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zoom RSS 全州国際映画祭2017 受賞結果!

<<   作成日時 : 2017/05/07 09:59   >>

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 第18回全州国際映画祭(4月27日-5月6日)の各賞が発表されました。

 【全州国際映画祭】

 全州国際映画祭といえば、「三人三色」というプロジェクトで有名ですが、映画祭としては、有名な監督の作品や、既に高い評価を得ている作品を揃えるのではなく、無名でも野心的な若い映画作家の作品を積極的に紹介しようとしている映画祭、ということになるでしょうか。

 コンペティション部門は3つあり、そのうちのインターナショナル・コンペティションでは、過去に諏訪敦彦監督の『M/other』やアピチャッポン・ウィーラセタクン監督の『真昼の不思議な物体』などがWoosuk Award(大賞)を受賞しています。
 正直なところ、(韓国映画以外は)そんなにプレミア度は高くありませんが(『M/other』の受賞もカンヌでの受賞から約1年後でした)、『M/other』や『真昼の不思議な物体』がグランプリを受賞しているということで、この映画祭が志向する方向はぼんやりと覗えるように思います。

 以前は、デジタルで作品を制作することやデジタルで制作された作品を上映することに力を入れていて、それを映画祭の1つの特色として打ち出していましたが、大半の作品がデジタルで撮影されるようになった現在、「デジタル」を前面に出すことはなくなったようです。

 なお、前回は、『恋物語』を韓国映画コンペティション部門のグランプリに選出しています。

 本年度の受賞結果は、以下の通り。

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 【インターナショナル・コンペティション部門】

 ・“The Park”(仏) 監督:ダミアン・マニヴェル(Damien Manivel) [アジア・プレミア]
 ・“Barrage”(ルクセンブルク) 監督:Laura Schroeder [アジア・プレミア]
 ・“Son of Sofia”(ギリシャ・仏・ブルガリア) 監督:Elina Psikou [アジア・プレミア]
 ・“In Between”(イスラエル・仏) 監督:Maysaloun Hamoud [アジア・プレミア]
 ・“Bamseom Pirates Seoul Inferno(밤섬해적단 서울불바다)”(韓) 監督:Jung Yoonsuk(정윤석) [ドキュメンタリー][アジア・プレミア]
 ・“Boundaries”(カナダ) 監督:Chloé Robichaud [アジア・プレミア]
 ・“The Stairs”(カナダ) 監督:Hugh Gibson [アジア・プレミア]
 ・“Casa Roshell”(メキシコ・チリ) 監督:Camila José Donoso [アジア・プレミア]
 ・“Rifle”(ブラジル・独) 監督:Davi Pretto [アジア・プレミア]
 ・“The Human Surge”(アルゼンチン・ブラジル・ポルトガル) 監督:Eduardo Williams [アジア・プレミア]
 ※審査員:Jean-Pierre Rehm(マルセイユ国際映画祭ディレクター)、イルディゴ・エンエディ(ハンガリーの映画監督)、ドミニク・カブレラ(アルジェリアの監督)

 ◆グランプリ
 ◎“Rifle”(ブラジル・独) 監督:Davi Pretto

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 “Rifle”(ブラジル・独) 監督: Davi Pretto
 物語:ブラジルの南部。かつては牧羊場が広がっていたが、土地の開発が進んで、牧羊場を営む者は減っていっている。開発業者は、広大な土地を手に入れて、豆や米を生産しようと計画している。そんな流れに逆行してDioneが、都会からこの土地にやってくる。もはやここに残ろうとする者は彼しかいない。Dioneは、言葉少なで、表情に乏しく、貧しい牧夫の一家に転がり込んだだけで、この土地が彼のものであるわけでもない。末娘とつきあい、一家や近隣からささやかな仕事を恵んでもらうような状況だ。Dioneは、ライフルを手に入れる。(やがて彼が元兵士で、彼の責任ではない痛ましい事故の結果、軍を追われたことが明らかになる。)彼は、ライフルを射ち、窓ガラスを割り、タイヤを焼き、車を火だるまにする。銃撃は、一瞬、静寂を破るだけで、結果的に暴力行為は、パンパの中に吸い込まれていく……。
 非職業俳優を使って撮影された。
 第2監督長編(長編フィクションの監督は初めて)。
 ブラジリア映画祭2016出品。作品賞、脚本賞、録音賞受賞。
 ベルリン国際映画祭2017 フォーラム部門出品。

