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zoom RSS リトアニア・ナショナル映画賞、シルバークレーン賞2016 発表!

<<   作成日時 : 2016/05/29 13:49   >>

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 リトアニア・ナショナル映画賞、第9回シルバークレーン賞(Sidabrinė Gervė:銀の鶴賞)の受賞結果が発表になりました。(5月27日。ノミネーション発表は5月15日?)

 リトアニア映画と言っても、日本ではEUフィルムデーズで毎年1本上映されるかされないかくらいしか紹介されませんが、国内的にはどうも2000年に入ってから、活気づいてきているようで、2006年(度)に米国アカデミー賞外国語映画賞に初めて作品を出品して以降、出品することが当たり前になってきて、これまで8回出品していて、2008年にはリトアニア・ナショナル映画賞であるシルバークレーン賞も創設されています。

 具体的には、そんなにまだいろんな作品がでてきているという段階でもありませんが、2013年には、“The Gambler”が、リトアニア映画として初めて、サンセバスチャン国際映画祭にエントリーされ、2015年には“The Summer of Sangaile(Sangailes Vasara)”がサンダンス映画祭で監督賞を受賞し、“Ramybė Mūsų Sapnuose(Peace to Us in Our Dreams)”がカンヌ国際映画祭監督週間で上映されたりしています。また、ヴロツワフやクラクフ、今年のトランシルヴァニアなどで、リトアニア映画が多数上映されたり、特集が組まれたりもしています。リトアニア映画界にちょっとしたムーブメントが起こっていて、それが世界中で気づかれつつあるのは確かなようです。

 シルバークレーン賞に関していうと、映画賞としてはまだまだ安定はしていないようで、部門ごとのノミネート数も一定しておらず、部門自体もようやく形が整ってきつつあるというところです。2014年より、編集賞と美術賞が新設されていますが、脚本賞は、あったりなかったりで、本年度は、主演男優賞と主演女優賞が1部門にまとめられてしまっていたりします。

 今年のノミネーション、および、受賞結果は、以下の通りです。

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 ◆作品賞(Metų Geriausias Ilgametražis Vaidybinis Kino Filmas)
 ・“Edeno Sodas(Garden of Eden)”(リトアニア) 監督:アリジマンタス・プイパ(Algimantas Puipa)
 ◎“Ramybė Mūsų Sapnuose(Peace to Us in Our Dreams)”(リトアニア・仏・ロシア) 監督:シャルナス・バルタス(Šarūnas Bartas)
 ・“Karalių Pamaina(Kings’ Shift)”(リトアニア・ラトヴィア) 監督:Ignas Miškinis

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 ◆監督賞(Metų Geriausias Režisieriaus Darbas)
 ・Jokūbas Vilius Tūras “Apie Joną(About Jonas)”(リトアニア)
 ◎シャルナス・バルタス(Šarūnas Bartas) “Ramybė Mūsų Sapnuose(Peace to Us in Our Dreams)”
 ・アリジマンタス・プイパ(Algimantas Puipa) “Edeno Sodas(Garden of Eden)”

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 ◆主演賞(Metų Geriausias Pagrindinis Vaidmuo)
 ◎ユオザス・ブドライティス(Juozas Budraitis) “Edeno Sodas(Garden of Eden)”
 ・Viktorija Kuodytė “Edeno Sodas(Garden of Eden)”
 ・Lora Kmieliauskaitė “Ramybė Mūsų Sapnuose(Peace to Us in Our Dreams)”

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 ◆助演男優賞(Metų Geriausias Antraplanis Aktoriaus Vaidmuo)
 ◎Vidas Petkevičius “Karalių Pamaina(Kings’ Shift)”
 ・Arūnas Sakalauskas “Patriotai”(リトアニア)(監督:Alvydas Slepikas)
 ・Vytautas Paukštė “Edeno Sodas(Garden of Eden)”

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 ◆助演女優賞(Metų Geriausias Antraplanis Aktorės Vaidmuo)
 ◎Klavdija Koršunova “Ramybė Mūsų Sapnuose(Peace to Us in Our Dreams)”
 ・Vaiva Mainelytė “Edeno Sodas(Garden of Eden)”
 ・Clotilde Solange Rigaud “Tiltai(Bridges)”(リトアニア)(監督:Austėja Urbaitė) [短編]

 Klavdija Koršunovaは、現在ドイツに住んで、生後半年の息子を育てていて、授賞式は欠席。代わりに、プロデューサーのJurga Dikčiuvienėがトロフィーを受け取った。

