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zoom RSS エジンバラ国際映画祭2013 受賞結果!

<<   作成日時 : 2013/06/29 11:08   >>

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 第67回エジンバラ国際映画祭(6月19日-30日)の各賞が発表になりました。

 【インターナショナル長編コンペティション部門】

 ※審査員:ポン・ジュノ(審査員長)、ナタリー・ドーマー(Natalie Dormer)(女優)、Siobhan Synnot(映画批評家)

 ◆最優秀作品賞(The Award for Best Film in the International Competition)
 ◎“A World Not Ours (Alam Laysa Lana)”(英・レバノン・UAE・デンマーク) 監督:Mahdi Fleifel [UKプレミア]
 南レバノンのAin El-Helwehの難民キャンプで暮らす3世代のパレスチナ人家族に関するドキュメンタリー。ここでは、1キロ四方に、7万人以上のパレスチナ難民が、60年以上にわたって暮らしている。このキャンプには、デンマーク人監督Mahdi Fleifelの父親が、80〜90年代から入って撮影していて、それには息子であるMahdi Fleifelと、Abu Eyadの友情の物語も記録されている。2人は、ともに、パレスチナの政治に関心があり、サッカーとメランコリックな音楽が好きだ。ワールド・カップ開催中には、スポーツ・ショップでTV観戦したりもした。しかし、Mahdi Fleifelが自由にキャンプを出入りできるのに対し、Abu Eyadはそれが許されていない。
 トロント国際映画祭2012 TIFF DOCS部門出品。ベルリン国際映画祭2013 パノラマ部門出品。平和映画賞受賞。ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭2013インターナショナル・コンペティション部門出品。
 クラクフ映画祭2013 インターナショナル・ドキュメンタリー・コンペティション部門出品。スペシャル・メンション受賞。

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 ◆スペシャル・メンション
 ◎“Joy (Hara)”(ギリシャ) 監督:Elias Giannakakis [インターナショナル・プレミア]
 物語:Hara(ギリシャ語でJoyの意)は、40代半ばで、産院から赤ん坊をさらう。彼女は、身代金目的で赤ん坊を誘拐したのでも、トラブルを起こしたかったのでもない。ただ自分に赤ん坊がいれば、幸せになれるかもしれないと思っただけだ。警察は、人員を総動員して、彼女を追うが、彼女は、テレビもラジオも見聞きせず、そんな騒ぎになっているとはまるで知らなかった。2日後、警察は、犯人をHaraと特定し、彼女を待ち伏せして、逮捕する。しかし、彼女が激しく抵抗したため、人がひとり死んでしまう。彼女は、裁判にかけられるが、弁護士にすら一言も口を利こうとしない。独房に入れられた彼女は、そこで初めて心を開き、赤ん坊に向かって、裁判のことをユーモラスに話したり、歌さえ唄ったりするのだった。
 上海国際映画祭2013 金爵奨コンペティション部門出品。

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 ◆学生審査員賞(The Student Critics Jury Award)
 ◎“Celestial Wives of the Meadow Mari (Nebesnye Ženy Lugovykh Mari)”(ロシア) 監督:アレクセイ・フェドルチェンコ(Alexey Fedorchenko) [UKプレミア]
 物語:ロシア西部に住むマリ族の人々を主人公とする22の物語で構成される。舞台は孤立した小さな村で、人々の名前はみんなOから始まる。登場人物は、いくつかの物語で重複している。彼らはみんな何か奇妙な儀式に関わっているらしいが、それについての説明はない。たとえば、冒頭に出てくる女性は言う。「寝ていると、夫のせいで、脚が脱臼する。」 同じ女性は、恐ろしい部族衣裳を身につけた人々に雪の玉を投げつけられる。女性器に魔法の鳥が押し込まれる。乳幼児にまねをした若者がペットに乳を与えている。裸の娘たちにロシアの皿が投げつけられる……。
 ローマ国際映画祭2012 インターナショナル・コンペティション部門出品。

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 【マイケル・パウエル賞/最優秀英国映画賞コンペティション部門】 (Michael Powell Award Competition)

 ※審査員:サミラ・マフマルバフ、ケヴィン・マクキッド、Derek Malcolm(映画批評家)

