そんな映画なら観たくなるでしょ?!

 案外、饒舌なんですねえ、というのが最初の感想。
 何がかというと、某映画の披露試写会の後で行なわれたティーチ・インでの三池崇史監督のこと。
 マスコミ向け完成披露試写なので、その「某映画」が何かということはぼかしますけど(まあ、ちょっと調べればわかることなんですが)、試写会場は三池監督の新作への期待と出演俳優の舞台挨拶があるということもあってか、真っ昼間の披露試写であるのにも拘らず、大入り満員でした。異空間を物語の舞台に見立てる美術や照明、凝りに凝った脚本、奇抜な衣裳……。ラース・フォン・トリアーを意識したわけでもないでしょうが、『エレメント・オブ・クライム』+『ドッグヴィル』かっていうような作品世界で、あまりにも斬新な作品でした!
 なもので、わけがわからないものを観せられたと困惑顔の業界関係者は、映画上映後すぐ、3分の2近くは帰ってしまいました。そのあとのティーチ・インがとっても面白かったのに。ちょうど同じ時間に『ダ・ヴィンチ・コード』の披露試写が予定されていたっていうこともあるんでしょうが(笑)。

 で、ティーチ・インの話。
 その新作が何を意図して、どういう風に作られたのかっていう話も面白かったんですが、興味をそそられたのは、もうすぐ劇場公開を予定されている三池作品『インプリント』について話された部分。
 『インプリント』は、岩井志麻子原作の『ぼっけえ、きょうてえ』が原作で、アメリカのテレビ・シリーズ「マスターズ・オブ・ホラー」の1本として企画されたテレビ作品です。
 「マスターズ・オブ・ホラー」は、ダリオ・アルジェント、トビー・フーパー、ジョン・マクノートン、ジョン・カーペンターなど、ホラーで一時代を築いた映画監督たちにテレビ局が企画発注した全13本のシリーズ。
 ところが、これ、内容に問題あり、ということで、『インプリント』だけ、放映予定日も決まっていたのにも拘らず、放映禁止になっちゃったんだそうです。13本の「13」ということにももちろん意味があったのに、「すいません、12本になっちゃいました」ってテレビにおわびの告知を出さなければなくなったんだとか(もちろん英語で)。
 原作は、土着的というか、おどろおどろしくて、そこが魅力でもあったんですが、それを差別的ととらえられたのかもしれません。映像化できたら凄いけど、映像化できるのかなっていう内容だったんですが、やっぱりねえ……。

 原作である『ぼっけえ、きょうてえ』は、私も、出版されてすぐ、話題になってた頃に読んで、まずその文学的レトリックに驚かされたものですが、にもかかわらず、岩井志麻子は、それ以降、そういった文学的レトリックに頼らない、作品世界のユニークさで読ませる作品を相次いで発表し、私もすっかり魅了されてしまいました。彼女がテレビのバラエティ番組に頻繁に出ることだけはどうかと思うんですが、こういう独特の作品世界を持った「天才作家」がさらっと出てくるなんて、まだまだ日本も捨てたもんじゃないと思わされたものです。

  で、『インプリント』の日本での扱いについて。
 日本ではスカパーで放映可(5月8日~31日に、マスターズ・オブ・ホラー全13本放映)になったのですが、これを劇場公開しようとして、映倫に持っていったら、またひと悶着あったんだそうです。
 配給サイドでは、R-18、すなわち成人映画指定になるかもしれないと予想しつつも、映倫の審査を受けたんですが、R-18でもダメ、R-18でも通せないって言われたって。映倫の審査が通せないっていうことは、つまり、全国興行生活衛生同業 組合連合会(全興連)に加盟している日本の映画館(ということはほとんどの日本の映画館)では上映できないっていうことで、何箇所か直せば通るってものじゃないらしいんですね。
 以前、『牛頭 GOZU』の時にも何かそうした騒ぎがあったようなんですが、三池監督にとっては、また勲章が増えたというようなものでしょうか。でも、観られない、観せられないと言われると、ますます観たくなるのが人情です。そんなに凄い映画って、いったいどういう映画なんだろうって。

 最終的には、5月27日~6月13日まで、シアター・イメージフォーラムで限定レイトショーが実現したんですが、シアター・イメージフォーラムって、そういう映画館(映倫を通らないような“アブナイ映画”をかけられる映画館)だったんだということも今回初めて知りました。
 そういえば、(シアター・イメージフォーラムに関しては)思い当たるフシ(作品)がいくつもありますね。現在上映中の『ドッグ・デイズ』にも映倫マークはなく、「これ、大丈夫なの?」っていう映像がありましたし。結果的に、シアター・イメージフォーラムが、私の中でちょっとランク・アップすることにもなりました。

 『インプリント』観たいな。私は観に行きますよ!

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 ぼっけえ、きょうてえ

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