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zoom RSS 全米映画批評家協会の50年!

<<   作成日時 : 2016/09/10 23:18   >>

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 全米映画批評家協会が50周年を記念して、全米各地で、上映会を行なうことになったとAwards Dailyが報じています。(9月8日)

 *Awards Daily:http://www.awardsdaily.com/2016/09/08/national-society-of-film-critics-celebrates-50-years-with-screening-and-discussion-tour/

 「Awards Dailyが報じています」という、書き方をしたのは、全米映画批評家協会自体も公式サイトを持ちながら、年刊の映画賞を発表するだけのHPになっていて、50周年記念の上映会を行なうなどとは一切告知しておらず、このことを報じているのはAwards Dailyだけで、Awards Dailyも何を根拠にこの記事を書いているのか、はっきりさせていないからです。

 でも、まあ、全米映画批評家協会が今年50回を迎えたのは本当のことで、いくつかの上映会を行なっているのは確かであるようです。

 Awards Dailyの記事にも挙がっていますが、全米映画批評家協会50周年を記念して、過去50年の全米映画批評家協会賞作品賞を書き出してみることにしました。(どうやら50周年記念で、全米各地でこれまでの作品賞受賞作品を上映していくということらしいですが、確かではありません。)

 【全米映画批評家協会賞】

 全米映画批評家協会賞(National Society of Film Critics award)は、「全米」といいながら実はニューヨークを拠点とした映画批評家グループの選ぶ映画賞で、元々は、ニューヨーク映画批評家協会への入会を断られた映画批評家が集まって作ったもので、1966年に設立されています。(歴史の古さではニューヨーク映画批評家協会に次ぐ歴史があります。)
 メンバーには、「ニューヨーカー」誌のポーリン・ケール、「ニューズウィーク」誌のジョー・モルゲンステルン、「ライフ」誌のリチャード・シッケルなど、影響力のある映画評論家が多く顔を揃えていたということもあって、協会と協会員は映画通から高い評価を受けています。
 国際批評家連盟賞のアメリカ代表も実はここ全米映画批評家協会だったりします。
 受賞作品には、アメリカ映画のみならず、外国映画が入ってくることもしばしばで、アカデミー賞とはほとんど重ならず、また同じにしようというつもりもないようで、過去50年間で作品賞が同じになったことはたった6回しかありません(『アニー・ホール』『許されざる者』『シンドラーのリスト』『ミリオンダラー・ベイビー』『ハート・ロッカー』『スポットライト 世紀のスクープ』)。
 以前の作品賞には、『戦場でワルツを』、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』、『パンズ・ラビリンス』、『カポーティ』、『ミリオンダラー・ベイビー』、『アメリカン・スプレンダー』、『戦場のピアニスト』、『マルホランド・ドライブ』、『ヤンヤン 夏の想い出』『トプシー・ターヴィー』、『マルコヴィッチの穴』などがあります。

 設立年:1966 会員数:56
 公式サイト:http://www.nationalsocietyoffilmcritics.com/
 Wikipedia(英語):http://en.wikipedia.org/wiki/National_Society_of_Film_Critics
 Wikipedia(日本語):http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%A8%E7%B1%B3%E6%98%A0%E7%94%BB%E6%89%B9%E8%A9%95%E5%AE%B6%E5%8D%94%E4%BC%9A%E8%B3%9E

 [賞の特徴]
 ・各部門で次点2位まで発表される。
 ・獲得ポイントも併せて発表している。
 ・最優秀劇場未公開映画、実験映画賞、映画遺産といった賞を設けている。
 ・故人に弔意を示す部門を設けている。

画像

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 【全米映画批評家協会賞 作品賞 1966-2015】

 第1回(1966年度):『欲望』“Blow-Up”(英・伊) 監督:ミケランジェロ・アントニオーニ ■

 第2回(1967年度):『仮面/ペルソナ』“Persona”(スウェーデン) 監督:イングマール・ベルリマン

 第3回(1968年度):『ベルイマン監督の 恥』“Shame”(スウェーデン) 監督:イングマール・ベルリマン

 第4回(1969年度):『Z』“Z”(仏・アルジェリア) 監督:コスタ=カヴラス ○★

 第5回(1970年度):『M★A★S★H マッシュ』“M*A*S*H”(米) 監督:ロバート・アルトマン ○■

 第6回(1971年度):『クレールの膝』“Claire’s Knee”(仏) 監督:エリック・ロメール

 第7回(1972年度):『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』“The Discreet Charm of The Bourgeoisie”(仏) 監督:ルイス・ブニュエル ★

