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zoom RSS 「映画祭」 or 「国際映画祭」 または、映画祭の名称について

<<   作成日時 : 2017/07/12 01:10   >>

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 事例1.ワルシャワ国際映画祭(Warszawski Międzynarodowy Festiwal Filmowy/Warsaw International FilmFest)
 ワルシャワ国際映画祭は、東京国際映画祭と同じく、1985年にスタートした映画祭で、「映画週間」(Warszawski Tydzień Filmowy/Warsaw Film Week)としてスタートし、1991年に「映画祭」(Warszawski Festiwal Filmowy/Warsaw Film Festival)になり、さらに2000年に国際映画製作者連盟(FIAPF)の公認を得て、「国際映画祭」(Warszawski Międzynarodowy Festiwal Filmowy/Warsaw International Film Festival)になりました。
 通算回数は、1985年が第1回とカウントされています。

 事例2.ローマ映画祭(Festa del Cinema di Roma/Rome Film Festival)
 ローマ国際映画祭(Festival Internazionale del Film di Roma/International Rome Film Festival)は、トライベッカ映画祭に呼応する形で2002年に単発の映画祭として開催されたのが最初ですが、それが契機となって、2006年より毎年開催される映画祭として正式スタートした映画祭です。
 ホストが首都ローマであり、イタリア経済のバックアップもあって、数多くの有名映画人が参加する映画祭となって、メディアの注目も高い映画祭として出発しました。

 2012年には、2011年まで8年間にわたってベネチア国際映画祭の芸術監督を務めていたマルコ・ミュラー(Marco Müller/マルコ・ミュレール)がローマ国際映画祭の芸術監督に就任して、ベネチア国際映画祭に追いつけ追い越せとばかりに、プログラム編成の思い切った変革を行ない、オフィシャル・セレクションをすべてワールド・プレミア作品に絞るなどして、大いに注目を集めました。

 ところが、2013年、マルコ・ミュラーが芸術監督に就任して2年目で、オフィシャル・セレクションにワールド・プレミア作品を集められなくなり、さらに、2014年にはコンペティション部門自体がなくなって、映画祭の賞も観客賞がメインになりました(この年は、第1回作品賞と最優秀イタリア・ドキュメンタリー賞は残されました)。

 最初から3年契約だったのかどうかはわかりませんが、2015年に芸術監督はマルコ・ミュラーからAntonio Mondaに替わり、映画祭のプレジデントもPaolo FerrariからPiera Detassisに替わっています。

 映画祭のトップが入れ替わると同時に、映画祭の名称も「ローマ国際映画祭」(Festival internazionale del film di Roma)から「ローマ映画祭」(Festa del Cinema di Roma)に改称されました。(映画祭の規模が大きくなって「映画祭」が「国際映画祭」になることはあっても、その逆になることは珍しい。)
 2014年は、部門ごとに観客賞を設けていたのが、2015年以降は、映画祭全体で1つの観客賞を選ぶにとどまっています。

 通算回数は、2006を第1回とし、改称後もそのまま続けてカウントしています。

 ちなみに、2013年〜2016年の映画祭の基本データを書き出すと以下のようになります。(公式サイトでの発表に基づく)

 2013年:30カ国から163作品を上映。7スクリーンでのべ402回の上映。総観客数:15万人以上。

 2014年:23カ国から113作品を上映。7スクリーンでのべ336回の上映。総観客数:15万人。

 2015年:24カ国から53作品を上映。14スクリーンでのべ313回の上映。総観客数:6万人。

 2016年:26カ国から72作品を上映。16スクリーンでのべ313回の上映。総観客数:前年比18%増(具体的な数字は示されず)

 事例3.ファジル国際映画祭(Fajr International Film Festival)
 ファジル国際映画祭(Fajr International Film Festival)は、1982年にイランのテヘランで始まった国際映画祭で、毎年、イラン革命の記念日に合わせて、2月1日-11日に開催されていました。
 ところが、2015年からナショナル部門とインターナショナル部門が分けられ、国産映画は従来通り2月1日-11日にファジル映画祭(Fajr Film Festival)として開催され、インターナショナル作品は4月にファジル国際映画祭(Fajr International Film Festival)として開催されるようになりました。
 ややこしいのは、通算の回数を同じにしていることで、例えば、2015年大会は、ファジル映画祭もファジル国際映画祭も第33回とカウントされています。

