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zoom RSS 欧州議会が選ぶ、ヨーロッパ映画2017 トップ3! 最終的な栄冠に輝くのは?

<<   作成日時 : 2017/07/25 23:49   >>

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 第11回ラックス賞(Lux Prize)のノミネーション3作品が発表されました。(7月25日)

 【ラックス賞】

 ラックス賞というのは、欧州議会(European Parliament)によって贈られる映画賞で、ヨーロッパの現状(拡大と交流)を示すような題材の映画を通して公衆に議論を呼び起こすことと、EU加盟国での映画の普及とを目的として、2007年からスタートしたものです。

 内容から言うと、@ローカルで、ドメスティックな内容のものではなく、いろんな出自(出身国や民族)のバックグラウンドを持つ登場人物が出てくる現代劇で、しかもそのことが物語の根幹に関わってくるような作品、あるいは、A物語が複数のヨーロッパ諸国にまたがっていて、物語の展開に従って、それぞれの国の実情(現状)が映画の中に映し出されていくような作品、といったインターナショナル、トランスナショナルなヨーロッパ映画がピックアップされるという印象だったのですが、最近では、ヨーロッパ各国固有の事情を描いていても、それがそのまま「ヨーロッパのいま」と見なされ、共通の問題意識をもって受け止められるようになってきたようで、よりシンプルに、Bヨーロッパの現状を示していると思われるような、優れた現代ヨーロッパ映画、がピックアップされるようになってきたようです。

 投票資格があるのは、欧州議会の議員約750名のみ(2017年7月現在は751名)で、議員には、ノミネート発表後、作品の無料の上映会が行なわれることになっています。(そのために、24の言語による字幕が用意され、ヨーロッパ28ヵ国で3ヶ月にわたって上映会が実施されます。)

 選考は、前年の5月31日から当年の5月31日までに劇場公開された作品の中から、欧州議会の文化教育委員会が選出したメンバー21名(プロデューサー、配給者、映画興行者、映画祭ディレクター、映画批評家らから選ばれた「ラックス賞セレクション・パネル」。毎年1/3が改選される)がセレクションを行なって、まずオフィシャル・セレクションとして10本を選び(発表し)、そこからノミネート作品3本に絞り込み、さらに上映会による上映&投票を経て、年間最優秀作品(ラックス賞)を決定するというプロセスが取られています。(※ セレクション・パネルは、少しずつ増えていて、2015年は20名でしたが、2016年(と2017年)は21名になっています。)

 本年度のオフィシャル・セレクションは、7月2日にカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭で発表され、ノミネーションは、ベネチア国際映画祭ベネチア・デイズのラインナップ発表会で発表されました。

 過去10回のノミネート&受賞作品は以下の通りです。

 ◆2007年
 ◎『そして、私たちは愛に帰る』(独・トルコ) 監督:ファティ・アキン
 ・『4ヶ月、3週と2日』(ルーマニア) 監督:クリスティアン・ムンジウ
 ・『夜顔』(西・仏) 監督:マノエル・デ・オリヴェイラ

 ◆2008年
 ・『デルタ』(ハンガリー・独) 監督:コーネル・ムンドルッツォ
 ◎『ロルナの祈り』(ベルギー・仏・伊) 監督:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
 ・“Občan Havel”(チェコ) 監督:Miroslav Janek、Pavel Koutecký

 ◆2009年
 ・『ソフィアの夜明け』(映画祭上映題:『イースタン・プレイ』)(ブルガリア) 監督:カメン・カレフ
 ・“Sturm”(独・デンマーク・オランダ) 監督:ハンス=クリスチャン・シュミット
 ◎『君を想って海をゆく』(仏) 監督:フィリップ・リオレ

 ◆2010年
 ・“Plato's Academy(Akadimia Platonos)”(ギリシャ・独) 監督:Filippos Tsitos
 ◎“When We Leave (Die Fremde)”(独) 監督:フェオ・アラダグ(Feo Aladag)
 ・『イリーガル』“Illégal”(仏・ベルギー・ルクセンブルク) 監督:オリヴィエ・マッセ=ドパス(Olivier Masset-Depasse)