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 ◆撮影賞(Metų Geriausias Operatoriaus Darbas)
 ・Mantas Kvedaravičius、Vadym Ilkov、Viacheslav “Mariupolis(Mariupol)”(リトアニア・独・仏・ウクライナ)(監督:Mantas Kvedaravičius)
 ・Viktoras Radzevičius “Edeno Sodas(Garden of Eden)”
 ◎Eitvydas Doškus “Ramybė Mūsų Sapnuose(Peace to Us in Our Dreams)”

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 ◆編集者賞(Metų Geriausias Montažo Režisieriaus Darbas)
 ・Jurgis Matulevičius、Austėja Urbaitė “Tiltai(Bridges)” [短編]
 ・Mikas Žukauskas “Trikampiui Pakilus: Krystian Lupa Stato Didvyrių Aikštę(Triangle Lifted: Krystian Lupa Stages ‘Heroes Square’)”(リトアニア)(監督:Mikas Žukauskas)
 ◎Gintarė Sokelytė “Ramybė Mūsų Sapnuose(Peace to Us in Our Dreams)”

 Gintarė Sokelytėは授賞式を欠席。代わりに、プロデューサーのJurga Dikčiuvienėがトロフィーを受け取った。

 ◆美術監督賞(Metų Geriausias Dailininko Darbas)
 ◎Jurij Grigorovič “Mariupolis(Mariupol)”
 ・Paulius Jurevičius “Žmogus Vielabraukis(The Trolleybus-Man)”(リトアニア・エストニア)(監督:ヨナス・トルカナス(Jonas Trukanas)) [短編]

 授賞式では、プロデューサー;が代理でトロフィーを受け取った。

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 ◆作曲家賞(Metų Geriausias Kompozitoriaus Darbas)
 ・Kipras Mašanauskas “Edeno Sodas(Garden of Eden)”
 ・Alexander Zekke “Ramybė Mūsų Sapnuose(Peace to Us in Our Dreams)”
 ◎Edgars Rubenis “Karalių Pamaina(Kings’ Shift)”

 授賞式では、プロデューサーのIeva Norvilienėが代理でトロフィーを受け取った。

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 ◆短編実写映画賞(Metų Geriausias Trumpametražis Vaidybinis Kino Filmas)
 ◎“Tiltai(Bridges)”(リトアニア) 監督:Austėja Urbaitė
 ・“Iglu(Igloo)”(リトアニア) 監督:Marija Kavtaradzė、Vytautas Katkus

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 ◆ドキュメンタリー賞(Metų Geriausias Ilgametražis Dokumentinis Kino Filmas)
 ・“Trikampiui Pakilus: Krystian Lupa Stato Didvyrių Aikštę(Triangle Lifted: Krystian Lupa Stages ‘Heroes Square’)”(リトアニア) 監督:Mikas Žukauskas
 ◎“Mariupolis(Mariupol)”(リトアニア・独・仏・ウクライナ) 監督:Mantas Kvedaravičius
 ・“Apie Joną(About Jonas)”(リトアニア) 監督:Jokūbas Vilius Tūras
 ・“Aš Už Tave Pakalbėsiu(When We Talk About KGB)”(リトアニア・伊) 監督:Virginija Vareikytė、Maxi Dejoie

 授賞式は、プロデューサーのUljana Kimが出席。

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 ◆短編ドキュメンタリー賞(Metų Geriausias Trumpametražis Dokumentinis Kino Filmas)
 ・“Šaltos Ausys(Dead Ears)”(リトアニア) 監督:Linas Mikuta
 ・“Pakeliui Į Prieplauką(On the Way to the Quay)”(リトアニア) 監督:Ramunė Sakalauskaitė
 ◎“Suokalbio Antologija(Anthology of The Plot)”(リトアニア) 監督:Artūras Jevdokimovas

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 ◆アニメーション賞(Metų Geriausias Animacinis Filmas)
 ・“Šalti Šaltiniai(Cold Springs)”(リトアニア) 監督:Giedrė Narušytė Boots
 ◎“Nuopuolis(Downfall)”(リトアニア・デンマーク) 監督:Urtė Oettinger、Johan Oettinger
 ・“Sausra(Drought)”(リトアニア) 監督:Agnė Kupšytė、Balys Kumža

