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zoom RSS 【ドキュメンタリー賞レースの行方】 シネマ・アイ・オナーズ2016 結果発表!

<<   作成日時 : 2016/01/14 17:44   >>

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 第9回シネマ・アイ・オナーズの受賞結果が発表されました。(1月13日)

 「シネマ・アイ・オナーズ」は、2008年より、映画監督のAJ Schnackとトロント国際映画祭のドキュメンタリー部門のプログラマーThom Powers,によって始められたキュメンタリー映画に特化した映画賞で、略さずに言うと「The Cinema Eye Honors for Nonfiction Filmmaking」、となります。

 撮影、編集、音楽など、ドキュメンタリー作品のさまざまな側面に着目した部門、および、TV作品や短編ドキュメンタリーなどの部門を設けて、なかなか注目されることの少ないドキュメンタリー作品や、ドキュメンタリー映画のスタッフにもスポットライトを当て、その功績を讃えることを目的としています。

 長編ドキュメンタリー作品のノミネーションは、サンダンス、ベルリン、True/False、SXSW、Full Frame、トライベッカ、サンフランシスコ、Hot Docs、カンヌ、シェフィールド、AFI Docs、ロサンゼルス、トロント、Camden、CPH:DOX、IDFAの映画祭のうち、
 3つの映画祭で上映されているか、
 2つの映画祭で上映されて、そのうちの1つでグランプリを受賞しているか、
 2つの映画祭で上映されて、北米で5000ドル以上のボックスオフィスを記録しているか、
 2つの映画祭で上映されて、そのほか指定する13の映画祭のうちの1つで上映されているか(昨年までより+4(ダラス、モントクレア、AFIフェスト、RIDM)−1(ランコントル・モントリオール))、
 北米で2万ドル以上のボックスオフィスを記録しているか、
 という条件のいずれを満たした作品の中から、ドキュメンタリー映画のプログラミングを行なっている世界のプログラマーやキュレーター約25名で構成される「ノミネーション委員会」により決定されています。

 受賞者・受賞作品は、650人以上から構成される投票メンバー(のうちの約200〜300人)の投票によって、決定されています。

 本年度は、米国アカデミー賞2016 長編ドキュメンタリー賞には124作品の(有資格作品の)エントリーがあったと発表されているのに対し、シネマ・アイ・オナーズ2016には130作品の長編ドキュメンタリー作品のエントリーがあったと発表されていて、米国アカデミー賞2016 長編ドキュメンタリー賞にエントリーされている作品以外でノミネートされている作品もあります。

 過去の長編ドキュメンタリー賞受賞作には、『マン・オン・ワイヤー』、『ザ・コーヴ』、『イグジット・スルー・ザ・ギフト・ショップ』、『壊された5つのカメラ』、“CitizenFour”などがあります。

 本年度の各賞の受賞結果は、以下の通り。

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 ◆長編ドキュメンタリー賞Outstanding Achievement in Nonfiction Feature Filmmaking)
 ・“Amy”(英) 監督:アシフ・カパディア(Asif Kapadia)
 ・“Cartel Land”(米) 監督:Matthew Heineman
 ・“Democrats” (デンマーク) 監督:Camilla Nielsson
 ・『マーロン・ブランドの肉声』“Listen to Me Marlon”(英) 監督:スティーヴン・ライリー(Stevan Riley)
 ◎『ルック・オブ・サイレンス』(インドネシア・英・デンマーク・フィンランド・ノルウェー) 監督:ジョシュア・オッペンハイマー
 ・『The Wolfpack』“The Wolfpack”(米) 監督:クリスタル・モーゼル(Crystal Moselle)

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 ◆監督賞(Outstanding Achievement in Direction)
 ・Matt Heineman “Cartel Land”
 ・キム・ロンジノット 『ドリームキャッチャー』“Dreamcatcher”(英・米)
 ・ローリー・アンダーソン “Heart of a Dog”(米)
 ・フレデリック・ワイズマン 『ジャクソン・ハイツ』“In Jackson Heights”(米)
 ・アルバート・メイスルズ(Albert Maysles)、リン・トゥルー(Lynn True)、ネルソン・ウォーカー(Nelson Walker)、David Usui、Ben Wu “In Transit”(米)
 ◎ジョシュア・オッペンハイマー 『ルック・オブ・サイレンス』

 ◆撮影賞(Outstanding Achievement in Cinematography)
 ◎“Cartel Land” Matthew Heineman、Matt Porwoll

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 ・『ルック・オブ・サイレンス』
 ◎“Meru”(米)(監督:ジミー・チン(Jimmy Chin)、E Chai Vasarhelyi) ジミー・チン(Jimmy Chin)、Renan Ozturk

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 ・“Uncertain”(米) 監督:Ewan McNicol、Anna Sandilands
 ・“Western”(メキシコ・米) 監督:Bill Ross IV、Turner Ross

 ◆編集賞(Outstanding Achievement in Editing)
 ◎“Amy” Chris King
 ・“Best of Enemies”(米) 監督:モーガン・ネヴィル、Robert Gordon
 ・“How to Change the World”(英・カナダ) 監督:Jerry Rothwell
 ・『COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック』“Kurt Cobain: Montage of Heck”(米) 監督:ブレット・モーガン(Brett Morgen)
 ・『マーロン・ブランドの肉声』“Listen to Me Marlon”

 ◆グラフィック・デザイン/アニメーション賞(Outstanding Achievement in Graphic Design and Animation)
 ・“Drunk Stoned Brilliant Dead: The Story of the National Lampoon”(米・英) 監督:Douglas Tirola
 ・“Heart of a Dog”
 ◎『COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック』 ステファン・ネイドルマン(Stefan Nadelman)、Hisko Hulsin
 ・『ザ・ナイトメア』“The Nightmare”(米) 監督:ロドニー・アッシャー(Rodney Ascher)
 ・“Thank You For Playing”(米) 監督:David Osit、Malika Zouhali-Worrall

 ◆オリジナル作曲賞(Outstanding Achievement in Original Music Score)
 ・“Cartel Land”
 ◎“Heart of a Dog”
 ・“Meru”
 ・『ザ・ナイトメア』“The Nightmare”
 ・“Western”

 ◆プロダクション賞(Outstanding Achievement in Production)
 ・“Cartel Land”
 ・“Democrats”
 ・『ゴーイング・クリア:サイエントロジーと信仰という監禁』(米) 監督:アレックス・ギブニー
 ◎『ルック・オブ・サイレンス』 シーネ・ビュレ・ソーレンセン(Signe Byrge Sorensen)
 ・“Meru”

 ◆デビュー作品賞(Outstanding Achievement in Debut Feature Film)
 ・“Kings of Nowhere(Los reyes del pueblo que no existe)”(メキシコ) 監督:Betzabé García
 ・“Peace Officer”(米) 監督:Brad Barber、Scott Christopherson
 ・“The Russian Woodpecker”(英) 監督:Chad Gracia
 ・“Uncertain”
 ◎『The Wolfpack』“The Wolfpack”

 ◆短編ドキュメンタリー賞(Outstanding Achievement in Nonfiction Short Filmmaking)
 ・“The Breath(De Schnuuf)”(スイス) 監督:Fabian Kaiser
 ◎“Buffalo Juffalos”(米) 監督:Scott Cummings
 ・“Claude Lanzmann: Spectres of the Shoah”(カナダ・米・英) 監督:Adam Benzine
 ・“The Face of Ukraine: Casting Oksana Baiul”(オーストラリア) 監督: Kitty Green
 ◎“Hotel 22”(米) 監督:Elizabeth Lo

 米国アカデミー賞2016 短編ドキュメンタリー賞候補に挙がっている作品は、“Claude Lanzmann: Spectres of the Shoah”のみです。
 IDAアワード2016にもノミネートされているのは、Claude Lanzmann: Spectres of the Shoah”と“The Face of Ukraine: Casting Oksana Baiul”です。

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 ◆TV作品賞(Outstanding Achievement in Nonfiction Films Made for Television)
 ・『ゴーイング・クリア:サイエントロジーと信仰という監禁』
 ・“Deep Web”(米) 監督:Alex Winter
 ・“Outbreak”(米) 監督:Dan Edge
 ◎“Private Violence”(米) 監督:Cynthia Hill
 ・“Whitey: United States of America v. James J. Bulger”(米) 監督:ジョー・バーリンジャー

 ◆スポットライト賞Spotlight Award)
 劇場公開中もしくは公開待機中の作品、および、まもなくDVDやiTunesやNetflixでリリースされるような作品に、スポットライトを当てる目的で設けられている賞。
 ・“Almost There”(米) 監督:Dan Rybicky、アーロン・ウィッケンデン(Aaron Wickenden)
 ・“Barge”(米) 監督:Ben Powell
 ・“Field Niggas”(米) 監督:Khalik Allah
 ・“Frame by Frame”(米) 監督:Mo Scarpelli、Alexandria Bombach
 ・“(T)ERROR”(米) 監督:Lyric R Cabral、David Felix Sutcliffe
 ◎『トトと二人の姉』“Toto si surorile lui (Toto and His Sisters)”(独・ハンガリー・ルーマニア) 監督:アレクサンダー・ナナウ(Alexander Nanau)

 ◆観客賞(Audience Choice)
 ・“Amy”
 ・“Best of Enemies”
 ・『ゴーイング・クリア:サイエントロジーと信仰という監禁』
 ・“The Hunting Ground”(米) 監督:カービー・ディック(Kirby Dick)
 ・『COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック』
 ◎“Meru”
 ・『ニーナ・シモン 魂の歌』“What Happened, Miss Simone?”(米) 監督:リズ・ガーバス(Liz Garbus)
 ・“Where to Invade Next”(米) 監督:マイケル・ムーア
 ・『The Wolfpack』“The Wolfpack”

 ◆ヘテロドックス賞(The Cinema Eye Heterodox Award) 11月18日発表
 ドキュメンタリーの方法論やリアリティー、制作スタイルを用いた、ドキュメンタリーとフィクションの境界にあるようなフィクション作品をピックアップしたセクション。
 ・“Arabian Nights: Volume One (The Restless One)”(ポルトガル・仏・独・スイス) 監督:ミゲル・ゴメス
 ・“God Bless the Child”(米) 監督:Robert Machoian、Rodrigo Ojeda-Beck
 ・『タンジェリン』(米) 監督:ショーン・ベイカー
 ◎“Taxi”(イラン) 監督:ジャファール・パナヒ
 ・『ザ・トライブ』(ウクライナ) 監督:ミロスラヴ・スラボシュピツキー

 ◆レガシー賞(The 2016 Legacy Award) 12月9日発表
 ◎Chris Smith “American Movie”(1999)

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 主な作品のノミネート&受賞状況は、以下の通りです。

 ・“Cartel Land”(1/5):作品・監督・撮影・作曲 プロダクション
 ・『ルック・オブ・サイレンス』(3/4):作品・監督・撮影・プロダクション
 ・“Meru”(1/4):撮影・プロダクション・作曲・観客
 ・“Amy”(1/3):作品・編集・観客
 ・『The Wolfpack』(1/3):作品・デビュー・観客
 ・“Heart of a Dog”(1/3):監督・グラフィック・作曲
 ・『COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック』(1/3):編集・グラフィック・観客
 ・『ゴーイング・クリア:サイエントロジーと信仰という監禁』(0/3):プロダクション・TV・観客
 ・“Democrats”(0/2):作品・プロダクション
 ・『マーロン・ブランドの肉声』“Listen to Me Marlon”(0/2):作品・編集
 ・“Best of Enemies”(0/2):編集・観客
 ・“Uncertain”(0/2):撮影・デビュー
 ・“Western”(0/2):撮影・作曲
 ・『ザ・ナイトメア』(0/2):グラフィック・作曲

 本年度のドキュメンタリー賞は、圧倒的な受賞歴を誇る『ルック・オブ・サイレンス』が、映画賞レースがスタートする前から本命視されていて、映画賞レースの序盤戦でも受賞を重ねましたが、その後、“Amy”が善戦し、本命がほぼ入れ替わったところで、また『ルック・オブ・サイレンス』が巻き返してきたという状況になっています。
 映画賞レースの流れ的にはまだ“Amy”に分がある様相ですが、シネマ・アイ・オナーズでは『ルック・オブ・サイレンス』が3部門を制して、“Amy”を圧倒しています。
 アカデミー会員的には『ルック・オブ・サイレンス』より“Amy”のような作品を好むのではないかと思われますが、どうでしょうか。

 ちなみに、昨年だと、各映画賞とシネマ・アイ・オナーズの各部門の受賞結果の関係は、以下のようになっています。

 米国アカデミー賞 長編ドキュメンタリー賞:“CitizenFour”
 シネマ・アイ・オナーズ 長編ドキュメンタリー賞:“CitizenFour”

 米・製作者組合賞(PGA) ドキュメンタリー賞:“Life Itself”
 シネマ・アイ・オナーズ プロダクション賞:“CitizenFour”

 米・監督組合賞(DGA) ドキュメンタリー賞:“CitizenFour”
 シネマ・アイ・オナーズ 監督賞:“CitizenFour”

 米・映画編集者賞(ACE) ドキュメンタリー賞:“CitizenFour”
 シネマ・アイ・オナーズ 編集賞:“CitizenFour”

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 *当ブログ記事

 ・シネマ・アイ・オナーズ2016 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201511/article_15.html
 ・シネマ・アイ・オナーズ2015 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201411/article_18.html
 ・シネマ・アイ・オナーズ2015 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201501/article_28.html
 ・シネマ・アイ・オナーズ2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201401/article_35.html

 ・米国アカデミー賞2016 長編ドキュメンタリー賞 ショートリスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201512/article_6.html

 ・米国アカデミー賞2016 長編ドキュメンタリー賞エントリー作品124作品リスト::http://umikarahajimaru.at.webry.info/201511/article_11.html
 ・米国アカデミー賞2016 長編ドキュメンタリー賞エントリー作品124作品に関するちょっとした考察:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201511/article_12.html

 ・米国アカデミー賞2016 短編ドキュメンタリー賞 ショートリスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201510/article_28.html

 ・IDAアワード2015 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201511/article_14.html
 ・IDAアワード2015 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201512/article_11.html

 ・英国グリアソン賞2015 受賞結果: http://umikarahajimaru.at.webry.info/201511/article_13.html

 ・国際的に重要な、約15のドキュメンタリー映画祭:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201406/article_27.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2015年9月〜2016年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201509/article_2.html

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