 ◆2011年
 ・“Attenberg”(ギリシャ) 監督:アティーナ・レイチェル・トサンガリ(Athina Rachel Tsangari)
 ◎『キリマンジャロの雪』“Les neiges du Kilimanjaro (The Snows Of Kilimanjaro)”(仏) 監督:ロベール・ゲディギャン
 ・『プレイ』“Play”(スウェーデン・仏・デンマーク) 監督:リューベン・オストルンド

 ◆2012年
 ・『熱波』(ポルトガル・独・仏・ブラジル) 監督:ミゲル・ゴメス(Miguel Gomes)
 ◎『ある海辺の詩人 -小さなヴェニスで-』“Io sono Li (Shun Li and the Poet)”(伊・仏) 監督:アンドレア・セグレ
 ・“Csak a szél (Just the Wind)”(ハンガリー・独・仏) 監督:Bence Fliegauf

 ◆2013年
 ・“The Selfish Giant”(英) 監督:クリオ・バーナード(Clio Barnard)
 ◎『オーバー・ザ・ブルースカイ』(オランダ・ベルギー) 監督:フェリックス・ファン・ヒュルーニンゲン
 ・『ミエーレ』“Miele (Honey)”(伊・仏) 監督:ヴァレリア・ゴリーノ

 ◆2014年

 ◎『イーダ』(ポーランド・デンマーク) 監督:パヴェウ・パヴリコフスキ
 ・“Bande De Files(Girlhood)”(仏) 監督:セリーヌ・シアマ
 ・“Class Enemy (Razredni Sovražnik)”(スロヴェニア) 監督:Rok Biček

 ◆2015年
 ◎『裸足の季節』(仏・独・トルコ) 監督:デニズ・ガムゼ・エルギュベン
 ・『地中海』“Mediterranea”(伊・仏・米・独・カタール) 監督:ジョナス・カルピニャーノ(Jonas Carpignano)
 ・『ザ・レッスン/授業の代償』“Urok (The Lesson)”(ブルガリア・ギリシャ) 監督:クリスティナ・グロゼヴァ(Kristina Grozeva)、ペタル・ヴァルチャノフ(Petar Valchanov)

 ◆2016年
 ◎『ありがとう、トニ・エルドマン』(独・オーストリア) 監督:マーレン・アデ
 ・『ズッキーニと呼ばれて』“Ma Vie de Courgette (My Life as a Courgette)”(スイス・仏) 監督: Claude Barras
 ・“À Peine J’ouvre les Yeux (As I Open My Eyes)”(仏・チュニジア・ベルギー・UAE) 監督: Leyla Bouzid

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 【ラックス賞2017 ノミネーション】

 ・“120 battements par minute(BPM (Beats Per Minute))”(仏) 監督:ロバン・カンピヨ
 出演:アデル・エネル、Arnaud Valois、Antoine Reinartz、イヴ・ヘック(Yves Heck)、Emmanuel Ménard、François Rabette
 物語:80年代に数多くの犠牲者を出した後、90年代になっても、年に6000件も新たにHIV/AIDSの感染者が出ているのにも拘らず、フランスのミッテラン政権は、HIV/AIDSに対して有効な対策を講じず、製薬会社も治療法の開発を急ごうとはしていなかった。感染者の数は、イギリスやドイツの2倍にも上っているというのにだ。ACT UPは、こうした状況に対して、過激で、実践的な抗議活動を行なっているグループで、監督のロバン・カンピヨ自身、かつてACT UPのメンバーのひとりだった。(ACT UPは、1987年にアメリカで設立され、2年後、パリにも誕生した。それぞれのブランチは自律的に活動している。)本作では、90年代初頭のACT UPの活動の最前線を、グループに加わったばかりの若いナタンの目を通して描く。ある日、ACT UPのメンバーは、ゲリラ的に高校を訪問して、生徒にコンドームを配り、セーフ・セックスのプロモーションを行なう。また、血友病に感染しているマルコは、大手製薬会社のラボに侵入して、フェイクの血をばらまいた。マルコの母エレーヌもメンバーのひとりで、病院で息子が輸血によって感染したことを知って憤慨し、グループの活動に加わった。一方で、メンバーのひとり、ジェレミーが、急速に症状を悪化させていく様子も描かれる。ナタンは、ラディカルで戦闘的なショーンに惹かれていく(HIVネガティヴのナタンとHIVポジティヴのショーンのセックスも描かれる)が、ショーンもまたゆっくりと病状が進行していっていることを自覚し、次第に孤独になっていく……。政治とパッションと喪失の物語。
 90年代末にACT UP パリの会長を務めたPhilippe Mangeotも脚本に協力している。
 カンヌ国際映画祭2017 コンペティション部門出品。グランプリ、国際批評家連盟賞、クィア・パルム、フランソワ・シャレ賞、サウンドトラック賞スペシャル・メンション(Arnaud Rebotini)受賞。
 モスクワ国際映画祭2017Missing Pictures部門出品。
 ニュージーランド国際映画祭2017出品。
 ニュー・ホライズンズ映画祭2017出品。
 メルボルン国際映画祭2017出品。