 事例4.フィラデルフィア国際映画祭(Philadelphia International Film Festival)とフィラデルフィア映画祭(Philadelphia Film Festival)
 フィラデルフィア国際映画祭(Philadelphia International Film Festival)は、International Association of Motion Picture and Television Producers, Inc.,をスポンサーとし、PHILAFILM Festival Committeeが運営している映画祭で、毎年6月に開催され、2017年に第40回を迎えています。
 *公式サイト:http://www.philafilm.org/
 フィラデルフィア映画祭(Philadelphia Film Festival)は、1991年にThe Philadelphia Film Societyによって設立された映画祭で、2009年までは4月第1週に開催されていたのが、2010年以降、秋に開催されるようになっています。第20回大会で、250を超えるスクリーニングを行ない、約3万5千枚のチケットを売り上げた、とWikipediaに書かれています。
 *公式サイト:http://filmadelphia.org/festival/
 Wikipediaに情報が記載されているのは、フィラデルフィア映画祭で、映画賞レースにおいて重要なのもフィラデルフィア映画祭の方です。
 ただし、IMDbでは、「Awards」欄では正しく記載されているのに、「Release Info」欄では、「Philadelphia Film Festival」での上映履歴が「Philadelphia International Film Festival」と記載されていたりしています。

 事例5.ミュンヘン映画祭(Filmfest München)
 1983年に創設。Internationale Münchner Filmwochen GmbH(ミュンヘン国際映画週間Ltd.)によって運営。
 公式サイトの英語ページでも自らのことをFilmfest Münchenと名乗っているのに、Wikipedia英語版では「Munich International Film festival」と記載されています。
 IMDbでは、「Awards」欄では「Munich Film festival」と記載され、「Release Info」欄では、「Munich International Film festival」と記載されています。
 日本では、ユニフランスでは「ミュンヘン国際映画祭」と記し、川喜多記念映画文化財団では、項目としては「ミュンヘン国際映画祭」と取り上げながら、本文中では「ミュンヘン映画祭」と記しています。
 ・川喜多記念映画文化財団:http://www.kawakita-film.or.jp/festival/2005/munich2005.html

 事例6.デンバー映画祭(Denver Film Festival)
 1978年に創設。
 IMDbでは、「Awards」欄でも、「Release Info」欄でも、なぜか「Denver International Film Festival」と記載されています。Denver International Film Festivalなどという映画祭が存在したことはありません。

 事例7.ザグレブ国際アニメーションフェスティバル(Svjetski festival animiranog filma/ Animafest Zagreb/ World Festival of Animated Film Zagreb)
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル(Festival International du Film d'Animation d'Annecy/Annecy International Animated Film Festival)
 オタワ国際アニメーションフェスティバル(Ottawa International Animation Festival/Festival international du film d'animation d'Ottawa)

 日本語表記としては、
 ザグレブには、「ザグレブ国際アニメーションフェスティバル」と「ザグレブ国際アニメーション映画祭」と「ザグレブ・アニメーション世界映画祭」があり、
 アヌシーには、「アヌシー国際アニメーションフェスティバル」と「アヌシー国際アニメーション映画祭」があり、
 オタワには、「オタワ国際アニメーションフェスティバル」と「オタワ国際アニメーション映画祭」があります。
 このうち日本版Wikipediaでは、アヌシーが「アヌシー国際アニメーション映画祭」を、オタワが「オタワ国際アニメーションフェスティバル」を採用しています。
 広島国際アニメーションフェスティバル(英語表記:International Animation Festival - HIROSHIMA)が、「アニメーションフェスティバル」なので、みんな「アニメーションフェスティバル」で統一してしまえばいいと思うのですが、どうでしょうか。同じような作品が上映されたり、受賞したりしていることでもあり、わざわざ煩雑にしなくてもいいと思うのですが。正確な翻訳を志すなら、「ザグレブ・アニメーション世界映画祭」(または、「ザグレブ世界アニメーション映画祭」)を採用すべきかもしれません。
 ちなみに、日本には「新千歳空港国際アニメーション映画祭」という映画祭もあります。

