ユダヤ人っぽいものもあるようですが、基本的には名前だけで判断することは難しいようです。私が聞いた話では、名前(苗字)の中に金属(ゴールドとかシルバーとか)が入っているものはユダヤ人である可能性が高いそうです。
他人の考察って、自分の気づかない事が沢山
述べられていて、違った角度から作品の事を
考える事ができます。
私は洞察力が足りなくて人から教えられる事
ばかりです。
コメントありがとうございました。
数記事後に書いた「解答編」の方もよかったら覗いてみてきださい。