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zoom RSS 北野武、レジオン・ドヌール勲章 オフィシエ 叙勲!

<<   作成日時 : 2016/10/27 07:18   >>

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 北野武が、フランスでレジオン・ドヌール勲章(L'ordre national de la légion d'honneur)のオフィシエを叙勲されました。(10月25日)

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 北野武は、何年か前にもフランスから何か勲章をもらっていたはずだと記憶している方もいると思いますが、フランスの勲章について、ここで少し整理をしておきたいと思います。

 【レジオン・ドヌール勲章】

 まず、フランスにはいくつもの勲章があり、レジオン・ドヌール勲章は、ナポレオン・ボナパルトに起源を発するもので、フランスの最高勲章であり、フランスへの「卓越した功績」のあった者に贈られることになっています。
 叙勲は、オルドル(ordre:騎士団)「名誉軍団」への加入や昇進を意味する、とされています。
 といっても、軍人のみに限定したものではなく、あらゆる市民が対象になります。
 外国人に叙勲する場合は、記章の贈呈のみで、「名誉軍団」への加入は行なわない(加入者には、名誉と記章とともに、年金が贈られるが、外国人には年金の支給はない)、ということになっています。

 レジオン・ドヌール勲章には、5つの等級があり、高位から

 グランクロワ(Grand-Croix:大十字)
 グラントフィシエ(Grand-Officier:大将校)
 コマンドール(Commandeur:司令官)
 オフィシエ(Officier:将校)
 シュヴァリエ(Chevalier:騎士)

 となります。今回、北野武が授与されたのは、このレジオン・ドヌール勲章の上から4つめの等級の勲章です。
 2009年に、クリント・イーストウッドもレジオン・ドヌール勲章を叙勲されていますが、そちらは、上から3つめのコマンドールです。

 ※ ‘Commandeur’は、以前は「コマンドール」という表記が一般的だったように思いますが、現在は、正しい発音に近い「コマンドゥール」が多数派になっているようです。
 当記事では、過去の記事に合わせて、とりあえず「コマンドール」のままとしておきます。

 フランス人の場合は、シュヴァリエから順に高位の勲章が授与されますが、外国人の場合は、そうした手順を要せず、いきなり高位の勲章が授与されたりもしています。

 レジオン・ドヌール勲章が授与されるのは、50%が軍人で、残りは、公務員や政治家、公職にあった者などで、乱発されることはなく、フランス大統領の政令によって授与され、等級ごとに上限の人数が決まっています。シュヴァリエで125000人、オフィシエは1万人、コマンドールは1250人、グラントフィシエは250人、グラントロワは75人です。

 *参考
 レジオン・ドヌール勲章に関するWikipedia:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%B8%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%8C%E3%83%BC%E3%83%AB%E5%8B%B2%E7%AB%A0

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 【芸術文化勲章】

 一方、北野武が、2010年に授与されていたのは、フランスの芸術文化勲章(L'Ordre des Arts et des Lettres)のオフィシエで、1999年には同シュヴァリエを授与されています。

 フランスの芸術文化勲章は、フランスの芸術文化勲章評議会と評議会長の助言に基づき、芸術文化に貢献した者、もしくは、フランス文化の紹介や普及に功績があった者に贈られるもので、フランス文化大臣の布告により授与されます。

 フランスの芸術文化勲章には、3つの等級があり、高位から

 コマンドール(Commandeur:司令官)
 オフィシエ(Officier:将校)
 シュヴァリエ(Chevalier:騎士)

 となっています。

 こちらには、(1997年以降は)年間の授与者に上限があり、シュヴァリエは450人、オフィシエは140人、コマンドールは50人です。
 外国人への授与者のうち、10%が日本人だそうです。