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 「映画祭」か「国際映画祭」か。
 「国際」を名乗っていいかどうかは、当の映画祭サイドにとっては、大きな問題だし、場合によっては、誤表記になったり、全く別の映画祭になってしまったりします。

 その割には、日本語の記事でも、IMDbでもけっこう無頓着だったりしますね。

 ネット(国際映画祭(こくさいえいがさい)とは - コトバンク)によると
 ・https://kotobank.jp/word/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E6%98%A0%E7%94%BB%E7%A5%AD-162240
 ・「ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説」
 国際映画祭/こくさいえいがさい/international film festival:正式には国際映画製作者連盟に認定された映画祭。
 ・「世界大百科事典内の国際映画祭の言及」
 【映画祭】より:…字義どおり映画の祭典であるが,公式には国際映画製作者連盟(1933創設)の規約にのっとって催されるもののみが国際映画祭International Film Festivalとして認められる。
 とあります。

 「国際映画製作者連盟」に認められないと「国際映画祭」と名乗れないなんてことはないはずで、正確には、「国際映画製作者連盟」は、「国際映画祭」の共通のルール作りをしているだけで、「国際映画製作者連盟に認められると、国際映画製作者連盟公認の国際映画祭として認められる」ということなのだと思いますが。

 「映画祭」の日本語表記は、基本的には
 ・オリジナル表記(の翻訳)に従う。
 ・慣例・通称がある場合にはそれに従う。
 でいいと思いますが、どうでしょうか。

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 【映画祭の名称について】

 カンヌ 国際 映画祭
  @   A   B

 日本語表記だと@+A+Bという構成になるのが普通です。(Aはない場合もあります。)

 @:地名

 A:ジャンルや特徴
 地域性:国際、世界、ヨーロッパ、地中海、三大陸、太平洋など
 ジャンル:ドキュメンタリー、アニメーション、ファンタスティック、レズビアン&ゲイ、児童、青少年、女性、ジューイッシュ、アジア、ラテンなど
 「インディペンデント」など

 アメリカの映画祭は、「国際」を入れたがらない傾向があるように思います。外国語映画への抵抗からでしょうか。
 「国際」が入っている映画祭が、インディアナポリス、クリーヴランド、サンフランシスコ、シアトル、シカゴ、セントルイス、パームスプリングス、バッファロー、ハンプトンズ、(フィラデルフィア)、ミネアポリス・セントポールくらいしか見当たらないのに対し、「国際」が入っていない映画祭は、アン・アーバー、SXSW、サラソータ、サンダンス、スラムダンス、テルライド、デンバー、トライベッカ、トラヴァースシティー、ナッシュヴィル、ナンタケット、ニューヨーク、ニューポート・ビーチ、ハートランド、プロヴィンスタウン、モントクレア、ロサンゼルスとぞろぞろ出てきます。
 アメリカ以外で「国際」が入っていない映画祭には、エルサレム、サラエボ、シドニー、チューリヒ、トリノ、ミュンヘン、ミラノ、ローマなどがあります。

 B「Film Festival」=「映画祭」ですが、オリジナルの表記が、「Film Festival」でない映画祭があります。
 a)Festのケース
 ・Filmfest München → 「ミュンヘン映画祭」または「ミュンヘン国際映画祭」
 ・Filmfest Hamburg → 「ハンブルク・フィルムフェスト」、ユニフランスでは「ハンブルグ・フィルムフェスト 国際映画祭」
 ・Fantastic Fest → 「ファンタスティック・フェスト」または「オースティン・ファンタスティック映画祭」
 ・Fantasy Fest → 「ファンタジーフェスト」(フロリダ州キーウェスト)
 ・Mórbido Fest(Mórbido Film Fest) → 「Mórbidoフェスト」
 ・AFI Fest → AFIフェスト
 ・Animafest Zagreb(Svjetski festival animiranog filma/World Festival of Animated Film Zagreb) → 「ザグレブ国際アニメーションフェスティバル」または「ザグレブ国際アニメーション映画祭」または「ザグレブ・アニメーション世界映画祭」
 ・BAM Cinemafest(The Brooklyn Academy of Music Cinemafest)