 ◆The Michael Powell Award for Best British Feature Film
 ◎『リヴァイアサン』“Leviathan”(仏・英・米) 監督:ルシアン・キャステイン=テイラー(Lucien Castaing-Taylor)、ヴェレーナ・パラヴェ(Verena Paravel) [UKプレミア]
 美しさと残酷さ。生と死。旧石器時代から行なわれてきた人類の最も古い仕事の1つ、漁業と漁師に焦点に当てたドキュメンタリー。ロケーションを行なわれたのは、『白鯨』の舞台ともなったマサチューセッツ州のニューベッドフォード。11台のカメラによって、自然と人間と機械が渾然一体となって行なわれる産業としての現代漁業がとらえられていく。
 羊飼いを題材にしたドキュメンタリー“Sweetgrass”(2009)で高い評価を受けたLucien Castaing-Taylorの最新作。
 トロント国際映画祭2012 WAVELENGTHS部門出品。
 セビリヤ・ヨーロッパ映画祭2012 ユーロドック賞受賞。
 イメージフォーラム・フェスティバル2012にて上映。

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 ◆特別表彰(Special Commendation)
 ◎“For Those in Peril”(英) 監督:Paul Wright [UKプレミア]
 出演:ジョージ・マッケイ(George MacKay)、ケイト・ディッキー(Kate Dickie)、ニコラ・バーリー(Nichola Burley)、マイケル・スマイリー(Michael Smiley)
 物語:アーロンは、彼の兄を含む5人の犠牲者を出した漁の事故の生き残りである。村民は、自分だけ生還した彼を責め、民謡や迷信もあって、彼をのけ者にする。
 カンヌ国際映画祭2013 批評家週間出品。

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 ◆最優秀パフォーマンス賞(The Award for Best Performance in a British Feature Film)
 ◎Jamie Blackley、Toby Regbo “uwantme2killhim? ”(英)(監督:Andrew Douglas) [ワールド・プレミア]
 出演:Jamie Blackley、トビー・レグボ(Toby Regbo)、ジョアンヌ・フロガット(Joanne Froggatt)、リズ・ホワイト(Liz White)、ジェイミー・ウィンストン(Jaime Winstone)、マーク・ウォーマック(Mark Womack)、ルイーズ・デラメール(Louise Delamere)、Amy Wren、ジェームズ・バローズ(James Burrows)、ステファニー・レオニダス(Stephanie Leonidas)
 物語:マークは、16歳で、インターネットを通じて、レイチェルと知り合い、恋に落ちる。彼は、彼女のためには何でもしたいと考えていたが、彼女が独占欲の強いボーイフレンドによって殺されてしまい、レイチェルの弟ジョン(不器用で、クラスではいつも一人ぼっちだった)と力をあわせて、レイチェルの敵を討とうと計画を練る。ところが、これが、英国政府の、進行中の秘密のオペレーションにひっかかり、当局の関心を引くことになる。やがて彼は、英国法律史に残るある犯罪にスカウトされる。
 2003年に実際に起こった事件の映画化。ブライアン・シンガー プロデュース作品。

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 【短編アニメーション部門/ノーマン・マクラレン賞】

 ◆ノーマン・マクラレン賞/ニュー・ブリティッシュ・アニメーション賞(The McLaren Award for New British Animation)
 ◎“Marilyn Myller”(英・米) 監督:マイキー・プリーズ(Mikey Please) [ワールド・プレミア]
 「物語」に関してはほとんど紹介らしい紹介がありません。トレーラーを見た限りでは、「主人公は1人の女性で、これまで抑えつけてきた彼女の内面が実体化し、モンスターとなって暴れ出す」といったものでしょうか。
 『イーグルマンズ・スタッグ』“The Eagleman Stag”で英国アカデミー賞2011短編アニメーション賞を受賞したマイキー・プリーズの最新作。
 アニメーション・アーティスト・イン・レジデンス東京2011−2012で、日本に招聘された彼が、日本に滞在中に書いた脚本を元に映画化した作品。ペイパークラフトによるストップモーションアニメーション。

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 【短編コンペティション】

 ◆最優秀短編賞(The Award for Best Short Film)
 ◎“GHL”(オーストリア) 監督:Lotte Schreiber
 物語:1950年代にドナウ川沿いに作られた保養地。建物は古く、あまり機能しておらず、しかもシーズンオフで、人がいない。そこにビジネスマンらしい人物が現れる。彼が何をしている人なのか、どうしてここにいるのかは明らかにされない。携帯電話を通して聞こえてくる会話の断片から、グローバルな経済危機があったらしいことがわかる。台詞は、哲学的だったり、経済的だったりする。悪い事態が起こっていることはみんなわかっているが、手のほどこしようがない。
 ローマ国際映画祭2012 中編&短編部門出品。
 オーバーハウゼン国際短編映画祭2013出品。
 FICUNAM映画祭(メキシコ)2013出品。
 VISウィーン・インディペンデント短編映画祭2013 ナショナル・コンペティション部門出品。スペシャル・メンション受賞。

