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zoom RSS 米国映画芸術科学アカデミー 2017-2018 理事の改選 【アカデミー賞に向けて】

<<   作成日時 : 2017/07/01 18:21   >>

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 米国映画芸術科学アカデミー(AMPAS)の2017-2018の理事(Governors)が発表されました。(6月29日)

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 *AMPAS公式サイト:http://www.oscars.org/about/board-of-governors
 *AMPAS News:http://www.oscars.org/news/academy-elects-2017-18-board-governors

 米国アカデミー賞を発表している映画芸術科学アカデミー(AMPAS)は、俳優部会や監督部会など17の部会で構成されていますが(それぞれの部会はそれぞれの会員と各賞に対応)、各部会の代表が集まって理事会(Board of Governors)を作り、役員とともに映画芸術科学アカデミーを運営しています。(2014年よりキャスティング・ディレクターズ部会が新設され、アカデミー賞にもキャスティング部門の創設を切望していますが、それはまだ実現していません。)

 理事は、2012年まではメイキャップ・アーティスト&ヘアスタイリスト部会のみ1名の選出だったのが2013年より3名になり、また、2014年より新たに創設されたキャスティング・ディレクターズ部会を含め、全17部門すべて3名ずつ選出されることになって、2014年から理事は48名から51名に増えています。(2014年より、各部会とは関係なく、会長によってノミネートされ、理事会によって選出されるGovernors-at-Large(一般理事、無所属理事)の3名を含めて、全54名になっています。)
 理事の任期は3年で、各部会の3人のうち毎年1人が改選されています。

 今回は注目のポイントがいろいろありますが、最大のポイントは、やはり、AMPASの多様性(年齢、性別、人種、国籍、物の見方)を推進すると宣言していた会長のシェリル・ブーン・アイザックが、4年の任期を終え、理事をも退くことでしょうか。
 多様化に向けての今の流れを逆行させることはできないとは思いますが、新しい会長(近々選出される予定)が誰になり、どういう方針を打ち出すかが注目されます。

 シェリル・ブーン・アイザックの退任と引き換えに、なのかどうかはわかりませんが、新しい理事にも「多様化」が見られます。

 [初当選]
 ・俳優部会:アネット・ベニング → ウーピー・ゴルドバーグ (ジーナ・デイヴィス、エドワード・ジェームズ・オルモス、リタ・ウィルソン(現職トム・ハンクスの妻)を破って当選。)
 ・監督部会:キャスリン・ビグロー → キンバリー・ピアース
 ・撮影者部会:キャレブ・デシャネル → マンディー・ウォーカー
 ・デザイナー部会:リック・カーター → アフリカン・アメリカンのウィン・P・トーマス
 ・衣裳デザイナー部会:ジェフリー・カーランド → アイシス・マッセンデン
 ・音響部会:マーク・マンジージ → Teri E. Dorman

 ・脚本家部会:フィル・アルデン・ロビンソン → ラリー・カラゼウスキー(Larry Karaszewski)
 ・アニメーション(Short Films and Feature Animation)部会:Bob Rogers → Thomas R. Sito
 ・エグゼクティヴ部会:Daniel Fellman → デイヴィッド・リンド(David Linde:パーティシパント・メディアのCEO)
 ・パブリック・リレーションズ(Public Relations)部会:シェリル・ブーン・アイザックス → Christina Kounelias(Worldwide Marketing and Communicationsのエグゼクティヴ・ヴァイス・プレジデント)

 [現職再選]
 ・映画編集部会:マイケル・トロニック(Michael Tronick)
 ・メイキャップ・アーティスト&ヘアスタイリスト部会:Kathryn L. Blondell
 ・音楽部会:チャールズ・バーンスタイン(Charles Bernstein)
 ・ドキュメンタリー部会:ケイト・アマンド(Kate Amend)
 ・プロデューサー部会:アルバート・バーガー(Albert Berger)
 ・キャスティング・ディレクター部会:Lora Kennedy

 [再選]
 ・視覚効果部会:Bill Taylor → リチャード・エドランド(Richard Edlund)

 このうち、撮影者部会と音響部会は、ともに女性理事が初選出となっています。

 ウーピー・ゴルドバーグは、俳優部会で、初の黒人女性理事ではないかとも思ったのですが、残念ながら、そうした記載もデータも見つけることはできませんでした。

 今回の選出を受けて、17部会のうち、エグゼクティヴ部会とアニメーション部会と視覚効果部会を除く14部会に、1人以上の女性理事が誕生し、衣裳デザイナー部会は3人の理事がすべて女性となりました。

