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zoom RSS インディペンデント・スピリット・アワード2016 受賞結果!

<<   作成日時 : 2016/02/28 11:53   >>

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 第31回インディペンデント・スピリット・アワードの受賞結果が発表されました。(2月27日)

 【インディペンデント・スピリット・アワード】

 この賞は、Film IndependentというNPO団体が選出する映画賞で、制作費が2000万ドル以下で、1週間以上商業公開されるか、または、サンダンス映画祭(1月)、ニューヨークND/NF(New Directors/New Films)映画祭(3月)、ロサンゼルス映画祭(6月)、トロント国際映画祭(9月)、テルライド映画祭(9月)、ニューヨーク映画祭(10月)、のいずれかで上映された作品(70分以上の長さがある)を対象としています。つまり、製作費が少なくても、意欲的な映画、志の高い映画を選んで表彰しようという、コンセプトの映画賞です(設立は1984年)。

 この賞は、年々、製作費が高くなることと、そういう映画を持てはやす風潮に異議を唱える目的で設立されたものですが、それは反アカデミー賞という意味合いも持っていて、授賞式は、意図的にアカデミー賞の前日に設定されています。

 過去の作品賞の受賞作を見てみると、『ザ・プレイヤー』『パルプ・フィクション』『ファーゴ』『メメント』『エデンより彼方に』『ロスト・イン・トランスレーション』『サイドウェイ』となかなかの品揃えで、2007年は『リトル・ミス・サンシャイン』、2008年は『JUNO/ジュノ』、2009年は『レスラー』、2010年は『プレシャス』、2011年は『ブラック・スワン』、2012年は『アーティスト』、2013年は『世界にひとつのプレイブック』、2014年は『それでも夜は明ける』、2015年は『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』が選ばれています。

 とはいうものの―
 近年は、アカデミー賞ともさほど変わらないような映画賞になってきて、あまり「インディペンデント・スピリット」を感じないとか言われたりもしています。それは、アカデミー賞の方がインディペンデント・スピリット・アワードにすり寄ってきたからかもしれないし、アメリカの映画業界全体がそういう方向にシフトしてきたのかもしれないし、はっきりしたことはわかりませんが、インディペンデント・スピリット・アワードの独自性が見えにくくなってきているのは確かです。ゴッサム・アワードがずっと独自性を保ち得ているのに比べると、最近のインディペンデント・スピリット・アワードは、アカデミー賞の単なる前哨戦の1つと見られても仕方がなくなっているところもあります。さて、本年度はどうでしょうか……。

 本年度の受賞結果は、以下の通り。

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 ◆作品賞(Best Feature) プレゼンター:ショーン・ペン
 ・“Anomalisa” 監督:チャーリー・カウフマン、デューク・ジョンソン
 ・『ビースト・オブ・ノー・ネーション』 監督:キャリー・ジョージ・フクナガ
 ・『キャロル』 監督:トッド・ヘインズ
 ◎『スポットライト 世紀のスクープ』 監督:トム・マッカーシー
 ・『タンジェリン』“Tangerine” 監督:ショーン・ベイカー

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 ◆監督賞 プレゼンター:ジェイソン・ベイトマン
 ・ショーン・ベイカー 『タンジェリン』
 ・キャリー・ジョージ・フクナガ 『ビースト・オブ・ノー・ネーション』
 ・トッド・ヘインズ 『キャロル』
 ・チャーリー・カウフマン、デューク・ジョンソン “Anomalisa”
 ◎トム・マッカーシー 『スポットライト 世紀のスクープ』
 ・デイヴィッド・ロバート・ミッチェル 『イット・フォローズ』

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 ◆主演男優賞(Best Male Lead) プレゼンター:ジェシカ・チャステイン
 ・クリストファー・アボット “James White”(監督:ジョシュ・モンド(Josh Mond))
 ◎エイブラハム・アッター(Abraham Attah) 『ビースト・オブ・ノー・ネーション』
 ・ベン・メンデルソーン “Mississippi Grind”(監督:アンナ・ボーデン、ライアン・フレック)
 ・ジェイソン・シーゲル 『人生はローリングストーン』“The End of the Tour”(監督:ジェームズ・ポンソルト(James Ponsoldt))
 ・Koudous Seihon “Mediterranea”(監督:Jonas Carpignano)

