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zoom RSS 詳細!米国アカデミー賞2017 長編アニメーション賞 エントリー作品27本!

<<   作成日時 : 2016/11/12 18:35   >>

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 第89回米国アカデミー賞 長編アニメーション賞エントリー作品が発表になりました。(11月11日)

 本年度は、27作品という史上最多のエントリー数で、昨年度より11作品も多くなっています。
 アメリカの映画会社やアニメーション・スタジオが1年間に手がけられる長編アニメーションには限りがありますから、エントリー作品が増えたということは、取りも直さず外国からのエントリーが増えたということで、27作品のうち15作品が外国映画になっています。

 本年度のエントリー作品は、以下の通り。


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 ・『ファインディング・ドリー』“Finding Dory”(米) 監督:アンドリュー・スタントン、共同監督:アンガス・マクレーン [ディズニー/ピクサー]

 ・『モアナと伝説の海』“Moana”(米) 監督:ロン・クレメンツ、ジョン・マスカー、共同監督:ドン・ホール、クリス・ウィリアムズ [ディズニー]

 ・『ズートピア』“Zootopia”(米) 監督:バイロン・ハワード、リッチ・ムーア、共同監督:ジャレド・ブッシュ [ディズニー]

 ・“Ice Age: Collision Course”(米) 監督:マイク・サーメアー、Galen T. Chu [Fox]

 ・『カンフー・パンダ3』“Kung Fu Panda 3”(米・中) 監督:アレッサンドロ・カルローニ、ジェニファー・ユー・ネルソン [Fox/DreamWorks]

 ・“Trolls”(米) 監督:ウォルト・ドーン(Walt Dohrn)、マイク・ミッチェル [Fox/Dreamworks]

 ・『アングリーバード』“The Angry Birds Movie”(フィンランド・米) 監督:ファーガル・ライリー、クレイ・ケイティス [コロンビア・ピクチャーズ]

 ・『ソーセージ・パーティー』“Sausage Party”(米) 監督:コンラッド・ヴァーノン、グレッグ・ティアナン [コロンビア・ピクチャーズ]

 ・『ペット』“The Secret Life of Pets”(米・日) 監督:クリス・ルノー、ヤーロウ・チェイニー [ユニバーサル/Illumination Entertainment]

 ・『SING/シング』“Sing”(米) 監督:ガース・ジェニングス [ユニバーサル/Illumination Entertainment]

 ・『コウノトリ大作戦!』“Storks”(米) 監督:ニコラス・ストーラー、ダグ・スウィートランド [WB]

 ・“Kubo and the Two Strings”(米) 監督:トラヴィス・ナイト [Focus Features/Laika Entertainment]

 ・『リトルプリンス 星の王子さまと私』“The Little Prince”(仏) 監督:マーク・オズボーン [Netflix]

 ・『MUNE』“Mune(Mune, le gardien de la lune)”(仏) 監督:アレクサンドル・ヘボヤン(Alexandre Heboyan)、ブノワ・フィリッポン(Benoît Philippon) [Gkids]

 ・『ファントム・ボーイ』“Phantom Boy”(仏・ベルギー) 監督:ジャン=ルー・フェリシオリ、アラン・ガニョル [Gkids]

 ・“April and the Extraordinary World(Avril et le monde truqué)”(仏・ベルギー・カナダ) 監督:Christian Desmares、Franck Ekinci [Gkids]

 ・“My Life as a Zucchini(Ma vie de Courgette)”(スイス・仏) 監督:Claude Barras [Gkids]

 ・『Long Way North』“Long Way North(Tout en haut du monde)”(仏・デンマーク) 監督:レミ・シャイエ [Shout! Factory]

 ・『レッドタートル ある島の物語』“The Red Turtle”(日・仏・ベルギー) 監督:マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット [SPC]

 ・“Bilal(Bilal: A New Breed of Hero)”(UAE・サウジアラビア) 監督:Khurram H. Alavi、Ayman Jamal [ ]

 ・“Mustafa & the Magician”(インド) 監督:V. Chandrasekaran [ ]

 ・『西遊記 ヒーロー・イズ・バック』“Monkey King: Hero Is Back”(中) 監督:ティアン・シャオパン [Viva Pictures]

 ・『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV』“Kingsglaive Final Fantasy XV”(日・米) 監督:野末武志 [Stage 6 Films]

 ・『百日紅〜Miss HOKUSAI〜』“Miss Hokusai”(日) 監督:原恵一 [Gkids]