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 AMPASの理事か替わったからと言って、それがすぐ米国アカデミー賞に反映されるかというとそんなこともないでしょうが、キャスティング・ディレクターズ部会ができて2年でアカデミー賞名誉賞に初めてキャスティング・ディレクターが選出されるということがあったくらいですから、多少は期待してもいいかもしれません。

 「多様化」といっても、わかりやすいところでは、「女性がより多く選出されること」ですが、過去10年のデータを見てみると―

 監督賞:過去10年間で監督賞にノミネートされた女性監督はキャスリン・ビグローのみ。
 *米国アカデミー賞89年の歴史の中で作品賞にノミネートされた女性監督の作品は12しかなく、監督賞にノミネートされた女性は3人のみ(ジェーン・カンピオン、ソフィア・コッポラ、キャスリン・ビグロー)で、そのうち受賞したのはキャスリン・ビグローのみ。

 撮影賞:米国アカデミー賞が始まって以来、女性がノミネートされたことは一度もない。
 *当ブログ記事
 ・世界の女性撮影監督 リスト80人:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201611/article_30.html
 ・世界の女性撮影監督 リスト80人(続き):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201611/article_31.html

 録音賞:2008年、2013年〜2016年は女性のノミニー0。2017年は1人。過去10年でノミネートされた女性は5人。
 *過去10年での女性の受賞者は、ローラ・ハーシュバーグ(『インセプション』(2010))のみ。

 音響編集賞:2007年、2009年、2012年、2014年、2016年は女性のノミニー0。2017年は3人。過去10年でノミネートされた女性は8人。
 *過去10年での女性の受賞者は、Karen Baker Landers(『ボーン・アルティメイタム』(2007)、『007 スカイフォール』(2012))

 録音賞と音響編集賞は、理事に女性が加わったからと言って、女性がノミネートされる可能性が高まるとも思えませんが、「不平等」と見なされている監督賞と撮影賞は、ひょっとすると女性がノミネートされる可能性がややアップされるかもしれません。(ただし、2012-2015年の3年間は監督部会の3人の理事のうち2人が女性でしたが(キャスリン・ビグローとリサ・チョロデンコ)、その間、女性監督が監督賞にノミネートされることはありませんでした。)

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 米国アカデミー賞2018でノミネートが期待される女性候補をざっと探ってみると―

 ◆米国アカデミー賞2018にノミネートが期待される女性監督
 ・キャスリン・ビグロー “Detroit”
 ・ソフィア・コッポラ “The Beguiled”
 ・リン・ラムジー “You Were Never Really Here”
 ・ディー・リース “Mudbound”
 ・スザンナ・ホワイト “Woman Walks Ahead”

 ◆米国アカデミー賞2018にノミネートが期待される女性撮影監督
 ・レイチェル・モリソン “Mudbound”
 ・シャルロッテ・ブルース・クリステンセン “Molly's Game ”

 撮影賞に女性が初ノミネートされる可能性は、めぼしい作品があまり見当たらないので、次回の米国アカデミー賞では確率は低そうですが、監督賞は、キャスリン・ビグローが監督部会の理事を外れたこともあり、ちょっと期待していてもいいかもしれません。

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 *参考
 ・FF2 MEDIA:http://ff2media.com/blog/2017/06/29/peirce-karaszewski-elected-to-board-governors/
 ・THR ‘Oscars: Chart of Academy Board of Governors Terms and Seat Openings’:http://www.hollywoodreporter.com/race/oscars-chart-academy-board-governors-907359
 ・IndieWire:http://www.indiewire.com/2017/06/ted-sarandos-academy-board-of-governors-candidates-1201836478/
 ・WMC:http://www.womensmediacenter.com/pages/wmc-investigation-2017-analysis-of-gender-oscar-nominations-at-a-glance

 *当ブログ記事

 ・早くも2018年米国アカデミー賞を予想してみました!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201703/article_1.html
 ・米国アカデミー賞2018 部門別予想! :http://umikarahajimaru.at.webry.info/201703/article_2.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2017年2月〜2017年9月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201702/article_35.html

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