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zoom RSS 米国アカデミー賞2014ノミネーションに関する雑感、受賞予想など

<<   作成日時 : 2014/01/18 17:29   >>

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 ここでは、米国アカデミー賞2014ノミネーションに関する個人的な雑感と、受賞予想をまとめています。

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 ・米国アカデミー賞2014 ノミネーション 全部門解説!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201401/article_53.html
 ・米国アカデミー賞2014 ノミネーションに関する、データ、記録、トリビアなど:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201401/article_54.html

 【受賞予想】

 ◆作品賞
 ○『それでも夜は明ける』
 △『ゼロ・グラビティ』
 トロント国際映画祭ピープルズ・チョイス賞、MCN予想、前哨戦の結果、すべては『それでも夜は明ける』の作品賞受賞を指している。しかし、ここに来て「風」が感じられないというか、『それでも夜は明ける』陣営は既に現状に満足してしまっているようにも感じられる(日本にいながら、だけど)。寝首を掻かれる可能性は十分にある。
 監督賞も編集賞も『ゼロ・グラビティ』なら、作品賞も『ゼロ・グラビティ』であってもおかしくはない。
 『それでも夜は明ける』がオスカーを獲れなくても、それでも夜は明ける……。

 ◆監督賞
 ◎アルフォンソ・キュアロン 『ゼロ・グラビティ』
 ○スティーヴ・マックイーン 『それでも夜は明ける』
 △デイヴィッド・O・ラッセル 『アメリカン・ハッスル』
 前哨戦の結果は文句なく、アルフォンソ・キュアロン。しかし、作品賞と異なる作品にしたくないという心理が働けば、スティーヴ・マックイーンの受賞もあり得る。その一方で、風は『アメリカン・ハッスル』に吹いている。

 ◆主演男優賞
 ○マシュー・マコノヒー 『ダラス・バイヤーズクラブ』
 △キウェテル・イジョフォー 『それでも夜は明ける』
 前哨戦の結果ではキウェテル・イジョフォー。しかし、流れはマシュー・マコノヒーに来ている。

 ◆主演女優賞
 ◎ケイト・ブランシェット 『ブルージャスミン』
 確定!

 ◆助演男優賞
 ◎ジャレッド・レト 『ダラス・バイヤーズクラブ』
 確定!

 ◆助演女優賞
 ○ジェニファー・ローレンス 『アメリカン・ハッスル』
 △ルピータ・ニョンゴ 『それでも夜は明ける』
 前哨戦ではルピータ・ニョンゴが圧倒的に強かった。米国アカデミーは、これまで何度もの初ノミネートの黒人女優にオスカーを贈っている。しかし、風はジェニファー・ローレンスに向かって吹いている。

 ◆オリジナル脚本賞
 ○『her/世界でひとつの彼女』 スパイク・ジョーンズ
 △『ブルージャスミン』 ウディ・アレン
 保守的なアカデミー会員でも、ここまで評判がいいと『her/世界でひとつの彼女』を選ばざるを得ない。一方で、アカデミー会員にウディ・アレン作品が好きな人は多い。

 ◆脚色賞
 ○『それでも夜は明ける』 ジョン・リドリー
 他の選択の余地もあるけれど、得票的に、ちょっと『それでも夜は明ける』は超えられそうにないかも。
 米・脚本家組合賞(WGA)では、選外になっていたことも、かえってオスカーへと後押ししてくれそう。

 ◆撮影賞
 ◎『ゼロ・グラビティ』 エマニュエル・ルベツキ
 前哨戦で文句なしの圧勝だし。2年前の悪夢は、エマニュエル・ルベツキが嫌われているから、じゃないよね?

 ◆編集賞
 ◎『ゼロ・グラビティ』 アルフォンソ・キュアロン、マーク・サンガー
 前哨戦の結果を踏まえれば。

 ◆美術賞
 ○『華麗なるギャツビー』 キャサリン・マーティン
 『ゼロ・グラビティ』か『華麗なるギャツビー』の2択であるなら、こっちでは?
 『ムーラン・ルージュ』が好きなアカデミー会員であれば、これも好き、かも?

 ◆衣裳デザイン賞
 ○『華麗なるギャツビー』 キャサリン・マーティン
 『ムーラン・ルージュ』が好きならこっちも?

 ◆メイキャップ&ヘアスタイリスト賞
 ○『ダラス・バイヤーズクラブ』 Adruitha Lee、Robin Mathews
 △『ローン・レンジャー』 Joel Harlow、Gloria Pasqua Casny
 『ダラス・バイヤーズクラブ』の凄さは、メイクなのか、減量なのか?

 ◆視覚効果賞
 ◎『ゼロ・グラビティ』 Timothy Webber、Chris Lawrence、David Shirk、ニール・コーボールド
 確定!

 ◆録音賞
 ○『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』 Skip Lievsay、Greg Orloff、Peter F. Kurland
 △『ゼロ・グラビティ』 Skip Lievsay、Niv Adiri、Christopher Benstead、Chris Munro
 音楽性重視か? スペクタクル性重視か?

 ◆音響編集賞
 ○『ゼロ・グラビティ』 Glenn Freemantle
 過去の受賞作『スピード』『タイタニック』『マトリックス』『ダークナイト』『インセプション』などの流れの上にある作品として。

 ◆オリジナル作曲賞
 △『ゼロ・グラビティ』 スティーヴン・プライス
 作品の力はここまで及ぶ。あるいは、音楽まで含めて『ゼロ・グラビティ』の世界が評価されていると考えるか。
 新しく登場した音楽家は選ばれやすかったりもする。

 ◆オリジナル歌曲賞
 ◎『アナと雪の女王』-‘Let It Go’
 若い才能ロバート・ロペスに拍手を送り、彼がEGOTになるのを応援する。

 ◆短編映画賞
 ○“The Voorman Problem”(英) 監督:Mark Gill
 △“Aquel No Era Yo (That Wasn’t Me)”(西) 監督:Esteban Crespo
 △“Helium”(デンマーク) 監督:Anders Walter
 「人生の再出発」を扱った作品が多い。
 イギリスか、スペインか、フランスか、デンマークか、フィンランドか。
 英国アカデミー賞か、スペイン・ゴヤ賞か、フランス・セザール賞か。
 アメリカ国内で賞を受賞している作品は“The Voorman Problem”と“Aquel No Era Yo (That Wasn’t Me)”。英語作品は“The Voorman Problem”のみ。
 短編としてよさそうなのは“Helium”で、題材的にインパクトがありそうなの“Aquel No Era Yo (That Wasn’t Me)”はだけれど、映画作家としての資質まで問うて賞を贈るなら、“The Voorman Problem”か。

 ◆長編ドキュメンタリー賞
 ◎『アクト・オブ・キリング』
 『ザ・コーヴ』にオスカーを与えたアカデミー会員であれば、『アクト・オブ・キリング』を選ぶことに躊躇はないはず。

 ◆短編ドキュメンタリー賞
 ○“The Lady in Number 6: Music Saved My Life”(カナダ・英・米) 監督:マルコム・クラーク(Malcolm Clarke)
 洞窟アート、ゲイとネオナチ、余命わずかな囚人、イエメンの反政府運動といった題材の他の4作品に比べると、この作品がよりポジティヴな票を得られそう。

 ◆長編アニメーション賞
 ◎『アナと雪の女王』(米) 監督:クリス・バック、ジェニファー・リー
 ディズニーが総力を挙げてプッシュしているのから、選ばざるを得ない。

 ◆短編アニメーション賞
 ◎“Get a Horse!”(米) 監督:Lauren MacMullan
 意欲的な作品はノミネーション段階ですべて落とされ、“Get a Horse!”が受賞するようにお膳立てが整えられている。

 ◆外国語映画賞
 ○『偽りなき者』(デンマーク) 監督:トマス・ヴィンターベア
 △“Omar”(パレスチナ) 監督:ハニ・アブ= アサド
 △『追憶のローマ』(伊・仏) 監督:パオロ・ソレンティーノ
 『アデル、ブルーは熱い色』以外で前哨戦で受賞を重ねているのは『偽りなき者』だから。ヨーロッパで評価が高いのは『追憶のローマ』、アジアで評価が高いのは“Omar”。あとは、ゴールデン・グローブ賞のチョイスをどう考えるか?

 以上は、ここまでの前哨戦の結果をベースとした予想になっています。
 これから発表される組合賞・協会賞によって流れが変わる可能性は十分にあります。
 また、米国アカデミー賞は、直前のアメリカ国内の空気に大きく影響されるほか、毎年、必ずいくつかの部門で独特のサプライズがあります。

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 【雑感】

 ・『アメリカン・ハッスル』は、『世界にひとつのプレイブック』のプロデューサーと『ゼロダーク・サーティ』とプロデューサーと『ダークナイト』のプロデューサーが組んで作った作品なのでした。前回の映画賞レースの間に、親交が深まって、企画が進んだのでは?と想像したりもしますが、このクラスの作品が企画から完成までに1年も待たずにできるとも思えないので、たぶんもっと以前から温められていた作品なのでしょう。全くタイプの異なるプロデューサーが組んで、途中で、空中分解せずに、よく完成までこぎつけたものです。

 ・『ダラス・バイヤーズクラブ』のノミニーは、初ノミネートの映画人ばかりです。キャリアのある映画人は、この企画に恐れをなしたという可能性もありますね。監督にカナダ人のジャン=マルク・ヴァレが起用されたのもそんなところに理由があるのかもしれません。

 ・毎年、米国アカデミー賞は、インディペンデント映画や外国映画への目配せを行なってきていましたが、今回は、サンダンス系のインディペンデント映画への目配せは全く、外国映画は『グランド・マスター』の2部門のノミネートにとどまりました。
 2013年のアメリカ映画は豊作だったからと言われていますが、だからなのでしょうか。あるいは、長編アニメーション作品が作品賞や脚本賞にノミネートされなくなったように、この傾向は、次回以降も続くのかどうか。

 ・似たようなポジションにある候補がいくつかある場合、1つに絞り込むようなところが米国アカデミー賞にはあるようです。いくつかあった注目の「黒人映画」は『それでも夜は明ける』1本に絞り、ロバート・レッドフォードとブルース・ダーンではブルース・ダーンのみを選び、キウェテル・イジョフォーとフォレスト・ウィテカーではキウェテル・イジョフォーを選び、ジュディー・デンチとエマ・トンプソンではジュディー・デンチのみを選び、ルピータ・ニョンゴとオクタヴィア・スペンサーとオプラ・ウィンフリーではルピータ・ニョンゴのみを選ぶ、というように。

 ・米国アカデミー賞は、一度ノミネートされると、次回以降ノミネートされやすくなり、常連には有利ということがあります。今回も何人かのノミネートにはそういう面もあるのではないかと思われます。

 ・前回、キャスリン・ビグローが監督賞にノミネートされなかったことで、何となく感じていましたが、アカデミーの役員になっているメンバーは、自身が関わっている作品を意図的にノミネーションから外している(辞退している)のではないかということがあります。規定とかポイント制とか言っても、最終的に各部門のノミネーションを決めるのは、関連する各部会のメンバーなのですから。(キャスリン・ビグローは自分が外れる条件として、ベン・アフレックも監督賞のノミネーションから外したのではないかと個人的には想像していますが、それは下種の勘ぐりというものでしょうか。)
 今回で言えば、トム・ハンクス(俳優部会理事)、アレックス・ギブニー(ドキュメンタリー部会理事)、クリス・ランドレス(アニメーション部会)がそれに当たります。例外は、『アメリカン・ハッスル』のプロデューサー、チャールズ・ローヴェン(プロデューサー部会)のみです。
 エマ・トンプソンがノミネートされなかったのは、自分が外れるのに、共演のエマ・トンプソンがノミネートされるのはどうなんだろうと、トム・ハンクスが考えたから、と考えたりもします。

 ・米国アカデミー賞のノミネーションには、当然ノミネートされて然るべき作品をノミネーション段階で落とすことがあり、おかしいんじゃないかと言われたり、議論になったりすることがよくあります。(それが一番顕著だったのは以前の外国語映画賞です。)
 アカデミー・サイドが強く推したい作品がある時に、強力なライバルになり得る作品をノミネーション段階で足切りしているのはないか。そう疑われても仕方がないところがあります。
 今回のノミネーションで特に怪しいのは、脚本部門、メイキャップ&ヘアスタイリング賞、長編ドキュメンタリー賞と短編ドキュメンタリー賞、長編アニメーション賞と短編アニメーション賞、外国語映画賞、です。
 アメリカのオスカー・ウォッチャーたちがこういうことに気づかないわけはありませんが、けっして書いたりしないのは、それが「大人の対応」だからというか、そうことも含めて、アカデミー賞を楽しんでいるから、ということになるでしょうか。

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 ・全部門解説!米国アカデミー賞2014 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201401/article_53.html

 ・米国アカデミー賞2014 ノミネーションに関する、データ、記録、トリビアなど:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201401/article_54.html

 ・全米映画賞レース2013の結果をまとめてみました(前編):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_23.html
 ・全米映画賞レース2013の結果をまとめてみました(後編):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201401/article_24.html

 ・米国アカデミー賞に関する、黒人のノミネーション&受賞データ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_75.html

 ・俳優をオスカーに導く2大監督 ウディ・アレン VS マーティン・スコセッシ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_77.html

 ・MCNのオスカー予想 作品賞、監督賞、キャスト4部門 【2013年12月】:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_70.html

 ・MCNのオスカー予想 脚本賞、キャスティング 【2013年11月】:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201311/article_32.html

 ・MCNのオスカー予想 監督賞、長編アニメーション賞 【2013年11月】:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201311/article_20.html

 ・2013年11月時点の米国アカデミー賞2014予想:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201311/article_11.html

 ・2013年10月時点の米国アカデミー賞2014予想:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201310/article_25.html

 ・2013年8月時点の米国アカデミー賞2014予想(IndieWire):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201308/article_13.html

 ・2013年3月時点の米国アカデミー賞2014予想!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201303/article_3.html

 ・2012年11月時点の米国アカデミー賞2013予想:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201211/article_6.html

 ・米国アカデミー賞に一度もノミネートされたことがない俳優40人:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_76.html

 ・米国アカデミー賞にノミネートされた日本人リスト(2008年1月現在):http://umikarahajimaru.at.webry.info/200801/article_20.html

 ・米国アカデミー賞各部門の名称について:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200901/article_19.html

 ・全米の映画賞について調べてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_45.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2013年12月〜2014年4月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_1.html

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