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zoom RSS 詳細!米国アカデミー賞2018 長編アニメーション賞 エントリー作品26本!

<<   作成日時 : 2017/11/12 00:05   >>

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 第90回米国アカデミー賞 長編アニメーション賞エントリー作品が発表になりました。(11月10日)

 本年度は、26作品がエントリーされ、史上最多となった昨年度より1作品も少なくなっています。
 前回は、エントリーされた27作品のうち15作品が外国映画でしたが、今回は、14作品が外国映画でした。近年には珍しく、ヨーロッパとカナダと日本以外からのエントリーは1本もありませんでした。(もっとエントリー作品が増えてもよかったのに、と各所で書かれていますね。)

 本年度のエントリー作品は、以下の通り。

画像

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 ・『カーズ/クロスロード』“Cars 3”(米) 監督:ブライアン・フィー [ピクサー/ディズニー]

 ・『リメンバー・ミー』“Coco”(米) 監督:リー・アンクリッチ 共同監督:エイドリアン・モリーナ [ピクサー/ディズニー]

 ・『ボス・ベイビー』“The Boss Baby”(米) 監督:トム・マクグラス [Fox/Dreamworks]

 ・“Captain Underpants The First Epic Movie”(米) 監督:デイヴィッド・ソーレン(David Soren) [Fox/Dreamworks]

 ・“Ferdinand”(米) 監督:カルロス・サルダーニャ [Fox /Blue Sky Studios]

 ・『スマーフ スマーフェットと秘密の大冒険』“Smurfs: The Lost Village”(米・香港) 監督:ケリー・アズベリー [Columbia Pictures]

 ・“The Star”(米) 監督:ティモシー・レッカート(Timothy Reckart) [Columbia Pictures]

 ・“The Emoji Movie”(米) 監督:トニー・レオンディス(Tony Leondis) [Sony Pictures Animation/Columbia Pictures]

 ・『レゴバットマン ザ・ムービー』“The Lego Batman Movie”(米・デンマーク) 監督:クリス・マッケイ [WB]

 ・『レゴ (R) ニンジャゴー ザ・ムービー』“The Lego Ninjago Movie”(米・デンマーク) 監督:チャーリー・ビーン、ポール・フィッシャー、ボブ・ローガン [WB]

 ・『怪盗グルーのミニオン大脱走』“Despicable Me 3”(米) 監督:ピエール・コフィン、カイル・バルダ 共同監督:エリック・ギロ [ユニバーサル/Illumination Entertainment]

 ・“My Entire High School Sinking into the Sea”(米) 監督:Dash Shaw [Gkids]

 ・“Ethel & Ernest”(英・ルクセンブルク) 監督:ロジャー・メインウッド(Roger Mainwood) [EuropaCorp、STX Entertainment]

 ・『ゴッホ 最期の手紙』“Loving Vincent”(英・ポーランド) 監督:ドロタ・コビエラ、ヒュー・ウェルチマン [Good Deed Entertainment]

 ・“The Breadwinner”(アイルランド・カナダ・ルクセンブルク) 監督:ノラ・トゥーミー(Nora Twomey) [Gkids]

 ・“Birdboy: The Forgotten Children(Psiconautas・los niños olvidados) ”(西) 監督:Alberto Vázquez、Pedro Rivero [Gkids]

 ・“The Big Bad Fox & Other Tales(Le grand méchant renard et autres contes)”(仏) 監督:バンジャマン・レネール(Benjamin Renner)、Patrick Imbert [Gkids]

 ・『手を失くした少女』“La Jeune fille sans mains(The Girl Without Hands) ”(仏) 監督:Sébastien Laudenbach [Gkids]

 ・“Cinderella the Cat(Gatta Cenerentola)”(伊) 監督:Alessandro Rak、Ivan Cappiello、Marino Guarnieri、Dario Sansone [未定]

