ジェシカ・アルバが魅せる!『イントゥ・ザ・ブルー』

画像 『イントゥ・ザ・ブルー』は、ポール・ウォーカー(『ワイルド・スピード』)、ジェシカ・アルバ(『シン・シティ』)主演の最新ハリウッド映画で、アメリカ本国でも9月30日に封切られたばかりの作品です。

 各国での封切日を調べてみると、10月5日フィリピン、6日シンガポール、13日アルゼンチン・ドイツ・イスラエル、14日オーストリア・メキシコ、20日オーストラリア、21日イギリス、11月2日ベルギー・フランス、4日スペイン、5日日本、……。
 これを見ればわかるように、全世界同時公開型で公開される映画会社イチオシ作品です。

 製作が、コロンビア、マンダレイ、MGMの3社で、米国内配給をコロンビアが、その他全世界配給を20世紀フォックス映画が手がけています。どのくらい期待度が高い作品かというと、アメリカでのスタートが2789スクリーンで、これはその週に公開された新作の中では最多。イギリスでも210スクリーンで封切られています。

 公開週の週末のBOXOFFICEは、
 1位 フライトプラン(ジョディ・フォスター主演)
 2位 Serenity(『バッフィ ザ・バンパイア・キラー』の監督ジョス・ウェドンの最新作)
 3位 ティム・バートンのコープスブライド
 4位 ヒストリー・オブ・バイオレンス(デイヴィッド・クローネンバーグ最新作)
 5位 イントゥ・ザ・ブルー

 こうしたトップクラス扱いの作品でありながら、日本ではもうしわけ程度にわずか10館での封切りで、東京ではユナイテッド・シネマとしまえんのみ。上映期間も4週で、劇場パンフの販売もなし。
 なんでこんな扱い?かなりひどい作品でももっと大々的に公開してる場合があるでしょう?と思うですが、全国100館200館といった拡大公開系の作品と単館公開作品との間で、中規模程度の公開を目指すというのはまだまだ日本では難しい、ということなのでしょうか。

 【映画のオープニング】
 黒い雲が覆う夜のカリブ上空を一機の飛行機が飛ぶ。雲の中を稲光が走る。
 飛行機の機内。異常を感じたスタッフが後部の点検に行くと、雷にやられていて既に手のつけられない状況になっている。飛行機はカリブの海へと墜落を余儀なくされる……。
 一転して、明るいカリブ海でダイビングを楽しむ観光客たち。インストラクターのジャレッドは、上下逆さまになったまま元に戻れない太った男性を戻してあげたり、観光客のケアに余念がない。船に戻るとジャレッドのボスは彼が担当した客のベルトが1つ足らない、探して来い、それが嫌なら弁償しろと騒ぎ出す。細かいことをケチケチするなと怒ったジャレッドはボスを殴る。殴られたボスは海へ落ちる。
 ボスの落ちた海中。あぶく……。水族館のアナウンスが聞こえてくる。カメラが水上に出るとそこは、水族館のサメのプールの中、サマンサ(サム)がプールの中からサメについての説明をしている。「サメが恐くないの?」と客に質問されたサムは「サメが人を襲うのは、人をエサだと勘違いした時だけです」と答える。

 【物語】
 ジャレッド(ポール・ウォーカー)は、バハマでダイビングのインストラクターをし、恋人のサマンサ(ジェシカ・アルバ)は水族館の案内係(サメ担当のハンドラー)をしている。
 ささいなことでボスとケンカして仕事をクビになったジャレッドは、この機会に、忘れかけていた夢~カリブ海に沈むお宝の詰まった沈没船を探して一山当てる~を実行に移そうと考える。ハリケーンの後は、海底がかき回されて、それまで隠れていたお宝が顔を覗かせることも多いのだ。ほったらかしにしておいた自分の船は船底に穴が開いていてかなり修理しないと使いものにならない。最新式の船を持ち、前に宝を探し当てたこともあるベイツ(ジョシュ・ブローリン)に「オレの下で働かないか」と誘われるが、誰かの奴隷になるのは嫌だと断る。しかし、タイミングよく、ニューヨークで弁護士をしている旧友ブライス(スコット・カーン)がガール・フレンドのアマンダ(アシュレイ・スコット)とともにバハマにやってきたので、彼の船を使うことができることになった。
 海に潜ってダイビングを楽しむジャレッドら4人。とりあえずその時はダイビングを楽しむことが目的であったが、ジャレッドが海中に落とした腕時計を見つけようとして海底を探っていると偶然宝の一部と思われるものを海底から発見する。一躍宝探しの夢が現実になりそうになるが、トレジャー・ハンティングの掟としては、宝はただ見つければいいというものではない。どの船の積荷だったかを特定して申告しないと自分のものにはできないのだ。だから、その証拠となるものを探すためにも、さらなる探索をしなければならない。そうして海中を探している時に、先のハリケーンで墜落したらしい飛行機が沈んでいるのを見つける。それは、どうやらコロンビアからアメリカにコカインを密輸している途中の飛行機らしく、そんなものを見つけてしまったために、ジャレッドたちは思わぬトラブルに巻き込まれることになる……。