 ・“Western”(独・ブルガリア・オーストリア) 監督:ヴァレスカ・グリーゼバッハ(Valeska Grisebach)
 物語:ドイツの建設労働者が、ブルガリアのカントリーサイドの辺鄙な建設現場で、タフな仕事をスタートさせる。外国にいるということが、男たちの冒険心を目覚めさせる一方、言葉の壁と文化の相違から偏見と不信にも直面する。やがて、男たちは、村人から認知と好意を得ようと競争を始める。
 “Mein Stern”(2001)がベルリン国際映画祭2001ニュー・ジャーマン・シネマ部門に、 『渇望』“Sehnsucht”(2006)がベルリン国際映画祭2006のコンペティション部門に選出されているヴァレスカ・グリーゼバッハの第3監督作品。
 『ありがとう、トニ・エルドマン』のマーレン・アデがプロデューサーを務めている。ヴァレスカ・グリーゼバッハは、『ありがとう、トニ・エルドマン』でスクリプト・アシスタントを担当している。
 カンヌ国際映画祭2017 アウト・オブ・コンペティション部門出品。
 ミュンヘン映画祭2017出品。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2017 ホライズンズ部門出品。
 ゴールデン・アプリコット国際映画祭2017出品。
 エルサレム映画祭2017 インターナショナル・コンペティション部門出品。オナラブル・メンション受賞。
 モトヴン映画祭2017 メイン・プログラム出品。
 メルボルン国際映画祭2017出品。
 ニュー・ホライズンズ映画祭2017出品。


 ・『サーミの血』“Sámi Blood(Sameblod)”(スウェーデン・デンマーク・ノルウェー) 監督:アマンダ・シェーネル(Amanda Kernell)
 物語:Elle Marjaは、北欧のトナカイ遊牧民サーミ人の14歳の少女。彼女は、1930年代の人種差別と、寄宿学校での生物学的人種検査にさらされて、別に人生を夢見るようになる。この夢を叶えるためには、別人になり、家族や文化と縁を切らなければならない。
 日本でも短編作品『NORTHERN GREAT MOUNTAIN』が紹介されているアマンダ・シェーネルの初監督長編。
 ベネチア国際映画祭2016 ベネチア・デイズ出品。Premio Label Europa Cinema(The Europa Cinemas Label)、ヤング・ディレクター賞受賞。
 ハンブルク・フィルム・フェスト2016出品。
 トロント国際映画祭2016 DISCOVERY部門出品。
 東京国際映画祭2016 コンペティション部門出品。最優秀女優賞(レーネ=セシリア・スパルロク)受賞。
 テッサロニキ国際映画祭2016 インターナショナル・コンペティション部門出品。ヒューマン・バリュー賞受賞。
 ドバイ国際映画祭2016出品。
 サンダンス映画祭2017 Spotlight部門出品。
 ロッテルダム国際映画祭2017出品。
 ヨーテボリ国際映画祭2017出品。ドラゴン賞/最優秀ノルディック映画賞受賞。
 サンタバーバラ国際映画祭2017 ヴァルハラ賞/最優秀ノルディック映画受賞。
 ルクセンブルク・シティー映画祭2017出品。ユース審査員賞受賞。
 コスモラマ・トロンハイム国際映画祭2017出品。観客賞受賞。
 ヴィリニュス国際映画祭2017 Baltic Gazeコンペティション部門出品。女優賞(レーネ=セシリア・スパルロク)受賞。
 ウィスコンシン映画祭2017出品。
 クリーヴランド国際映画祭2017出品。
 ニューポート・ビーチ映画祭2017出品。観客賞受賞。
 ミネアポリス・セントポール国際映画祭2017出品。Midnight Sun部門観客賞第2席。
 リヴィエラ国際映画祭2017出品。監督賞受賞。
 シアトル国際映画祭2017 オフィシャル・コンペティション部門出品。審査員大賞、女優賞/ Golden Space Needle Award(レーネ=セシリア・スパルロク)受賞。
 ズリーン国際映画祭2017ヨーロッパ初監督長編作品 インターナショナル・コンペティション部門出品。特別表彰(Special Recoginition)。
 トランシルヴァニア国際映画祭2017 Supernova部門出品。
 シドニー映画祭2017出品。
 エジンバラ国際映画祭2017 European Perspectives部門出品。
 台北電影節2017出品。
 プチョン国際ファンタスティック映画祭2017 ファミリー・ゾーン部門出品。


