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zoom RSS 【ブルガリア映画最前線】 ゴールデン・ローズ映画祭2017 受賞結果!

<<   作成日時 : 2017/10/13 00:26   >>

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 第35回ゴールデン・ローズ映画祭(9月30日-10月7日)の受賞結果です。

 【ゴールデン・ローズ映画祭】

 ブルガリアには、大きな映画イベントが3つあって、3月に開催されるソフィア国際映画祭と5月から6月にかけて開催されるブルガリア・アカデミー賞、そして、9月から10月にかけて開催される、このゴールデン・ローズ映画祭です。

 映画祭は、ソフィア国際映画祭とゴールデン・ローズ映画祭の2つしかないことになりますが(少なくともWikipediaで項目が立てられているのはこの2つだけです)、東欧/バルカン諸国の作品を中心とした国際映画祭がソフィア国際映画祭なのに対し、ブルガリアの国内作品(長編と短編)を上映して、コンペティションを行なうのがゴールデン・ローズ映画祭、ということになります。

 ソフィア国際映画祭は、1997年にスタートしていて、今年で21回目を迎え、ブルガリア・アカデミー賞は2010年スタートで、今年で8回目(前身は、1975年から2007年までがブルガリア映画製作者ユニオン賞(UBFM’s Awards)で、2008年が国立映画センター(NFC)との共催となっています)。ゴールデン・ローズ映画祭は、1961年スタートで、今年で35回目となり(1974年までは毎年開催で、1976年から2010年までが隔年開催、それ以降は毎年開催。ただし、開催されない年もあり、最近では2013年が未開催となっています)、ブルガリアで最も歴史のある映画祭であり、映画イベントということになります。

 ゴールデン・ローズ映画祭(Golden Rose Film Festival、または、The Golden Rose Bulgarian Feature Film Festival、あるいは、Golden Rose National Film Festival)は、1961年にブルガリア映画祭として始まっていて、1963年にゴールデン・ローズ映画祭に改称しています。開催地は、ブルガリアのヴァルナ(黒海沿岸の最大都市であり、ブルガリアでは3番目に大きな都市)。

 ブルガリア映画は、ブルガリア・アカデミー賞とゴールデン・ローズ映画祭とで、年に2回、国内の映画賞を競うことになりますが、ゴールデン・ローズ映画祭には、国外の映画祭でお披露目された作品に加えて、ワールド・プレミアとなる新作もいち早く上映するので、ゴールデン・ローズ映画祭は、ブルガリア・アカデミー賞に先立つ国内映画賞にもなっています。
 また、ブルガリア・アカデミー賞は、まだIMDbにデータをフォローされていないので、ゴールデン・ローズ映画祭の受賞結果が、国際的に認知されている唯一のブルガリアの映画賞、ということになるかもしれません。

 ちなみに、近年のゴールデン・ローズ映画祭の作品賞は、
 2016年:“Godless(Bezbog)”(ブルガリア・デンマーク・仏) 監督:Ralitza Petrova
 2015年:“Losers(Karasti)”(ブルガリア) 監督:イヴァイロ・フリストフ(Ivaylo Hristov)
 2014年:“The Judgment(Sadilishteto)”(ブルガリア・独・クロアチア・マケドニア) 監督:ステファン・コマンダレフ
 2012年:“The Color of The Chameleon”(ブルガリア) 監督:Emil Hristow
 “Losers(Karasti)”と“The Judgment(Sadilishteto)”と“The Color of The Chameleon”は、いずれも翌年度の米国アカデミー賞外国語映画賞ブルガリア代表に選ばれ、“Losers(Karasti)”は翌年のソフィア国際映画祭で観客賞、“Godless(Bezbog)”は翌年のソフィア国際映画祭でグランプリと最優秀ブルガリア長編映画賞を受賞しています。

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 【長編作品部門】

 ※審査員:Bojidar Manov(審査員長/映画批評家、ジャーナリスト、教師)、Yana Marinova(女優)、Ludmil Stanev(作家、脚本家、劇作家)、Georgi Toshev(ジャーナリスト、プロデューサー)、Stanimir Trifonov(映画監督)

 ◆作品賞(Golden Rose Award for Best Feature Film/Danny Lerner Award) €50,000 +€5,000相当のサービス
 ◎“Omnipresent”(ブルガリア) 監督:Ilian Djevelekov

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 “Omnipresent”(ブルガリア) 監督:Ilian Djevelekov
 物語:Emilは、作家であり、広告会社でクリエイティヴ・チームのボスをしている。彼は、監視カメラを設置して、家族や友人、従業員を覗き見るのにはまっていく。それは、最初は、無邪気な趣味として始まったが、次第に力を乱用し、暴くべきではない秘密をも知るようになっていく。
 第2監督長編。