 ・『君の名は。』“Your Name.”(日) 監督:新海誠 [FUNimation Entertainment]

 ・“25 April”(ニュージーランド) 監督:リアン・ルーリー(Leanne Pooley) [ ]

 ・“Snowtime!(La guerre des tuques)”(カナダ) 監督:ジャン=フランソワ・プリオ(Jean-François Pouliot)、François Brisson [Shout! Factory]

 ※上記の作品は、現時点では、エントリーされただけで、まだノミネーションのための条件をクリアしていないものがあります。

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 【米国アカデミー賞 ノミネート&受賞歴】

 ・『ファインディング・ドリー』:アンドリュー・スタントンは、『ファインディング・ニモ』と『ウォーリー』で受賞。『トイ・ストーリー』『ファインディング・ニモ』『ウォーリー』『トイ・ストーリー3』ではオリジナル脚本賞でもノミネート。
 アンガス・マクレーンは、ノミネート経験はないが、『ゲーリーじいさんのチェス』『フォー・ザ・バーズ』『モンスターズ・インク』『ファインディング・ニモ』『Mr.インクレディブル』『カーズ』『レミーのおいしいレストラン』『ウォーリー』『カールじいさんの空飛ぶ家』『トイ・ストーリー3』でアニメーターを務め、『ワン・マン・バンド』でスーパーバイジング・アニメーターを務めている。長編長編アニメーションの監督を手がけるのは今回が初。

 ・『モアナと伝説の海』:ロン・クレメンツは、『トレジャー・プラネット』と『プリンセスと魔法のキス』でノミネート。
 ジョン・マスカーは、『プリンセスと魔法のキス』でノミネート。
 ドン・ホールは、『ベイ・マックス』で受賞。
 クリス・ウィリアムズは、『ボルト』でノミネート、『ベイ・マックス』で受賞。

 ・『ズートピア』:バイロン・ハワードは、『ボルト』でノミネート。
 リッチ・ムーアは、『シュガー・ラッシュ』でノミネート。
 ジャレド・ブッシュは、『ベイ・マックス』にスタッフとして参加。今回が初監督。

 ・“Ice Age: Collision Course”:マイク・サーメアーは、『アイス・エイジ3/ティラノのおとしもの』以降、一連のシリーズの監督を手がけている。『熱血どんぐりハンター!』で短編アニメーション賞ノミネート。
 Galen T. Chuは、『アイス・エイジ』『ロボッツ』『ホートン/ふしぎな世界のダレダーレ』『ブルー 初めての空へ』にアニメーターとして参加。今回が初監督長編。

 ・『カンフー・パンダ3』“Kung Fu Panda 3”:アレッサンドロ・カルローニは、これが初監督長編。『シンドバッド 7つの海の伝説』『シャーク・テイル』でアニメーターを、『森のリトル・ギャング』『カンフー・パンダ』『カンフー・パンダ2』『クルードさんちのはじめての冒険』でストーリー・アーティストを手がけて、『ヒックとドラゴン2』ではヘッド・オブ・ストーリーとして参加している。
 ジェニファー・ユー・ネルソンは、『カンフー・パンダ2』でノミネート。

 ・“Trolls”:ウォルト・ドーン(Walt Dohrn)は、TVの『スポンジ・ボブ』シリーズや、『シュレック2』の脚本に参加していて、これが初監督長編。
 マイク・ミッチェルは、『シュレック フォーエバー』『アルビン3 シマリスたちの大冒険』『スポンジ・ボブ 海のみんなが世界を救Woo!』の監督。

 ・『アングリーバード』:ファーガル・ライリーは、『スペースJAM』『アイアン・ジャイアント』『スチュアート・リトル2』『オープン・シーズン』『くもりときどきミートボール』『スマーフ』『モンスター・ホテル』でストーリーボードを手がけている。今回が初監督。
 クレイ・ケイティスは、『ポカホンタス』から『アナと雪の女王』までのディズニー作品にアニメーターとして参加。今回が初監督。

 ・『ソーセージ・パーティー』:コンラッド・ヴァーノンは、『シュレック2』『モンスターVSエイリアン』『マダガスカル3』の監督。『シュレック2』は、長編アニメーション賞にノミネートされているが、コンラッド・ヴァーノンはノミネート対象となっていない。

