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zoom RSS 学生アカデミー賞2016 入賞作品決定! 日本がらみの作品も!

<<   作成日時 : 2016/08/31 07:50   >>

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 第43回学生アカデミー賞の入賞作品が発表されました。(8月29日)

 学生アカデミー賞は、アメリカの映画芸術科学アカデミーによる学生作品を対象とするコンペティションで、過去には、ロバート・ゼメキス(1975年“A Field of Honor”)、ジョン・ラセター(1979年“Lady and the Lamp”、1980年“Nitemare”)、ジャコ・ヴァン・ドルマル(1981年“Maedeli la brèche”)、スパイク・リー(1983年『ジョーズ・バーバー・ショップ』)、ピート・ドクター(1992年“Next Door”)、トレイ・パーカー(1993年“American History”)、キャリー・フクナガ(2005年“Victoria para chino”)らを輩出しています。(学生アカデミー賞受賞経験者で、その後、米国アカデミー賞にノミネーションを勝ち得たのはのべ46人、受賞者となったのはのべ8人います。)

 この賞は、もともと未来の映画監督への登竜門的なところがありましたが、近年、さらに注目度を増しているのは、2011年、2012年、2015年、2016年と学生アカデミー賞受賞作品がそのまま本家の米国アカデミー賞にノミネートされたり、受賞したりするようになっているからです。

 2011年の米国アカデミー賞では、学生アカデミー賞ナラティヴ部門金賞受賞作品『ゴッド・オブ・ラブ』“God of Love”(Luke Matheny監督)と外国映画部門受賞作品『告白』“The Confession”(Tanel Toom監督)がそれぞれ短編映画賞にノミネートされて、前者が受賞を果たし、2012年の米国アカデミー賞では、学生アカデミー賞外国語映画部門金賞受賞作品『チューバ・アトランティック』“Tuba Atlantic”(Hallvar Witzø監督)と同じくブロンズ賞受賞作品『息子』“Raju”(Max Zähle監督)がそれぞれ米国アカデミー賞短編映画賞にノミネートされています。

 2013年と2014年は、残念ながら、学生アカデミー賞受賞作品から米国アカデミー賞にノミネートされた作品はありませんでしたが、2015年は、学生アカデミー賞受賞作品の中から1作品(2014年度外国映画部門銀賞受賞作品『アフガニスタンからきた少女』“Parvaneh”)が短編映画賞のノミネーションを果たし、2作品(銀賞受賞作品“White Earth”とブロンズ賞受賞作品“One Child”)が短編ドキュメンタリー賞ショートリスト入りし、そのうち“White Earth”が短編ドキュメンタリー賞ノミネーションを果たしています。

 2016年は、学生アカデミー賞ナラティヴ部門金賞受賞作品『デイ・ワン』“Day One”と外国映画部門ブロンズ賞受賞作品『何も心配ない』“Everything Will Be Okay(Alles wird gut)”が短編映画賞にノミネートされています。米国アカデミー賞短編アニメーション賞と短編ドキュメンタリー賞には、学生アカデミー賞からの選出はありませんでしたが、学生アカデミー賞アニメーション部門銀賞受賞作品“An Object at Rest”が米国アカデミー賞短編アニメーション賞ショートリストまで進んでいます。

 学生アカデミー賞のルールにもいろいろ変遷があって―
 2014年度までは、オルタナティヴ部門金賞受賞作品とナラティヴ部門金賞受賞作品と外国映画部門金賞受賞作品が、米国アカデミー賞短編映画賞部門へのノミネート資格を得、アニメーション部門金賞受賞作品が、米国アカデミー賞短編アニメーション賞のノミネート資格を得るだけだったのが、2015年度から規約が変わり、オルタナティヴ部門・ナラティヴ部門・外国映画部門すべての入賞作品が米国アカデミー賞短編映画賞部門へのノミネート資格を得、アニメーション部門すべての入賞作品が、米国アカデミー賞短編アニメーション賞のノミネート資格を得、ドキュメンタリー部門すべての入賞作品が、米国アカデミー賞短編ドキュメンタリー賞のノミネート資格を得る、という風になっています。