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 ◆審査員特別賞(Special Jury Award)
 ◎“Directions(Posoki)”(ブルガリア・独・マケドニア) 監督:ステファン・コマンダレフ(Stephan Komandarev)

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 “Directions(Posoki)”(ブルガリア・独・マケドニア) 監督:ステファン・コマンダレフ(Stephan Komandarev)
 物語:タクシーを運転することで、なんとかやりくりしている男が、銀行員と面談をしている。彼は、ローンを借りるには、賄賂が倍かかることを悟る。困り果てた彼は、銀行員を射ち、自殺する。事件は、国中のラジオで話題になる。絶望が市民社会を覆う。その夜、5人のタクシー・ドライバーが客を乗せて走る。それぞれによりよい未来を期待しつつ。
 実際に起こった出来事をベースにした作品。現代の6人のタクシー・ドライバーの物語と、チェーホフが25歳の時に書いた短編「悲しみ」を自由に翻案したものを、1つの作品の中で展開させている。
 メイン・キャラクターは6人で、6つの物語がそれぞれ約20分で語られる。2016年の3月に制作がスタートし、11月から12月にかけて24日で撮影された。
 カンヌ国際映画祭2017 ある視点部門出品。
 サラエボ映画祭2017 長編コンペティション部門出品。審査員スペシャル・メンション受賞。
 トロント国際映画祭2017 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。
 ハイファ国際映画祭2017出品。
 ハンブルク・フィルム・フェスト2017出品。
 リオ・デ・ジャネイロ国際映画祭2017出品。
 ゲント国際映画祭2017出品。
 釜山国際映画祭2017 ワールド・シネマ部門出品。
 ワルシャワ国際映画祭2017出品。


 ◆ヴァルナ市特別賞(Special Award of the City of Varna)
 ◎“Enemies(Vragove)”(ブルガリア) 監督:Svetoslav Ovcharov

 “Enemies(Vragove)”(ブルガリア) 監督:Svetoslav Ovcharov
 物語:1913年の春。バルカン戦争の最中。自暴自棄になったブルガリア人の兵士のグループは、一艘のボートを陸上輸送し、オスマントルコの戦艦を沈めるためのある種の魚雷として使おうとする。その過程で、彼らは、偶然にトルコ兵と出会い、次第に同盟を組むようになる。
 ソフィア国際映画祭2017 Burgas Municipality Award 'Silver Sea-Gull'受賞。

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 ◆監督賞
 ◎“3/4”(ブルガリア・独) 監督:Ilian Metev

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 “3/4”(ブルガリア・独) 監督:Ilian Metev
 出演:Mila Mikhova、Niki Mashalov、Todor Velchev
 物語:若いピアニストのミラは、外国でのオーディションの準備をしている。弟のニキは、彼女の注意をそらそうとする。宇宙物理学者の父親トドールは、子どもたちの不安を処理できていないように見える。家族が一緒に過ごす最後の夏の物語。
 カンヌ国際映画祭2012 批評家週間に出品されて、Visionary Prizeを受賞した“Sofia's Last Ambulance”(2012)のIlian Metev監督の初のドラマ作品。
 ロカルノ国際映画祭2017 フィルムメイカーズ・オブ・ザ・プレゼント コンペティション部門出品。金豹賞受賞。
 トロント国際映画祭2017 DISCOVERY部門出品。
 サンセバスチャン国際映画祭2017 Zabaltegi-Tabakalera部門出品。
 レイキャビク国際映画祭2017出品。
 ウィーン国際映画祭2017出品。


 ◆男優賞
 ◎Velislav Pavlov “Omnipresent”

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 ◆女優賞
 ◎Teodora Duhovnikova “Omnipresent”

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 ◆脚本賞
 ◎Teodora Markova、Georgi Ivanov、Nevena Kertova、Teo Chepilov “Bubblegum”(ブルガリア)(監督:Stanislav Todorov–Rogi)

 “Bubblegum”(ブルガリア) 監督:Stanislav Todorov–Rogi
 物語:Kalin(35)は、才能ある広告のスペシャリストだが、人生に疲れていた。Bilyana(35)は、自由な精神の持ち主だが、まだ自分のやりたいことが見出せていなかった。彼らは、社会主義時代のブルガリアで育った。同じ遊び仲間に属し、毎日のように違う冒険をした。戯れで、2人は結婚の約束をした。それから25年を経て、2人は再会した。彼らは、恋したこと、ファーストキスをしたこと、夢を語り合ったことを覚えていた。
 テレビ・ドラマを手がけてきたStanislav Todorov–Rogiの、初監督長編。

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 ◆撮影賞
 ◎Nenad Boroevich “Light Thereafter”(ブルガリア・ベルギー・英)(監督:Konstantin Bojanov)