 ・『ペット』“The Secret Life of Pets”:クリス・ルノーは、『熱血どんぐりハンター!』で短編アニメーション賞に、『怪盗グルーのミニオン危機一発』で長編アニメーション賞にノミネート。
 ヤーロウ・チェイニーは、これが初監督長編。

 ・『SING/シング』“Sing”:ガース・ジェニングスは、これが初のアニメーション作品。

 ・『コウノトリ大作戦!』:ニコラス・ストーラーは、ノミネート経験はないが、『ザ・マペッツ』で脚本と製作総指揮を手がけている。これが初のアニメーション作品。
 ダグ・スウィートランドは、短編監督作品『マジシャン・プレスト』で短編アニメーション賞にノミネートされたほか、『トイ・ストーリー』から『カーズ』までのピクサー作品にアニメーターとして参加している。

 ・“Kubo and the Two Strings”:トラヴィス・ナイトは、プロデューサーとして“The Boxtrolls”でノミネート。『コララインとボタンの魔女』にはアニメーターとして、『パラノーマン ブライス・ホローの謎』にはプロデューサー&アニメーターとして参加。プロデュース作品『パラノーマン ブライス・ホローの謎』は、長編アニメーション賞にノミネートされたが、トラヴィス・ナイトはノミネート対象外だった。初監督作品。

 ・『リトルプリンス 星の王子さまと私』:マーク・オズボーンは、短編アニメーション“More”と、『カンフー・パンダ』でノミネート。

 ・『MUNE』“Mune(Mune, le gardien de la lune)”:アレクサンドル・ヘボヤン(Alexandre Heboyan)は、これが初監督。『アズールとアスマール』『カンフー・パンダ』『モンスターVSエイリアン』でアニメーターを務めている。
 ブノワ・フィリッポン(Benoît Philippon)は、アニメーションを手がけるのはこれが初めて。

 ・『ファントム・ボーイ』“Phantom Boy”(仏・ベルギー):2人の監督は、ともに『パリ猫ディノの夜』でノミネート。

 ・“April and the Extraordinary World(Avril et le monde truqué)”:Christian Desmaresは、『ペルセポリス』にアニメーション・コディネーターとして参加。2人の監督は、ともに初監督長編。

 ・『Long Way North』“Long Way North”:レミ・シャイエは、『ブレンダンとケルズの秘密』でアシスタント・ディレクターやレイアウト、ストーリーボードを手がけている。初監督作品。

 ・『レッドタートル ある島の物語』:マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットは、『お坊さんと魚』で短編アニメーション賞ノミネート、『岸辺のふたり』で短編アニメーション賞受賞。

 ・“Bilal(Bilal: A New Breed of Hero)”:2監督とも初監督。

 ・『西遊記 ヒーロー・イズ・バック』:ティアン・シャオパンは、これが初監督作品。

 ・“25 April”:リアン・ルーリー(Leanne Pooley)は、これが初めてのアニメーション作品。

 ・“Snowtime!(La guerre des tuques)”:ジャン=フランソワ・プリオ(Jean-François Pouliot)は、これが初めてのアニメーション作品。François Brissonは、20年以上にわたってTVアニメーションでストーリー・ボードを手がけてきて、これが第2監督長編。

 本年度は―
 長編アニメーション賞受賞経験者が3人(アンドリュー・スタントン(2回)、ドン・ホール、クリス・ウィリアムズ)
 長編アニメーション賞ノミネート経験者が11人(ロン・クレメンツ(2回)、ジョン・マスカー、クリス・ウィリアムズ、バイロン・ハワード、リッチ・ムーア、ジェニファー・ユー・ネルソン、クリス・ルノー、トラヴィス・ナイト、ジャン=ルー・フェリシオリ、アラン・ガニョル、マーク・オズボーン)
 短編アニメーション賞受賞経験者が1人(マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット)
 短編アニメーション賞ノミネート経験者が5人(マイク・サーメアー、クリス・ルノー、ダグ・スウィートランド、マーク・オズボーン、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット)
 その他の部門でのノミネート経験者が1人(アンドリュー・スタントン(オリジナル脚本賞4回))
 監督したのに、ノミネート対象者に選ばれなかった監督1人(コンラッド・ヴァーノン)
 プロデュース作品がノミネートされたが、ノミネート対象者には選ばれなかったプロデューサー1人(トラヴィス・ナイト)

 共同監督は、ノミニーになれないようで、たとえば、今回『モアナと伝説の海』がノミネートされても、ドン・ホールとクリス・ウィリアムズはノミネート対象になれないと思われます。

