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zoom RSS ラックス賞2015 結果発表!

<<   作成日時 : 2015/11/25 19:20   >>

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 第9回ラックス賞(Lux Prize)の授賞式がストラスブールで行われました。(11月24日)

 【ラックス賞】

 ラックス賞というのは、欧州議会(European Parliament)によって贈られる映画賞で、ヨーロッパの現状(拡大と交流)を示すような題材の映画を通して公衆に議論を呼び起こすことと、EU加盟国での映画の普及とを目的として、2007年からスタートしたものです。

 内容から言うと、@ローカルで、ドメスティックな内容のものではなく、いろんな出自(出身国や民族)のバックグラウンドを持つ登場人物が出てくる現代劇で、しかもそのことが物語の根幹に関わってくるような作品、あるいは、A物語が複数のヨーロッパ諸国にまたがっていて、物語の展開に従って、それぞれの国の実情(現状)が映画の中に映し出されていくような作品、といったインターナショナル、トランスナショナルなヨーロッパ映画がピックアップされるという印象だったのですが、最近では、ヨーロッパ各国固有の事情を描いていても、それがそのまま「ヨーロッパのいま」と見なされ、共通の問題意識をもって受け止められるようになってきたようで、よりシンプルに、Bヨーロッパの現状を示していると思われるような、優れた現代ヨーロッパ映画、がピックアップされるようになってきたようです。

 投票資格があるのは、欧州議会の議員約750名のみ(2015年7月現在は751名)で、議員には、ノミネート発表後、作品の無料の上映会が行なわれることになっています。(そのために、24の言語による字幕が用意され、ヨーロッパ28ヵ国で3ヶ月にわたって上映会が実施されます。)

 選考は、前年の5月31日から当年の5月30日までに劇場公開された作品の中から、欧州議会の文化教育委員会が選出したメンバー20名(プロデューサー、配給者、映画祭ディレクター、映画評論家らから選ばれた「ラックス賞セレクション・パネル」。毎年1/3が改選される)がセレクションを行なって、まずオフィシャル・セレクションとして10本を選び(発表し)、そこからノミネート作品3本に絞り込み、さらに上映会による上映&投票を経て、年間最優秀作品(ラックス賞)を決定するというプロセスが取られています。(※ 対象作品の資格(期間)とセレクション・パネルのメンバーの数に変更があったようです。)

 本年度のオフィシャル・セレクションは、7月5日にカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭で発表され、ノミネーションは、7月24日にベネチア国際映画祭ベネチア・デイズのラインナップ発表会で発表されています。

 過去8回のノミネート&受賞作品は以下の通りです。

 ◆2007年
 ◎『そして、私たちは愛に帰る』(独・トルコ) 監督:ファティ・アキン
 ・『4ヶ月、3週と2日』(ルーマニア) 監督:クリスティアン・ムンジウ
 ・『夜顔』(西・仏) 監督:マノエル・デ・オリヴェイラ

 ◆2008年
 ・『デルタ』(ハンガリー・独) 監督:コーネル・ムンドルッツォ
 ◎『ロルナの祈り』(ベルギー・仏・伊) 監督:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
 ・“Občan Havel”(チェコ) 監督:Miroslav Janek、Pavel Koutecký

 ◆2009年
 ・『ソフィアの夜明け』(映画祭上映題:『イースタン・プレイ』)(ブルガリア) 監督:カメン・カレフ
 ・“Sturm”(独・デンマーク・オランダ) 監督:ハンス=クリスチャン・シュミット
 ◎『君を想って海をゆく』(仏) 監督:フィリップ・リオレ

 ◆2010年
 ・“Plato's Academy(Akadimia Platonos)”(ギリシャ・独) 監督:Filippos Tsitos
 ◎“When We Leave (Die Fremde)”(独) 監督:フェオ・アラダグ(Feo Aladag)
 ・『イリーガル』“Illégal”(仏・ベルギー・ルクセンブルク) 監督:オリヴィエ・マッセ=ドパス(Olivier Masset-Depasse)

 ◆2011年
 ・“Attenberg”(ギリシャ) 監督:アティーナ・レイチェル・トサンガリ(Athina Rachel Tsangari)
 ◎『キリマンジャロの雪』“Les neiges du Kilimanjaro (The Snows Of Kilimanjaro)”(仏) 監督:ロベール・ゲディギャン
 ・『プレイ』“Play”(スウェーデン・仏・デンマーク) 監督:リューベン・オストルンド

 ◆2012年
 ・『熱波』(ポルトガル・独・仏・ブラジル) 監督:ミゲル・ゴメス(Miguel Gomes)
 ◎『ある海辺の詩人 -小さなヴェニスで-』“Io sono Li (Shun Li and the Poet)”(伊・仏) 監督:アンドレア・セグレ
 ・“Csak a szél (Just the Wind)”(ハンガリー・独・仏) 監督:Bence Fliegauf

