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zoom RSS ラックス賞2017 受賞結果発表!

<<   作成日時 : 2017/11/15 17:57   >>

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 第11回ラックス賞(Lux Prize)の受賞作が発表されました。(11月14日)

 【ラックス賞】

 ラックス賞というのは、欧州議会(European Parliament)によって贈られる映画賞で、ヨーロッパの現状(拡大と交流)を示すような題材の映画を通して公衆に議論を呼び起こすことと、EU加盟国での映画の普及とを目的として、2007年からスタートしたものです。

 内容から言うと、@ローカルで、ドメスティックな内容のものではなく、いろんな出自(出身国や民族)のバックグラウンドを持つ登場人物が出てくる現代劇で、しかもそのことが物語の根幹に関わってくるような作品、あるいは、A物語が複数のヨーロッパ諸国にまたがっていて、物語の展開に従って、それぞれの国の実情(現状)が映画の中に映し出されていくような作品、といったインターナショナル、トランスナショナルなヨーロッパ映画がピックアップされるという印象だったのですが、最近では、ヨーロッパ各国固有の事情を描いていても、それがそのまま「ヨーロッパのいま」と見なされ、共通の問題意識をもって受け止められるようになってきたようで、よりシンプルに、Bヨーロッパの現状を示していると思われるような、優れた現代ヨーロッパ映画、がピックアップされるようになってきたようです。

 投票資格があるのは、欧州議会の議員約750名のみ(2017年7月現在は751名)で、議員には、ノミネート発表後、作品の無料の上映会が行なわれることになっています。(そのために、24の言語による字幕が用意され、ヨーロッパ28ヵ国で3ヶ月にわたって上映会が実施されます。)

 選考は、前年の5月31日から当年の5月31日までに劇場公開された作品の中から、欧州議会の文化教育委員会が選出したメンバー21名(プロデューサー、配給者、映画興行者、映画祭ディレクター、映画批評家らから選ばれた「ラックス賞セレクション・パネル」。毎年1/3が改選される)がセレクションを行なって、まずオフィシャル・セレクションとして10本を選び(発表し)、そこからノミネート作品3本に絞り込み、さらに上映会による上映&投票を経て、年間最優秀作品(ラックス賞)を決定するというプロセスが取られています。(※ セレクション・パネルは、少しずつ増えていて、2015年は20名でしたが、2016年(と2017年)は21名になっています。)

 本年度のオフィシャル・セレクションは、7月2日にカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭で発表され、ノミネーションは、7月25日のベネチア国際映画祭ベネチア・デイズのラインナップ発表会で発表されました。

 過去10回のノミネート&受賞作品は以下の通りです。

 ◆2007年
 ◎『そして、私たちは愛に帰る』(独・トルコ) 監督:ファティ・アキン
 ・『4ヶ月、3週と2日』(ルーマニア) 監督:クリスティアン・ムンジウ
 ・『夜顔』(西・仏) 監督:マノエル・デ・オリヴェイラ

 ◆2008年
 ・『デルタ』(ハンガリー・独) 監督:コーネル・ムンドルッツォ
 ◎『ロルナの祈り』(ベルギー・仏・伊) 監督:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
 ・“Občan Havel”(チェコ) 監督:Miroslav Janek、Pavel Koutecký

 ◆2009年
 ・『ソフィアの夜明け』(映画祭上映題:『イースタン・プレイ』)(ブルガリア) 監督:カメン・カレフ
 ・“Sturm”(独・デンマーク・オランダ) 監督:ハンス=クリスチャン・シュミット
 ◎『君を想って海をゆく』(仏) 監督:フィリップ・リオレ

 ◆2010年
 ・“Plato's Academy(Akadimia Platonos)”(ギリシャ・独) 監督:Filippos Tsitos
 ◎“When We Leave (Die Fremde)”(独) 監督:フェオ・アラダグ(Feo Aladag)
 ・『イリーガル』“Illégal”(仏・ベルギー・ルクセンブルク) 監督:オリヴィエ・マッセ=ドパス(Olivier Masset-Depasse)

 ◆2011年
 ・“Attenberg”(ギリシャ) 監督:アティーナ・レイチェル・トサンガリ(Athina Rachel Tsangari)
 ◎『キリマンジャロの雪』“Les neiges du Kilimanjaro (The Snows Of Kilimanjaro)”(仏) 監督:ロベール・ゲディギャン
 ・『プレイ』“Play”(スウェーデン・仏・デンマーク) 監督:リューベン・オストルンド

 ◆2012年
 ・『熱波』(ポルトガル・独・仏・ブラジル) 監督:ミゲル・ゴメス(Miguel Gomes)
 ◎『ある海辺の詩人 -小さなヴェニスで-』“Io sono Li (Shun Li and the Poet)”(伊・仏) 監督:アンドレア・セグレ
 ・“Csak a szél (Just the Wind)”(ハンガリー・独・仏) 監督:Bence Fliegauf

 ◆2013年
 ・“The Selfish Giant”(英) 監督:クリオ・バーナード(Clio Barnard)
 ◎『オーバー・ザ・ブルースカイ』(オランダ・ベルギー) 監督:フェリックス・ファン・ヒュルーニンゲン
 ・『ミエーレ』“Miele (Honey)”(伊・仏) 監督:ヴァレリア・ゴリーノ