 ・『ムーミン谷とウィンターワンダーランド』“Moomins and the Winter Wonderland(Muumien joulu)”(フィンランド・ポーランド) 監督:ヤコブ・ブロンスキ、イーラ・カーペラン [Global Genesis Group]

 ・『ウィンドウ・ホーセズ』“Window Horses: The Poetic Persian Epiphany of Rosie Ming”(カナダ) 監督:アン・マリー・フレミング(Ann Marie Fleming) [ ]

 ・『メアリと魔女の花』“Mary and the Witch’s Flower”(日) 監督:米林宏昌 [Gkids]

 ・『ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜』“Napping Princess”(日) 監督:神山健治 [Gkids]

 ・『映画 「聲の形」』 “A Silent Voice”(日) 監督:山田尚子 [Eleven Arts]

 ・『劇場版 ソードアート・オンライン −オーディナル・スケール−』“Sword Art Online: The Movie – Ordinal Scale”(日) 監督:伊藤智彦 [Aniplex America/ Eleven Arts]

 ・『この世界の片隅に』“In This Corner of the World”(日) 監督:片渕須直 [FUNimation Entertainment]

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 【監督の、米国アカデミー賞 ノミネート&受賞歴】

 ・『カーズ/クロスロード』 ブライアン・フィーは、監督としてノミネート経験はないが、『カーズ』『レミーのおいしいレストラン』『ウォーリー』にストーリーボード・アーティストとして参加している。

 ・『リメンバー・ミー』 リー・アンクリッチは、2011年に『トイ・ストーリー3』で長編アニメーション賞受賞、脚色賞ノミネート。『モンスターズ・インク』『ファインディング・ニモ』にも共同監督としてクレジットされているが、長編アニメーション賞のノミネート対象にはなっていない。
 共同監督のエイドリアン・モリーナは、『レミーのおいしいレストラン』などに参加している。

 ・『ボス・ベイビー』 トム・マクグラスは、『マダガスカル』シリーズや『メガマインド』などを監督しているが、米国アカデミー賞にノミネートされたことはない。

 ・“Captain Underpants The First Epic Movie” デイヴィッド・ソーレンは、『ターボ』などを監督しているが、米国アカデミー賞にノミネートされたことはない。

 ・“Ferdinand” カルロス・サルダーニャは、2004年に『どんぐりとスクラット』”Gone Nutty“で短編アニメーション賞にノミネート。2007年に『アイス・エイジ2』を、2010年に『アイス・エイジ3 ティラノのおとしもの』を、2012年に『ブルー 初めての空へ』、2015年に『ブルー2 トロピカル・アドベンチャー』をエントリーしているが、ノミネートには至っていない。

 ・『スマーフ スマーフェットと秘密の大冒険』 ケリー・アズベリーは、監督作品『シュレック2』が長編アニメーション賞にノミネートされているが、ノミネート対象にはなっていない。

 ・“The Star” ティモシー・レッカートは、2013年に『ヘッド オーバー ヒールズ』”Head Over Heels“で短編アニメーション賞にノミネート。2016年に長編アニメーション賞にノミネートされた『アノマリサ』にはリード・アニメーターとして参加している。

 ・『レゴ (R) ニンジャゴー ザ・ムービー』 ポール・フィッシャーは、『ヒックとドラゴン』『ヒックとドラゴン2』にストーリー・アーティストとして、『長ぐつをはいたネコ』にストーリーボード・アーティストとして参加している。
 ボブ・ローガンは、『長ぐつをはいたネコ』にストーリー・アーティスト/ストーリーボード・アーティストとして参加している。

 ・『怪盗グルーのミニオン大脱走』 ピエール・コフィンは、2014年に『怪盗グルーのミニオン危機一発』でノミネート。2011年に『怪盗グルーの月泥棒』を、2016年に『ミニオンズ』をエントリー。
 カイル・バルダは、2013年に『ロラックスおじさんの秘密の種』を、2016年に『ミニオンズ』をエントリー。
 エリック・ギロは、『怪盗グルーの月泥棒』と『ロラックスおじさんの秘密の種』にアート・ディレクターとキャラクター・デザイナー、『怪盗グルーのミニオン危機一発』にキャラクター・デザイナーとして参加している。