 【みどころ】
 ・なんといっても映画本編のかなりの部分を占めるカリブの海中シーンが美しい
 ・映画の終わりに「カリブ海には80億ドルに相当する宝が沈んでいて、発見されるのを待っている」とありますが、そうしたカリブ海に沈む宝を探し当てることを狙っているトレジャー・ハンターたちは現実に多数いるようです。そうしたトレジャー・ハンターたちがどのような道具を使ってどのように宝探しをしていくのか。この映画ではそうした様子も詳しく描かれていて、そうしたアドベンチャーをいながらにして体験できるのもこの映画の魅力です。
 ・“ビーサンとボードショーツ”もしくはビキニかダイビング・スーツ。ほぼ全編でジェシカ・アルバはそんな格好で、健康なセクシーさをアピールしています。案外というか、やっぱりこれがこの映画の最大のみどころかもしれません。公式ホームページには、「前半のダイビングシーンでは、ジェシカのセクシーさを大胆にアピールしている」とありますが、カメラに向かってその肢体を見せるようにジェシカが(なぜか)横泳ぎしたり、海中で(なぜか)背泳ぎしているジェシカをカメラが見下ろすアングルで写し取ったりしている、そのことを指しているんですね。そんなにわざとらしくないのでそれによって映画の価値が下がっているとかはないのですが、監督の意図は明らかです(笑)。

 【キャスト】
画像 ポール・ウォーカー(ジャレッド)は、まだまだ日本では知名度が低いのですが、マット・デイモンやマーク・ウォルバーグとちょっと似た印象がある好青年です。弟分的というか、ワイルドなところもあるけど、どこか田舎の兄ちゃん風ハンサムというか。心やさしい正義感がよく似合います。本作ではジェットスキーで海面から高くジャンプするなんていう技もさらっと見せています。出演作は、『カラー・オブ・ハート』(98)『シーズ・オール・ザット』(99)『ブロ-クダウン・パレス』(99)『ザ・スカルズ』(00)『ワイルド・スピード』(01)『ロード・キラー』(01)『ワイルド・スピード×2』(03)『タイムライン』(03)。最新作は12月10日公開の『NOEL ノエル』。クリント・イーストウッドの次回作“Flags of Our Fathers”にも出演(でも群像劇なのでかなり小さな役の可能性もあります)。ファン・サイトBorn to be Wild!!はこちら

画像 ジェシカ・アルバ(サマンサ(サム))。今もっともイケてるハリウッド女優。「ダーク・エンジャル」(00)で一躍人気スターになった彼女ですが、14歳の時、「フリッパー」というテレビ・ドラマにレギュラー出演して、そこで泳ぎを熱心に学び、スキューバ・ダビングのライセンスも取得したそうで、それが本作への出演&好演につながっているようです。ジョン・ダイガン(『妻の恋人、夫の愛人』『キャメロット・ガーデンの少女』『トリコロールに燃えて』)の『監禁』(00)、ガイ・ジェンキンの『スリーピング・ディクショナリー』(02)で既に主演。日本でも『ファンタスティック・フォー』(05)『シン・シティ』(05)と出演作の公開が相次ぎ、『ファンタスティック・フォー』のプロモーションで来日。ファン・サイト、ANNAさんのJessica Alba NETジェシカ・アルバ News!はこちら。いや~凄いです。

画像
 スコット・カーン(ブライス)。ジェームズ・カーンの息子。出演作は『エネミー・オブ・アメリカ』(98)『バーシティ・ブルース』(99)『60セカンズ』(00)『ノボケイン』(01)『オーシャンズ11』(01)『ソニー』(01)『Uボート 最後の決断』(04)『オーシャンズ12』(04)など。“Dallas 362”(03)で監督・主演にも挑み、現在監督第2作を製作中。

 その他 失われた麻薬を探すマフィアのボス・レイエス役としてジェームズ・フレイン(『ナッシング・パーソナル』『ヴィゴ』『エリザベス』等)など。

 【スタッフ】
 監督ジョン・ストックウェル 元々は『トップガン』(86)にも出演している俳優。マーク・ウォルバーグ主演の『ロック・スター』(01)の脚本や、最新の水中撮影技術を使い、オアフ島でサーフィン大会での優勝を目指す娘たちの物語を撮った『ブルークラッシュ』(02)では監督を手がけている。