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 ◆主演女優賞(Best Female Lead) プレゼンター:マイケル・キートン
 ・ケイト・ブランシェット 『キャロル』
 ◎ブリー・ラーソン 『ルーム』(監督:レニー・アブラハムソン)
 ・ルーニー・マーラ 『キャロル』
 ・Bel Powley “The Diary of A Teenage Girl”(監督:マリエル・ヘラー(Mrielle Heller))
 ・キタナ・キキ・ロドリゲス(Kitana Kiki Rodriguez) 『タンジェリン』

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 ◆助演男優賞(Best Supporting Male) プレゼンター:パトリシア・アークエット
 ・ケヴィン・コリガン(Kevin Corrigan) “Results”(監督:アンドリュー・バジャルスキー (Andrew Bujalski))
 ・ポール・ダノ 『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』
 ◎イドリス・エルバ 『ビースト・オブ・ノー・ネーション』
 ・リチャード・ジェンキンス “Bone Tomahawk”(監督:S. Craig Zahler)
 ・マイケル・シャノン 『ドリームホーム 99%を操る男たち』“99 Homes”(監督:ラミン・バーラニ)

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 ◆助演女優賞(Best Supporting Female) プレゼンター:J・K・シモンズ
 ・ロビン・バートレット(Robin Bartlett) “H.”(監督:Rania Attieh、Daniel Garcia)
 ・マリン・アイルランド(Marin Ireland) “Glass Chin”(監督:Noah Buschel)
 ・ジェニファー・ジェイソン・リー “Anomalisa”
 ・シンシア・ニクソン “James White”
 ◎マイヤ・テイラー(Mya Taylor) 『タンジェリン』

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 ◆脚本賞 プレゼンター:ジェイソン・シーゲル
 ・チャーリー・カウフマン “Anomalisa”
 ・ドナルド・マルグリーズ(Donald Margulies) 『人生はローリングストーン』“The End of the Tour”
 ・フィリス・ナジー(Phillyis Nagy) 『キャロル』
 ◎トム・マッカーシー、ジョシュ・シンガー(Josh Singer) 『スポットライト 世紀のスクープ』
 ・S. Craig Zahler “Bone Tomahawk”

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 ◆撮影賞 プレゼンター:ケン・チョン、キーガン=マイケル・キー
 ・キャリー・ジョージ・フクナガ 『ビースト・オブ・ノー・ネーション』
 ◎エド・ラックマン 『キャロル』
 ・マイケル・ジオラキス(Michael Gioulakis) 『イット・フォローズ』
 ・リード・モラーノ(Reed Morano) “Meadlowland”(監督:リード・モラーノ)
 ・Joshua James Richards “Songs My Brothers Taught Me”(監督:Chloé Zhao)

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 ◆編集賞 プレゼンター:マリサ・トメイ、ジェイ・デュプラス
 ・ロナルド・ブロンスタイン(Ronald Bronstein)、ベニー・サフディー(Benny Safdie) 『神様なんかくそくらえ』
 ・フリオ・C・ペレス4世(Julio C. Perez IV) 『イット・フォローズ』
 ・Kristian Sprague “Manos Sucias”(監督:Josef Kubota Wladyka)
 ・Nathan Nuget 『ルーム』
 ◎トム・マカードル(Tom McArdle) 『スポットライト 世紀のスクープ』

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 ◆第1回作品賞(Best First Feature) プレゼンター:エミリア・クラーク、ネイト・パーカー
 ◎“The Diary of a Teenage Girl” 監督:マリエル・ヘラー(Marielle Heller)
 ・“James White” 監督:Josh Mond
 ・“Manos Sucias” 監督:Josef Kubota Wladyka
 ・“Mediterranea” 監督:Jonas Carpignano
 ・“Songs My Brothers Taught Me” 監督:Chloé Zhao