 “Light Thereafter”(ブルガリア・ベルギー・英) 監督:Konstantin Bojanov
 物語:Pavelは、ブルガリア系イギリス人の16歳の若者で、自閉症的な傾向があり、絵を描くことこそ、人生を生き抜くことだと考えていた。彼は、自分の精神的な師と考えるフランス人画家Arnaudに会いに、プロヴァンスを旅する。Pavelは、絶望的な孤独を味わって、さまよう。旅は、やがて彼を自己発見への道に導く。
 第2監督長編。
 ロッテルダム国際映画祭2017 タイガー・アワード コンペティション部門出品。
 ソフィア国際映画祭2017 インターナショナル・コンペティション部門出品。
 エスポー映画祭(フィンランド)2017出品。
 タルコフスキー・フェスティバルZerkalo(ロシア)2017出品。
 ミュンヘン映画祭2017出品。
 ゴールウェイ映画祭2017出品。
 リオ・デ・ジャネイロ国際映画祭2017出品。

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 ◆デビュー賞(Best Feature Film Debut)
 ◎“Radiogram”(ブルガリア・ポーランド) 監督:Rouzie Hassanova

 “Radiogram”(ブルガリア・ポーランド) 監督:Rouzie Hassanova
 物語:1971年。共産主義下のブルガリア。人々が組織的に抑圧されていた時代。ひとりの父親が、ロックンロールが大好きな息子のために、新しいラジオを買いに、約100km離れた町まで歩いてでかけていく。
 初監督長編。
 ハイファ国際映画祭2017出品。

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 ◆スペシャル・メンション(Special Mention)
 ◎Yassen Grigorov監督とクリエイティヴ・チーム “Lilly The little Fish”(ブルガリア)

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 【短編作品部門】

 ※審査員:Martina Vachkova(審査員長/女優)、Genoveva Dimitrova(映画批評家)、Dimitar Kotzev(映画監督)

 ◆作品賞(Golden Rose Award for Best Short Film)
 ◎“Sunflower Spaceship 1”(ブルガリア・伊・オランダ) 監督:Vasil Goranov

 “Sunflower Spaceship 1”(ブルガリア・伊・オランダ) 監督:Vasil Goranov
 物語:精神科医ドクター・コスモスが、患者を治療するのに見つけた最善の方法は、映画だった。それから、彼らは、映画を作り始める。

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 ◆スペシャル・メンション(Special Mentions)
 ◎“Hole”(ブルガリア) 監督:Jonathan Heidelberger
 ◎“The Nights of a Lonely Messenger”(ブルガリア) 監督:Andrey Koulev

 【その他の賞】

 ◆生涯貢献賞(The 2017 Golden Rose Award for lifetime achievement)
 ◎タチヤナ・ローロウ(Tatiana Lolova)
 1934年、ソフィア生まれ。日本の映画データベースに載っている出演作は『情熱の生涯 ゴヤ』(1971)くらいしかないが、舞台からキャリアをスタートさせていて、ラジオで人気が出て、テレビの登場とともにスター女優となった。映画には、60年代から出演していて、主な作品には、“A Cricket in the Ear(Shturetz v uhoto)”(1976)、“Dangerous Charm(Opasen char)”(1984)、“A Talk with Birds(Razgovor s ptizi)”(1997)などがある。最新作は“Lilly the Little Fish”(2017)。

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 ◆ブルガリア・フィルムメイカー・ユニオン賞(The Union of Bulgarian Filmmakers Award)
 ◎Vasil Goranov “Sunflower Spaceship 1”

 ◆批評家組合賞(The Critics Guild Award (UBF))
 ◎長編作品“Omnipresent”
 ◎短編作品“Snails”(ブルガリア) 監督:Albena Puneva

 ◆ピープルズ・チョイス賞(People’s Choice Award)
 ◎“Omnipresent”

 ◆ジャーナリスト賞(Accredited Journalists’ Award)
 ◎“Directions(Posoki)”

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 2017年のブルガリア映画は、ロッテルダム、カンヌ、ロカルノと出品作があって、2016年ほどではなかったとしても、そんなに悪くはなかったという感じでしょうか。

 シノプシスを読んだ限りで、気になるのは、“Directions(Posoki)”ですが、ここでの受賞結果では“Omnipresent”が圧倒的なので、やっぱり“Omnipresent”がベストなのかなっていう印象を持ってしまいますね。

 “Omnipresent”は、まだお披露目になったばかりらしいので、これからいろんなところで上映されて、評価が定まっていくことになるはずです。力のある作品であれば、きっと来年のソフィア国際映画祭やブルガリア・アカデミー賞でも結果を残し、ひょっとすると米国アカデミー賞2019外国語映画賞ブルガリア代表に選ばれたりするのかもしれませんね。

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 *当ブログ記事

 ・ソフィア国際映画祭2017 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201703/article_37.html

 ・ブルガリア・アカデミー賞2017 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201706/article_29.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2017年9月〜2018年1月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201708/article_31.html

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