もしミニシアターがなかったら……

画像
 配給会社アスミック・エースが創立20周年(本当はアスミックが20周年)、東京・渋谷にあるミニシアター、シネセゾン渋谷も開館20周年だそうです。
 この2つが同時に20周年を迎えるのは、偶然ではありません。アスミック・エースが配給サイドから、シネセゾン渋谷が劇場サイドから、ともにミニシアター文化を作り出し、支えた象徴的な存在であって、それがだいたい20年くらい前に始まったからですね。
 どちらも必ずしも順風満帆というわけではありませんでしたが、ともにミニシアターのメイン・ストリームを歩み続けて、今年で20年目を迎えた、とそういうわけです。
 シネセゾン渋谷が20年前にオープンした本日(記念イベントは既に昨日から始まっていますが)、ミニシアターの20年を振り返る年表を作ってみました。

 「ミニシアターの20年史」
http://www7a.biglobe.ne.jp/~umikarahajimaru/minitheater.html


【若干の解説】
①80年前後 ミニシアター・ブームの前史
・アメリカで独立系映画会社が次々設立され、マーケットも整備され始める。
・香港、中国、台湾等で映画の新しい動きが起こる。

②80年代 ミニシアター・ブーム到来
・ミニシアターが次々に誕生。西武や東急などが、物を売るだけではなく、文化をも広めようとして、新しい美術館や映画館を作り、新しい映画を受け入れる体制を整えていく。その一方で、名画座が次々閉館。
・ミニシアターに作品を供給するような独立系配給会社が次々に設立される。
・レンタル・ビデオが活況を呈する。
・ミニシアターで多くのロングラン作品が生まれる。

③90年代前半 ミニシアターの模索期
・ミニシアターが差別化のために様々な試行錯誤を繰り返す。その中のいくつかは撤退。
・独立系配給会社はまだまだ誕生。
・衛星放送スタート。

④90年代後半 新たなステップへ
・イギリス、オーストラリア、ドイツ、インド、イランなど、各国の映画が、次々ブームとなる。
・ミニシターのヒット作は渋谷から生まれるようになる。
・国際映画祭で邦画が次々と賞を受賞。
・メジャー・チェーンの劇場が休館、もしくはリニューアルへ。
・シネコン続々誕生。

⑤2000年代前半 再編期
・映画会社・配給会社の再編が進む。独立系配給会社の活動休止や停止も増える。その一方で役割の分担が進み、小さな規模でも映画配給を手がけることもできるようになる。
・初期のミニシアター・ブームを担ったいくつかの映画館が閉館、もしくはリニューアルへ。
・韓流ブーム到来。
・単館でのロングランはなくなり、複数館での同時封切り・短期集中型公開が増える。
・DVD市場が賑わいを見せる。劇場公開からあまり間をおかずにDVD化されるようになる(劇場公開での映画のショーケース化)。

--------------------------------

 「ミニシアターの20年史」は、自分で言うのもなんですが、なかなか力作です(おかげでシネセゾン渋谷のイベント前にアップさせることができませんでしたが)。
 インターネットはまだ歴史が浅いので、関連情報を探そうとしても10年以上前の記録は見つからない場合が多いんですね。20年分の「ぴあ」をひっくり返せば、もっと細かく正確なデータが得られるかもしれなかったのですが、さすがにそこまではしていません。それに近いことはしてるんですけど(笑)。
 年表自体は、上から下まで細かく読むものでもありませんが、これまでの取材で私が直接仕入れた情報も随所に入れてありますし、あちこち眺めて楽しめるようにはしてあるつもりです。
 ミニシアター歴代興行ランキングにランクインしているような作品は大体載せてあるので、それを眺めるだけでもいいかと思います。
 あとは何かの折に調べたいことがあった時にでも、「そういえばこういう情報がここにあった」とを思い出して使っていただければいいかなあと思います。

*シネセゾン渋谷20周年記念イベント情報はこちら

*アスミック・エースの公式ホームページはこちら

*この記事、もしくは「ミニシアターの20年史」がよかったら、人気ブログランキングにクリックをお願いします。

この記事を評価する

そして船は行く←シネセゾン渋谷のオープニング作品
そして船は行く [DVD]

この記事へのコメント

zattchi
2005年11月15日 11:46
TBありがとうございます
ミニシアターいいですよね
ここでも、いい映画に出会えています
さひぐー
2006年09月21日 11:32
新宿文化シネマが閉館しているのにビックリして、閉館した映画館などを検索してるうちに力作「ミニシアターの20年史」に来ました。年末で三百人劇場が閉館してしまうんですね。

新宿文化シネマは改装するらしいですが、今年は新宿松竹会館4館や、テアトル池袋も閉館してしまい、なんだか寂しいです。

松竹映画館ドットコム 新宿ピカデリー
http://www.shochiku-eigakan.com/cgi-bin/tbl.cgi?tid=005

CINEMA BOX | SHOW SCHEDULE/テアトル池袋
http://www.cinemabox.com/schedule/ikebukuro/index.shtml

三和興行 新宿文化シネマ
http://www.sanwa-tohog.co.jp/html/bunka.htm
http://www.sanwa-tohog.co.jp/html/campaign.html
umikarahajimaru
2006年09月21日 19:32
さひぐーさま
コメントありがとうございました。励みになります。
映画を観た記憶というのは観た映画館の記憶とも分かちがたく結びついているものですから、そうした愛着のある映画館がなくなってしまうのはやっぱり寂しいですよね。

この記事へのトラックバック

  • フェデリコ・フェリーニ ナイト

    Excerpt: フェデリコフェリーニ ナイト 「そして船は行く」 「道」 「甘い生活」 シネセゾン渋谷20周年特別上映オールナイトでした。監督”フェデリコ・フェリーニ”の3作品の上映。ゲストにアコーディオン奏.. Weblog: ミチミチ racked: 2005-11-15 11:44