 ・『ゴッホ 最期の手紙』 ヒュー・ウェルチマンは、2008年に『ピーターと狼』で短編アニメーション賞受賞(プロデューサーとして)。

 ・“The Breadwinner” ノラ・トゥーミーは、2010年に共同監督作品『ブレンダンとケルズの秘密』が長編アニメーション賞にノミネートされているが、ノミネート対象にはなっていない。

 ・“The Big Bad Fox & Other Tales(Le grand méchant renard et autres contes)” バンジャマン・レネールは、2014年に『くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ』で長編アニメーション賞にノミネート。
 Patrick Imbertは、『くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ』にアニメーション監督として参加。

 ・『メアリと魔女の花』 米林宏昌は、2016年に『思い出のマーニー』で長編アニメーション賞にノミネート。

 エントリーされた26作品の中で―
 長編アニメーション賞を受賞したことがある:リー・アンクリッチ
 長編アニメーション賞にノミネートされたことがある:ピエール・コフィン、バンジャマン・レネール、米林宏昌
 短編アニメーション賞を受賞したことがある:ヒュー・ウェルチマン
 短編アニメーション賞にノミネートされたことがある:カルロス・サルダーニャ、ティモシー・レッカート

 【ノミネーションの傾向】

 現時点で、有資格作品のエントリー作品が何本あるのかははっきりしませんが、15本以下になるとは考えにくいので、(有資格作品が16本以上の場合の規定に従って)ノミネーションはおそらく5本になると思われます。といっても、必ずしも高評価の作品を上から5本チョイスされるとは限らず、映画会社の力関係や作品のバランスも考慮されるはずで、とすると、以下のようなことが考えられます。

 [映画会社別 過去の受賞&ノミネーション実績]

 過去の実績では、ピクサーの独壇場で、これまでで10戦8勝。そのほかは、ディズニー(スタジオジブリ作品とピクサー作品を除く)3回、ドリームワークス(アードマン作品を除く)、スタジオジブリ(ディズニー配給)、アードマン(ドリームワークス配給)、ニコロデオン(パラマウント配給)、ワーナーがそれぞれ1回ずつ受賞。

 スタジオごとのノミネーションでは、ドリームワークスが11で最多(『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』を含む)、ピクサーとディズニーが10(スタジオジブリ作品とピクサー作品を除く)で、以下、スタジオジブリが6(『レッドタートル ある島の物語』も含む)、Laikaが5、Les Armateursとアードマン(『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』を含む)がそれぞれ3回ずつ、ソニーと20世紀フォックスとティム・バートンとCartoon Saloonがそれぞれ2回ずつノミネートということになります。

 [同一映画会社からの複数ノミネート]

 2003年(ノミネート数5):ディズニー作品-3(『千と千尋の神隠し』含む。ピクサー作品のノミネートはなし)
 2004年(ノミネート数3):ディズニー作品-2(ピクサー作品含む)
 2005年(ノミネート数3):ドリームワークス作品-2
 2008年(ノミネート数3):ソニー・ピクチャーズの作品-1、ソニー・ピクチャーズ・クラシックの作品-1(『ペルセポリス』)
 2009年(ノミネート数3):ディズニー作品-2(ピクサー作品含む)
 2010年(ノミネート数5):ディズニー作品-2(ピクサー作品含む)
 2012年(ノミネート数5):ドリームワークス作品-2
 2013年(ノミネート数5):ディズニー作品-3(ピクサー作品含む)
 2014年(ノミネート数5):ディズニー作品-2(『風立ちぬ』含む)
 2015年(ノミネート数5):Gkids配給作品-2
 2016年(ノミネート数5):Gkids配給作品-2
 2017年(ノミネート数5):ディズニー作品-2