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 〈過去の受勲者〉

 【レジオン・ドヌール勲章/主な映画監督】

 ・アリス・ギー:シュヴァリエ(1955)
 ・チャールズ・チャップリン:コマンドール(1971)
 ・ジャン・ルノワール:コマンドール(1975)
 ・オーソン・ウェルズ:コマンドール(1982)
 ・黒澤明:オフィシエ(1984)、コマンドール(1985)
 ・サタジット・レイ:等級不明(1987)
 ・ニキータ・ミハルコフ:オフィシエ(1992)、コマンドール(1994)
 ・アッバス・キアロスタミ:オフィシエ(1996)
 ・フォルカー・シュレンドルフ:オフィシエ(2002)
 ・デイヴィッド・リンチ:シュヴァリエ(2002)、オフィシエ(2007)
 ・マーティン・スコセッシ:オフィシエ(2005)
 ・ユーセフ・シャヒーン:オフィシエ(2006)
 ・フランチェスコ・ロージ:オフィシエ(2006)
 ・ジャン=ピエール・ジュネ:シュヴァリエ(2006)
 ・ウォン・カーウァイ:シュヴァリエ(2006)
 ・アミターブ・バッチャン:オフィシエ(2006)
 ・フランシス・フォード・コッポラ:オフィシエ(2007)
 ・イム・グォンテク:シュヴァリエ(2007)
 ・スティーヴン・スピルバーグ:シュヴァリエ(2004)、オフィシエ(2008)
 ・クロード・ルルーシュ:シュヴァリエ(2008)
 ・デイヴィッド・クローネンバーグ:シュヴァリエ(2009)
 ・アニエス・ヴァルダ:コマンドール(2009)
 ・クリント・イーストウッド:シュヴァリエ(2007)、コマンドール(2009)
 ・エミール・クストリッツァ:シュヴァリエ(2011)
 ・北野武:オフィシエ(2016)

 *参考
 ・List of foreign recipients of the Légion d'Honneurに関するWikipedia:https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_foreign_recipients_of_the_L%C3%A9gion_d%27Honneur

 【フランス芸術文化勲章/主な映画人】

 ◆シュヴァリエ
 ・ユマ・サーマン(2006)
 ・ヴァネッサ・パラディ(2007)
 ・ジュード・ロウ(2007)
 ・チョン・ドヨン(2009)
 ・マリオン・コティヤール(2010)
 ・ワン・シャオシュアイ(2010)
 ・アン・リー(2012)
 ・ケイト・ブランシェット(2012)
 ・アヌラーグ・カシヤプ(2013)
 ・テリー・ギリアム(2013)
 ・エマニュエル・ベルコ(2014)
 ・セバスチャン・リフシッツ(2014)
 ・ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ(2014)
 ・ブリランテ・メンドーサ(2014)
 ・ミア・ハンセン=ラヴ(2014)
 ・メラニー・ロラン(2014)
 ・レベッカ・ズロトヴスキ(2014)
 ・トマス・ヴィンターベア(2016)
 ・マッツ・ミケルセン(2016)

 ◆オフィシエ
 ・ジャンヌ・モロー(1988)
 ・ニール・ジョーダン(1996)
 ・コン・リー(1998)
 ・シャロン・ストーン(2005)
 ・シャー・ルク・カーン(2007)
 ・ジョニー・トー(2009)
 ・ティム・バートン(2010)
 ・ジム・ジャームッシュ(2011)
 ・フェイ・ダナウェイ(2011)
 ・エマニュエル・ベアール(2012)
 ・ギヨーム・ガリエンヌ(2013)
 ・イヴ・アンジェロ(2014)
 ・ジョアン・スファール(2014)
 ・チェッキー・カリョ(2014)
 ・ナンサン・シー(2014)
 ・フィリップ・リオレ(2014)
 ・ラデュ・ミヘイレアニュ(2014)
 ・マイケル・キートン(2016)

 ◆コマンドール
 ・リリアン・ギッシュ(1983)
 ・オードリー・ヘプバーン(1987)
 ・ショーン・コネリー(1987)
 ・ダーク・ボガード(1990)
 ・クリント・イーストウッド(1994)
 ・メリル・ストリープ(2003)
 ・レオナルド・ディカプリオ(2005)
 ・ジャン=ポール・ベルモンド(2006)
 ・エミール・クストリッツァ(2007)
 ・ロジャー・ムーア(2008)
 ・ジャン・ベッケル(2009)
 ・コン・リー(2010)
 ・ミヒャエル・ハネケ(2010)
 ・マイケル・ケイン(2011)
 ・カトリーヌ・フロ(2012)
 ・ドナルド・サザーランド(2012)
 ・ウォン・カーウァイ(2013)
 ・ブルース・ウィリス(2013)
 ・イザベル・アジャーニ(2014)
 ・カトリーヌ・ブレイヤ(2014)
 ・シャルル・ベルリング(2014)