 第8回(1973年度):『映画に愛をこめて アメリカの夜』“Day For Night”(仏・伊) 監督:フランソワ・トリュフォー ★

 第9回(1974年度):『ある結婚の風景』“Scenes From A Marriage”(スウェーデン) 監督:イングマール・ベルリマン

 第10回(1975年度):『ナッシュビル』“Nashville”(米) 監督:ロバート・アルトマン ○

 第11回(1976年度):『大統領の陰謀』“All The President’s Men”(米) 監督:アラン・J・パクラ ○

 第12回(1977年度):『アニー・ホール』“Annie Hall”(米) 監督:ウディ・アレン ●

 第13回(1978年度):『ハンカチのご用意を』“Get Out Your Handkerchiefs”(仏・ベルギー) 監督:ベルトラン・ブリエ ★

 第14回(1979年度):『ヤング・ゼネレーション』“Breaking Away”(米) 監督:ピーター・イエーツ ○

 第15回(1980年度):『メルビンとハワード』“Melvin And Howard”(米) 監督:ジョナサン・デミ

 第16回(1981年度):『アトランティック・シティ』“Atlantic City”(仏・カナダ) 監督:ルイ・マル ○

 第17回(1982年度):『トッツィー』“Tootsie”(米) 監督:シドニー・ポラック ○

 第18回(1983年度):『サン★ロレンツォの夜』“Night of The Shooting Stars”(伊) 監督:パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ

 第19回(1984年度):『ストレンジャー・ザン・パラダイス』“Stranger Than Paradise”(米) 監督:ジム・ジャームッシュ

 第20回(1985年度):『乱』“Ran”(日・仏) 監督:黒澤明

 第21回(1986年度):『ブルーベルベット』“Blue Velvet”(米) 監督:デイヴィッド・リンチ

 第22回(1987年度):『ザ・デッド/「ダブリン市民」より』“The Dead”(米) 監督:ジョン・ヒューストン

 第23回(1988年度):『存在の耐えられない軽さ』“The Unbearable Lightness of Being”(米) 監督:フィリップ・カウフマン

 第24回(1989年度):『ドラッグストア・カウボーイ』“Drugstore Cowboy”(米) 監督:ガス・ヴァン・サント

 第25回(1990年度):『グッドフェローズ』“Goodfellas”(米) 監督:マーティン・スコセッシ ○

 第26回(1991年度):『ライフ・イズ・スイート』“Life Is Sweet”(英) 監督:マイク・リー

 第27回(1992年度):『許されざる者』“Unforgiven”(米) 監督:クリント・イーストウッド ●

 第28回(1993年度):『シンドラーのリスト』“Schindler’s List”(米) 監督:スティーヴン・スピルバーグ ●

 第29回(1994年度):『パルプ・フィクション』“Pulp Fiction”(米) 監督:クエンティン・タランティーノ ○■

 第30回(1995年度):『ベイブ』“Babe”(オーストラリア) 監督:クリス・ヌーナン ○

 第31回(1996年度):『奇跡の海』“Breaking The Waves”(デンマーク) 監督:ラース・フォン・トリアー

 第32回(1997年度):『LAコンフィデンシャル』“L.A.Confidential”(米) 監督:カーティス・ハンソン ○

 第33回(1998年度):『アウト・オブ・サイト』“Out of Sight”(米) 監督:スティーヴン・ソダーバーグ

 第34回(1999年度):『トプシー・ターヴィー』“Topsy-Turvy”(英) 監督:マイク・リー
 『マルコヴィッチの穴』“Being John Malkovich”(米) 監督:スパイク・ジョーンズ