 また、本年度からは、学生アカデミー賞外国映画部門が、ナラティヴ部門とアニメーション部門とドキュメンタリー部門に3分割され、外国映画ナラティヴ部門からは金賞・銀賞・ブロンズ賞が選ばれ、外国映画アニメーション部門と外国映画ドキュメンタリー部門からはそれぞれ金賞が選ばれることが発表されています。
 一見、これは、優秀な作品がたくさん集まる外国映画部門に対処して、外国作品の間口を広げたようにも見えますが、これまでのドキュメンタリー部門入賞作品がほぼ外国作品で占められていたことを考えると、少なくともドキュメンタリー部門に関してはより狭き門になった、ということになります。

 本年度は、8月1日にファイナリストが発表され、今回、各部門の入賞作品が発表になり(9月1日までに発表ということだったんですが、早めの発表となったようです)、9月22日に各賞が発表される予定になっています。

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 ◆アニメーション部門

 ・“Once Upon a Line”(米) 監督:Alicja Jasina(USC)
 物語:ひとりの男性がモノトーンで単調な生活を送っている。ところが、彼は、恋に落ちて、物事がコントロールできなくなる。しかし、最後には、彼は、別の生き方があり、世界は色と希望にあふれていることを知る。
 ポーランド映画祭(ロサンゼルス)2016出品。

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 ・“Die Flucht (The Escape)”(米) 監督:Carter Boyce(DePaul University)
 物語:固定された軌道の上を、赤い風船を追って、少年が移動し続けている。機械が壊れた時、少年に生命が宿り、永遠に動くはずだったサイクルを止めようとする。
 クリーヴランド国際映画祭2016出品。
 トラヴァース・シティー映画祭2016出品。

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 ・“The Wishgranter”(米) 監督:Echo Wu(リングリングカレッジ アート&デザイン)
 物語:街の広場にある噴水の下には「願い叶え人(wish granter)」が住んでいて、コインを投げて、願掛けをした人の願いを叶えることを仕事にしている。ある日、噴水の両側から、男女が恋の願掛けをする。「願い叶え人」は、2人をくっつけようとするが、パイプがつまってしまい、願いを叶えてあげることができなくなる。「願い叶え人」は、地上に出て、2人をつっくけようとする。
 監督のEcho Wuは、現在、Blue Sky Studiosでプロダクション・マネージャーとして働いていて、プロデューサーを目指しているという。
 *動画本編:https://vimeo.com/176780336

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 ◆オルタナティヴ部門

 ・“All These Voices”(米) 監督:David Henry Gerson(AFI)
 物語:第二次世界大戦が終わって、数日後。若いSSの将校が、打ち棄てられたポーランドの劇場に隠れる。やがて生き残った劇団員が入ってきて、戦争が終わったことを祝福する。兵士は、彼らの痛みの伴う過去を知り、彼らの悲しみと自分の複雑な立場に折り合いをつけなければならなくなる。
 ポーランド映画祭(ロサンゼルス)2016出品。

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 ・“Cloud Kumo(雲)”(米) 監督:Yvonne Ng(ニューヨーク市立大学)
 物語:イシイ・サトコは、広島の原爆投下を回想し、本の出版の準備を進めている。孫のレイコは、自らのダンスを通して、サトコへの敬意を示している。詩に綴られた言葉は、被爆第三世代として被爆に苦しむレイコの活力となる。

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 ・“The Swan Girl”(米) 監督:Johnny Coffeen(マハリシ経営大学)
 物語:アーティストがスタジオにこもって、自らの過去の過ちを償うべく、複雑な彫刻を制作している。
 デイヴィッド・リンチ・スカラシップ受賞。
 Johnny Coffeenは、デスティン・ダニエル・クレットンの『ショート・ターム』でアシスタント・エディターを務めている。

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 ◆ドキュメンタリー部門

 ・“4.1 Miles”(米) 監督:Daphne Matziaraki(カリフォルニア大学バークレー校)
 ヨーロッパでは、第二次世界大戦以来、最大の難民危機に直面している。本作では、トルコ沿岸に位置するギリシア領の島レスボス島で海岸警備隊長をしているギリシャ人の1日をドキュメントする。