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 ◆イノベーション賞(The Award for Creative Innovation in a Short Film)
 ◎“Doll Parts”(米) 監督:Muzi Quawson
 物語:ミニマルで静観的なロードムービー。映画に出てくるようなロサンゼルスの風景。社会のメインストリームから外れたところにいる、2人の若い女性ミュージシャンが登場し、風景やジェスチャーを通して、彼らがどういう人たちなのかが示される。現代にかろうじて残っているアメリカ文化の残り香―70年代的なパンクロックやビートニクやヒッピーといったフリースピリット運動―へのオマージュ。
 ロッテルダム国際映画祭2013 スペクトラム・ショート部門出品。

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 ◆短編部門 個人賞(The Award for Outstanding Individual Contribution to a Short Film)
 ◎Josh Gibson(撮影) “Light Plate”(米・伊)(監督:Josh Gibson)
 ネオレアリスモを彷彿とさせるモノクロのシネマ・エッセイ。トスカーナ地方の風景。パスタを作る女性。日々のルーティンでリズムが刻まれ、フレームの中に近景と遠景が交差する。差し込む日の光と、コントラストをなす影。伝統とモダニティーとフード。
 インディー・メンフィス映画祭2012出品。
 トライベッカ映画祭2013 短編ドキュメンタリー・コンペティション部門出品。
 インディー・グリット映画祭(米)2013出品、

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 ◆スペシャル・メンション(Special Mention)
 ◎Charlotte Rabate “Lucille in The Sky”(米) [ワールド・プレミア]
 物語:26歳のルシールは、交通事故で記憶を失う。彼女は、記憶の断片をかき集めようとし、彼女の母親とボーイフレンドもそれを手助けするが、彼女の心は夢と現実の狭間をさまよい出す。彼女は、母親が彼女をコントロールしようとしていることには気づかない。
 NYU Tisch School of the Artsの学生作品。NYで4日間で撮影された。

 ◎Ivan Castineiras “The Border(A Raia)”(ポルトガル・西)
 スペインのガリチア地方南東部とポルトガルの北西部にまたがる国境地帯。山々に囲まれ、気候も厳しい。ここで暮らす人たちは、農業を営んでいるが、国からも歴史からもほとんど忘れられかけている。さまざまな状況が彼らを特別にし、しかも、彼らのことはまだあまり知られていない。
 DocLisboa 2012 ナショナル・セレクション出品。

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 ◎Anna Frances Ewert “Endless Day”(独)
 ガタガタとゆれる地下鉄に乗り続けたり、町を横切る影を追ったり……。不眠症を抱え、眠れぬ夜を過ごす人々の意識や感情を映像化した作品。
 サンダンス映画祭2013 出品。
 SXSW映画祭2013出品。

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 【その他の賞】

 ◆観客賞(The Audience Award)
 ◎“Fire in the Night”(英) 監督:Anthony Wonke [ワールド・プレミア]
 1988年7月6日、北海の石油生産プラットフォーム、パイパー・アルファで爆発・火災が発生し、167人が死亡するという、海上油田における史上最大の事故となる。当時の映像と、現在のインタビューを通じて、事故の恐怖と不安を再現し、かつ、生存者の複雑な感情を明らかにする。

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 インターナショナル長編コンペティションも、マイケル・パウエル賞も、そして短編部門のいくつかと、観客賞も、ドキュメンタリーが制すという結果になりました。

 既に高い評価を得ていた“A World Not Ours”と『リヴァイアサン』、異色作の“Celestial Wives of the Meadow Mari”と注目作の“uwantme2killhim? ”、特異なシチュエーションに追い込まれた主人公の行動を描いた“Joy (Hara)”と“For Those in Peril”、という風に、異なるタイプの作品に賞を割り振ったのは、審査員たちのバランス感覚なのでしょうか。

 インターナショナル長編コンペティションの最優秀作品賞は、“A World Not Ours”だったわけですが、審査員長のポン・ジュノの好みは、スペシャル・メンションの“Joy (Hara)”の方に出たように思いますが、そんなこともないでしょうか。

 短編は、観念的、抽象的、実験的な作品(そして白黒の作品)が多いですね。

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 *当ブログ記事

 ・エジンバラ国際映画祭2013 コンペティション部門ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201306/article_14.html
 ・エジンバラ国際映画祭2012 ラインナップ&受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201207/article_5.html
 ・エジンバラ国際映画祭2010受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201007/article_3.html
 ・エジンバラ国際映画祭2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200906/article_31.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2013年5月〜12月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201305/article_9.html

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