 *参考
 ・List of members of the Ordre des Arts et des Lettresに関するWikipedia:https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_members_of_the_Ordre_des_Arts_et_des_Lettres
 ・Liste des commandeurs des Arts et des Lettresに関するWikipedia:https://fr.wikipedia.org/wiki/Liste_des_commandeurs_des_Arts_et_des_Lettres

 【フランス芸術文化勲章/主な日本人映画関係者】

 ・武満徹:等級不明(1985)
 ・姫田忠義(ドキュメンタリー映画監督):オフィシエ(1989)
 ・三船敏郎:等級不明(1989)
 ・田中泯:シュヴァリエ(1990)
 ・原正人(ヘラルド・エース(当時)):オフィシエ(1993)
 ・高秀秀信(横浜市長(当時)。フランス映画祭(横浜)開催への功績などにより):オフィシエ(1996)
 ・蓮實重彦:コマンドール(1999)
 ・北野武:シュヴァリエ(1999)、コマンドール(2010)
 ・大島渚:オフィシエ(2001)
 ・五代目 坂東玉三郎:シュヴァリエ(1991)、コマンドール(2013)
 ・岸惠子:オフィシエ(2002)、コマンドール(2011)
 ・吉田喜重:オフィシエ(2003)
 ・大友克洋:シュヴァリエ(2005)、オフィシェ(2014)
 ・今村昌平:等級不明(2006)
 ・十一代目 市川海老蔵:シュヴァリエ(2007)
 ・十二代目 市川團十郎:コマンドール(2007)
 ・松本正道(アテネフランセ文化センター):シュヴァリエ(2008)
 ・堀越謙三(ユーロスペース):シュヴァリエ(2008)
 ・坂本龍一:オフィシエ(2009)
 ・河瀬直美:シュヴァリエ(2015)
 ・高畑勲:オフィシエ(2015)
 ・佐藤忠男:シュヴァリエ(?)

 *参考
 ・芸術文化勲章に関するWikipedia:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%B8%E8%A1%93%E6%96%87%E5%8C%96%E5%8B%B2%E7%AB%A0
 ・DrillSpinデータベース:http://www.drillspin.com/person/view/ARDSAX278728

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 2010年に記事を書いた時は、この項目は、Wikipediaでもこんなに詳しくは書かれていなかったはずで、今回、調べてみて、かなり情報が更新され、整理されていることがわかりました。

 でも、まだまだ完全というわけにはいかなくて、情報の欠落や誤りも散見されます。何年に誰がどんな勲章をもらったかぐらい、普通に記録に残っていそうなものですが。

 いまのところまだ、フランスの勲章の受勲者は、データベース化はされていないということのようです(少なくともネット上では)。

 なお、北野武は、2015年にフランスのシャンパーニュ騎士団より「シャンベラン・ドヌール」(Chambellan d'Honneur:名誉侍従)のオフィシエという勲章を授与されています。
 この勲章を、先に授与された2つの芸術文化勲章と併せて3冠になったというような記事も見つけましたが、3つ目の勲章という意味では確かに3冠ですが、「シャンベラン・ドヌール」と芸術文化勲章はまったく別物であるようです。

 【PHOTO GALLERY】

 ・今回、勲章を授けた、フランスの元文化大臣のジャック・ラング↓。

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 ・ジャック・ラング夫妻

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 ・高田賢三と

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 ・左から、カルティエ基金のゼネラル・ディレクターHerve Chandes、ティエリー・フレモー、ジャーナリストのAudrey Pulvar、北野武、アレクサンドル・デプラ夫妻

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 ・アラン・ドロンの息子で俳優のアンソニー・ドロンと

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 *当ブログ記事

 ・コン・リー、フランス芸術文化勲章受勲!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201005/article_6.html

 ・凄すぎる!北野武レトロスペクティヴ@ポンピドゥー・センター! 個展! そして叙勲!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201003/article_23.html

 ・イーストウッド レジオン・ドヌール受勲!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_25.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2016年6月〜11月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201606/article_2.html

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