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 ◆作品賞(The Woosuk Award)
 ◎“The Park(Le Parc)”(仏) 監督:ダミアン・マニヴェル(Damien Manivel)

 “The Park(Le Parc)”(仏) 監督:ダミアン・マニヴェル(Damien Manivel)
 物語:夏。マキシムとナオミは、ともに10代で、公園で初めてのデートをする。最初は、恥じらいながらも、次第に互いを知り合い、そして恋に落ちる。やがて、陽が沈み、別れの時が近づいてくる。そして、夜が始まる。
 『若き詩人』のダミアン・マニヴェル第2監督長編。
 カンヌ国際映画祭2016 ACID部門出品。
 レインダンス映画祭2016出品。
 ウィーン国際映画祭2016出品。
 CPH:PIX 2016出品。
 セビリヤ・ヨーロッパ映画祭2016 NEW WAVE部門出品。
 トリノ映画祭2016出品。
 マル・デル・プラタ国際映画祭2016出品。
 「フィルム・コメント」誌が選ぶ最優秀劇場未公開作品2016 第20位。

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 ◆審査員特別賞
 ◎“In Between”(イスラエル・仏) 監督:Maysaloun Hamoud
 ◎“The Human Surge”(アルゼンチン・ブラジル・ポルトガル) 監督:Eduardo Williams

 “In Between(Bar Bahar)”(イスラエル・仏) 監督:Maysaloun Hamoud
 物語:SalmaとLailaは、イスラエルの市民権を持つパレスチナ人で、イスラエル北部の村からテルアビブにやってきた。彼らは、自由な生活を望み、伝統的で保守的なアラブ社会のあらゆるタブーを破った。しかし、パレスチナ人は、多数派のイスラエル人の中には、完全には溶け込むことができない。イスラエルの国境に位置するアラブ人町Umm al-Fahmから、敬虔なムスリムの娘Nurがやってきたことで、彼らの生活は揺さぶられる。彼らは、クラブの前で、ひとりのパレスチナ人男性と会う。彼は、Nurと同郷なのだが、家族には、自分がホモセクシャルであることを隠していた……。
 パレスチナ-イスラエル社会で暮らす多くのパレスチナ人が直面する現実を描いた物語。
 初監督長編。“Gett: The Trial of Viviane Amsalem”の監督Shlomi Elkabetzがプロデューサーを務める。監督のMaysaloun Hamoudは、The Minshar School of Art in Tel Aviv時代のShlomi Elkabetzの教え子であり、“Gett: The Trial of Viviane Amsalem”の成功が、本作の製作を軌道に乗せた。
 トロント国際映画祭2016 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。NETPAC賞受賞。
 サンセバスチャン国際映画祭2016 ニュー・ディレクターズ部門出品。ユース賞、TVE-Another Look Award、Sebastiane Award受賞。
 ハイファ国際映画祭2016 第1回作品賞(Danny Lerner Award)、イスラエル映画における芸術貢献賞(Fedeora Award)受賞。
 パームスプリングス国際映画祭2017 New Voices/New Visions部門出品。
 ヨーテボリ国際映画祭2017出品。
 サンタバーバラ国際映画祭2017出品。
 ヴィリニュス国際映画祭2017出品。
 クリーヴランド国際映画祭2017出品。
 イスタンブール国際映画祭2017 インターナショナル・チューリップ・コンペティション部門出品。国際批評家連盟賞受賞。