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 ◆第1回脚本賞(Best First Screenplay) プレゼンター:アンソニー・マッキー、ジェイコブ・トレンブレイ
 ・Jesse Andrews “Me and Earl and the Dying Girl”(監督:Alfonso Gomez-Rejon)
 ・Jonas Carpignano “Mediterranea”
 ◎エマ・ドナヒュー 『ルーム』
 ・マリエル・ヘラー(Marielle Heller) “The Diary of a Teenage Girl”
 ・John Magary、Russell Harbaugh、Myna Joseph “The Mend”(監督:John Magary)

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 ◆ドキュメンタリー賞 プレゼンター:ジェシカ・ビール、Bel Powley
 ・“(T)error”(米) 監督:Lyric R Cabral、David Felix Sutcliffe
 ・“Heart of a Dog”(米) 監督:ローリー・アンダーソン
 ◎『ルック・オブ・サイレンス』(インドネシア・英・デンマーク・フィンランド・ノルウェー) 監督:ジョシュア・オッペンハイマー
 ・“Meru”(米) 監督:ジミー・チン(Jimmy Chin)、E Chai Vasarhelyi
 ・“The Russian Woodpecker”(英) 監督:Chad Gracia

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 ◆外国語映画賞(Best International Film) プレゼンター:ラミ・マレック、フリーダ・ピント
 ・『さよなら、人類』(スウェーデン・仏・独・ノルウェー) 監督:ロイ・アンダーソン
 ・『大河の抱擁』“Embrace of the Serpent(El Abrazo de la Serpiente)”(コロンビア・ベネズエラ・アルゼンチン) 監督:Ciro Guerra
 ・“Girlhood (Bande De Files)”(仏) 監督:セリーヌ・シアマ
 ・『裸足の季節』(仏・独・トルコ) 監督:デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン
 ◎『サウルの息子』(ハンガリー) 監督:ネメシュ・ラースロー

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 ◆ジョン・カサヴェテス賞(John Cassavetes Award) プレゼンター:ポール・ダノ、ジュノー・テンプル
 50万ドル以下の低予算映画を選考対象とする。
 ・“Advantageous” 監督:Jennifer Phang
 ・“Christmas, Again” 監督:Alfonso Gomez-Rejon
 ・『神様なんかくそくらえ』 ジョシュア・サフディー、ベニー・サフディー
 ◎“Krisha” 監督:Trey Edward Shults
 ・“Out of My Hand” 監督:福永壮志

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 ◆「今後の劇場公開を期待したい」映画賞(Kiehl’S Someone To Watch Award)
 まだ大きな映画賞などを受賞したりしていない優れたフィクション作品の作り手に贈られる。
 ・Chloe Zhoa “Songs My Brothers Taught Me”
 ◎Felix Thompson “King Jack”
 ・Robert Machoian、Rodrigo Ojeda-Beck “God Bless the Child”

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 ◆事実は小説より奇なり賞(Lenscrafters Truer Than Fiction Award)
 まだ大きな映画賞などを受賞したりしていない優れたドキュメンタリー作品の作り手に贈られる。
 ・Alex Sichel、Elizabeth Giamatti “A Woman Like Me”
 ◎Elizabeth Chai Vasarhelyi “Incorruptible”
 ・Hemal Trivedi、Mohammed Ali Naqvi “Among the Believers”

 “Incorruptible”は、“Meru”で注目されたElizabeth Chai Vasarhelyi監督の最新作で、2011年以降のセネガルの国内改革を題材とした作品。、

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 ◆ピアジェ・プロデューサー賞(Piaget Producers Award) プレゼンター:ジェシカ・チャステイン
 ・ダーレン・ディーン(Darren Dean)
 ◎Mel Eslyn
 ・Rebecca Green、Laura D. Smith

