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zoom RSS インディペンデント・スピリット・アワード2016 ノミネーション発表!

<<   作成日時 : 2015/11/25 12:49   >>

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 第31回インディペンデント・スピリット・アワードのノミネーションが発表されました。(11月24日)

 【インディペンデント・スピリット・アワード】

 この賞は、Film IndependentというNPO団体が選出する映画賞で、制作費が2000万ドル以下で、1週間以上商業公開されるか、または、サンダンス映画祭(1月)、ニューヨークND/NF(New Directors/New Films)映画祭(3月)、ロサンゼルス映画祭(6月)、トロント国際映画祭(9月)、テルライド映画祭(9月)、ニューヨーク映画祭(10月)、のいずれかで上映された作品(70分以上の長さがある)を対象としています。つまり、製作費が少なくても、意欲的な映画、志の高い映画を選んで表彰しようという、コンセプトの映画賞です(設立は1984年)。

 この賞は、年々、製作費が高くなることと、そういう映画を持てはやす風潮に異議を唱える目的で設立されたものですが、それは反アカデミー賞という意味合いも持っていて、授賞式は、意図的にアカデミー賞の前日に設定されています。

 過去の作品賞の受賞作を見てみると、『ザ・プレイヤー』『パルプ・フィクション』『ファーゴ』『メメント』『エデンより彼方に』『ロスト・イン・トランスレーション』『サイドウェイ』となかなかの品揃えで、2007年は『リトル・ミス・サンシャイン』、2008年は『JUNO/ジュノ』、2009年は『レスラー』、2010年は『プレシャス』、2011年は『ブラック・スワン』、2012年は『アーティスト』、2013年は『世界にひとつのプレイブック』、2014年は『それでも夜は明ける』、2015年は『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』が選ばれています。

 とはいうものの―
 近年は、アカデミー賞ともさほど変わらないような映画賞になってきて、あまり「インディペンデント・スピリット」を感じないとか言われたりもしています。それは、アカデミー賞の方がインディペンデント・スピリット・アワードにすり寄ってきたからかもしれないし、アメリカの映画業界全体がそういう方向にシフトしてきたのかもしれないし、はっきりしたことはわかりませんが、インディペンデント・スピリット・アワードの独自性が見えにくくなってきているのは確かです。ゴッサム・アワードがずっと独自性を保ち得ているのに比べると、最近のインディペンデント・スピリット・アワードは、アカデミー賞の単なる前哨戦の1つと見られても仕方がなくなっているところもあります。さて、本年度はどうでしょうか……。

 本年度のノミネーションは、以下の通り。

画像

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 ◆作品賞(Best Feature)
 ・“Anomalisa” 監督:チャーリー・カウフマン、デューク・ジョンソン
 ・『ビースト・オブ・ノー・ネーション』 監督:キャリー・ジョージ・フクナガ
 ・『キャロル』 監督:トッド・ヘインズ
 ・“Spotlight” 監督:トム・マッカーシー
 ・『タンジェリン』“Tangerine” 監督:ショーン・ベイカー

 ◆監督賞
 ・ショーン・ベイカー 『タンジェリン』
 ・キャリー・ジョージ・フクナガ 『ビースト・オブ・ノー・ネーション』
 ・トッド・ヘインズ 『キャロル』
 ・チャーリー・カウフマン、デューク・ジョンソン “Anomalisa”
 ・トム・マッカーシー “Spotlight”
 ・デイヴィッド・ロバート・ミッチェル 『イット・フォローズ』“It Follows”

 ◆主演男優賞(Best Male Lead)
 ・クリストファー・アボット “James White”(監督:ジョシュ・モンド(Josh Mond))
 ・エイブラハム・アッター(Abraham Attah) 『ビースト・オブ・ノー・ネーション』
 ・ベン・メンデルソーン “Mississippi Grind”(監督:アンナ・ボーデン、ライアン・フレック)
 ・ジェイソン・シーゲル “The End of the Tour”(監督:ジェームズ・ポンソルト(James Ponsoldt))
 ・Koudous Seihon “Mediterranea”(監督:Jonas Carpignano)

