海から始まる!?

アクセスカウンタ

zoom RSS 米国アカデミー賞2017 短編アニメーション賞 ショートリスト10作品発表!

<<   作成日時 : 2016/11/24 20:20   >>

トラックバック 0 / コメント 0

 第89回米国アカデミー賞 短編アニメーション賞ショートリスト10作品が発表になりました。(11月23日)

 大手スタジオ作品、学生作品、外国作品等、いろんなところに気を使いつつ、バランスを考慮してチョイスしたショートリストになっているように思えます。

 ・“Borrowed Time”(米) 監督:Andrew Coats、Lou Hamou-Lhadj
 物語:くたびれたシェリフが、彼が生涯追い続けた事件の現場に戻ってくる。歩みを進めるごとに記憶がよみがえる。彼は、過去の過ちと向き合い、前へ進む力を取り戻さなければならない。
 Andrew Coatsは、アニメーターとして、『ホートンホートン/ふしぎな世界のダレダーレ』『アイス・エイジ3 ティラノのおとしもの』『ブルー 初めての空へ』『カーズ2』『メリダとおそろしの森』『インサイド・ヘッド』に参加している。
 Lou Hamou-Lhadjは、『ウォーリー』『デイ&ナイト』『トイ・ストーリー3』『メリダとおそろしの森』『アーロと少年』に、キャラクター・モデリングやアーティキュレーション・アーティスト、アニメーター等として参加している。
 ともにこれが初監督作品。
 オースティン映画祭2015出品。
 セントルイス国際映画祭2015 最優秀短編アニメーション賞受賞。
 ナッシュヴィル映画祭2016 最優秀短編アニメーション賞受賞。
 USA映画祭(ダラス)2016 アニメーション部門第1席。
 Fastnet短編映画祭2016 撮影賞受賞。
 ブルックリン映画祭2016 短編アニメーション部門観客賞受賞。
 SIGGRAPH2016 コンピューター・アニメーション・フェスティバル2016 ELECTRONIC THEATER出品。最優秀作品賞受賞。
 エドモントン映画祭2016出品。
 タコマ映画祭2016出品。
 *今ならまだYouTubeで動画本編視聴可。


 ・“Inner Workings”(米) 監督:Leo Matsuda [Walt Disney Animation Studios]
 物語:あらゆる動きをコントロールしたいという脳と、自由に解放されたがっている心という、人間内部の争いを描く。
 Leo Matsudaは、『ザ・シンプソンズ MOVIE』『シュガー・ラッシュ』『ベイマックス』『ズートピア』に、ストーリー・アーティストやキャラクター・レイアウト・アーティストとして参加。監督作品は、8年ぶり2本目。
 『モアナと伝説の海』の併映短編。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2016 上映イベント出品。

画像

 ・“Once Upon a Line”(米) 監督:Alicja Jasina(University of Southern California)
 物語:ひとりの男性がモノトーンで単調な生活を送っている。ところが、彼は、恋に落ちて、物事がコントロールできなくなる。しかし、最後には、彼は、別の生き方があり、世界は色と希望にあふれていることを知る。
 ポーランド映画祭(ロサンゼルス)2016出品。
 学生アカデミー賞金賞(Gold Medal)受賞。


 ・“Pearl”(米) 監督:パトリック・オズボーン
 物語:父は、ギターを抱いて歌いながらドライブし、時には通りでギターケースを前に置いて、ストリート・ミュージシャンのようなこともしたりした。娘は、小さい頃から父と一緒に車に乗り、ドライブをした。たまには父と一緒にギターで演奏をしたりもした。娘は、父から離れた時期もあり、父はそれを寂しく感じたが、やがて今度は、娘の方が仲間とつるんでドライブするようになる。
 パトリック・オズボーンは、短編アニメーション『紙ひこうき』にアニメーション・スーパーバイザーとして、『サーフズ・アップ』『塔の上のラプンツェル』『シュガー・ラッシュ』『ベイマックス』にアニメーターとして参加。監督作品『愛犬とごちそう』で米国アカデミー賞2015 短編アニメーション賞受賞。
 Google’s Spotlight Storiesのために制作されたVR作品。モバイルから高性能ヘッドセットまで異なる5つのフォーマットでリリースされた。
 トライベッカ映画祭2016出品。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2016 ヴァーチャル・リアリティー&アニメーション出品。
 トラヴァース・シティー映画祭2016 最優秀ナラティヴ・ショート スペシャル・メンション受賞。
 ITSA映画祭2016 最優秀アニメーション賞(Outstanding Animation)、ベスト・オブ・フェスト(Outstanding Film / Best of The Fest)受賞。
 *YouTubeで動画本編視聴可。