 また、ざっと数えたところでは、今回が初監督長編となる監督が18人、監督経験はあるが、アニメーションは初めてという監督が5人もいます。

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 【ノミネーションの傾向】

 現時点で、有資格作品のエントリー作品が何本あるのかははっきりしませんが、15本以下になるとは考えにくいので、(有資格作品が16本以上の場合の規定に従って)ノミネーションはおそらく5本になると思われます。といっても、必ずしも高評価の作品を上から5本チョイスされるとは限らず、映画会社の力関係や作品のバランスも考慮されるはずで、とすると、以下のようなことが考えられます。

 [映画会社別 過去の受賞&ノミネーション実績]

 過去の実績では、ピクサーの独壇場で、これまでで10戦8勝。そのほかは、ディズニー(スタジオジブリ作品とピクサー作品を除く)2回、ドリームワークス(アードマン作品を除く)、スタジオジブリ(ディズニー配給)、アードマン(ドリームワークス配給)、ニコロデオン(パラマウント配給)、ワーナーがそれぞれ1回ずつ受賞。

 スタジオごとのノミネーションでは、ドリームワークスが11で最多(『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』を含む)、ピクサーが10、ディズニーが8(スタジオジブリ作品とピクサー作品を除く)で、以下、スタジオジブリが5、Laikaが4、Les Armateursとアードマン(『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』を含む)がそれぞれ3回ずつ、ソニーと20世紀フォックスとティム・バートンとCartoon Saloonがそれぞれ2回ずつノミネートということになります。

 [同一映画会社からの複数ノミネート]

 2003年(ノミネート数5):ディズニー作品-3(『千と千尋の神隠し』含む。ピクサー作品のノミネートはなし)
 2004年(ノミネート数3):ディズニー作品-2(ピクサー作品含む)
 2005年(ノミネート数3):ドリームワークス作品-2
 2008年(ノミネート数3):ソニー・ピクチャーズの作品-1、ソニー・ピクチャーズ・クラシックの作品-1(『ペルセポリス』)
 2009年(ノミネート数3):ディズニー作品-2(ピクサー作品含む)
 2010年(ノミネート数5):ディズニー作品-2(ピクサー作品含む)
 2012年(ノミネート数5):ドリームワークス作品-2
 2013年(ノミネート数5):ディズニー作品-3(ピクサー作品含む)
 2014年(ノミネート数5):ディズニー作品-2(『風立ちぬ』含む)
 2015年(ノミネート数5):Gkids配給作品-2
 2016年(ノミネート数5):Gkids配給作品-2

 今回は、ディズニーが3本、20世紀フォックスが3本、コロンビアとユニバーサルとShout! Factoryが2本ずつ、未定が3本、そしてGkidsが5本もあります。

 [外国映画のノミネート]

 外国映画に関しては、『ハッピーフィート』をオーストラリア映画とし、“The Pirates! Band of Misfits”をイギリス映画として勘定するとして、過去15回で、外国映画がノミネートされたのは、12回あり、そのうち、2作品の外国映画がノミネートされた年が4回(2006年と2012年と2014年と2015年)あり、3作品の外国映画がノミネートされた年が1回(2016年)あります。

 国別では、これまで、フランスが5作品、日本が5作品(宮崎駿3、高畑勲1、米林宏昌1)、イギリス(アードマン作品)が3作品、アイルランドが2作品、オーストラリアとスペインとブラジルが1作品ずつでノミネートされていて、日本とイギリスとオーストラリアが受賞を果たしています。ノミネート本数の割には、受賞の確率は高いということになります。

 過去7回あったノミネート5作品の年のうち、外国映画が2作品以上ノミネートされたのは2012年と2014年と2015年と2016年です。

 本年度はエントリー作品の割合から言えば、3作品くらいはノミネートされてもよさそうですが、そうするとアメリカのアニメーション業界から不満の声が上がったりするかもしれません。

 [シリーズ作品のノミネート]

 シリーズものがノミネートされたことは、過去15年間で5作品(『シュレック2』、『トイ・ストーリー3』、『カンフー・パンダ2』、『怪盗グルーのミニオン危機一発』、『ヒックとドラゴン2』)しかなく、かなり強力な作品でない限り、シリーズものがノミネートされる可能性は低いようです。
 今回は、続編・シリーズものが4本(?)あります。