 今回は、20世紀フォックスが3本(Fox/Dreamworksが2本、Fox /Blue Sky Studiosが1本)、コロンビア・ピクチャーズが3本、ピクサー/ディズニーが2本、WBが2本、Eleven Artsが2本、Gkidsが7本もあります。ディズニーのみの作品は、今回は1本もありませんでした。

 [外国映画のノミネート]

 外国映画に関しては、『ハッピーフィート』をオーストラリア映画とし、“The Pirates! Band of Misfits”をイギリス映画として勘定するとして、過去16回で、外国映画がノミネートされたのは、13回あり、そのうち、2作品の外国映画がノミネートされた年が5回(2006年と2012年と2014年と2015年と2017年)あり、3作品の外国映画がノミネートされた年が1回(2016年)あります。

 国別では、これまで、フランスが6作品(『レッドタートル ある島の物語』は一応フランス作品に分類)、日本が5作品(宮崎駿3、高畑勲1、米林宏昌1)、イギリス(アードマン作品)が3作品、アイルランドが2作品、オーストラリアとスペインとブラジルとスイス(『ぼくの名前はズッキーニ』)が1作品ずつでノミネートされていて、日本とイギリスとオーストラリアが受賞を果たしています。ノミネート本数の割には、受賞の確率は高いということになります。

 過去8回あったノミネート5作品の年のうち、外国映画が2作品以上ノミネートされたのは2012年と2014年と2015年と2016年と2017年です。

 本年度はエントリー作品の割合から言えば、3作品くらいはノミネートされてもよさそうですが、そうするとアメリカのアニメーション業界から不満の声が上がったりするかもしれません。

 [シリーズ作品のノミネート]

 シリーズものがノミネートされたことは、過去16年間で5作品(『シュレック2』、『トイ・ストーリー3』、『カンフー・パンダ2』、『怪盗グルーのミニオン危機一発』、『ヒックとドラゴン2』)しかなく、かなり強力な作品でない限り、シリーズものがノミネートされる可能性は低いようです。
 今回は、続編・シリーズものの映画は3本(?)あります。

 [他の映画賞の受賞結果]

 長編アニメーション賞は、比較的に他の映画賞と結果が一致しやすい部門で、米国アカデミー賞が番狂わせを行なった2007年と2015年、混戦だった2013年、やや混戦だった2017年以外は、ほぼ同じ作品が受賞しています。

 ・ゴールデン・グローブ賞:過去11回のうち8回一致。(ゴールデン・グローブ賞は、2007年に『カーズ』を、2012年に『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』、2015年に『ヒックとドラゴン2』をチョイス)

 ・クリティクス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞):2002年以降の16回のうち13回一致(2007年は『カーズ』、2013年は『シュガー・ラッシュ』、2015年は『LEGO ムービー』をチョイス)

 ・アニー賞:2002年以降の16回のうち11回一致。2007年(『カーズ』)、2009年(『カンフー・パンダ』)、2011年(『ヒックとドラゴン』)、2013年(『シュガー・ラッシュ』)、2015年(『ヒックとドラゴン2』)が不一致。

 ・BAFTA英国アカデミー賞:過去11回のうち、2015年(『LEGO ムービー』)、2017年(『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』)以外すべて一致。

 [番狂わせ、または、足切り]
 米国アカデミー賞長編アニメーション賞では、他の部門同様、有力視されながら、ノミネーションもされないということがあります。
 2015年は本命だった『LEGO ムービー』がなぜかノミネーション段階で落とされ、2014年は有力視されていた『モンスターズ・ユニバーシティ』が落とされ、2012年はいくつもの長編アニメーション賞受賞を果たす(ことになる)『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』が落とされています。
 これらは、アカデミー・サイドに長編アニメーション賞を獲らせたい作品があって、事前に強力なライバルを蹴落としていると考えられますが、もちろん公式には何の説明もありません。