 ◆学生作品賞/銀の鶴の卵賞(Metų Geriausias Studento Darbas „Sidabrinės Gervės Kiaušinis”)
 ・“Namo(Back)”(リトアニア・米) 監督:Gabrielė Urbonaitė
 ◎“Deminas: Dvi Tvirtovės(Deminas: Two Towers)”(リトアニア) 監督:Akvilė Gelažiūtė
 ・“Sobaka(Doggone)”(リトアニア) 監督:Domas Petronis

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 ◆エキスパート賞(Metų Geriausias Profesinės Meistrystės Darbas)
 ・UAB Baltijos Filmų Paslaugos(UABバルチック・フィルム・サービス)
 リトアニア映画人が国際的なプロジェクトに参加する機会を創出していることに対して(Už Sukurtas Galimybes Lietuvių Kino Profesionalams Dirbti Tarptautiniuose Kino Projektuose)
 ◎Všį Meno Avilys(公共芸術機構)
 リトアニアの映画遺産の保存と普及に対して(Už Lietuvių Kino Paveldo Sugrąžinimą Ir Pritaikymą Šiuolaikinei Sklaidai)

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 ◆観客賞(Publikos pasirinkimas)
 ◎“Pasitikiu tavimi”(リトアニア) 監督:Aleksas Matvejevas

 ◆ゴールドクレーン賞/生涯貢献賞(Auksinė gervė už viso gyvenimo nuopelnus)
 ◎Izabelei Pinaitytei(編集技師)

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 主な作品のノミネート&受賞状況は、以下の通り。

 ・“Edeno Sodas(Garden of Eden)”(1/8):作品・監督・主演・主演・助演男優・助演女優・撮影・作曲
 ・“Ramybė Mūsų Sapnuose(Peace to Us in Our Dreams)”(5/7):作品・監督・主演・助演女優・撮影・編集・作曲
 ・“Karalių Pamaina(Kings’ Shift)”(2/3):作品・助演男優・作曲
 ・“Mariupolis(Mariupol)”(2/3):撮影・美術・ドキュメンタリー
 ・“Tiltai(Bridges)”(1/3):助演女優・編集・短編
 ・“Apie Joną(About Jonas)”(0/2):監督・ドキュメンタリー
 ・“Trikampiui Pakilus: Krystian Lupa Stato Didvyrių Aikštę(Triangle Lifted: Krystian Lupa Stages ‘Heroes Square’)”(0/2):編集・ドキュメンタリー

 2015年に、国際映画祭で最も人気のあったリトアニア映画は“The Summer of Sangaile(Sangailes Vasara)”で、米国アカデミー賞2016 外国語映画賞 リトアニア代表に選ばれているのも“The Summer of Sangaile(Sangailes Vasara)”ですが(世界の50以上の映画祭で上映されている)、シルバークレーン賞では前回の対象作品になっていて、前回、作品賞、主演女優賞(Julija Steponaityte)、個人貢献賞(アート・ディレクション)を受賞しています。

 ※ シルバークレーン賞は、Lithuanian Film AwardsとしてIMDbにもデータが掲載されていますが、今回分のデータは、この種のデータとしてはちょっとないくらい間違いだらけでした。(まあ、間違い自体そんなに多くなくても、立て続けにあるとそんな印象を持ってしまいます。)IMDbでも、ヨーロッパの「映画先進国」のデータ以外は、けっこう欠落があったりするものですが、「欠落」と「誤データ」では大違いで、これほどの「誤データ」はちょっと珍しいですね。いったい何を元に情報を記載したのかはわかりませんが、早めに正してほしいものです。

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 いくつかの作品を簡単に紹介しておきます。

 ・“Ramybė Mūsų Sapnuose(Peace to Us in Our Dreams)”(リトアニア・仏・ロシア) 監督:シャルナス・バルタス(Šarūnas Bartas)
 物語:夏のある日、3人家族が、休日を過ごすために、カントリーサイドの家に向かう。父親は、毎日のルーティン・ワークに飽き飽きしていて、どうやって日々の活力を見出せばいいのかわからなくなっている。妻は、後妻で、ヴァイオリン奏者をしている。彼女は、音楽と愛とキャリアのどれを優先すればいいのか悩んでいる。娘は16歳で、実母が亡くなってから、父親との関係がうまくいっていない。彼ら3人は、みんな愛し合っていながら、それをうまく表現することができず、家庭は崩壊寸前の危機に陥っている。
 『ポーラX』に俳優として参加していることでも知られるシャルナス・バルタスは、リトアニアで最も重要な映画監督の1人とみなされていて、数々の賞に輝く。本作が第8長編。
 カンヌ国際映画祭2015 監督週間出品。
 ラ・ロシェル国際映画祭2015出品。
 ハイファ国際映画祭2015出品。
 Nika賞2016 CIS&バルチック映画作品賞ノミネート。
 イスタンブール国際映画祭2016 インターナショナル・コンペティション部門出品。