 “The Human Surge(El auge del humano)”(アルゼンチン・ブラジル・ポルトガル) 監督:Eduardo Williams
 物語:ブエノスアイレス。Exeは、25歳で、失業したが、次の仕事を探していない。隣人や友人たちは、そんな彼をおかしいという。オンラインで、彼はモザンビークに住む少年Alfと出会う。Alfもまた仕事に飽きていて、ジャングルに入ったもうひとりの少年Archieの後を追おうとする。樹木がうっそうと茂る森の中で、Archieは巣に戻る働きアリを追う。アリたちは、地中を進み、大きなアリ塚に這い出る。ここは、フィリピンで、フィリピン人のCanhがいらだしげにアリを払う。Canhは、風変わりで美しいホームタウンに帰ろうとしていたが、彼もまた仕事に恵まれていなかった。
 初監督長編。
 ロカルノ国際映画祭2016 フィルムメイカーズ・オブ・ザ・プレゼント コンペティション部門出品。金豹賞、第1回作品賞 スペシャル・メンション受賞。
 トロント国際映画祭2016 WAVELENGTHS部門出品。
 ニューヨーク映画祭2016出品。
 リオ・デ・ジャネイロ国際映画祭2016出品。
 ウィーン国際映画祭2017出品。
 マル・デル・プラタ国際映画祭2016出品。
 ヨーテボリ国際映画祭2017出品。
 ポートランド国際映画祭2017出品。
 カルタヘナ国際映画祭2017出品。
 サンフランシスコ国際映画祭2017 ゴールデンゲート ニュー・ディレクターズ・コンペティション 長編ナラティヴ部門出品。
 インディーリスボア/リスボン国際インディペンデント映画祭2017出品。

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 【韓国映画コンペティション部門】

 ※審査員:Jacob Wong(香港国際映画祭キュレーター)、Cecilia Barrionuevo(マル・デル・プラタ国際映画祭プログラマー)、ソン・ヘソン(Song Haeseong:韓国の映画監督)

 ◆グランプリ
 ◎“The Seeds of Violence(폭력의 씨앗)”(韓) 監督:Im Taegyu(임태규)

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  “The Seeds of Violence(폭력의 씨앗)”(韓) 監督:Im Taegyu(임태규)
 物語:ジョヨンは、上官から受けていた虐待を暴露しようとして失敗する。上官は、自分を告発しようとしていたのが誰なのか、犯人探しを始める。
 初監督長編。

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 ◆CGV Arthouse Award Upcoming Project Prize
 ◎“Happy Bus Day(해피뻐스데이)”(韓) 監督:Lee Seungwon(이승원)

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 “Happy Bus Day(해피뻐스데이)”(韓) 監督:Lee Seung-won(이승원)
 物語:長男の誕生日に、家族が集まって来る。詐欺師の息子、口の悪い母親、キズだらけの子どもたち、内気な義理の娘、狡猾な叔父。母親は、家族それぞれに、10分間だけ、私の部屋に来てくれという。家族はそれぞれ心に傷と秘密を抱いていた。
 香港国際映画祭2017 ヤング・シネマ・コンペティション部門出品。国際批評家連盟賞受賞。

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 ◆CGV Arthouse Award Distribution Support Prize
 ◎“The Seeds of Violence”

 ◆ドキュメンタリー賞
 ◎“Blue Butterfly Effect(파란나비효과)”(韓) 監督:Park Moonchil(박문칠) [ワールド・プレミア]

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 “Blue Butterfly Effect(파란나비효과)”(韓) 監督:Park Moonchil(박문칠)
 慶尚北道星州郡への米軍の高高度迎撃ミサイルシステムTHAAD配備に対して、住民からの反発が起こる。若い母親たちは、子どもたちのことを考えて、そして放射能への脅威から、反対運動を起こす。次第に、彼らは、このシステムによいところなど何もないことを学んでいく。