 第35回(2000年度):『ヤンヤン 夏の想い出』“Yi Yi”(台湾・日) 監督:エドワード・ヤン

 第36回(2001年度):『マルホランド・ドライブ』“Mulholland Drive”(米) 監督:デイヴィッド・リンチ

 第37回(2002年度):『戦場のピアニスト』“The Pianist”(仏・独・ポーランド・英) 監督:ロマン・ポランスキー ○■

 第38回(2003年度):『アメリカン・スプレンダー』“American Splendor”(米) 監督:シャリ・スプリンガー・バーマン、ロバート・プルチーニ

 第39回(2004年度):『ミリオンダラー・ベイビー』“Million Dollar Baby”(米) 監督:クリント・イーストウッド ●

 第40回(2005年度):『カポーティ』“Capote”(米) 監督:ベネット・ミラー ○

 第41回(2006年度):『パンズ・ラビリンス』“Pan’s Labyrinth”(メキシコ・西・米) 監督:ギレルモ・デルトロ ☆

 第42回(2007年度):『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』“There Will Be Blood”(米) 監督:ポール・トーマス・アンダーソン ○

 第43回(2008年度):『戦場でワルツを』“Waltz With Bashir”(イスラエル・仏・独・米) 監督:アリ・フォルマン ☆

 第44回(2009年度):『ハート・ロッカー』“The Hurt Locker”(米) 監督:キャスリン・ビグロー ●

 第45回(2010年度):『ソーシャル・ネットワーク』“The Social Network”(米) 監督:デイヴィッド・フィンチャー ○

 第46回(2011年度):『メランコリア』“Melancholia”(デンマーク・スウェーデン・仏・独) 監督:ラース・フォン・トリアー

 第47回(2012年度):『愛、アムール』“Amour”(仏・独・オーストリア) 監督:ミヒャエル・ハネケ ○★■

 第48回(2013年度):『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』“Inside Llewyn Davis”(米) 監督:ジョエル&イーサン・コーエン

 第49回(2014年度):『さらば、愛の言葉よ』“Goodbye To Language”(仏) 監督:ジャン=リュック・ゴダール

 第50回(2015年度):『スポットライト 世紀のスクープ』“Spotlight”(米) 監督:トム・マッカーシー ●

 ●:米国アカデミー賞作品賞受賞
 ○:米国アカデミー賞作品賞ノミネート
 ★:米国アカデミー賞外国語映画賞受賞
 ☆:米国アカデミー賞外国語映画賞ノミネート
 ■:カンヌ国際映画祭パルムドール受賞

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 受賞作のタイトルだけ眺めてみると、けっこうブレブレでそんなに一貫性はないのかなあと思ったりもします。

 全米映画批評家協会賞の方が、より柔軟にそして積極的に外国語作品を評価する傾向があり、米国アカデミー賞があまり評価しないような監督や作品を意識的に評価してきているという面もありますが、必ずしも首尾一貫しているわけでもないようです。

 全米映画批評家協会賞も、作品が上映されたタイミングやムード、全米の映画界の流れや受け止められ方に、少なからず(そして刹那的に)影響を受けているということでしょうか。

 全米映画批評家協会賞の受賞結果の方が米国アカデミー賞ノミネーションより先に発表されることもあって、全米映画批評家協会賞(の考え方)が米国アカデミー賞に影響を与えているというようなことは度々指摘されることですが、今回、リストを眺めていて、50年という歴史の中で、逆に、全米映画批評家協会賞の方が米国アカデミー賞にすり寄って行っている部分もあるのかもしれないとも感じました。

 また、50年の歴史の中には、なぜあの時、この作品がそんなに高く評価されたのか、わからなくなっている作品もありますね。個人的には、米国アカデミー賞よりもこっちのチョイスの方がいいという年もありますが、そうでもない年もあります。

 まあ、それはそれとして―
 最近のロングライドは引きの強さを持っていますね〜。

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 *当ブログ記事

 ・全米映画批評家協会賞2016 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201601/article_2.html
 ・全米映画批評家協会賞2015 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201501/article_4.html
 ・全米映画批評家協会賞2014 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201401/article_9.html
 ・全米映画批評家協会賞2013 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201301/article_9.html
 ・全米映画批評家協会賞2012 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201201/article_11.html
 ・全米映画批評家協会賞2011 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201101/article_12.html
 ・全米映画批評家協会賞2010 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200901/article_1.html
 ・全米映画批評家協会賞2009 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200901/article_1.html

 ・全米の映画批評家協会系映画賞について調べてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201101/article_2.html

 ・全米の映画賞について調べてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_45.html

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