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 オフィシャル・セレクションの段階では、当ブログでは、『サーミの血』を注目の1本としておきましたが、ラックス賞を報じるメディアでは“120 battements par minute(BPM (Beats Per Minute))”に注目していたものが多かったように思います。

 このところ3年は本命があって、それがそのままラックス賞を受賞していますが、本年度はどうでしょうか。

 2014年は、『イーダ』がラックス賞を受賞し、そのままの勢いでヨーロッパ映画賞でも作品賞・監督賞・脚本賞・観客賞を受賞し、米国アカデミー賞外国語映画賞も受賞。
 2015年は、『裸足の季節』がラックス賞を受賞し、ヨーロッパ映画賞ではディスカバリー賞を受賞して、米国アカデミー賞外国語映画賞ノミネート。
 2016年は、『ありがとう、トニ・エルドマン』がラックス賞を受賞し、ヨーロッパ映画賞で作品賞・監督賞・脚本賞・男優賞・女優賞を受賞し、米国アカデミー賞外国語映画賞ノミネート、という結果になっています。
 この流れでいけば、ラックス賞は、今年もヨーロッパ映画賞や米国アカデミー賞外国語映画賞を占うものとなりそうです。

 この後は、24の言語による字幕が用意され、ヨーロッパ28ヵ国で3ヶ月にわたる上映会を経て、欧州議会の議員約750名によって投票が行なわれて、最終的な受賞作1作品が、11月15日にストラスブールで発表される予定になっています。

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 *当ブログ記事

 ・ラックス賞2017 オフィシャル・セレクション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201707/article_4.html
 ・ラックス賞2016 オフィシャル・セレクション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201607/article_5.html
 ・ラックス賞2016 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201607/article_28.html
 ・ラックス賞2016 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201611/article_41.html
 ・ラックス賞2015 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201510/article_12.html
 ・ラックス賞2015 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201511/article_29.html
 ・ラックス賞2014 オフィシャル・セレクション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201407/article_10.html
 ・ラックス賞2014 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201407/article_22.html
 ・ラックス賞2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201412/article_28.html
 ・ラックス賞2013 オフィシャル・セレクション10作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_1.html
 ・ラックス賞2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_18.html
 ・ラックス賞2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_29.html
 ・ラックス賞2012 オフィシャル・セレクション10作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201207/article_3.html
 ・ラックス賞2012 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201207/article_16.html
 ・ラックス賞2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201211/article_21.html
 ・ラックス賞2011:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_2.html
 ・ラックス賞2010:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201007/article_27.html
 ・ラックス賞2009:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_43.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2016年12月〜2017年4月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201612/article_1.html

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