 b)「映画祭」と訳しにくいケース
 ・Biografilm Festival → 当ブログでは「バイオグラフィルム・フェスティバル」
 ・Festival International du Premier Film d'Annonay → 当ブログでは「アノネー国際ファースト・フィルム・フェスティバル」
 ・Le Festival des premiers films européens(Premiers Plans - Angers Film Festival) → 当ブログでは「アンジェ・ファースト・フィルム・フェスティバル」
 ・Films from the South Festival(Film Fra Sør-festivalen) → 当ブログでは「フィルムズ・フロム・ザ・サウス映画祭」(「フィルムズ・フロム・ザ・サウス・フェスティバル」の方が正確かもしれない)
 ・Grossmann Fantastic Film & Wine Festival → 「グロスマン・ファンタスティック・フィルム&ワイン・フェスティバル」
 ・Das Internationale Trickfilm-Festival Stuttgart – Festival of Animated Film(The Stuttgart International Festival of Animated Film) → 「シュトゥットガルト国際アニメーションフェスティバル」
 ・Trieste Science+Fiction Festival → 「トリエステ・サイエンス+フィクションフェスティバル」
 ・Boomtown Film & Music Festival、Jecheon International Music & Film Festival、Kustendorf International Film and Music Festival、Sacramento Film & Music Festival、Square Lake Film and Music Festival

 c)「映画祭」としてしまうことにやや抵抗があるケース
 ・Imagine Film Festival →「イマジン・フィルム・フェスティバル」
 ・Slash Film Festival(/slash Filmfestival) → 当ブログでは「スラッシュ・フィルム・フェスティバル」

 d)「Festival」とは称していないケース
 ・Galway Film Fleadh → 「ゴールウェイ映画祭」

 e)電影節
 ・台北電影節 → 「台北電影節」または「台北映画祭」
 「香港國際電影節」は「香港国際映画祭」、「上海国际电影节」は「上海国際映画祭」、「北京国际电影节」は「北京国際映画祭」ですが、当ブログでは「台北電影節」はそのまま「台北電影節」としています。確か先例に従ったんじゃなかったかと思います。「香港電影金像奨」や「台湾・金馬奨」に「賞」を使わずに「奨」を使う感覚と同じでしょうか。(「台湾・金馬奨」は正しくは「台北金馬奨」ですが。)

 f)「××Film Festival」ではない呼称を持つ映画祭
 ・AFI Docs
 ・Anima Mundi アニマ・ムンディ(ブラジル)
 ・Berlinale(Berlin International Film Festival) ベルリン国際映画祭
 ・Cinéma du réel シネマ ドゥ リール
 ・CPH:DOX
 ・CPH:PIX(コペンハーゲン国際映画祭)
 ・Docaviv(the Tel Aviv International Documentary Film Festival) DocAviv/テルアビブ国際ドキュメンタリー映画祭
 ・Doclisboa , Festival de documentaires de Lisbonne リスボン・ドキュメンタリー映画祭
 ・Ducumantamadrid ドキュメンタ マドリッド
 ・Fantasia(The Fantasia International Film Festival) ファンタジア/ファンタジア国際映画祭(モントリオール)
 ・Fantasporto(Fantas/Oporto International Film Festival) ファンタスポルト/ポルト国際映画祭
 ・Frameline, San Francisco International LGBTQ Film Festival フレームライン映画祭/サンフランシスコ国際LGBTQ映画祭
 ・IndieLisboa | Festival Internacional de Cinema Independente de Lisboa インディーリスボア/リスボン国際インディペンデント映画祭
 ・New Directors/New Films
 ・La Viennale (o Vienna International Film Festival) ベネチア国際映画祭
 ・Visions du Réel(Festival international de cinéma documentaire de Nyon) ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭

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 ・国際的に重要な、約15のドキュメンタリー映画祭:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201406/article_27.html

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