 ・“Fairy Tales”(米) 監督:Rongfei Guo(NYU)
 体にプラスチックのボトルを下げたり、頭の上にスニーカーを載せたり、トウモロコシでネックレスを作ったり……。Wang Shouying (王守英)は、山東省泰安市新泰市の労働者階級の娘で、中国最大のソーシャル・メディア・サイトWeiboに奇抜なファッションを投稿し、またたくまにインターネット・セレブになる。彼女自身、自分を現代のココ・シャネルだと信じている。しかし、ファッションに関する誤解の代償は大きい。監督のRongfei Guoは、彼女と親しくなり、彼女の初めてのファッション・ショーを追う。

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 ・“From Flint: Voices from a Poisoned City”(米) 監督:Elise Conklin(ミシガン州立大学)
 米ミシガン州フリント市の汚染水問題(市当局が経費削減のためにフリントの水道水の水源を切り替えたことで、水道水が高濃度の鉛で汚染されたとされる問題で、州環境当局の職員2人と市職員が訴追された事件)を描いたドキュメンタリー。多くのニュース報道が、この問題を政府の視点でとらえているのに対し、本作では、市の内側からこの現在進行形の問題に直に関わっている人々の視点でとらえ、権力、人種、階級、コミュニティー、科学、運動といったテーマで焦点を当てる。

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 ◆ナラティヴ部門

 ・“It's Just a Gun”(米) 監督:Brian Robau(チャップマン大学)
 物語:スミス&ウェッソンM640カスタム木製グリップは、5連発シリンダーのポケットリボルバーで、.38スペシャル弾または.357マグナムを使用する。この銃は、ショートフレーム、ショートバレルであるのにも拘わらず、愛好家からも人気が高く、ニューヨーク市警の非番用の銃として認められている。本作では、この銃の一生を追う。まずは、夫の護身用として購入され、質屋に流れ、一瞬、麻薬中毒者を通過し、そしてサウス・セントラルからやってきた9歳の少年ギャベの手に渡る。ギャベは、ママのボーイフレンドの前や、学校のいじめっ子の陰でいつも恥ずかしそうにしている、からかいの対象になるような男の子だ。だが、茂みで破棄されていた銃を見つけ、気が大きくなり、自分が力を得たように思い込む。彼は、友だちを守ろうとして、力を誇示するだけのつもりで銃を出すが、それが悲劇的な結果をもたらす。しかし、物語は、ギャベの不幸を追うことはせずに、銃のその後をたどる……。

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 ・“Nocturne in Black”(レバノン) 監督:Jimmy Keyrouz(コロンビア大学)
 物語:戦争で荒廃した中東。意気消沈したミュージシャンが、テロリストによって破壊されたピアノを組み立て直そうとする。

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 ・“Rocket”(米) 監督:Brenna Malloy(チャップマン大学)
 物語:1947年。ダート・トラック・レーシングのチャンピオン・ドライバーが、最後の直線で事故死する。彼の伝説は、彼の唯一の子の肩に受け継がれる。娘のアニーに。12年後、アニーは、父が遺した牧場でくすぶっていた。そこに、ウェストンという名の金持ちが姿を現わす。アニーは、ダート・トラック・レーシングのインとアウトについて彼に説明していて、自分が捜してしたものを見つけたように思う。

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 ◆外国映画ナラティヴ部門

 ・“Invention of Trust”(独) 監督:Alex Schaad(ミュンヘン テレビ映画大学)
 物語:若い教師Michael Gewaは、謎めいたメッセージを受け取る。個人のレーティング・サービス「b.good」が彼のオンラインとモバイル・データを持っていて、彼の教師としてのスキルといくつかのカテゴリーにおけるパーソナリティーを評価するというのだ。彼は、その結果を無視したけれども、学生や同僚や友人たちの中で、モラル的に信用を得ようとして奮闘している自分に気づく。
 マックス・オフュルス映画祭2016 中編映画コンペティション部門出品。最優秀中編映画賞受賞。