 [他の映画賞の受賞結果]

 長編アニメーション賞は、比較的に他の映画賞と結果が一致しやすい部門で、米国アカデミー賞が番狂わせを行なった2007年と2015年、混戦だった2013年以外は、ほぼ同じ作品が受賞しています。

 ・ゴールデン・グローブ賞:過去10回のうち7回一致。(ゴールデン・グローブ賞は、2007年に『カーズ』を、2012年に『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』、2015年に『ヒックとドラゴン2』をチョイス)

 ・クリティクス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞):2002年以降の15回のうち12回一致(2007年は『カーズ』、2013年は『シュガー・ラッシュ』、2015年は『LEGO ムービー』をチョイス)

 ・アニー賞:2002年以降の15回のうち10回一致。2007年(『カーズ』)、2009年(『カンフー・パンダ』)、2011年(『ヒックとドラゴン』)、2013年(『シュガー・ラッシュ』)、2015年(『ヒックとドラゴン2』)が不一致。

 ・BAFTA英国アカデミー賞:過去10回のうち、2015年(『LEGO ムービー』)以外すべて一致。

 [番狂わせ、または、足切り]
 米国アカデミー賞長編アニメーション賞では、他の部門同様、有力視されながら、ノミネーションもされないということがあります。
 2015年は本命だった『LEGO ムービー』がなぜかノミネーション段階で落とされ、2014年は有力視されていた『モンスターズ・ユニバーシティ』が落とされ、2012年はいくつもの長編アニメーション賞受賞を果たす(ことになる)『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』が落とされています。
 これらは、アカデミー・サイドに長編アニメーション賞を獲らせたい作品があって、事前に強力なライバルを蹴落としていると考えられますが、もちろん公式には何の説明もありません。

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 【下馬評】

 ◆Awards Daily(11月11日現在)
 ・『レッドタートル ある島の物語』
 ・『SING/シング』
 ・『ファインディング・ドリー』
 ・“Kubo and the Two Strings”
 ・『ズートピア』
 ・“Trolls”

 ◆IndieWireでの予想(11月11日現在)
 [最有力](Frontrunners)
 ・『ファインディング・ドリー』
 ・『モアナと伝説の海』
 ・『レッドタートル ある島の物語』
 ・『SING/シング』
 ・『ズートピア』
 [有力](Contenders)
 ・“Kubo and the Two Strings”
 ・『百日紅〜Miss HOKUSAI〜』
 ・“My Life as a Zucchini(Ma vie de Courgette)”
 [有望](Long Shots)
 ・『Long Way North』
 ・『リトルプリンス 星の王子さまと私』
 ・『ペット』
 ・『コウノトリ大作戦!』
 ・“Trolls”

 ◆IMDbでの採点(11月11日現在)
 ・『君の名は。』:8.9
 ・“Kubo and the Two Strings”:8.2
 ・『ズートピア』:8.1
 ・“My Life as a Zucchini(Ma vie de Courgette)”:8.0
 ・『リトルプリンス 星の王子さまと私』:7.8
 ・『レッドタートル ある島の物語』:7.7
 ・『ファインディング・ドリー』:7.6
 ・“25 April”:7.6
 ・“April and the Extraordinary World(Avril et le monde truqué)”:7.4
 ・『Long Way North』:7.4
 ・“Bilal(Bilal: A New Breed of Hero)”:7.3
 ・『MUNE』:7.3
 ・『西遊記 ヒーロー・イズ・バック』:7.3
 ・『カンフー・パンダ3』:7.2
 ・『SING/シング』:7.2
 ・『コウノトリ大作戦!』:7.0
 ・『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV』:7.0
 ・『ペット』:6.7
 ・“Trolls”:6.7
 ・『百日紅〜Miss HOKUSAI〜』:6.7
 ・『ファントム・ボーイ』:6.6
 ・『ソーセージ・パーティー』:6.5
 ・『アングリーバード』:6.3
 ・“Snowtime!”:6.1
 ・“Ice Age: Collision Course”:5.7
 ・『モアナと伝説の海』:公開前
 ・“Mustafa & the Magician”:不詳

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 【ノミネート予想】

 ディズニー1本、ピクサー1本が指定席とすると、『ファインディング・ドリー』と『ズートピア』が当確。ディズニー枠としては『モアナと伝説の海』の可能性もあるけれど、『モアナと伝説の海』の世界観がウケるとも考えにくいので、ここはやはり『ズートピア』でしょう。

