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zoom RSS 祝福とオマージュが凄い! リュミエール賞2015 for マーティン・スコセッシ!

<<   作成日時 : 2015/10/21 17:20   >>

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 マーティン・スコセッシが、第7回リュミエール賞(Prix Lumière)を受賞しました。(10月16日)

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 同じ名前で、春先に発表されるフランスの映画賞があるのでまぎらわしいですが、こちらはフランスのリヨンで毎年10月に開催されるリュミエール映画祭(今年は10月12日-18日)の中で設けられているもので、年ごとに、国際的な業績を残した映画人をひとり選んで、贈られるものです。

 リュミエール映画祭(Le Festival Lumière, également appelé Grand Lyon Film Festival)は、リュミエール兄弟にちなんで2009年からスタートした映画祭で、映画遺産にオマージュを捧げることを基本のコンセプトとしていて、プログラムも、修復作品の上映と、トリビュート、レトロスペクティヴが中心になって組まれています。プレジデントはベルトラン・タヴェルニエ、補佐をティエリー・フレモーが務めています。
 リュミエール映画祭も非常に興味深い映画祭で、今年のラインナップもとてもユニークなものになっていますが、ここでは、リュミエール賞に焦点を絞ることにします。

 まず、これまでの受賞者には以下のような人がいます。

 2009年:クリント・イーストウッド
 2010年:ミロシュ・フォアマン
 2011年:ジェラール・ドパルデュー
 2012年:ケン・ローチ
 2013年:クエンティン・タランティーノ
 2014年:ペドロ・アルモドバル

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 名誉賞的な賞を設けている映画祭は、少なくありませんが、そうした中でもリュミエール賞はひと味もふた味も違ったものになっていて、受賞者へのオマージュが盛りだくさんで、授賞式は映像と音楽を使った凝ったものになっています。

 今回は、ざっと以下の通り―

 まずは、ゲストの入場から。
 これがなかなかの顔ぶれで、ジェーン・バーキン、アレクサンドル・デプラ、ヴァンサン・ペレーズ、フランソワーズ・ファビアン、リシャール・アンコニナ。ピエール・ルスキュール、ジェラルディン・チャップリン、トニー・ガトリフ、アリソン・パラディ、ギョーム・グイ、ピエール・リシャール、スレイマン・シセ、ミシェル・アザナヴィシウス、ベレニス・ベジョ、タハール・ラヒム、レア・ドリュッケール、クレマンス・ポエジー、ヴァンサン・ラコスト、エデゥアール・ベール、ラファエル・ペルソナ、アッバス・キアロスタミ、イッポリト・ジラルド、フランソワ・クリュゼ、サルマ・ハエック、マックス・フォン・シドー、ラデュ・ミへイレアニュ、パスカル・エルベ、エルザ・ジルベスタイン、マイケル・フランコ、ギャスパー・ノエ、レジス・ヴァルニエ、ラシッド・ブシャール、ジャン=フランソワ・ステヴナン、ジャン=ピエール・ジュネ、エミリー・モーティマー、パブロ・トラペロ、パスカル・トマ、ミシェル・ラロックなどなど。

 そして、たくさんの拍手に包まれながら、ストーンズの「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」をBGMにしてスコセッシが登場。

 【映像】スターターとして、1931年のアレクサンダー・コルダの映画“Marius”のカード・ゲーム・シーンから"You break my heart!"の映像

 【音楽】Camélia Jordanaの歌とピアノで♪「ニューヨーク・ニューヨーク」

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 【映像】ロバート・デニーロから祝福のビデオ・メッセージ

 【映像】19世紀から20世紀にかけて、リュミエール兄弟からエリア・カザンまで、シカゴやニューヨークで撮影された「最初期の映画」の映像をつないだものを上映。そのフィルムを、スペシャル・プレゼントとしてリールごとスコセッシにプレゼント!

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 【映像】アッバス・キアロスタミがこの日のために用意した「雪景色」の映像

 【音楽】『ヒューゴの不思議な発明』(2011)で音楽を手がけた作曲家ジャン=ミシェル・ベルナールがピアノで♪"Marty's Suite"を演奏

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 【映像】映画祭のプレジデントでもあるベルトラン・タヴェルニエが監督した映画『ラウンド・ミッドナイト』(1986)で、タクシー客として出演したスコセッシと若きフランソワ・クリュゼの共演シーンの上映

 【音楽】ジェーン・バーキンによる歌とピアノで♪"As Time Goes By"

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 【映像】ローレル&ハーディーの“Far West”(1937)のダンス・シーン

 【映像】マックス・フォン・シドー、ジェラルディン・チャップリン、オリヴィア・ハリスンが登壇して、スコセッシ作品の「ビデオ・トリビュート」

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 【授与式】スコセッシは、ストーンズの「ギミー・シェルター」をBGMにして登壇
 サルマ・ハエックが賞の授与
 スコセッシのスピーチ。小さな頃、ニューヨークで両親に次から次へと映画館に連れて行ってもらって、映画を観たこと。のちに映画の楽しみを発見し、ただ過ぎ去ってしまうものの重要さを見出して、それが映画基金でのクラシック・フィルムの修復へとつながった……。

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 【音楽/エンディング】カラオケをBGMに、観客による♪「ニューヨーク・ニューヨーク」の大合唱。

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 「私たちは―
 あなたの全きフィルモグラフィーに対して
 あなたの深い映画愛に対して
 あなたの過去の映画の保存に対する絶え間ない闘いに対して
 あなたの長編映画とドキュメンタリーに対して
 あなたの音楽への愛に対して
 あなたの、世界中の若きフィルムメーカーたちに示す優しさに対して
 そして、中でも、あなたの豪快な(thunderous)笑い声に対して
 敬意を表し
 ここにリュミエール賞を贈ります」

 *元記事:http://www.festival-lumiere.org/en/lecture-zen/shine-your-light-marty-!.html

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 今回のリュミエール映画祭にもなかなか興味深いプログラムが組まれていたのですが(東宝時代の黒澤明、ジュリアン・デュヴィヴィエの修復作品8本、ラリーサ・シェピチコ特集、ピクサー特集、ニコラス・ウィンディング・レフンやソフィア・ローレン、ジョン・ラセター、ジェラルディン・チャップリン、マッツ・ミケルセンらへのトリビュート、ジャン・ヤンヌ特集、メキシコ映画特集、修復作品、映画遺産、サイレント映画、ドキュメンタリーなどなど)、ここでは、リュミエール賞に絡めて上映されたスコセッシ作品とスコセッシによるカルト・ブランシュを書き出しておくことにします。

 【マーティン・スコセッシ特集】

 ・『ドアをノックするのは誰?』“Who's That Knocking at My Door”(1967, 1h30)
 ・『明日に処刑を…』“Bertha Boxcar”(1972, 1h28)
 ・『ミーン・ストリート』“Mean Streets”(1973, 1h52)
 ・『アリスの恋』“Alice Doesn't Live Here Anymore”(1974, 1h52)
 ・『タクシードライバー』“Taxi Driver”(1976, 1h54)
 ・『ニューヨーク・ニューヨーク』“New York, New York”(1977, 2h44)
 ・『レイジング・ブル』“Raging Bull”(1980, 2h09)
 ・『キング・オブ・コメディ』“The King of Comedy”(1982, 1h49)
 ・『キング・オブ・コメディ』“The Last Temptation of Christ”(1988, 2h44)
 ・『グッドフェローズ』“Goodfellas”(1990, 2h26)
 ・『ケープ・フィアー』“Cape Fear”(1991, 2h08)
 ・『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』“The Age of Innocence”(1993, 2h19)
 ・『カジノ』“Casino”(1995, 2h58)
 ・『ディパーテッド』“The Departed”(2006, 2h31)
 ・『ヒューゴの不思議な発明』“Hugo”(2011, 2h06)
 〈ドキュメンタリー〉
 ・“Italianamerican”(1974, 47min)
 ・『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』“Shine a Light”(2008, 2h03)
 ・“A Letter to Elia by Martin Scorsese and Kent Jones”(2010, 1h)
 ・『ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』“George Harrison: Living in the Material World”(2011, 3h28)
 ・『ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス 50年の挑戦』“The 50 Year Argument by Martin Scorsese and David Tedeschi”(2014, 1h35)
 〈テレビ・シリーズ〉
 ・『ボードウォーク・エンパイア 欲望の街』第1話 “Boardwalk Empire – Episode 1”(2010, 1h12)
 〈マスター・クラス〉

 【マーティン・スコセッシによるカルト・ブランシュ】(Carte blanche to Martin Scorsese)

 ・『殴られる彼奴』“He Who Gets Slapped”(1924/米, 1h35) 監督:ヴィクトル・シェストレム
 ・『大地』“Earth(Zemlya)”(1930/ソ連, 1h22) 監督:アレクサンドル・ドヴジェンコ
 ・『死の拳銃狩』“Law and Order”(1932/米, 1h14) 監督:エドワード・L・カーン
 ・『老兵は死なず』“The Life and Death of Colonel Blimp”(1943/英, 2h43) 監督:マイケル・パウエル、エメリック・プレスバーガー
 ・“Enamorada”(1946/メキシコ, 1h39) 監督:エミリオ・フェルナンデス
 ・『悪の力』“Force of Evil”(1948/米, 1h18) 監督:エイブラハム・ポロンスキー
 ・『うわさの名医』“People will Talk”(1951/米, 1h50) 監督:ジョゼフ・L・マンキーウィッツ
 ・『生きる』“To Live(Ikiru)”(1952/日, 2h23) 監督:黒澤明
 ・『山の音』“Sound of the Mountain(Yama no oto)”(1954/日, 1h36) 監督:成瀬巳喜男
 ・『ダイヤルMを廻せ! 3D』“Dial M for Murder 3D”(1954/米, 1h45) 監督:アルフレッド・ヒッチコック
 ・『密告の砦』“The Round-Up(Szegénylegények)”(1966/ハンガリー, 1h28) 監督:ミクロシュ・ヤンチョー
 ・『アントニオ・ダス・モルテス』“Antonio das Mortes(O Dragão da Maldade contra o Santo Guerreiro)”(1969/ブラジル, 1h45) 監督:グラウベル・ローシャ
 ・“The Mummy(Al-mummia)”(1969/エジプト, 1h43) 監督:Chadi Abdel Salam
 ・『コーザ・ノストラ』“Lucky Luciano”(1973/伊・仏・米, 1h55) 監督:フランチェスコ・ロージ
 ・『盗馬賊』“The Horse Thief(Dao ma zei)”(1986/中, 1h28) 監督:ティエン・チュアンチュアン
 ・『ひかり』“Brightness(Yeelen)”(1987/マリ, 1h46) 監督:スレイマン・シセ
 ・『ジョヴァンニ』“The Profession of Arms(Il mestiere delle armi)”(2001/伊, 1h40) 監督:エルマンノ・オルミ

 公式サイトには、各作品に対する短い紹介文が載っていますが(http://www.festival-lumiere.org/en/program/carte-blanche-to-martin-scorsese.html)、スコセッシが書いたものかどうかは定かではありません。

 おそらくこの映画祭に合わせて選んだ、スコセッシが考える「映画遺産」なのではないかと思いますが、「“Sight & Sound”誌、オールタイム・ベスト2012年版」で選んだ12本と1本もかぶっていないのが、面白いですね。
 「カルト・ブランシュ」なんだし、全く同じだったら意味がないわけですが、「“Sight & Sound”誌、オールタイム・ベスト2012年版」が40年代、50年代、60年代に絞り込んでセレクトしているのに対し、こちらはもっと広い年月にわたり、世界映画史やワールド・シネマを意識した作品選びをしています。
 監督では、マイケル・パウエル&エメリック・プレスバーガー、ヒッチコック、フランチェスコ・ロージのみ、重なっています。スコセッシにとって、特別に思い入れのある映画作家であるということでしょうか。

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 【PHOTO GALLARY】

 ・アッバス・キアロスタミ
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 ・アレクサンドル・デプラ

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 ・ヴァンサン・ペレーズ、カリーヌ・シラ

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 ・エミリー・モーティマー

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 ・エルザ・ジルベスタイン

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 ・ジャン=ピエール・ジュネ

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 ・ジャン=フランソワ・ステヴナン

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 ・スレイマン・シセ

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 ・トニー・ガトリフ

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 ・パスカル・トマ

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 ・パブロ・トラペロ

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 ・ベレニス・ベジョ、ミシェル・アザナヴィシウス

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 ・マイケル・フランコ、デルフィーヌ・グレーズ、ギャスパー・ノエ

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 ・ミシェル・ラロック

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 ・ラデュ・ミへイレアニュ、タハール・ラヒム、パスカル・エルベ

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 ・リシャール・アンコニナ

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 ・レジス・ヴァルニエ、ラシッド・ブシャール

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 *当ブログ記事

 ・20組の監督が選んだオールタイム・ベスト(2012年版)! “Sight & Sound”誌より:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201208/article_7.html

 ・マーティン・スコセッシが選ぶ、ポーランド映画傑作選 21作品!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201406/article_8.html

 ・俳優をオスカーに導く2大監督 ウディ・アレン VS マーティン・スコセッシ!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_77.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2015年9月〜2016年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201509/article_2.html

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