予想と結果 第78回米国アカデミー賞!

 第78回米国アカデミー賞が発表になりました。
 以前に私が予想した19部門のうち、本命・当確が当たったのは7部門、対抗まで含めると10部門、ハズレが9部門でした。
 どれが受賞してもいいような部門は、どれが受賞してもよかったんですが、やっぱり作品賞だけはちょっと意外でした。
 作品賞・監督賞・主演&助演賞の6部門は、すべて異なる作品で賞を分け合う形になっています。
 今回のアカデミー賞は、「バランスのよさ」が特徴で、最多受賞が3部門で、なんと4作品もあります。
 本命だった『ブロークバック・マウンテン』は、監督・脚色・音楽が評価されて、3部門受賞。
 『SAYURI』は芸術性が評価されて3部門受賞。
 『クラッシュ』は作品と編集が評価されて3部門受賞。
 『キング・コング』は音響と視覚効果が評価されて3部門受賞。
 こんなにうまい具合に各賞がバラけたのも珍しいんじゃないでしょうか。日本の配給会社でも、ソニー・ピクチャーズ(元々賞に絡んでいない)以外は、うまく各賞を分け合った感じになりました。


 ◆最優秀作品賞
 ・『ブロークバック・マウンテン』 G、S 、NY、LA 本命
 ・『カポーティ』 全
 ◎『クラッシュ』
 ・『グッドナイト&グッドラック』 NBR 対抗
 ・『ミュンヘン』

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 *監督の年齢とか初監督作品であるとかは関係なかったみたいですね。考えてみれば、今のアメリカの現実というか、抱えている問題を直接描いた作品はこれだけでした。
 日本では2年連続で、ムービーアイ・エンタテインメントが作品賞を当てたことになります。
 すべての映画賞で『ブロークバック・マウンテン』が作品賞を受賞しても、アカデミー賞では厳しいのではないか、という私の予想は当たってしまいました。もの凄い追い風が吹いていたのに、それでもダメでしたね。アン・リー監督はどう思ってるのでしょうか? 「次の機会」は巡ってくるのでしょうか。
 『ブロークバック・マウンテン』は、追い風もあって、日本でも拡大公開が続々決まっていましたが、大丈夫でしょうか。ちょっと心配です。

 ◆最優秀監督賞
 ◎アン・リー(『ブロークバック・マウンテン』) G、NBR、S 、NY、LA 本命
 ・ベネット・ミラー(『カポーティ』)
 ・ポール・ハギス(『クラッシュ』)
 ・ジョージ・クルーニー(『グッドナイト&グッドラック』) 対抗
 ・スティーブン・スピルバーグ(『ミュンヘン』)

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 *予想通り!

 ◆最優秀主演男優賞
 ◎フィリップ・シーモア・ホフマン(『カポーティ』) G、NBR、全、S、 LA 当確
 ・テレンス・ハワード(『Hustel & Flow』) S
 ・ヒース・レジャー(『ブロークバック・マウンテン』) NY
 ・ホアキン・フェニックス(『ウォーク・ザ・ライン 君へつづく道』) G
 ・デビッド・ストラザーン(『グッドナイト&グッドラック』)

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 *予想通り!

 ◆最優秀主演女優賞
 ・ジュディ・デンチ(『Mrs. Henderson Presents』)
 ・フェリシティ・ハフマン(『トランスアメリカ』) G、NBR、S 本命
 ・キーラ・ナイトレイ(『プライドと偏見』)
 ・シャーリーズ・セロン(『スタンドアップ』)
 ◎リース・ウィザースプーン(『ウォーク・ザ・ライン 君へつづく道』) G、S、全、NY 対抗

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 *「実在の人物を演じると賞を獲りやすい」傾向が出ました。主演男優賞と同じですね。

 ◆最優秀助演男優賞
 ◎ジョージ・クルーニー(『シリアナ』) G 対抗
 ・マット・ディロン(『クラッシュ』)
 ・ポール・ジアマッティ(『シンデレラマン』)
 ・ジェイク・ギレンホール(『ブロークバック・マウンテン』)NBR 本命
 ・ウィリアム・ハート(『ヒストリー・オブ・バイオレンス』)NY、LA

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 *ハリウッド映画人の、どこかでジョージ・クルーニーを評価しておきたかった(賞をあげておきたかった)という気持ちがこの結果となりました。

 ◆最優秀助演女優賞
 ・エイミー・アダムス(『Junebug』) 全 本命
 ・キャサリン・キーナー(『カポーティ』) LA
 ・フランシス・マクドーマンド(『スタンドアップ』)
 ◎レイチェル・ワイズ(『ナイロビの蜂』) G
 ・ミシェル・ウィリアムズ(『ブロークバック・マウンテン』)

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 *「悲劇の妻役」だそうです。

 ◆最優秀オリジナル脚本賞
 ◎『クラッシュ』
 ・『グッドナイト&グッドラック』 S
 ・『マッチ・ポイント』
 ・『イカとクジラ』 NBR、全、NY、LA 当確
 ・『シリアナ』

 *案外順当でした。

 ◆最優秀脚色賞
 ◎『ブロークバック・マウンテン』 本命
 ・『カポーティ』
 ・『ナイロビの蜂』
 ・『ヒストリー・オブ・バイオレンス』
 ・『ミュンヘン』

 *予想通り!