 映画会社のバランスとして、どうしても20世紀フォックスの作品を食い込ませたいなら、“Trolls”でしょうか。でもいずれもIMDbの採点が低すぎます。

 評価の高さからいうと、後は、“Kubo and the Two Strings”、“My Life as a Zucchini(Ma vie de Courgette)”、『リトルプリンス 星の王子さまと私』、『レッドタートル ある島の物語』のうちから3本、ということになります。

 IMDbの採点では『君の名は。』がトップですが、これは熱狂的な日本のファンが投票して点を押し上げた可能性があり、『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語』がトップだった2013年同様、公平なデータとしてそのまま信じることはできません。『君の名は。』がノミネートされれば面白いですが、上記の作品を押しのけてノミネートされるのは難しそうです。まあ、大穴というところでしょうか。

 で、ノミネート予想として、無理やり5本に絞ると、
 ・『ファインディング・ドリー』
 ・『ズートピア』
 ・“Kubo and the Two Strings”
 ・“My Life as a Zucchini(Ma vie de Courgette)”
 ・『レッドタートル ある島の物語』
 ということになります。

 受賞予想としては、監督のキャリアからしても、最も無難なのはやはり『ファインディング・ドリー』です。

 これが受賞したら面白いなと思うのは“My Life as a Zucchini(Ma vie de Courgette)”で、受賞歴からしても十分にアカデミー賞に値すると思いますが、アカデミーの会員が長編アニメーションに求める世界観ではないかもしれません。外国語映画賞スイス代表にも選ばれていますが、双方で譲り合って、結局、どちらでも選ばれないということも考えられます。(ヨーロッパ映画賞2016アニメーション賞では、受賞が確実視されます。)

 アメリカ製のアニメーションで票が割れるとしたら、『レッドタートル ある島の物語』が受賞するという可能性もありそうですが、どうも、今のところ、全米映画賞レースで、『レッドタートル ある島の物語』が本命になるというイメージが湧いてきません。映画会社がそういうムードに持っていくことができたらひょっとしてという感じでしょうか。

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 米国と日本以外のエントリー作品の中からいくつか簡単に紹介しておきます。

 ・『MUNE』“Mune(Mune, le gardien de la lune)”(仏) 監督:アレクサンドル・ヘボヤン(Alexandre Heboyan)、ブノワ・フィリッポン(Benoît Philippon)
 物語:Necrossという名の堕落したタイタン神が、太陽を独り占めしようとしたために、昼と夜のバランスが崩れる。月の番人になったMuneという名のファウヌス神は、Glimという名のワックス・チャイルドと、太陽の番人になった Sohoneという名の戦士の助けを借りて、太陽を取り戻し、月を修復して、空に正しく配置すべく、冒険の旅に出る。
 東京アニメアワード フェスティバル2015 長編アニメーションコンペティション部門出品。優秀賞受賞。
 TIFF Kids国際映画祭2015 ヤング審査員賞(8-10)受賞。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2015 長編コンペティション部門出品。
 BFIロンドン映画祭2015出品。
 ブエノスアイレス国際映画祭2016出品。
 メルボルン国際映画祭2016出品。


 ・『ファントム・ボーイ』“Phantom Boy”(仏・ベルギー) 監督:ジャン=ルー・フェリシオリ、アラン・ガニョル
 声の出演:エドゥアール・ベール、ジャン=ピエール・マリエル、オドレイ・トトゥ、アラン・ガニョル
 物語:刑事のアレックスは、謎の男を尾行していて、ケガを負わされて、病院に担ぎ込まれる。彼は、病院で11歳の少年レオと出会うが、レオは、空を飛んだり、壁をすり抜けたりできる不思議な能力を持っていた。謎の男は、街にコンピューター・ウィルスをバラまこうとしていて、アレックスは、レオの力を借りて、捜査を再開させる。
 トロント国際映画祭2015 TIFF KIDS部門出品。
 トリノ映画祭2015出品。
 ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭2016出品。
 サンフランシスコ国際映画祭2016出品。
 モントクレア映画祭2016出品。
 シアトル国際映画祭2016出品。
 ズリーン国際映画祭2016 デイズ・オブ・フランス映画部門出品。
 トランシルヴァニア国際映画祭2016 Educa TIFF部門出品。
 ザグレブ国際アニメーションフェスティバル2016 ファミリー・プログラム出品。
 広島国際アニメーションフェスティバル2016出品。
 ヘルシンキ国際映画祭2016出品。
 ハンブルク・フィルム・フェスト2016出品。
 BFIロンドン映画祭2016 Family部門出品。