 脚本は『トルク』(04)のマーク・ジョンソン、撮影は、『ザ・スカルズ』『ドラムライン』のシェーン・ハールバットとピーター・ズッカリーニ(水中撮影)。

 【映画評】
 ロジャー・エバート(シカゴ サン・タイムズ)←現在世界で最も権威があるとされる映画評論家
 『イントゥ・ザ・ブルー』は、まず、アドベンチャー物語である。安っぽい特殊効果を使ったスリラー大作などではなく、人と危険と宝物と愛についての物語だ。その中で描かれるのは、誰でもが肉体的にできるようなことばかりである(ただし彼らが水中で永久に呼吸ができるように見えることを除けばだが)。この映画は、物語として、書かれ、演技され、監督されたのであって、「バカげた運動エネルギーの発露のようなもの」を描いたものではない。
 ジャレッドとサムを演じる、ポール・ウォーカーとジェシカ・アルバは恋人どうしで、バハマで水漏れがするようなボートで暮らし、海に沈む宝物を探している。彼らは多くを見つけることはないが、互いを暖め合うだけの愛は持っている。近くの桟橋には、大きくてパワーもあるベイツ(ジョシュ・ブローリン)の船が繋留されていて、成功し、金もあるベイツはジャレッドを雇おうとする。しかしベイツにはどこか怪しいところがあるのだ。
 ジャレッドの友人ブライス(スコット・カーン)が本土からアマンダ(アシュレイ・スコット)という名のガール・フレンドをつれてやってくる。彼によればアマンダは昨日の晩にナンパしたばかりの女の子だと言う。彼らは一緒にダイビングして、あまり離れていない箇所で2つの宝物を見つける。1つは昔のもの、もう1つは最近のものだ。彼らは金持ちになれるかもしれない。しかし、ブライスは貪欲で、ジャレッドとサムが倫理的な理由からやりたくないという方向にみんなを導こうとする。
 こう書くと、無味乾燥で抽象的に聞こえるかもしれない。しかし映画は十分に楽しい。私は何が起こるのかとかあまり説明したくないのだ。なぜなら『イントゥ・ザ・ブルー』の楽しみの1つは、物語がナラティブに展開するのであって、一連のアクション・シーンなどで展開していくわけではないからだ。登場人物たちは信じられないようなスタントを性急に繰り出すのではなく、自分たちが危機に陥った時、自分たちに何ができるか考えつつも、逆方向に進んだり、行き当たりばったりで行動したりする。
 映画の大部分は水中で撮影されている。監督のジョン・ストックウェルと撮影監督のシェーン・ハールバットとピーター・ズッカリーニは、我々を海中シーンばかりで飽きさせないようにするのがとてもうまい。少なくとも我々は物事がどこで起こっているのか、どういう意味があるのか、物語の中でそれはどう関連しているのか、をちゃんと把握することができる。海中でブライスが死にそうになった時、登場人物たち(あるいは脚本家たち)はスキューバ・ダイビングについて実践的な知識を持っているかのように対処する。登場人物にどんな悪いことが起ころうとも、映画が終わるまでにはなんとかしてくれるだろうと我々も信じられるようになる、というのは驚くべきことである。
 それぞれのキャストの登場シーンでの印象は当てにならない。ジェシカ・アルバはスポーツ・イラストレイテッドの水着特集からさまよいでてきたように見える。彼女自身、そんなビデオに出てるように感じているのかもしれない。物語が始まって、かなり演技が進んでもまだ彼女は水着姿できれいに見えるようにしている。『シン・シティ』ではストリッパーを演じていたのに、本作ではかなりかわいらしく見える。ジェームズ・カーンの息子であるスコット・カーンは口のうまい若造を演じていい仕事をしている。ポール・ウォーカーは自分流のやりかた(それは検討の余地ありだが)で演技している。この映画を観ている間に彼らの印象は変わってくるだろう。ほとんどのアクション映画では、最初に登場したシーンの印象が残りのシーンのキャラクターを決定づけてしまうものなのであるが。
 『イントゥ・ザ・ブルー』は適度な楽しみを与えてくれる。絶対観なければならない映画というわけではないが、観に行っても「あなたの知性を侮辱する」ような映画ではないし、結末に向けて本物のサスペンスがある。安っぽかったり、お定まりだったりするジャンルの中ではよく作られた作品だ。その証拠に、フィルムメーカーたちは、特殊効果を使っていかに物語の展開をごまかすかということより、登場人物や物語を練り上げるのに時間を費やしている。映画の終わりに、誰が生き残って、誰が生き残れないのかということについてちょっとしたサプライズもある。普通なら前半の終わりに、最後に何人生き残れるかを言い当てることができるだろう。

 こう見てくると、
 日本でもスマッシュ・ヒットした『ブルークラッシュ』の監督の最新作で、
 今ノリのノッてるジェシカ・アルバ主演、
 美しいカリブの海中シーンやダイビング・シーンが満載で、
 物語は、トレジャー・ハンターもの。
 もっと大きな規模で公開されていいし、もっと注目されてもよかったと、私は思うのですが。

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