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 【下馬評】

 ◆Awards Daily(11月10日現在)
 ・『リメンバー・ミー』
 ・『ゴッホ 最期の手紙』
 ・『ボス・ベイビー』

 ◆IndieWireでの予想(10月28日現在)
 フロントランナーズ(Frontrunners)
 ・“The Big Bad Fox & Other Tales(Le grand méchant renard et autres contes)”
 ・『ボス・ベイビー』
 ・“The Breadwinner”
 ・『レゴバットマン ザ・ムービー』
 ・『メアリと魔女の花』

 コンテンダーズ(Contenders)
 דAnimal Crackers”
 ・“Birdboy: The Forgotten Children(Psiconautas・los niños olvidados) ”
 ・『リメンバー・ミー』
 ・“Ferdinand”

 ロング・ショッツ(Long Shots)
 ・『カーズ/クロスロード』
 ・“Captain Underpants The First Epic Movie”
 ・『怪盗グルーのミニオン大脱走』
 ・“The Emoji Movie”
 דThe Nut Job2”
 ・『スマーフ スマーフェットと秘密の大冒険』

 ◆IMDbでの採点(11月10日現在)
 ・『リメンバー・ミー』:9.2
 ・『映画 「聲の形」』:8.2
 ・『この世界の片隅に』:8.0
 ・『ゴッホ 最期の手紙』:8.0
 ・“Ethel & Ernest”:7.9
 ・『劇場版 ソードアート・オンライン −オーディナル・スケール−』:7.6
 ・“Birdboy: The Forgotten Children(Psiconautas・los niños olvidados) ”:7.6
 ・“The Emoji Movie”:7.3
 ・『レゴバットマン ザ・ムービー』:7.3
 ・“The Big Bad Fox & Other Tales(Le grand méchant renard et autres contes)”:7.3
 ・“Cinderella the Cat(Gatta Cenerentola)”:7.2
 ・“The Breadwinner”:7.2
 ・『手を失くした少女』:7.2
 ・『カーズ/クロスロード』:6.9
 ・『ウィンドウ・ホーセズ』:6.9
 ・『メアリと魔女の花』:6.7
 ・『ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜』:6.5
 ・『ボス・ベイビー』:6.4
 ・『怪盗グルーのミニオン大脱走』:6.3
 ・“Captain Underpants The First Epic Movie”:6.2
 ・“My Entire High School Sinking into the Sea”:6.2
 ・『レゴ (R) ニンジャゴー ザ・ムービー』:6.1
 ・『スマーフ スマーフェットと秘密の大冒険』:5.9
 ・“The Star”:5.4
 ・“Ferdinand”:公開前
 ・『ムーミン谷とウィンターワンダーランド』:公開前

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 【ノミネート予想】

 本年度は、どうも候補が足りません。
 『リメンバー・ミー』の評価が他を圧倒していて、順当であればこのまま『リメンバー・ミー』が長編アニメーション賞を受賞してしまいそうです。

 他のノミネート作品は、『ゴッホ 最期の手紙』だけはほぼ確実そうですが、あとはちょっとチョイスが難しそうです。

 例年通りであれば、IMDbでの採点が7.0未満だとノミネートはほとんど無理なので、公開前の作品は別にして13本に絞られます。
 上位から順に選んでいくと―
 『映画 「聲の形」』か『この世界の片隅に』
 “Ethel & Ernest”、“Birdboy: The Forgotten Children(Psiconautas・los niños olvidados) ”、“The Big Bad Fox & Other Tales(Le grand méchant renard et autres contes)”、“The Breadwinner”、『手を失くした少女』の中から2本
 というところでしょうか。

 日本から5作品もエントリーされれば、1本くらいはノミネートされるとして、評価の高さから言えば、『映画 「聲の形」』か『この世界の片隅に』になりますが、『この世界の片隅に』はアメリカには否定的に受け止められるかもしれないし、『映画 「聲の形」』は海外でも高く評価されているらしいけれど、実際のところはよくわかりません。現時点でIndieWireに「発見」されていないのも気になります。点数はちょっと足りないけれど、ひょっとすると『メアリと魔女の花』の方が選びやすいということもあるかもしれません。

 あとは、受賞歴から言えば、『手を失くした少女』が最有力で、もう1本は何が来ても不思議ではなさそうです。

 とすると、アメリカからはわずか1本しか選ばれないということになりますが、果たしてそんなことがあるでしょうか。無理にでも“Ferdinand”を押し込むか?