 ・“My Life as a Zucchini(My Life as a Courgette/Ma Vie de Courgette)”(スイス・仏) 監督: Claude Barras
 声の出演:Gaspard Schlatter、ミシェル・ヴュイエルモーズ(Michel Vuillermoz)、Paulin Jaccoud、Sixtine Murat
 物語:Icareは、10歳で、誤って母を死なせてしまった後、親切な警官Raymondによって、施設に連れて行かれる。最初、彼はここにはなじめないと思い、ホームシックにかかる。思い出されるのは、アル中の母が飲んだビールの空き缶と、母が彼につけてくれたCourgette(ズッキーニ/へちま)というニックネームだけだった。それから、SimonやAhmed、Jujube、Alice、Béatriceと出会い、友だちになる。Simonは、グループのリーダーで、両親をドラッグの過剰摂取で亡くしていた。Aliceは、父親が性的虐待の罪で刑務所に入れられていた。新しくやってきたCamilleは、両親の自殺を目撃していた。みんなそれぞれに自分の物語を持ち、等しく傷つき、やさしい心の持ち主だった。 Icareは、この環境に親しみ、新しい家として受け入れて、人生を新たに組み立てていこうとする。
 ジル・パリスの自伝的小説『奇跡の子』の映画化。
 初監督作品。ストップ・モーション・アニメーション。セリーヌ・シアマが脚色を手がけている。
 カンヌ国際映画祭2016 監督週間出品。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2016 長編コンペティション部門出品。最優秀作品賞、観客賞受賞。
 メルボルン国際映画祭2016 観客賞(Most Popular Feature Film)受賞。
 サンセバスチャン国際映画祭2016 パールズ部門出品。ヨーロッパ映画賞(Award to the European Film)受賞。
 チューリヒ映画祭2016出品。児童審査員賞受賞。
 BFIロンドン映画祭2016 第1回作品コンペティション部門出品。
 ワルシャワ国際映画祭2016 長編フィクション部門 観客賞受賞。
 ラックス賞2016 ノミネート。
 ヨーロッパ映画賞2016 アニメーション賞ノミネート。
 米国アカデミー賞2017 外国語映画賞 スイス代表。


 ・『Long Way North』“Long Way North(Tout en haut du monde)”(仏・デンマーク) 監督:レミ・シャイエ
 物語:1882年のサンクトペテルスブルグ。サーシャは、若いロシア人貴族で、有名な探検家の祖父のことが大好きだった。祖父は、素晴らしい砕氷船を設計し、北極圏へと旅に出る。だが、祖父は戻ってこない。サーシャは、祖父を見つけ出し、家族の名誉を守るために、旅に出て、祖父の足取りを追う。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2015 観客賞受賞。
 ハイファ国際映画祭2015出品。
 釜山国際映画祭2015 アニメーション・ショーケース部門出品。
 ワルシャワ国際映画祭2015出品。
 サンパウロ国際映画祭2015出品。
 ヨーテボリ国際映画祭2016出品。
 東京アニメアワード フェスティバル2016 長編アニメーションコンペティション部門出品。グランプリ&東京都知事賞受賞。
 シアトル国際映画祭2016出品。
 トランシルヴァニア国際映画祭2016 Educa TIFF部門出品。
 プロヴィンスタウン国際映画祭2016出品。
 ミュンヘン映画祭2016出品。
 ニュージーランド国際映画祭2016出品。
 メルボルン国際映画祭2016出品。
 ノルウェー国際映画祭2016出品。