画像

 ・『ひな鳥の冒険』“Piper”(米) 監督:アラン・バリラーロ(Alan Barillaro) [Pixar Animation Studios]
 物語:波打ち際にたくさんの海鳥がいる。少し離れたところに、母鳥とひながいて、母鳥はひなに自分でエサを取ることを教えようとする。ところが、ひなは口をあけて、母鳥からエサをねだろうとする。ひなは、まだ波がこわい。波を恐れて逃げるが、やがて波なんかこわくないことをヤドカリから教わり、自分でエサを取ることを学び、はばたけるようにもなる。
 アラン・バリラーロは、『バグズ・ライフ』から『モンスターズ・ユニバーシティ』までピクサー作品でアニメーターとして活躍。
 『ファインディング・ドリー』の併映短編。
 広島国際アニメーションフェスティバル2016出品。
 *YouTubeで動画本編視聴可。

画像

 ・『あなたの指で』“Under your fingers(Sous tes doigts)”(仏) 監督:Marie-Christine Courtès
 物語:「祖母の火葬の日。インドシナとフランスの混血の少女エミリーは、祖母の記憶を追体験する。仏領インドシナでのフランス人入植者ジャックとの短い恋と娘リンの誕生。1956年にフランスに逃れた後、ロット=エ=ガロンヌ県、サント・リヴラード収容所での隔離された生活と搾取の時代まで・・・。エミリーは祖母と母の記憶と怒りを伝統的な儀式と踊りを通じて受け入れていく。」
 Urban Film Festival(パリ)2015出品。2D3Dアニメーション賞受賞。
 FICAM Meknès 2015出品。フランス語アニメーション部門RTS賞、ヤング審査員賞、観客賞受賞
 ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2015出品。
 セザール賞2016 短編アニメーション賞ノミネート。
 カトゥーン・ドール2016 ノミネート。


 ・“Happy End”(チェコ) 監督:Jan Saska(FAMU)
 物語:男がびんビールをラッパ飲みしながら、トラクターを走らせている。飲んでいる間は、注意が散漫になるが、ふとバックミラーを見て、まずいことになってしまったことに気づく。
 ANIFILM2016 最優秀学生作品賞受賞。
 カンヌ国際映画祭2016 監督週間出品。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2016 卒業制作コンペティション部門出品。
 DokuFest 2016出品。
 オタワ国際アニメーションフェスティバル2016 卒業制作部門出品。

画像

 ・『盲目のヴァイシャ』(『ブラインド ヴァイシャ』)“Vaysha, l'aveugle(Blind Vaysha)”(カナダ) 監督:セオドア・ウシェフ [NFB]
 物語:ヴァイシャは他の女の子たちとは違う。彼女の左目は過去だけが見え、右目は未来だけが見える。人は彼女のことを「盲目のヴァイシャ」と呼ぶ。
 ベルリン国際映画祭2016 ジェネレーション 14plus部門出品。オランダ・アニメーション映画祭2016 短編コンペティション部門出品。
 ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2016出品。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2016 審査員賞、ヤング審査員賞受賞。
 アングレーム・フランス語映画フェスティバル2016出品。
 広島国際アニメーションフェスティバル2016出品。
 トロント国際映画祭2016 SHORT CUTS部門出品。
 オタワ国際アニメーションフェスティバル2016 短編コンペティション ナラティヴ部門出品。最優秀ナラティヴ作品賞、最優秀カナダ・アニメーション賞受賞。
 シカゴ国際映画祭2016 最優秀短編アニメーション賞(Gold Plaque)受賞。
 バリャドリッド国際映画祭2016出品。
 セオドア・ウシェフは、2013年度にも『グロリア ヴィクトリア』でショートリスト入りしているが、まだノミネートされたことはない。