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 米国と日本以外のエントリー作品の中からいくつか簡単に紹介しておきます。

 ・“Ethel and Ernest”(英) 監督:ロジャー・メインウッド(Roger Mainwood)
 『さむがりやのサンタ』『スノーマン』『風が吹くとき』などで知られるレイモンド・ブリッグスの、両親エセルとアーネストの物語。レイモンド・ブリッグスの同名のグラフィック・ノヴェルを原作としていて、同書はブリティッシュ・ブック・アワード1998で最優秀絵本賞を受賞している。
 物語:エセルは、中流階級出身の女中で、イギリス人として望ましい行動を守ることを心がけ、結婚して、主婦になった。アーネストは、エセルより5歳若く、のんきな牛乳配達夫で、社会主義的理想を持ち、進歩やテクノロジーに興味を抱いていた。2人には1人の子どもができた。それがレイモンドだ。彼ら一家は、ロンドン郊外に住み、20世紀半ばの社会的変動―世界恐慌、第二次世界大戦、戦後、テレビの登場などを経験する。
 『メグとモグ』などTVシリーズを手がけてきたロジャー・メインウッド監督の初監督長編。一連のレイモンド・ブリッグス関連のアニメーションに関わっていて、1982年の短編の『スノーマン』ではアニメーター、1986年の『風が吹くとき』ではキー・シークエンス・アニメーター、1991年の『ファーザー・クリスマス』ではキー・アニメーター、2000年の『ベアー/THE BEAR』でアニメーター、2012年のTV版『スノーマンとスノードッグ』では、リード・アニメーターやレイアウト、ストリートボードを担当している。
 BFIロンドン映画祭2016 LOVE部門出品。
 パームスプリングス国際映画祭2017出品。
 EU映画祭2017出品。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2017 長編コンペティション部門出品。
 シアトル国際映画祭2017出品。
 アニマ・ムンディ国際アニメーションフェスティバル2017出品。最優秀長編アニメーション賞受賞。
 メルボルン国際映画祭2017出品。
 アニマ・コルドバ国際アニメーションフェスティバル2017 アルゼンチン・コンペティション部門出品。最優秀アニメーション賞受賞。
 ヨーロッパ映画賞2017 アニメーション賞ノミネート。
 ヨーロッパ・アニメーション賞2017 脚本賞、キャラクター・アニメーション賞、キャラクター・デザイン賞ノミネート。