 ◆主演女優賞(Best Female Lead)
 ・ケイト・ブランシェット 『キャロル』
 ・ブリー・ラーソン “Room”(監督:レニー・アブラハムソン)
 ・ルーニー・マーラ 『キャロル』
 ・Bel Powley “The Diary of A Teenage Girl”(監督:マリエル・ヘラー(Mrielle Heller))
 ・キタナ・キキ・ロドリゲス(Kitana Kiki Rodriguez) 『タンジェリン』

 ◆助演男優賞(Best Supporting Male)
 ・ケヴィン・コリガン(Kevin Corrigan) “Results”(監督:アンドリュー・バジャルスキー (Andrew Bujalski))
 ・ポール・ダノ 『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』
 ・イドリス・エルバ 『ビースト・オブ・ノー・ネーション』
 ・リチャード・ジェンキンス “Bone Tomahawk”(監督:S. Craig Zahler)
 ・マイケル・シャノン 『ドリームホーム 99%を操る男たち』“99 Homes”(監督:ラミン・バーラニ)

 ◆助演女優賞(Best Supporting Female)
 ・ロビン・バートレット(Robin Bartlett) “H.”(監督:Rania Attieh、Daniel Garcia)
 ・マリン・アイルランド(Marin Ireland) “Glass Chin”(監督:Noah Buschel)
 ・ジェニファー・ジェイソン・リー “Anomalisa”
 ・シンシア・ニクソン “James White”
 ・マイヤ・テイラー(Mya Taylor) 『タンジェリン』

 “H.”は、前回のインディペンデント・スピリット・アワードで「今後の劇場公開を期待したい」映画賞を受賞した作品。
 “Glass Chin”は、トライベッカ映画祭2014ワールド・ナラティヴ・コンペティション部門出品作品。

 ◆脚本賞
 ・チャーリー・カウフマン “Anomalisa”
 ・Donald Margulies “The End of the Tour”
 ・フィリス・ナジー(Phillyis Nagy) 『キャロル』
 ・トム・マッカーシー、ジョシュ・シンガー(Josh Singer) “Spotlight”
 ・S. Craig Zahler “Bone Tomahawk”

 ◆撮影賞
 ・キャリー・ジョージ・フクナガ 『ビースト・オブ・ノー・ネーション』
 ・エド・ラックマン 『キャロル』
 ・マイケル・ジオラキス(Michael Gioulakis) 『イット・フォローズ』“It Follows”
 ・リード・モラーノ(Reed Morano) “Meadlowland”(監督:リード・モラーノ)
 ・Joshua James Richards “Songs My Brothers Taught Me”(監督:Chloé Zhao)

 ◆編集賞
 ・ロナルド・ブロンスタイン(Ronald Bronstein)、ベニー・サフディー(Benny Safdie) 『神様なんかくそくらえ』
 ・フリオ・C・ペレス4世(Julio C. Perez IV) 『イット・フォローズ』“It Follows”
 ・Kristian Sprague “Manos Sucias”(監督:Josef Kubota Wladyka)
 ・Nathan Nuget “Room”
 ・トム・マカードル(Tom McArdle) “Spotlight”

 ◆第1回作品賞(Best First Feature)
 ・“The Diary of a Teenage Girl” 監督:マリエル・ヘラー(Marielle Heller)
 ・“James White” 監督:Josh Mond
 ・“Manos Sucias” 監督:Josef Kubota Wladyka
 ・“Mediterranea” 監督:Jonas Carpignano
 ・“Songs My Brothers Taught Me” 監督:Chloé Zhao

 ◆第1回脚本賞(Best First Screenplay)
 ・Jesse Andrews “Me and Earl and the Dying Girl”(監督:Alfonso Gomez-Rejon)
 ・Jonas Carpignano “Mediterranea”
 ・エマ・ドナヒュー(Emma Donoghue) “Room”
 ・マリエル・ヘラー(Marielle Heller) “The Diary of a Teenage Girl”
 ・John Magary、Russell Harbaugh、Myna Joseph “The Mend”(監督:John Magary)