 ◆2013年
 ・“The Selfish Giant”(英) 監督:クリオ・バーナード(Clio Barnard)
 ◎『オーバー・ザ・ブルースカイ』(オランダ・ベルギー) 監督:フェリックス・ファン・ヒュルーニンゲン
 ・『ミエーレ』“Miele (Honey)”(伊・仏) 監督:ヴァレリア・ゴリーノ

 ◆2014年

 ◎『イーダ』(ポーランド・デンマーク) 監督:パヴェウ・パヴリコフスキ
 ・“Bande De Files(Girlhood)”(仏) 監督:セリーヌ・シアマ
 ・“Class Enemy (Razredni Sovražnik)”(スロヴェニア) 監督:Rok Biček

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 【ラックス賞2015 受賞作】


 ◎“Mustang”(仏・独・トルコ) 監督:Deniz Gamze Ergüven

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 物語:初夏。トルコ北部の村。
 Laleと4人の姉妹が学校から家路につこうとして、無邪気に男の子たちとふざけあう。ところがこれが不道徳であるとして、スキャンダルが巻き起こる。その結果、家は、まるで刑務所のようになり、家庭科の実践が学校代わりになって、結婚の準備が早められる。5人姉妹は、自由に憧れ、自分たちを押さえつける制約からの解放を切望する……。
 アンカラ出身で、Femisで学んだDeniz Gamze Ergüvenの初監督長編。アリス・ウィノカーが共同脚本を手がける。
 カンヌ国際映画祭2015 監督週間出品。Label Europa Cinema Prize受賞。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2015 アナザー・ビュー部門出品。
 オデッサ国際映画祭2015 コンペティション部門出品。観客賞、監督賞受賞。
 サラエボ映画祭2015 長編コンペティション部門出品。最優秀作品賞、女優賞受賞。
 シカゴ国際映画祭2015 ワールド・シネマ部門出品。
 ヨーロッパ映画賞2015 オフィシャル・セレクション。作品賞、ディスカバリー賞ノミネート。
 米国アカデミー賞2016 外国語映画賞 フランス代表。

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 【ラックス賞2015 その他のノミネーション作品】

 ・“Mediterranea”(仏・独・伊・英) 監督:Jonas Carpignano

 ・『ザ・レッスン/授業の代償』“Urok (The Lesson)”(ブルガリア・ギリシャ) 監督:クリスティナ・グロゼヴァ(Kristina Grozeva)、ペタル・ヴァルチャノフ(Petar Valchanov)

 【ラックス賞2015 ノミネーション作品以外のオフィシャル・セレクション作品】

 ・“45 Years”(英) 監督・脚本:アンドリュー・ヘイ

 ・“A Perfect Day(Un día perfecto)”(西) 監督:Fernando León de Aranoa

 ・“La loi du marché (The Measure of a Man)”(仏) 監督:ステファーヌ・ブリゼ

 ・『ひつじ村の兄弟』“Hrútar (Rams)”(デンマーク) 監督:グリームル・ハゥコーナルソン(Grímur Hákonarson)

 ・『サウルの息子』“Saul Fia (Son of Saul)”(ハンガリー) 監督:ネメシュ・ラースロー(László Nemes)

 ・『灼熱の太陽』“Zvizdan (The High Sun)”(クロアチア・セルビア・スロヴェニア) 監督:ダリボル・マタニッチ(Dalibor Matanić)

 ・『トトと二人の姉』“Toto si surorile lui (Toto and His Sisters)”(独・ハンガリー・ルーマニア) 監督:アレクサンダー・ナナウ(Alexander Nanau)

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 『ひつじ村の兄弟』や『サウルの息子』は、ヨーロッパ映画賞や米国アカデミー賞外国語映画賞にはずみをつけたかったのですが、“Mustang”にはかないませんでした。

 “Mustang”は、名実ともに2015年を代表するフランス映画の1本になりました。(フランス語映画ではありませんが。)今後、フランスの国内映画賞でもけっこうな受賞歴を残すでしょうし、新人監督作品であることが米国アカデミー賞外国語映画賞ノミネート&受賞の懸念の材料となっていましたが、ノミネートに向けて一歩前進したと言っていいかもしれません。(昨年の『イーダ』は、ラックス賞、ヨーロッパ映画賞ではずみをつけて、見事、米国アカデミー賞外国語映画賞に輝いています。)

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 *当ブログ記事

 ・ラックス賞2015 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201510/article_12.html
 ・ラックス賞2014 オフィシャル・セレクション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201407/article_10.html
 ・ラックス賞2014 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201407/article_22.html
 ・ラックス賞2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201412/article_28.html
 ・ラックス賞2013 オフィシャル・セレクション10作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_1.html
 ・ラックス賞2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_18.html
 ・ラックス賞2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_29.html
 ・ラックス賞2012 オフィシャル・セレクション10作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201207/article_3.html
 ・ラックス賞2012 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201207/article_16.html
 ・ラックス賞2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201211/article_21.html
 ・ラックス賞2011:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_2.html
 ・ラックス賞2010:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201007/article_27.html
 ・ラックス賞2009:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_43.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2015年3月〜9月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201503/article_1.html
 ・映画賞&映画祭カレンダー 2015年9月〜2016年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201509/article_2.html

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