 ・“Birdboy: The Forgotten Children(Psiconautas・los niños olvidados) ”(西) 監督:Alberto Vázquez、Pedro Rivero
 物語:擬人化された登場人物たちの世界。彼らの住む島は、工業的な事故によって汚染されている。ディンキーは、10代のマウス。母親は宗教にのめり込んでいて、父親は継父で、兄は怒りっぽく、家では疎外感を感じている。同じく10代のバードボーイは、確かな理由はないが、社会的な脅威とみなされ、村人に嫌われ、警察に追われて、森の中に隠れ、殺された父親の遺した謎の仕事を秘密裏に続けている。ディンキーとバードボーイは、臆病ないじめられっ子の狐Zorritと、文字通りデーモンに魅入られて悪魔的な行為に走りつつあるウサギのサンドラと共に、島を脱出しようとする。しかし、それにはお金が必要で、ピッグボーイと寝たきりの母親が住んでいる家に忍び込んでお金を手に入れようとする。ところが、ゴミ捨て場をお宝の隠し場所と思い込んでいるシンナー中毒のラットたちによって、拉致されて、失敗してしまう。
 Alberto Vázquezの同名のグラフィック・ノベルの映画化で、ゴヤ賞受賞の短編“Birdboy”の長編版。
 サンセバスチャン国際映画祭2015出品。
 オランダ・アニメーション映画祭2016出品。
 ザグレブ国際アニメーションフェスティバル2016 グランド・コンペティション 長編部門出品。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2016 長編コンペティション部門出品。
 ファンタジア国際映画祭2016出品。最優秀長編アニメーション賞(Satoshi Kon Award)受賞。
 ニュー・ホライズンズ映画祭2016出品。
 (MOTELX リスボン国際ホラー映画祭2016出品。
 オタワ国際アニメーションフェスティバル2016 長編コンペティション部門出品。
 BFIロンドン映画祭2016 Cult部門出品。
 ToHorror映画祭2016 観客賞受賞。
 アニマ・ムンディ国際アニメーションフェスティバル2016出品。
 ルンドFantastisk映画祭2016出品。
 Cinanima 2016 長編作品賞受賞。
 Morbido映画祭2016出品。
 アニローグ国際アニメーションフェスティバル2016出品。
 ヨーロッパ映画賞2016 アニメーション賞ノミネート。
 ゴヤ賞2017 長編アニメーション賞受賞。
 Villeurbanne Festival Reflets du cinéma ibérique et latino-américain 2017出品。
 ナッシュヴィル映画祭2017 グレイヴヤード・シフト・コンペティション部門出品。オナラブル・メンション受賞。
 ファンタスポア2017出品。
 The Platino Awards for Iberoamerican Cinema 2017 最優秀アニメーション賞受賞。
 ヨーロッパ・アニメーション賞2017 絵コンテ賞、キャラクター・デザイン賞ノミネート。


 ・“The Big Bad Fox & Other Tales(Le grand méchant renard et autres contes)”(仏) 監督:バンジャマン・レネール(Benjamin Renner)、Patrick Imbert
 物語:バンジャマン・レネールのコミック3話のアニメーション化。
 “A Baby to Deliver”:ウサギとアヒルとブタが、人間の子どもを親元に運ぶというコウノトリの仕事を任せられる。
 “The Big Bad Fox”:頭のよくないキツネが、ニワトリをつかまえようとして、卵を盗もうとしたオオカミに説得される。
 “The Perfect Christmas”:ウサギとアヒルが、誤ってサンタクロースを殺してしまったと勘違いする。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2017 上映イベントにて上映。
 トロント国際映画祭2017 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。
 BFIロンドン映画祭2017 ストランド・ガラ部門出品。
 ワルシャワ国際映画祭2017出品。
 リーズ国際映画祭2017出品。
 台湾・金馬奨映画祭2017出品。


 ・“Cinderella the Cat(Gatta Cenerentola)”(伊) 監督:Alessandro Rak、Ivan Cappiello、Marino Guarnieri、Dario Sansone
 物語:遠くない未来のナポリ。警察署長とキングとその取り巻きが、テリトリーと特別な少女シンデレラを巡って争う。シンデレラは、家族に虐げられ、継母に召使のように使われている。彼女は、子どもの頃、キングに父親を殺され、復讐したいという思いを募らせてきた。舞踏会の夜までは。その夜、彼女は、愛を発見し、復讐という暗い影から解放され、新しい生活をスタートさせる。
 ベネチア国際映画祭2017 Orizzonti部門出品。Future Film Festival Digital Award スペシャル・メンション、Mouse d’Argento Award、Open Award、Francesco Pasinetti Award – SNGCI 特別賞受賞。
 ハイファ国際映画祭2017出品。