 ◆ドキュメンタリー賞
 ・“(T)error”(米) 監督:Lyric R Cabral、David Felix Sutcliffe
 ・“Heart of a Dog”(米) 監督:ローリー・アンダーソン
 ・『ルック・オブ・サイレンス』(インドネシア・英・デンマーク・フィンランド・ノルウェー) 監督:ジョシュア・オッペンハイマー
 ・“Meru”(米) 監督:ジミー・チン(Jimmy Chin)、E Chai Vasarhelyi
 ・“The Russian Woodpecker”(英) 監督:Chad Gracia

 ◆外国語映画賞(Best International Film)
 ・『さよなら、人類』(スウェーデン・仏・独・ノルウェー) 監督:ロイ・アンダーソン
 ・“Embrace of the Serpent(El Abrazo de la Serpiente)”(コロンビア・ベネズエラ・アルゼンチン) 監督:Ciro Guerra
 ・“Girlhood (Bande De Files)”(仏) 監督:セリーヌ・シアマ
 ・“Mustang”(仏・独・トルコ) 監督:Deniz Gamze Ergüven
 ・『サウルの息子』“Saul Fia (Son of Saul)”(ハンガリー) 監督:ネメシュ・ラースロー(László Nemes)

 ◆ジョン・カサヴェテス賞(John Cassavetes Award)
 50万ドル以下の低予算映画を選考対象とする。
 ・“Advantageous” 監督:Jennifer Phang
 ・“Christmas, Again” 監督:Alfonso Gomez-Rejon
 ・『神様なんかくそくらえ』 ジョシュア・サフディー、ベニー・サフディー
 ・“Krisha” 監督:Trey Edward Shults
 ・“Out of My Hand” 監督:福永壮志

 ◆「今後の劇場公開を期待したい」映画賞(Kiehl’S Someone To Watch Award)
 まだ大きな映画賞などを受賞したりしていない優れたフィクション作品の作り手に贈られる。
 ・Chloe Zhoa “Songs My Brothers Taught Me”
 ・Felix Thompson “King Jack”
 ・Robert Machoian、Rodrigo Ojeda-Beck “God Bless the Child”

 ◆事実は小説より奇なり賞(Lenscrafters Truer Than Fiction Award)
 まだ大きな映画賞などを受賞したりしていない優れたドキュメンタリー作品の作り手に贈られる。
 ・Alex Sichel、Elizabeth Giamatti “A Woman Like Me”
 ・Elizabeth Chai Vasarhelyi “Incorruptible”
 ・Hemal Trivedi、Mohammed Ali Naqvi “Among the Believers”

 ◆ピアジェ・プロデューサー賞(Piaget Producers Award)
 ・ダーレン・ディーン(Darren Dean)
 ・Mel Eslyn
 ・Rebecca Green、Laura D. Smith

 ダーレン・ディーン(Darren Dean)は、『キニアルワンダ』や『タンジェリン』を手がけるプロデューサー。
 Mel Eslynは、“The One I Love”や“Lamb”などを手がけるプロデューサー。
 Rebecca GreenとLaura D. Smithは、“I'll See You in My Dreams”や『イット・フォローズ』のプロデューサー。

 ◆ロバート・アルトマン賞/アンサンブル賞
 ◎“Spotlight” 監督:トム・マッカーシー
 キャスティング・ディレクター:Kerry Barden、Paul Schnee
 キャスト:ビリー・クラダップ、Brian d'Arcy James、ポール・ギルフォイル、ニール・ハフ、マイケル・キートン、レイチェル・マクアダムス、マーク・ラファロ、リーヴ・シュレイバー、ジェイミー・シェリダン、ジョン・スラッテリー、スタンリー・トゥッチ

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 主な作品のノミネート状況は、以下の通り。

 ・『ビースト・オブ・ノー・ネーション』(5):作品・監督・主演男優・助演男優・撮影
 ・『キャロル』(5):作品・主演女優・主演女優・脚本・撮影
 ・“Anomalisa”(4):作品・監督・助演女優・脚本
 ・“Spotlight”(4):作品・監督・脚本・編集 +アルトマン
 ・『タンジェリン』(4):作品・監督・主演女優・助演女優
 ・『イット・フォローズ』(3):監督・撮影・編集
 ・“James White”(3):主演男優・助演女優・第1回
 ・“Mediterranea”(3):主演男優・第1回・第1回脚本
 ・“Room”(3):主演女優・編集・第1回脚本
 ・“The Diary of A Teenage Girl”(3):主演女優・第1回・第1回脚本
 ・“Songs My Brothers Taught Me”(3):撮影・第1回・期待
 ・“The End of the Tour”(2):主演男優・脚本
 ・“Bone Tomahawk”(2):助演男優・脚本
 ・『神様なんかくそくらえ』(2):編集・カサヴェテス
 ・“Manos Sucias”(2):編集・第1回

 米国アカデミー賞とノミネーションがかなり重なってしまった昨年度と比べ、本年度はかなりインディペンデント色が強めになっています。
 ノミネーションに特に制約のない映画賞だと(もちろんアカデミー賞も含む)、スピルバーグやリドリー・スコットやタランティーノなどなどが入ってくるので、上記とは大分違ったものになっているはずです。
 個人的には、インディペンデント・スピリット・アワードは、サンダンスやSXSW、トライベッカなどの映画祭でプレミア上映されたインディペンデント作品のベスト・オブ・ベストを決める映画祭になればいいんじゃないかと思っているので、本年度は、それにわりと近いチョイスになっていて、チャレンジとしてはいいんじゃないかと思いますね。

 気がついたことをいくつか―

 ・ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラがともに主演女優賞にノミネートされていること。ストーリー的には両方とも主演でもいいのかもしれませんが、下馬評ではルーニー・マーラは助演女優賞扱いになっていました。2人ともノミネート(あわよくば受賞)させるには、主演と助演でわけた方がいいかもしれず、映画会社もそういう方向で動いているかもしれないんですが、今後、どういう風に流れるか、注目されます。

 ・日系人、日本人が何人もノミネート。キャリー(・ジョージ)・フクナガはよく知られていますが、本年度は、ニューヨークを拠点に活躍している福永壮志監督や、“Manos Sucias”のJosef Kubota Wladyka監督もいます(母親が日本人、父親がポーランド人だということです)。

 ・ジェニファー・ジェイソン・リーは、“The Hateful 8”ではなく、“Anomalisa”でのノミネートでした。“The Hateful 8”は、どっちみち、インディペンデント・スピリット・アワードの対象外のはずなので、“The Hateful 8”でノミネートされることはないんですが、ジェニファー・ジェイソン・リーは、本年度2つの作品で名前が挙がることになりそうです。

 ・ドキュメンタリー部門と外国語映画賞部門は、ノミネーション・レベルでは混戦になっているようです。本命は『ルック・オブ・サイレンス』と『サウルの息子』で決まりみたいですが、そのほかはいろんなバリエーションがありそうです。

 ・“Spotlight”は、ゴッサム・アワードに続き、アンサンブル賞2冠目です。本年度は、このまま、アンサンブル賞を総なめにしちゃうかも?
 受賞対象として挙がっているキャストの名前は、ゴッサム・アワードとインディペンデント・スピリット・アワードでは違っていますが、名前が挙がっていないと授賞式には来てはダメなんでしょうか。それとも、名前は代表として挙げているだけで、受賞対象は「全キャスト」ということになるんでしょうか。ちょっと気になりますね。

 第31回インディペンデント・スピリット・アワードの授賞式は、本年度も米国アカデミー賞授賞式の前日で、2016年2月27日です。

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 *当ブログ記事

 ・インディペンデント・スピリット・アワード2015 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201411/article_25.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2015 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201502/article_18.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2014 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201311/article_40.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201403/article_5.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201211/article_26.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201302/article_41.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2012 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_28.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201202/article_43.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2011 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_1.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2011 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201102/article_50.html
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 ・インディペンデント・スピリット・アワード2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201003/article_12.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2009 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_8.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200902/article_30.html

 ・ゴッサム・アワード2015 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201510/article_26.html

 ・ハリウッド映画賞2015:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201511/article_3.html

 ・MCNのオスカー2016予想第1弾:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201511/article_6.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2015年9月〜2016年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201509/article_2.html

 追記:
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2016 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201602/article_51.html

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