 ・『西遊記 ヒーロー・イズ・バック』“Monkey King: Hero Is Back(西游記之大聖帰来)”(中) 監督:ティアン・シャオパン(田暁鵬)
 物語:「天界で大暴れをしたことで釈迦の手により五行山に閉じ込められた孫悟空。月日は流れ、彼に存在はすでに伝説の存在となっていた。そして現在妖怪に脅かされる長安の街では、孤児の江流児(こうりゅうじ)と托鉢僧の法明が互いに寄り添って暮らしており、少年はの孫悟空に強く憧れを抱いていた。そんなある日、山妖が子供たちを連れ去ろうと長安の街を襲う。一人の少女を助けたせいで山妖に追われてしまう江流児は、五行山へ逃げ込み、偶然にも孫悟空の封印を解くことに。自由になった孫悟空は花果山に戻ろうとするが、腕の封印がまだ解けておらず、江流児の恩もあるため、嫌々ながら長安の街までの護衛となる。途中、縁に導かれて八戒と玉龍にも出会うが、彼らも昔の英姿ではなくなっていた。妖王は少女を奪おうと宿屋で罠を仕掛けるが、悟空が神通力を失っていたため、簡単に少女をさらわれてしまうのだった。自信を無くし、少女を助けに行くことを渋る悟空に、江流児は自らの力で少女を救い出そうと決意する。皆既日食の日、妖王が懸空寺で子供たちを丹炉に入れるのを阻止するため、江流児は道場に入り込む。そして、最後の戦いが始まった」
 金鶏奨2015最優秀アニメーション賞受賞。
 台湾・金馬奨2015 アニメーション賞ノミネート。
 2015東京・中国映画週間出品。
 東京アニメアワード フェスティバル2016 長編アニメーションコンペティション部門出品。優秀賞受賞。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2016 アウト・オブ・コンペティション部門出品。


 ・“Snowtime! (La guerre des tuques 3D)”(カナダ) 監督:ジャン=フランソワ・プリオ(Jean-François Pouliot)、François Brisson
 物語:ケベックの小さな町の冬休み。子どもたちは、大がかりな雪合戦をやることに決める。リュックとソフィーがそれぞれのチームを率いて戦い、冬休みの最後に砦を占拠したチームが勝者となるのだ。
 André Melançonの映画“La Guerre des Tuques”(1984)のリメイク。
 サンダンス映画祭 2016 サンダンス・キッズ部門出品。
 カナダ・スクリーン・アワード2016 ゴールデン・スクリーン・アワード(ボックスオフィス賞)受賞。
 ブエノスアイレス国際インデイィペンデント映画祭2016 Little Bafici部門出品。
 ケベック映画賞2016 録音賞、ビックスオフィス賞受賞。美術賞ノミネート。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2016 長編コンペティション部門出品。
 オタワ国際アニメーションフェスティバル2016 長編コンペティション部門出品。


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 ・米国アカデミー賞2016 長編アニメーション賞 エントリー作品16作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201511/article_7.html
 ・米国アカデミー賞2015 長編アニメーション賞 エントリー作品20作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201411/article_3.html
 ・米国アカデミー賞2014 長編アニメーション賞 エントリー作品19作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201311/article_9.html
 ・米国アカデミー賞2013 長編アニメーション賞 エントリー作品21作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201211/article_1.html
 ・米国アカデミー賞2012 長編アニメーション賞 エントリー作品18作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_12.html
 ・米国アカデミー賞2011 長編アニメーション賞 エントリー作品15作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201011/article_24.html
 ・米国アカデミー賞2010 長編アニメーション エントリー作品20作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_21.html

 ・米国アカデミー賞2017 長編ドキュメンタリー賞エントリー作品145作品リスト その1:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201610/article_47.html
 ・米国アカデミー賞2017 長編ドキュメンタリー賞エントリー作品145作品リスト その2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201610/article_48.html
 ・米国アカデミー賞2017 長編ドキュメンタリー賞エントリー作品145作品に関する考察:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201611/article_1.html

 ・米国アカデミー賞2016 短編アニメーション賞 候補作品リスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201610/article_44.html

 ・米国アカデミー賞2017 短編ドキュメンタリー賞 ショートリスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201610/article_43.html

 ・米国アカデミー賞2017 外国語映画賞 各国代表作品リスト その1(アイスランド〜オーストラリア):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201608/article_6.html
 ・米国アカデミー賞2017 外国語映画賞 各国代表作品リスト その2(オーストリア〜スロヴァキア):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201609/article_10.html
 ・米国アカデミー賞2017 外国語映画賞 各国代表作品リスト その3(スロヴェニア〜パレスチナ):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201609/article_22.html
 ・米国アカデミー賞2017 外国語映画賞 各国代表作品リスト その4(ハンガリー〜メキシコ):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201609/article_29.html
 ・米国アカデミー賞2017 外国語映画賞 各国代表作品リスト その5(モロッコ〜ロシア):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201609/article_36.html
 ・完全ガイド!米国アカデミー賞2017 外国語映画賞 各国代表作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201610/article_23.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2016年6月〜11月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201606/article_2.html

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