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 ・“Tenants(Lokatorki)”(ポーランド) 監督:Klara Kochanska(ポーランド国立ウッチ映画大学)
 物語:若い独身の弁護士ジャスティンが、借金により競売にかけられたアパートを買う。ところが、出ていくことを拒んだ前の住人たちとの闘いが始まり、夢のフラットは悪夢と化す。
 ワルシャワ国際映画祭2015 短編コンペティション部門出品。第1席受賞。
 クラクフ映画祭2016 ナショナル・コンペティション フィクション部門出品。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2016 「フューチャー・フレームズ:フォローすべき10人の新しいフィルムメイカーたち」出品。
 西寧FIRST青年電影展2016 短編コンペティション部門出品。グランプリ受賞。

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 ・“Where the Woods End(Am Ende Der Wald)”(独) 監督:Felix Ahrens(Filmuniversity Babelsberg KONRAD WOLF)
 物語:若い警察官Elkeが、同僚のArminとともに、チェコとの国境をパトロールする。彼女は、若いチェコ人に通常の職務質問を行なうが、抵抗されて、発砲し、死なせてしまう。結果的に、彼女は停職になって、調査が入り、罪の意識に苦しむ。耐えられなくなった彼女は、チェコに行って、自分が殺してしまった若者の家族を探す。
 マックス・オフュルス映画祭2016 中編映画コンペティション部門出品。

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 ◆外国映画アニメーション部門

 ・“Ayny - My Second Eye”(独) 監督:Ahmad Saleh(ケルン・メディア芸術大学)
 物語:母親が戦争から2人の息子を守ろうとする。だが、2人には、音楽をやりたいという夢を追って、家を飛び出す。お金を手に入れるために、くず鉄集めもする。彼らは、トラウマを乗り越えるために、1つになる。

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 ◆外国映画ドキュメンタリー部門

 ・“The Most Beautiful Woman”(イスラエル) 監督:Maya Sarfaty(The Steve Tisch School of Film and Television at Tel Aviv University)
 実話に基づく物語。Franz Wunschは、アウシュヴィッツ強制収容所の警護担当のSS将校で、スロヴァキア出身のHelena Citronovaに恋をし、彼女の愛と引き換えに、彼女と彼女の姉Rosinkaの命を救う。Rosinkaの2人の子どもを救うことはできなかったけれども。

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 本年度から、外国映画部門が別個に設けられたため、外国作品にとってはかえって狭き門になってしまいましたが、アメリカの大学で学んでいる外国人学生も多く、結果的に入賞作品はかなり国際色の強いものになりました。

 学生アカデミー賞に関しては、9月22日の授賞式で、上記の入賞作品に金賞、銀賞、ブロンズ賞が振り分けられることになりますが、その後、11月下旬から12月上旬にかけて発表される米国アカデミー賞短編映画賞、短編アニメーション賞、短編ドキュメンタリー賞それぞれのショートリストの中に入るかどうかで、そこから先に進めるかが決定されます。
 ルールの変わり目の年は、それをアピールするためにも数本の作品が米国アカデミー賞にノミネートされるのではないかと思われますが、どうでしょうか。

 現時点で、ネット上で全編視聴可能な作品は、“The Wishgranter”のみです。

 なお、本年度は、国内286の大学と国外95の大学から1749作品の応募があり、過去最高記録となったと伝えられています。

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 *当ブログ記事

 ・学生アカデミー賞2016 ファイナリスト発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201608/article_9.html

 ・学生アカデミー賞2015 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201510/article_16.html

 ・学生アカデミー賞2014 ファイナリスト発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201405/article_6.html
 ・学生アカデミー賞2014 入賞作品発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201405/article_30.html
 ・学生アカデミー賞2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201406/article_9.html

 ・学生アカデミー賞2013 入賞作品発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201305/article_37.html
 ・学生アカデミー賞2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201306/article_9.html

 ・学生アカデミー賞2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201206/article_14.html

 ・学生アカデミー賞2009 ファイナリスト発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200905/article_1.html
 ・学生アカデミー賞2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200906/article_16.html

 ・ハリウッド・リポーター誌が選ぶ、世界の映画学校 ベスト25!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201208/article_1.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2016年6月〜11月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201606/article_2.html

 追記:
 ・学生アカデミー賞2016 授賞式:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201609/article_30.html

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