 ダーレン・ディーン(Darren Dean)は、『キニアルワンダ』や『タンジェリン』を手がけるプロデューサー。
 Mel Eslynは、“The One I Love”や“Lamb”などを手がけるプロデューサー。
 Rebecca GreenとLaura D. Smithは、“I'll See You in My Dreams”や『イット・フォローズ』のプロデューサー。

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 ◆ロバート・アルトマン賞/アンサンブル賞
 ◎『スポットライト 世紀のスクープ』 監督:トム・マッカーシー
 キャスティング・ディレクター:Kerry Barden、Paul Schnee
 キャスト:ビリー・クラダップ、Brian d'Arcy James、ポール・ギルフォイル、ニール・ハフ、マイケル・キートン、レイチェル・マクアダムス、マーク・ラファロ、リーヴ・シュレイバー、ジェイミー・シェリダン、ジョン・スラッテリー、スタンリー・トゥッチ

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 主な作品のノミネート&受賞状況は、以下の通り。

 ・『ビースト・オブ・ノー・ネーション』(2/5):作品・監督・主演男優・助演男優・撮影
 ・『キャロル』(1/5):作品・主演女優・主演女優・脚本・撮影
 ・“Anomalisa”(0/4):作品・監督・助演女優・脚本
 ・『スポットライト 世紀のスクープ』(4/4):作品・監督・脚本・編集 +アルトマン
 ・『タンジェリン』(1/4):作品・監督・主演女優・助演女優
 ・『イット・フォローズ』(0/3):監督・撮影・編集
 ・“James White”(0/3):主演男優・助演女優・第1回
 ・“Mediterranea”(0/3):主演男優・第1回・第1回脚本
 ・『ルーム』(2/3):主演女優・編集・第1回脚本
 ・“The Diary of A Teenage Girl”(1/3):主演女優・第1回・第1回脚本
 ・“Songs My Brothers Taught Me”(0/3):撮影・第1回・期待
 ・『人生はローリングストーン』(0/2):主演男優・脚本
 ・“Bone Tomahawk”(0/2):助演男優・脚本
 ・『神様なんかくそくらえ』(0/2):編集・カサヴェテス
 ・“Manos Sucias”(0/2):編集・第1回

 本年度の全米映画賞レースで上位を争っている作品で、上記に入っていないタイトルがあまりにも多くて、上記ノミネーションはちょっと古臭くて、野暮ったいものにも見えてしまいますが、ノミネーションの発表は、もう3か月も前の2015年11月25日で、今更ですが、本年度の全米映画賞レースは、インディペンデント・スピリット・アワードのノミネーションが発表された時に予想されていたものとは、大幅に違ったものになったことがわかります。

 それはそれとして―
 昨年度のインディペンデント・スピリット・アワードは、受賞結果が米国アカデミー賞と9部門(作品賞・主演男優賞・主演女優賞・助演男優賞・助演女優賞・撮影賞・編集賞・ドキュメンタリー賞・外国語映画賞)も一致するという、インディペンデント・スピリット・アワードの存在価値を問われかねないものになっていたのに対し、本年度は受賞結果が一致しそうな部門が3つくらいしかなく、そういう意味では、多少なりともインディペンデント・スピリット・アワードらしさを出せたのでよかった、と言えるかもしれません。

 まあ、そうは言っても、受賞しているのは他の映画賞でも受賞しているノミニーばかりで、もっと個性的で、もっとインディペンデント色が強いものになってもいいんじゃないかという意見もあるかもしれませんね。

 ただ、今回の受賞者の顔ぶれを見ると、米国アカデミー賞の人種差別問題に過剰に反応してるんじゃないかと見えなくもありませんが、そんなこともないでしょうか。

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 ・インディペンデント・スピリット・アワード2016 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201511/article_27.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2015 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201411/article_25.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2015 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201502/article_18.html
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 ・全米映画賞レース2015の結果をまとめてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201512/article_70.html

 ・全米の映画賞について調べてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_45.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2016年1月〜5月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201601/article_49.html

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