 ・『The Head Vanishes』“Une tête disparaît(The Head Vanishes)”(カナダ・仏) 監督:フランク・ディオン(Franck Dion) [NFB]
 物語:ジャクリーヌは、認知症を抱えている。彼女は、どこかおかしかったり、びっくりさせたりするような幻想を見ていて、終わりなき夢の中で逃げ道を探しているようであるが、それでいて現実世界としっかりとつながりを保っている。ある日、ジャクリーヌは海へとでかけるが、彼女の娘がしっかりと彼女を見守っている。
 『ロバになったエドモンド』のFranck Dion監督最新作。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2016 短編コンペティション部門出品。グランプリ受賞。
 オタワ国際アニメーションフェスティバル2016 カナダ・パノラマ部門出品。
 札幌国際短編映画祭2016 フェスティバル・フェイバリッツ部門出品。
 新千歳空港国際アニメーション映画祭2016 インターナショナルショーケース部門出品。


 ・“Pear Cider and Cigarettes”(カナダ・英) 監督:Robert Valley
 物語:これは、25年のつきあいになるTechno Stypesという実在の友人に関する物語だ。彼は、酒とタバコとケンカが好きだ。だけど、もうケンカができるような状態じゃない。病気なんだ。17歳の時に交通事故に遭って、障害を負ったけど、足の親指をなくしたのはその時じゃない。バイクの事故でだった。彼の父親が明確に指示してくれたことが2つある。1つ目は、Techno Stypesに禁酒させて、肝臓の移植手術ができるようにすること。もう1つは彼をバンクーバーの家に連れ帰ることだ。こいつは簡単じゃなかったな。
 Robert Valleyは、ビデオ作品にアニメーターとして参加したり、TVのアニメーション・シリーズでキャラクター・デザイナーや監督として参加して、10年以上のキャリアを持つ。
 短編アニメーションの監督は、これが初めて。

画像

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 まず、本年度の短編アニメーション賞は、『ひな鳥の冒険』で決まりで、他に選択の余地はありません。
 海鳥の羽根や海辺の水の表現が優れていて、まるで実写かと見間違うほどで、他と比較してどうこうではなく、CGアニメーションを1ステージ上に押し上げるようなひとつの成果として、絶対的に素晴らしい。ピクサーのCGアニメーションが、年々新しい課題をクリアしていって、毎年のように短編アニメーション賞を受賞していた頃(2000年前後)を思い出させてくれます。

 ストーリーは、幼い主人公が、サブ・キャラクターと出会って、友情を育み、成長していくという、ディズニー・アニメーションの中にプロットとして、織り込まれていたものそのもので、アニメーションの観客にもおなじみのものです。

 加えて、短編アニメーション賞は、隔年で大手スタジオの作品が受賞するパターンになっていて、本年度は大手スタジオの作品が受賞するめぐり合わせなので、パターン的にも本年度は『ひな鳥の冒険』で決まりです。

 なので、残りのノミネーションは、数合わせみたいになってしまいますが、一応、書き出しておくと―

 近年の短編アニメーション賞ノミネーションには、たとえば、以下のような傾向性があります。

 1.スタジオ作品の併映短編が1本必ずノミネートされる。過去5年間では、2年おきに受賞していて、2017年は受賞する年に当たる。
 2.スタジオのアニメーターなどのスタッフが、スタジオの支援なしに完成させた作品が1本ノミネートされる。
 3.2011年以降では、ノミネート作品5本のうち、アメリカ映画が2本、イギリス映画が1本含まれるのが定番になっている。
 4.他の部門同様、一度ノミネートされたり、受賞したりした監督はノミネートされやすい。
 5.作品の粒を揃えるよりは、いろんなタイプ(作風やテクニック)の作品が集められやすい。多くの受賞歴を誇る作品も選ばれるが、これといって受賞歴のない作品も選ばれたりする。
 6.抽象的だったり、実験的な色彩の強かったりする作品は、敬遠される。