 ◆2014年

 ◎『イーダ』(ポーランド・デンマーク) 監督:パヴェウ・パヴリコフスキ
 ・“Bande De Files(Girlhood)”(仏) 監督:セリーヌ・シアマ
 ・“Class Enemy (Razredni Sovražnik)”(スロヴェニア) 監督:Rok Biček

 ◆2015年
 ◎『裸足の季節』(仏・独・トルコ) 監督:デニズ・ガムゼ・エルギュベン
 ・『地中海』“Mediterranea”(伊・仏・米・独・カタール) 監督:ジョナス・カルピニャーノ(Jonas Carpignano)
 ・『ザ・レッスン/授業の代償』“Urok (The Lesson)”(ブルガリア・ギリシャ) 監督:クリスティナ・グロゼヴァ(Kristina Grozeva)、ペタル・ヴァルチャノフ(Petar Valchanov)

 ◆2016年
 ◎『ありがとう、トニ・エルドマン』(独・オーストリア) 監督:マーレン・アデ
 ・『ズッキーニと呼ばれて』“Ma Vie de Courgette (My Life as a Courgette)”(スイス・仏) 監督: Claude Barras
 ・“À Peine J’ouvre les Yeux (As I Open My Eyes)”(仏・チュニジア・ベルギー・UAE) 監督: Leyla Bouzid

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 【ラックス賞2017 ノミネーション&受賞結果】

 ・“BPM (Beats Per Minute)(120 Battements Par Minute)”(仏) 監督:ロバン・カンピヨ

 ・“Western”(独・ブルガリア・オーストリア) 監督:ヴァレスカ・グリーゼバッハ(Valeska Grisebach)

 ◎『サーミの血』“Sámi Blood(Sameblod)”(スウェーデン・デンマーク・ノルウェー) 監督:アマンダ・シェーネル(Amanda Kernell)

画像

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 ラックス賞のノミネーションが発表された後、ノミネート作品3作品は、いずれもヨーロッパ映画賞のオフィシャル・セレクション2017には選ばれたものの、米国アカデミー賞2018外国語映画賞の各国代表に選ばれたのは“BPM (Beats Per Minute)(120 Battements Par Minute)”だけであり、その後発表されたヨーロッパ映画賞のノミネーションでも“BPM (Beats Per Minute)(120 Battements Par Minute)”は作品賞と男優賞にノミネートされ、編集者賞を受賞しましたが、他の2作品はノミネートされずに終わりました。

 作品の流れとしては、圧倒的に“BPM (Beats Per Minute)(120 Battements Par Minute)”に来ていたように見えましたが、ラックス賞は当初の予想通り、『サーミの血』に決まりました。

 まあ、ラックス賞のもともとの趣旨に合っているのは、“BPM (Beats Per Minute)(120 Battements Par Minute)”よりも『サーミの血』であるに見えますが。

 近年のラックス賞受賞作は、ラックス賞受賞後―

 2016年 『ありがとう、トニ・エルドマン』:ヨーロッパ映画賞2016 作品賞・監督賞・男優賞・女優賞・脚本家賞受賞。米国アカデミー賞2017 外国語映画賞ノミネート。ドイツ映画賞2017 作品賞・監督賞・主演男優賞・主演女優賞・脚本賞・編集賞受賞。

 2015年 『裸足の季節』:ヨーロッパ映画賞2015 デイスカバリー賞受賞、作品賞ノミネート。セザール賞2016 第1回作品賞・オリジナル脚本賞・編集賞・オリジナル音楽賞受賞、作品賞・監督賞・撮影賞・衣裳賞・録音賞ノミネート。米国アカデミー賞2016 外国語映画賞ノミネート。

 2014年 『イーダ』:ヨーロッパ映画賞2014 作品賞・監督賞・脚本家賞・撮影監督賞・観客賞受賞。米国アカデミー賞2015 外国語映画賞受賞、撮影賞ノミネート。(ポーランド映画賞(イーグル賞)2014 作品賞・監督賞・主演女優賞・脚本賞受賞。)

 というように、ヨーロッパ映画賞や米国アカデミー賞、各国映画賞で受賞を重ねています。

 『サーミの血』は、ヨーロッパ映画賞や米国アカデミー賞にはひっかかってこなかったので、そこは残念でしたが、今後、製作国での映画賞の行方が楽しみになりますね。

 ※授賞式には、監督は来場せず、主演のレーネ=セシリア・スパルロクと妹のミーア=エリーカ・スパルロクがトロフィーを受け取ったようです。

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 *当ブログ記事

 ・ラックス賞2017 オフィシャル・セレクション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201707/article_4.html
 ・ラックス賞2017 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201707/article_38.html
 ・ラックス賞2016 オフィシャル・セレクション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201607/article_5.html
 ・ラックス賞2016 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201607/article_28.html
 ・ラックス賞2016 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201611/article_41.html
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 ・ラックス賞2014 オフィシャル・セレクション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201407/article_10.html
 ・ラックス賞2014 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201407/article_22.html
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 ・ラックス賞2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_18.html
 ・ラックス賞2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_29.html
 ・ラックス賞2012 オフィシャル・セレクション10作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201207/article_3.html
 ・ラックス賞2012 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201207/article_16.html
 ・ラックス賞2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201211/article_21.html
 ・ラックス賞2011:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_2.html
 ・ラックス賞2010:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201007/article_27.html
 ・ラックス賞2009:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_43.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2016年12月〜2017年4月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201612/article_1.html

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