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 ◆UNION INVESTMENT PARTNERS Award(新人監督賞)
 ◎“Saem(샘)”(韓) 監督:Hwang Gyuil(황규일) [ワールド・プレミア]

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 “Saem(샘)”(韓) 監督:Hwang Gyuil(황규일)
 物語:ドゥサンは、相貌失認という脳の障害を患っていて、顔を見ても個人を識別することができない。彼は、初恋の人を捜すために、ソウルにやってきたが、3人も人違いをしてしまう。会う人みんながSaemに見えてしまうのだ。


 【韓国短編コンペティション部門】

 ※審査員:Jukka-Pekka Laakso(タンペレ映画祭ディレクター)、Kim Jongkwan(韓国の映画監督)、チョン・ウンチェ(Jung Eunchae:韓国の女優)

 ◆グランプリ
 ◎“Alone Together(가까이)”(韓) 監督:Bae Gyung-heon(배경헌)


 ◆審査員特別賞
 ◎“Bomdong(봄동)”(韓) 監督:Chae Euiseok(채의석)

 ◆監督賞
 ◎Kim Youngsam(김용삼) “Hye-Young(혜영)”(韓)

 【その他の賞】

 ◆NETPAC賞
 ◎“The Painter's View(이중섭의 눈)”(韓) 監督:Kim Heecheol(김희철) [Korea Cinemascape部門][ワールド・プレミア]


 “The Painter's View(이중섭의 눈)”(韓) 監督:Kim Heecheol(김희철)
 画家イ・ジュンソプ(이중섭:1916-1956)に関するドキュメンタリー。イ・ジュンソプは、日本とも関わりが深い画家で、日帝時代に、日本の帝国美術学校、そして東京文化学院で学び、日本人の山本方子(イ・ナムドク)と結婚している。故郷は、北朝鮮にあり、朝鮮戦争が起こった時、38度線を越えて逃げ、済州島に移り住んだ。その後、妻と息子は安全な東京に住まわせるが、自身は独りで釜山で生活した。


 ◆Daemyung Culture Wave Award
 ◎“Loser’s Adventure(튼튼이의 모험)”(韓) 監督:Ko Bongsu(고봉수) [Korea Cinemascape部門][ワールド・プレミア]


 “Loser’s Adventure(튼튼이의 모험)”(韓) 監督:Ko Bongsu(고봉수)
 物語:大浦洞高校のレスリング部は、選手不足で解散の危機にある。コーチは、校長を説得して、2人の選手がトーナメントを勝ち上がるから待ってくれと頼む。それまであと2週間しか残されていない。


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 今年の全州国際映画祭は、記録ずくめだったと発表されています。

 のべ入場者数が79000(前回71093)、ソールドアウトの回が270(前回222)、上映作品が58ヵ国から229本(前回45ヵ国から211本)、のべ上映回数が543(前回503)。

 上映作品のうち、ワールド・プレミアが50本(長編28本、短編22本)、インターナショナル・プレミア3本(すべて長編)、アジア・プレミア57本(長編43本、短編14本)となっています。

 昨年の釜山国際映画祭が、上映本数こそ1年前とほとんど変わらなかったものの、入場者数を大幅に減らした、というのと比べて、対照的な結果となりました。

 【PHOTO GALLERY】

 ◆舞台挨拶&トークショー
 『アンチポルノ』“Antiporno”(監督:園子温) 冨手麻妙
 『牝猫たち』“Dawn of the Felines”(監督:白石和彌) 井端珠里


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 ◆『イノセント15』“Innocent15”(監督:甲斐博和)
 萩原利久、小川紗良、甲斐博和(監督)

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 ちなみに、クロージング作品は、矢口史靖監督の『サバイバルファミリー』でした。

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 *当ブログ記事

 ・全州国際映画祭2016 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201605/article_13.html
 ・全州国際映画祭2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201405/article_19.html
 ・全州国際映画祭2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201305/article_23.html
 ・全州国際映画祭2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201005/article_11.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2017年2月〜2017年9月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201702/article_35.html

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