 ◆最優秀外国語映画賞
 ・『Don't Tell』(イタリア)
 ・『戦場のアリア』(フランス)
 ・『Paradise Now』(パレスチナ) G、NBR 当確
 ・『白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々』(ドイツ)
 ◎『Tsotsi』(南アフリカ)

 *これでこの作品も日本公開される可能性が高くなったと言えるかもしれません。

 ◆最優秀美術賞
 ・『グッドナイト&グッドラック』 S
 ・『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』
 ・『キング・コング』 本命?
 ◎『SAYURI』
 ・『プライドと偏見』

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 *以下3つの賞で、『SAYURI』は大健闘なんですが、「内容はダメだが、スタッフは頑張ってる」(あるいは「アジア人はダメだったが、『シカゴ』のスタッフはやっぱり凄かった」)っていうことでしょうか。

 ◆最優秀撮影賞
 ・『バットマン・ビギンズ』 本命?
 ・『ブロークバック・マウンテン』
 ・『グッドナイト&グッドラック』 LA
 ◎『SAYURI』
 ・『ニュー・ワールド』

 ◆最優秀衣裳デザイン賞
 ・『チャーリーとチョコレート工場』
 ◎『SAYURI』
 ・『Mrs. Henderson Presents』
 ・『プライドと偏見』 S
 ・『ウォーク・ザ・ライン 君へつづく道』 本命

 ◆最優秀編集賞
 ・『シンデレラマン』
 ・『ナイロビの蜂』
 ◎『クラッシュ』 本命
 ・『ミュンヘン』
 ・『ウォーク・ザ・ライン 君へつづく道』

 *予想通り!

 ◆最優秀メイクアップ賞
 ◎『ナルニア国物語 第1章 ライオンと魔女』 本命
 ・『シンデレラマン』
 ・『スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐』

 *予想通り!
 『スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐』は無冠に終わりました。

 ◆最優秀作曲賞
 ◎『ブロークバック・マウンテン』 本命?
 ・『ナイロビの蜂(仮題)』
 ・『SAYURI』 G
 ・『ミュンヘン』
 ・『プライドと偏見』

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 *予想通り!

 ◆最優秀オリジナル歌曲賞
 ・“In the Deep”(『クラッシュ』)
 ◎“It's Hard Out Here for a Pimp”(『Hustel & Flow』)
 ・“Travelin' Thru”(『トランスアメリカ』)

 *内容不詳につき……。

 ◆最優秀音響賞
 ・『ナルニア国物語 第1章 ライオンと魔女』
 ◎『キング・コング』
 ・『SAYURI』
 ・『ウォーク・ザ・ライン 君へつづく道』 本命?
 ・『宇宙戦争』

 *『キング・コング』って、映像と音響の迫力はあったということでしょうか?

 ◆最優秀音響編集賞 ◎『キング・コング』 本命?
 ・『SAYURI』
 ・『宇宙戦争』

 ◆最優秀視覚効果賞
 ・『ナルニア国物語 第1章 ライオンと魔女』 本命
 ◎『キング・コング』 対抗
 ・『宇宙戦争』

 *スピルバーグも無冠に終わりました。

 ◆最優秀短編作品賞
 ・“Ausreisser (The Runaway)”
 ・“Cashback” (The British Film Institute)
 ・“Our Time Is Up”
 ◎“Six Shooter” (Sundance Film Channel)

 ◆最優秀長編ドキュメンタリー作品賞
 ・『Darwin's Nightmare』
 ・『Enron: The Smartest Guys in the Room』
 ◎『皇帝ペンギン』 NBR
 ・『Murderball』
 ・『Street Fight』

 ◆最優秀短編ドキュメンタリー作品賞
 ・“The Death of Kevin Carter: Casualty of the Bang Bang Club”
 ・“God Sleeps in Rwanda”
 ・“The Mushroom Club”
 ◎“A Note of Triumph: The Golden Age of Norman Corwin”

 ◆最優秀長編アニメーション作品賞
 ・『ハウルの動く城』 NY 対抗
 ・『ティム・バートンのコープスブライド』 NBR 本命
 ◎『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』 LA

 *『ウォレスとグルミット』とアカデミー賞は相性がいいっていうことですね。日本でも春映画の目玉になるかもしれません。

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 ◆最優秀短編アニメーション作品賞
 ・“Badgered”
 ◎“The Moon and the Son: An Imagined Conversation”
 ・“The Mysterious Geographic Explorations of Jasper Morello” (Monster Distributes)
 ・“9”
 ・“One Man Band”

 ちなみに、yahoo!での予想はこちら(http://oscars.movies.yahoo.com/nominees/;_ylt=AlUlqAJ_mA8e7UoHBaPhHmR2VLcF)。ハズすところは、やっぱりハズしちゃいますよね。

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この記事へのコメント

2006年03月06日 22:56
こんばんわ。
いつもスゴイ情報量で、参考にさせていただいてます。ありがとうございます。
今回、ホントにうまいことバラけましたね。
っていうか、そこに細心の注意を払ったって感じ。
こちらでも、そして私もご贔屓のミシェル・ウィリアムズ。
獲れないとは思ってましたが、キレイでしたね~。
映画やドラマではキュートって感じですが、今日は美しかったです。

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