 ・“Karalių Pamaina(Kings’ Shift)”(リトアニア・ラトヴィア) 監督:Ignas Miškinis
 物語:新米の刑事が、私立病院で、第二次世界大戦で戦争犯罪を犯したとみなされている、昏睡中の容疑者の警護に就く。ところが、彼のシフトが終わっても、交代要員が来ない。容疑者を殺したいほど憎んでいる者も多い。彼は、離れてもいいという指示があるまで、ここを動かないと決める。不眠と孤独と空腹が彼を追い詰めていく……。
 ヴィリニュス国際映画祭2016 Baltic Gaze部門出品。

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 ・“Mariupolis(Mariupol)”(リトアニア・独・仏・ウクライナ) 監督:Mantas Kvedaravičius
 マリウポリは、ウクライナ東部の、カルミウス川がアゾフ海に注ぐ河口にある。町は、製鉄所を中心に成り立っていて、一見、穏やかに見える。しかし、親ロシア派とウクライナ政府軍との衝突があちこちで起こっている。劇団は、5月9日の勝利の日を祝う舞台のリハーサルをしていて、初日の夜が中止にならなければいいと祈っている。靴の修理屋の娘は、カメラの前で戦争リポーターに挑戦していて、その父親は女性客と信仰について議論している。漁師は、いつものように魚が獲れることを願う。市の境界で、爆発音が聞こえてくるが、生活は続けられ、正教会の鐘は鳴り、トラムのキーンという音が響いている。
 ベルリン国際映画祭2016 パノラマ部門出品。
 香港国際映画祭2016 ドキュメンタリー・コンペティション部門出品。

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 ・“Edeno Sodas(Garden of Eden)”(リトアニア) 監督:アリジマンタス・プイパ(Algimantas Puipa)
 物語:2025年のリトアニア。世界に散らばった裕福なリトアニア人たちが祖国で老後を過ごすために戻ってくる。世界は様変わりしている。湖畔に建つ「エデンの園」という名のリッチな老人ホームには、裕福な人々があふれ、彼らを、フィリピンやカンボジア、イギリス、スウェーデン、ドイツなどからやってきた移民が世話をしている。スウェーデンからやってきたリンダもそうした1人で、彼女は夫を亡くした後、この地にやってきて、「エデンの園」のスタッフとなる。そして、だんだんとここで暮らす老人たちと親しくなっていく。
 老後についての寓話。リトアニアの、3つの世代の俳優たちが出演している。年配の世代の登場人物たちの物語は、演じる俳優たち自身の人生とも重なっている。
 スイスで活動したリトアニア人作家Janina Survilaiteの小説の映画化。

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 たぶん“The Summer of Sangaile(Sangailes Vasara)”は、何らかの形で日本にも紹介されるでしょうが、“Edeno Sodas(Garden of Eden)”なんかも、岩波ホールあたりで上映されたりすると面白いんですけどね。

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 *参考
 ・第9回シルバークレーン賞に関するWikipedia(リトアニア語):https://lt.wikipedia.org/wiki/Sidabrin%C4%97_gerv%C4%97_2016

 ・15min.It:http://www.15min.lt/kultura/naujiena/kinas/sidabrine-gerve-triumfavo-ramybe-musu-sapnuose-uz-gyvenimo-nuopelnus-apdovanota-izabele-pinaityte-4-633579

 ・Alkas.It:http://alkas.lt/2016/05/28/geriausiems-kino-kurejams-iteikti-sidabrines-gerves-apdovanojimai-video/

 ・KINFO APDOVANOJIMAI:http://www.kinfoapdovanojimai.lt/

 ・ヴィリニュス国際映画祭 アーカイブ(2016):http://kinopavasaris.lt/en/filmai/2016?id=14

 ・FILMNEWEUROPE.COM:http://www.filmneweurope.com/countries/lithuania-profile

 ・カンヌ国際映画祭 Short Film Catalog:http://sub.festival-cannes.fr/SfcCatalogue/ListThematiqueSfc


 *当ブログ記事

 ・シルバークレーン賞2014:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201405/article_16.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2016年1月〜5月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201601/article_49.html

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