 1に該当するのは、『ひな鳥の冒険』と“Inner Workings”
 2に該当するのは、“Borrowed Time”と“Pear Cider and Cigarettes”
 3に関して、イギリスが製作に参加しているのはPear Cider and Cigarettes”のみ
 4に該当するのは、“Pearl”のみ

 以上を踏まえて、ノミネート作品を予想すると

 ・“Borrowed Time”
 ・“Pearl”
 ・『ひな鳥の冒険』
 ・『盲目のヴァイシャ』
 ・『The Head Vanishes』

 アカデミー賞は、新しい技術的成果を評価するのに積極的なので“Pearl”。タッチも雰囲気も素晴らしいし。
 ひとりくらいベテランのアニメーション作家の作品を入れておきたいし、ここらでセオドア・ウシェフがノミネートされてもいいので、『盲目のヴァイシャ』
 『The Head Vanishes』は、“Pear Cider and Cigarettes”と入れ替えてもいいかもしれません。『The Head Vanishes』を入れるとNFBの作品が2本になっていまいますが、ノミネーションにNFB作品が2本含まれたことは、1975年、1978年、1992年、2000年、2012年とこれまで何度もあるので、今回もそうなっても不思議ではありません。

 *この記事がなかなか参考になった!と思ったら、人気ブログランキングにクリックをお願いします。
 ↓ ↓ ↓ ↓
 
 ↑ ↑ ↑ ↑
 クリックしてね!

 *当ブログ記事

 ・米国アカデミー賞2016 短編アニメーション賞 ショートリスト10作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201511/article_26.html
 ・米国アカデミー賞2015 短編アニメーション賞 ショートリスト10作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201411/article_5.html
 ・米国アカデミー賞2014 短編アニメーション賞 ショートリスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201311/article_13.html
 ・米国アカデミー賞2013 短編アニメーション賞 ショートリスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201211/article_9.html
 ・米国アカデミー賞2012 短編アニメーション賞 ショートリスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201112/article_3.html
 ・米国アカデミー賞2011 短編アニメーション賞 ショートリスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_4.html
 ・米国アカデミー賞2010 短編アニメーション賞 ショートリスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_34.html

 ・米国アカデミー賞2017 長編アニメーション賞 エントリー作品27作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201611/article_19.html

 ・米国アカデミー賞2017 長編ドキュメンタリー賞エントリー作品145作品リスト その1:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201610/article_47.html
 ・米国アカデミー賞2017 長編ドキュメンタリー賞エントリー作品145作品リスト その2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201610/article_48.html
 ・米国アカデミー賞2017 長編ドキュメンタリー賞エントリー作品145作品に関する考察:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201611/article_1.html

 ・米国アカデミー賞2017 短編アニメーション賞 候補作品リスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201610/article_44.html

 ・米国アカデミー賞2017 短編ドキュメンタリー賞 ショートリスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201610/article_43.html

 ・米国アカデミー賞2017 外国語映画賞 各国代表作品リスト その1(アイスランド〜オーストラリア):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201608/article_6.html
 ・米国アカデミー賞2017 外国語映画賞 各国代表作品リスト その2(オーストリア〜スロヴァキア):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201609/article_10.html
 ・米国アカデミー賞2017 外国語映画賞 各国代表作品リスト その3(スロヴェニア〜パレスチナ):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201609/article_22.html
 ・米国アカデミー賞2017 外国語映画賞 各国代表作品リスト その4(ハンガリー〜メキシコ):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201609/article_29.html
 ・米国アカデミー賞2017 外国語映画賞 各国代表作品リスト その5(モロッコ〜ロシア):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201609/article_36.html
 ・完全ガイド!米国アカデミー賞2017 外国語映画賞 各国代表作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201610/article_23.html

 ・学生アカデミー賞2016 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201609/article_30.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2016年6月〜11月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201606/article_2.html

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
米国アカデミー賞2017 短編アニメーション賞 ショートリスト10作品発表! 海から始まる!?/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる