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zoom RSS 樹木希林、『百日紅〜Miss Hokusai〜』が受賞! アジア太平洋スクリーン・アワード2015!

<<   作成日時 : 2015/11/28 22:45   >>

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 第9回アジア太平洋スクリーン・アワード(Asia Pacific Screen Awards)の授賞式が行われました。(11月26日)

 【アジア太平洋スクリーン・アワード(Asia Pacific Screen Awards)】

 アジア太平洋スクリーン・アワードといっても、世界各地で開催される様々な映画祭・映画賞の1つに過ぎませんが、パートナーにユネスコと国際映画製作者連盟とヨーロッパ映画アカデミーがついているというのがユニークで、そんな映画賞がなぜかオーストラリアのクイーンズランドを拠点として開催されています(音頭取りをしているのが、クイーンズランドだからなんですが)。以前は、CNNもパートナーとなっていたのですが、CNNは外れて、ヨーロッパ映画アカデミーが新たに加わったようです。

 アジア太平洋スクリーン・アワードは、2007年にスタートしていて、中東までを含めたアジア全域と、オセアニアの映画の振興を目的とする賞で、対象国は70カ国にも及んでいます。
 スケールや認知度・注目度は格段に違いますが、おそらくヨーロッパ映画賞を意識はしていて、アジア太平洋地域におけるヨーロッパ映画賞のような映画賞を目指しているのだろうと思われます。

 どれだけのエントリーがあったのかは公表されていませんが、ノミネーションには22カ国から出品された39作品が含まれています。

 この映画祭は、日本映画もたくさんエントリーされ、過去には『ももへの手紙』や『かぐや姫の物語』がアニメーション賞を受賞しているほか、男優賞に本木雅弘(2009年)、審査員グランプリに寺島しのぶ(2010年)。FIAPF賞に坂本龍一(2012年)が選ばれ、2011年には桃井かおりが審査員を務めています。

 前回からは、新たにブリスベーン・アジア太平洋映画祭(BAPFF:Brisbane Asia Pacific Film Festival)が同時開催され、授賞式の11月26日を含む、11月7日〜11月30日までにわたって、ノミネート作品が上映されることになっています。

 ※インターナショナル審査員:キム・ドンホ(審査員長)、ナガール・ジャワヘリアン(Negar Javaherian:イランの女優)、Mostofa Sarwar Farooki(バングラデシュの監督)、チャン・シャンミン(中国の監督・プロデューサー)、ウ・ウェイ・ビン・ハジサアリ(U-Wei Bin HajiSaari:マレーシアの監督)、 アレクセイ・ポポグレブスキー(Alexei Popogrebsky:ロシアの監督)

 ※ユース作品賞、アニメーション賞、ドキュメンタリー賞審査員:シャウキャット・ アミン・コルキ(Shawkat Amin Korki:審査員長/クルディスタンの監督)、坂野友香(日本)、サム・ホー(香港)

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 ◆作品賞(Best Feature Film)
 ・“End of Winter(철원기행)”(韓) 監督:Kim Dae-hwan
 ・『岸辺の旅』(日・仏) 監督:黒沢清
 ・『黒衣の刺客』(台湾) 監督:候孝賢
 ◎『光りの墓』“Cementery of Splendour(รักที่ขอนแก่น)”(タイ・マレーシア・仏・独・英) 監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン
 ・『生きる』“Sanda (산다/Alive)”(韓) 監督:パク・ジョンボム

 “End of Winter(철원기행)”は、釜山国際映画祭2014 ニュー・カレント賞受賞。
 『岸辺の旅』は、カンヌ国際映画祭2015 ある視点部門 監督賞受賞。
 『黒衣の刺客』は、カンヌ国際映画祭2015 コンペティション部門 監督賞受賞。
 『光りの墓』“Cementery of Splendour(รักที่ขอนแก่น)”は、カンヌ国際映画祭2015 ある視点部門出品。
 『生きる』は、ロカルノ国際映画祭2014 インターナショナル・コンペティション部門出品。前回、ドキュメンタリー賞にノミネートされています。

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 『光りの墓』“Cemetery of Splendour(รักที่ขอนแก่น/Rak Ti Khon Kaen)”(タイ) 監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン
 物語:奇妙な眠り病を患っている兵士たちが、学校を一時的に改装して作られた療養所に連れてこられる。主婦のJenjiraは、ここでボランティアをしていたが、思い出のつまったこの場所は、彼女にたくさんの啓示を与える世界に変わった。彼女は、ハンサムな兵士Ittには訪ねてくる家族が誰もいないことに気づく。また、彼女は、巫者Kengと友だちになったが、彼は、霊的な力を持っていて、植物状態になっている患者たちと彼らを愛する者たちとがコミュニケーションを取るのに力を貸した。医者たちは、カラー・ライト・セラピーをはじめとする様々な療法を行ない、兵士たちがとりつかれている夢の世界から抜け出せるようにと試みた。Jenjiraは、Ittが奇妙な文章と青図面のスケッチが書かれてある謎のノートを持っていることを知る。兵士たちの病気と、この療養所の下にある古代の神話的な場所とは、あるつながりがあった。魔術や癒し、ロマンス、夢は、Jenjiraをいざなって、彼女自身と彼女のまわりの世界をより深い覚醒へと導いていく。
 カンヌ国際映画祭2015 ある視点部門出品。
 シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭2015 オフィシャル・ファンタスティック・コンペティション部門出品。

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 ◆監督賞(Achievement Directing)
 ◎アレクセイ・ゲルマン・ジュニア “Under Electric Clouds(Под электрическими облаками))”(ロシア・ウクライナ・ポーランド)
 ・アピチャッポン・ウィーラセタクン 『光りの墓』“Cementery of Splendour(รักที่ขอนแก่น)”(タイ・マレーシア・仏・独・英)
 ・候孝賢 『黒衣の刺客』(台湾)
 ・パク・ジョンボム 『生きる』“Sanda (산다/Alive)”(韓)
 ・Yermek Tursunov “Stranger(Жат/Zhat)”(カザフスタン)

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 “Under Electric Clouds(Под Электрическими Облаками)”(ロシア・ウクライナ・ポーランド) 監督:アレクセイ・ゲルマン・ジュニア
 物語:奇妙な雰囲気の漂う川岸。雪が降り、見通しは利かない。あたりには鉄やコンクリートの破片が散らばっている。骨組みだけの超高層ビル。未完成のまま放置されている高速道路の橋。大きな鉄の馬。右手で何もない空間を指しているレーニン像。寒く、誰もいない場所で、失敗した過去と想像上の未来が出会う。シュールな世界で、人々は目的もなく、さまよう。昔のもので確かなものはない。友人や親戚はいなくなり、理想は風に吹き飛ばされてしまった。サーシャは、外国から帰国した。彼女の父親はビルを所有していたが、今は伝説をとどめるのみだ。キルギス人の労働者は、仲間を探している。ひとりの建築家は、おでこがどんどん赤くなってきている。ツアー・ガイドは、モスクワのバリケードの隣で、かつてエリツィンと並んだことがある。みんな自分たちが誰だかわからない。すべては混沌としている。
 シンボリックな作品の中に、7つのエピソードが盛り込まれ、ロシアの精神性が凝縮されている。
 ベルリン国際映画祭2015 コンペティション部門出品。芸術貢献賞(銀熊賞/撮影賞:Evgeniy Privin、Sergey Mikhalchuk)。
 香港国際映画祭2015出品。
 ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭2015出品。
 全州国際映画祭2015出品。
 台北電影節2015出品。
 エルサレム映画祭2015出品。
 オデッサ国際映画祭2015出品。
 メルボルン国際映画祭2015出品。
 チューリヒ映画祭2015出品。
 BFIロンドン映画祭2015出品。
 ヨーロッパ映画賞2015オフィシャル・セレクション。


 ◆男優賞(Best Performance by an Actor)
 ・Alexey Gusykov “The Find(Nakhodka )”(ロシア・フィンランド)(監督:Viktor Dement)
 ◎チョン・ジェヨン 『今は正しくあの時は間違い』“Right Now,Wrong Then”(韓)(監督:ホン・サンス)
 ・ミシャ・ゴミアシュウィリ(Misha Gomiashvili)『独裁者と小さな孫』(グルジア・英・仏・独)(監督:モフセン・マフマルバフ)
 ・Reef Ireland “Downriver”(オーストラリア)(監督:Grant Scicluna)
 ・Shide Nyima 『タルロ』“Tharlo”(中)(監督:ペマ ツェデン)

 チョン・ジェヨンは、ロカルノ国際映画祭2015男優賞受賞。

 チョン・ジェヨンは、同日開催の青龍映画賞の主演男優賞にもノミネートされていたのに、こちらに出席することを選んだようです。

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 ◆女優賞(Best Performance by an Actress)
 ・Evgeniya Mandshieva “The Gulls(Chaiky)”(ロシア)(監督:Ella Manzheeva)
 ・Fatemeh Motamed Arya “Avalanche(Bahman)”(イラン)(監督:Morteza Farshbaf) 女優賞スペシャル・メンション
 ◎樹木希林 『あん』(日・仏・独)
 ・Lee Yeong-Ian “End of Winter(철원기행)”(韓)
 ・Shamaine Buencamino “Lorna”(フィリピン)(監督:Sigrid Andrea Bernardo)

 2009年には本木雅弘が男優賞を受賞しています!
 代理受賞は、プロデューサーの大山義人↓。

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 ◆脚本賞(Best Screenplay)
 ・エミン・アルペル(Emin Alper) 『錯乱』“Abluka (Frenzy)”(トルコ・カタール・仏)(監督:エミン・アルペル)
 ・Kenzhebek Shaikakov “Tent(Kurko)”(カザフスタン)(監督:Kenzhebek Shaikakov)
 ◎Senem Tüzen “Motherland(Ana Yurdu)”(トルコ・ギリシャ)(監督:Senem Tüzen)
 ・Vimukthi Jayasundara “Dark in the White Light(Sulanga Gini Aran)”(スリランカ・仏)(監督:Vimukthi Jayasundara)
 ・忻ト坤(Xin Yukun)、馮元良(Feng Yuanliang) “殡棺(The Coffin in the Mountain)”(中)(監督:忻ト坤(Xin Yukun))

 “殡棺(The Coffin in the Mountain)は、台湾・金馬奨2014 オリジナル脚本賞ノミネート。

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 “Motherland(Ana Yurdu)”(トルコ・ギリシャ) 監督:Senem Tüzen
 物語:ネスリンは、離婚から立ち直ろうとして、イスタンブールから、亡くなった祖母のカントリーハウスに向かう。ここには彼女の少女時代の思い出がつまっている。彼女には作家になるという夢があって、それにはいいチャンスだった。ところがそこに母がやってきて、帰ろうともせず、彼女の執筆活動は失速する。母とは何年も会っておらず、愛憎半ばする嵐のような感情に立ち向かわなくてはならなくなる。
 初監督作品。
 ベネチア国際映画祭2015国際批評家週間出品。
 ワルシャワ国際映画祭2015 1-2コンペティション部門出品。国際批評家連盟賞、NETPAC賞受賞。

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 ◆撮影賞(Achievement Cinematography)
 ・Jean-Marc Ferrière “Sunrise(Arunoday)”(インド)(監督:Partho Sen-Gupta)
 ・呂松野(Lu Songye) 『タルロ』“Tharlo”(中) スペシャル・メンション
 ◎リー・ピンビン 『黒衣の刺客』(台湾)
 ・Miaoyan Zhang(章E焱) “通往天國的路(A Corner of Heaven)”(中・仏)(監督:Zhang Miaoyan(章E焱))
 ・Murat Aliyev “Stranger(Жат/Zhat)”(カザフスタン)

 『タルロ』と『黒衣の刺客』は、台湾・金馬奨2015ノミネート。『黒衣の刺客』が受賞。

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 ◆ユース作品賞(Best Youth Feature Film)
 ・“Set Me Free(거인/巨人)”(韓) 監督:キム・テヨン
 ◎『河』“River(ང་པོ།)”(中) 監督:ソンタルジャ(Sonthar Gyal/松太加)
 ・“Mina Walking”(アフガニスタン・カナダ) 監督:Yosef Baraki
 ・“Mustang”(トルコ・カタール・仏・独) 監督:Deniz Gamze Ergüven
 ・“通往天國的路(A Corner of Heaven)”(中・仏)

 “Mustang”は、ヨーロッパ映画賞2015 ディスカバリー賞ノミネート、ラックス賞2015受賞。

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 『河』“River(ང་པོ།)”(中) 監督:ソンタルジャ(Sonthar Gyal/松太加)
 物語:チベットの草原地帯。ヤンチェンの祖父は、家族を離れ、洞窟で暮らしている。それは、瞑想するためで、人々は祖父を聖なる人物として崇め、彼のもとへ巡礼に赴く。ところが、ヤンチェンの父は、祖父が病気だと聞いても、頑固に祖父を訪ねようとはしない。村の人々は、ヤンチェンの父をよく思わなくなる。ヤンチャンの母が妊娠する。平安が必要だが、父は自分の立場を崩さない。テントを移動させる時がやってくるが、トラブルもまたついてくる。ヤンチェンは、自分に弟妹ができることが不安で、誰も自分のことをわかってくれないと感じている。彼女は、孤児の羊を見つけ、自分で育てようと考える。
 監督のソンタルジャは、ペマ ツェテン監督の『静かなるマニ石』(2005)の美術監督、『ティメー・クンデンを探して』(2008)や『オールド・ドッグ』(2011)の撮影監督を担当していて、2010年に“The Sun Beaten Path(太陽総在左辺)”で長編監督デビューして、香港国際映画祭2011でスペシャル・メンション、バンクーバー国際映画祭2011でドラゴン&タイガー賞を受賞している。
 ベルリン国際映画祭2015 ジェネレーション Kplus部門出品。
 上海国際映画祭2015 亜州新人奨コンペティション部門出品。女優賞受賞(ヤンチャン・ラモ)。

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 ◆アニメーション賞(Best Animated Feature Film)
 ・“Blinky Bill the MOVIE”(オーストラリア・米) 監督:Deane Taylor、Noel Cleary、Alexs Stadermann、Alex Weight
 ・“The Road Called Life(메밀꽃, 운수 좋은 날, 그리고 봄봄)”(韓) 監督:Ahn Jae-Hoon(안재훈)、Han Hye-Jin(한혜진)
 ・『思い出のマーニー』(日) 監督:米林宏昌
 ◎『百日紅〜Miss Hokusai〜』(日) 監督:原恵一
 ・“Snow Queen 2:The Snow King(Snezhnaya koroleva 2. Snezhnyy korol )”(ロシア) 監督:Aleksey Tsitslin

 日本からのアニメーション賞受賞は、前回の『かぐや姫の物語』に続き、2年連続。2012年には『ももへの手紙』が受賞している。

 ◆ドキュメンタリー賞(Best Documentary film)
 ・“A Flag Without a Country”(イラク) 監督:バフマン・ゴバディ
 ・“Among the Believers”(パキスタン・米) 監督:Mohammed Naqvi、Hemal Trivedi
 ・“Another Country”(オーストラリア) 監督:Molly Reynolds
 ◎“The Chinese Mayor(大同/Datong)”(中) 監督:周浩(Hao Zhou)
 ・『ルック・オブ・サイレンス』(インドネシア・英・デンマーク・フィンランド・ノルウェー) 監督:ジョシュア・オッペンハイマー

 “The Chinese Mayor(大同)”は、サンダンス映画祭2015 審査員特別賞受賞、台湾・金馬奨2015 ドキュメンタリー賞受賞。
 『ルック・オブ・サイレンス』は、ヨーロッパ映画賞2015ドキュメンタリー賞ノミネート。

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 “The Chinese Mayor(大同/Datong)”(中) 監督:周浩(Hao Zhou)
 Geng Yanbo(耿彦波)は、中国の大同市で市長をしている。彼は、観光と文化からクリーンで経済的な発展へと、古い壁を修復し、14万軒の家を取り壊し、50万人の人々を引っ越しさせるというラディカルな計画を打ち出す。彼は、長い目で見れば、それが大同市民にとってよい選択になると考えたのだ。映画は、2年間、彼を追い、イデオロギーの変化と、市民の抵抗、そして迫りくる未来の中国像をとらえようとする。
 サンダンス映画祭2015 審査員特別賞受賞。
 リバーラン国際映画祭2015 最優秀ドキュメンタリー賞受賞。
 台湾・金馬奨2015 ドキュメンタリー賞受賞。

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 ◆ユネスコ賞(APSA UNESCO Award)
 ・Ella Manzheeva “The Gulls(Chaiky)”(ロシア)
 ◎ハニ・アブ=アサド “The Idol(Ya Tayr El Tayer )”(パレスチナ・カタール・UAE・英・オランダ)
 ・Zhang Miaoyan(章E焱) “通往天國的路(A Corner of Heaven)”(中・仏)
 ・Senem Tüzen “Motherland(Ana Yurdu)”(トルコ・ギリシャ)
 ・Stephen Page “Spear”(オーストラリア) スペシャル・メンション

 ハニ・アブ=アサドは、2013年に『オマール、最後の選択』で作品賞受賞。

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 “The Idol(Ya Tayr El Tayer )”(パレスチナ・カタール・UAE・英・オランダ) 監督:ハニ・アブ=アサド
 物語:実話に基づく物語。Mohammad Assafは、ガザ出身の若いパレスチナ人で、ウェディング・シンガーをしている。彼が、「アラブ・アイドル」に出演したことから彼の運命が変わる。大統領までが彼に投票を呼びかけ、一方、首相は、彼を招いて支持を求める。結果、彼は、勝利し、パレスチナ人の町が幸福感に包まれる。Mohammad Assafは、希望の象徴となり、分断されていたパレスチナ人を1つにする。彼が「アラブ・アイドル」になったことで、パレスチナ人は、一時、内紛や、いまだ果たされない独立に向けた紛争を忘れることができたのだった。
 トロント国際映画祭2015 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。
 ワルシャワ国際映画祭2015 インターナショナル・コンペティション部門出品。エキュメニカル審査員賞受賞。

 ◆審査員グランプリ(Jury Grand Prize)
 ◎エミン・アルペル(Emin Alper) 『錯乱』“Abluka (Frenzy)”(トルコ・カタール・仏)
 ◎パク・ジョンボム 『生きる』“Sanda (산다/Alive)”(韓)

 エミン・アルペルは、2012年に“Tepenin Ardi (Beyond the Hill)”で作品賞受賞。

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 『生きる』“Alive (Sanda)”(韓) 監督:パク・ジョンボム(Park Jung-bum)
 出演:パク・ジョンボム、イ・スンヨン、Park Myung-hoon、Shin Heat-bit
 物語:ジョンチョルは、江原道の山中にある村で働く貧しい肉体労働者である。賃金の不払いが起こって、同僚たちの間に摩擦が生じるが、それをジョンチョルは、なんとかしてなだめようとする。彼には、ピアノのレッスンに通うことのみを楽しみにしているナナという名の姪と、精神的なトラブルを抱えて、病的に闇を怖がる自己破壊的な姉があり、彼らの面倒をみなければならない。彼らはみなよりよい生活を求めている。ジョンチョルは、新しい仕事を見つけるが、過去のトラウマとトラブルが現在に重くのしかかってくる。さらに辛く厳しい冬がやってきて、彼らの生活を脅かす……。
 『ムサン日記〜白い犬』のパク・ジョンボムの第2作。
 全州国際映画祭2014 出品。全州デジタル・プロジェクト2014。
 ロカルノ国際映画祭2014 インターナショナル・コンペティション部門出品。
 トロント国際映画祭2014 CITY TO CITY部門出品。
 シンガポール国際映画祭2014 スペシャル・メンション受賞。

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 『錯乱』“Abluka (Frenzy)”(トルコ・カタール・仏) エミン・アルペル(Emin Alper)
 物語:カディルは、刑期終了前に出所を許される。その条件は、不審者と思われる人物の監視と密告だ。イスタンブールにはテロが横行し、犯人はつかまらない。カディルには、誰もかれもが怪しく見えてくる。偶然から、飼ってはいけないはずの犬を飼い始めたことで、カディル自身も秘密を抱え、不安と緊張はピークに達する。映画は、カディルの主観と、カディルの周辺の人物の視点による映像が交錯するように構成され、観る者に何が真実で何がそうでないのか、不確かで落ち着かないものにしていく。
 2012年に“Tepenin Ardi (Beyond the Hill)”で高い評価を受けたエミン・アルペルの最新作。
 ベネチア国際映画祭2015 コンペティション部門出品。審査員特別賞、Arca CinemaGiovani Award、Bisato d'Oro受賞。
 トロント国際映画祭2015 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。
 MUFF マラティヤ国際映画祭2015 最優秀作品賞、監督賞受賞。

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 ◆FIAPF 賞
 ◎Esaad Younes
 Esaad Younesは、エジプトの女優で、30年にわたってたくさんの映画やTVシリーズに出演。喜劇女優として人気が高い。2000年には映画会社Al Arabia Cinemaを共同設立して、CEOに就任し、これまで500本以上の映画を配給し、100本近い映画を製作している。The Egyptian Chamber of Cinemaのバイス・プレジデントとして、エジプト映画産業の発展やプロモーションに貢献している。2つのエジプトの新聞にコラムを持ち、これまで4冊の本を出版している、


 ◆NETPAC賞
 ◎“Sutak(Heavenly Nomadic)”(キルギスタン) 監督:ミルラン・アブディカリコフ(Mirlan Abdykalykov)

 “Sutak(Heavenly Nomadic)”(キルギスタン) 監督:ミルラン・アブディカリコフ(Mirlan Abdykalykov)
 物語:遊牧民の一家がキルギスタンの山岳地帯で暮らしている。年配の牧人のTabyldy、その妻のKarachach、息子の嫁のShaiyr、その娘で7歳になるUmsunai。Shaiyrの長男は、都会で勉強していて、夏休みにだけ帰ってくる。Shaiyrの夫は、もう随分前に川で流されて亡くなっていた。Shaiyrは、この素晴らしい恵み、土地、人々に感謝して、家族でここにとどまることに決めた。彼らは馬を飼い、美しい風景の中でずっと変わらずに生活していけると考えていた。気象学者のErmekが近くに研究所を構えるまでは―。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2015 イースト・オブ・ウェスト コンペティション部門出品。FEDEORA Award受賞。
 ムンバイ国際映画祭2015 インターナショナル・コンペティション部門出品。Silver Gateway Award受賞。
 米国アカデミー賞2016 外国語映画賞 キルギスタン代表。


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 主な作品のノミネート&受賞状況は以下の通り。

 ・『黒衣の刺客』(1/3):作品・監督・撮影
 ・“通往天國的路(A Corner of Heaven)”(0/3):撮影・ユース・ユネスコ
 ・“End of Winter(철원기행)”(0/2):作品・男優
 ・『光りの墓』(1/2):作品・監督
 ・『生きる』“Sanda (산다/Alive)”(0/2):作品・監督 +審査員グランプリ
 ・“Stranger(Жат/Zhat)”(0/2):監督・撮影
 ・『タルロ』“Tharlo”(0/2):男優・撮影 撮影賞スペシャル・メンション
 ・“The Gulls(Chaiky)”(0/2):女優・ユネスコ
 ・“Motherland(Ana Yurdu)”(1/2):脚本・ユネスコ

 今回、作品賞にアピチャッポン・ウィーラセタクンが選ばれて、ん?とも思い、この映画祭の過去のノミニーや受賞者を調べてみました。

 1.各国を代表する巨匠クラス:チェン・カイコー、フォン・シャオガン、ピーター・チャン、イ・チャンドン、エリア・スレイマン、黒沢清

 2.各国のベテラン監督:アスガー・ファルハディ、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン、アンドレイ・ズビャギンツェフ、ブリランテ・メンドーサ、是枝裕和、園子温

 3.各国の新鋭監督:アヌラーグ・カシヤプ、モハマド・ラスロフ、ハニ=アブ・アサド、エミン・アルペル、エミール・バイガジン

 作品賞や監督賞は、こういった監督の中で選ばれていて、1の監督が受賞することもあるけれど、時代は完全に2の監督に移っていて、さらにはそれに続く3の監督を探している、という流れになっています。

 この映画祭は、ともすると、アジア太平洋地域各国の映画の「寄せ集め」的なイメージを持たれてしまったりもしますが、こう見てくると、今回の作品賞と監督賞のノミネーションも、その中からのチョイスも、なるほどねという感じになってきます。

 ノミニーがあまり授賞式に出席してくれないという課題はありますが、アジア太平洋地域の映画の最前線を俯瞰するには、なかなか興味深い映画祭と言えるかもしれません。

 男優賞、女優賞、脚本賞、撮影賞は、作品賞のエントリー作品の周辺で選ばれていることになります。

 ちょっと気になったのは、3のクラスに該当する日本人監督がいないこと。いないことはないんでしょうけど、エントリーしていないか、エントリーはしていても他を押しのけてまで選ばれるレベルにないか、ということです。

 あと、日本人は、作品賞、監督賞、男優賞、女優賞、脚本賞までは選ばれても、撮影賞に選ばれる撮影監督はいない、ということです。日本人の、俳優や美術監督、衣裳デザイナー、音楽家が他国の映画に参加することはありますが、日本人の撮影監督が他国の映画で撮影監督を任されるというのは、聞いた記憶がありません。撮影監督は、言葉の壁を越えて、活躍できるジャンルだったりしますが、どうなんでしょうか。まだ「見つかっていない」だけなんでしょうか。

 まあ、それはそれとして―
 本木雅弘と樹木希林は、親子揃って(義理のですが)、アジア太平洋スクリーン・アワード受賞になりました。外国の映画賞で、こういうのは珍しいし、めでたいですね。

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 *当ブログ記事

 ・アジア太平洋スクリーン・アワード2015 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201510/article_27.html
 ・アジア太平洋スクリーン・アワード2014 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201411/article_22.html
 ・アジア太平洋スクリーン・アワード2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201412/article_22.html
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 ・アジア太平洋スクリーン・アワード2010 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201010/article_32.html
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 ・映画賞&映画祭カレンダー 2015年9月〜2016年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201509/article_2.html

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