 ・“The Breadwinner”(アイルランド・カナダ・ルクセンブルク) 監督:ノラ・トゥーミー(Nora Twomey)
 物語:タリバン支配下のアフガニスタン。11歳のアフガン少女パヴァーナは、タリバンに父親を連れ去られる。タリバン支配下では、女性は男性と一緒でなくては、外出もできないようなことになっていて、このままではパヴァーナの一家は飢え死にしてしまう。そこで、パヴァーナは、髪を切り、少年に扮装して、カブールの町で働き始める。
 カナダ人児童文学作家デボラ・エリスが難民キャンプでの取材を基に書いた、同名の小説(邦題『生きのびるために』)を映画化したアニメーション作品。
 トム・ムーアとともに『ブレンダンとケルズの秘密』を監督した、ノラ・トゥーミーの初のソロ監督長編。アンジェリーナ・ジョリーがプロデューサーを務めている。
 トロント国際映画祭2017 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。
 エドモントン国際映画祭2017出品。
 BFIロンドン映画祭2017 オフィシャル・コンペティション部門出品。
 Animation Is Film Festival 2017出品。
 AFIフェスト2017出品。


 ・『手を失くした少女』“La Jeune Fille sans mains(The Girl Without Hands)”(仏) 監督:Sébastien Laudenbach
 物語:貧しい粉屋には、妻と娘がいた。粉屋は、悪魔を悪魔と知らずに、娘と大金を交換する取り引きをしてしまう。悪魔が娘を連れ去りに来た時、悪魔はあれこれ手を尽くすが、娘を連れ帰ることができない。悪魔は、粉屋の命か、娘の手を切り落とすか、どちらかを粉屋に選択させる。粉屋は、娘の手を切り落とすという選択をする。そのおかげで、粉屋は救われるが、娘は思いやりのある人々を求めて、家を出る。その後、娘は、王子と出会い、結ばれるが、彼らもまた悪魔に運命を翻弄される……。
 グリム童話『手なしむすめ』の映画化。
 カンヌ国際映画祭2016 ACID部門出品。
 カブール映画祭2016出品。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2016 長編コンペティション部門出品。審査員特別表彰(Jury Distinction)受賞。
 ハンブルク・フィルム・フェスト2016出品。
 アニローグ国際アニメーションフェスティバル2016出品。
 ヨーテボリ国際映画祭2017出品。
 セザール賞2017 アニメーション賞ノミネート。
 東京アニメアワードフェスティバル2017 長編部門グランプリ受賞。
 イスタンブール国際映画祭2017 インターナショナル・チューリップ・コンペティション部門出品。
 カンヌ国際映画祭2017 フランス文化映画賞学生賞受賞。
 ヨーロッパ・アニメーション賞2017 キャラクター・アニメーション賞、サウンド・トラック賞ノミネート。


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 第90回米国アカデミー賞のノミネーションの発表は、2018年1月23日です。
 とりあえず、アメリカ作品が1本だけになるか、英語作品が2本だけになるか(いずれもノミネート枠5本では史上初)、そして日本からはどれがノミネートされるかが注目です。

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 *当ブログ記事

 ・米国アカデミー賞2017 長編アニメーション賞 エントリー作品27作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201611/article_19.html
 ・米国アカデミー賞2016 長編アニメーション賞 エントリー作品16作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201511/article_7.html
 ・米国アカデミー賞2015 長編アニメーション賞 エントリー作品20作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201411/article_3.html
 ・米国アカデミー賞2014 長編アニメーション賞 エントリー作品19作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201311/article_9.html
 ・米国アカデミー賞2013 長編アニメーション賞 エントリー作品21作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201211/article_1.html
 ・米国アカデミー賞2012 長編アニメーション賞 エントリー作品18作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_12.html
 ・米国アカデミー賞2011 長編アニメーション賞 エントリー作品15作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201011/article_24.html
 ・米国アカデミー賞2010 長編アニメーション エントリー作品20作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_21.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2017年9月〜2018年1月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201708/article_31.html

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