海から始まる!?

アクセスカウンタ

zoom RSS 香港国際映画祭2013 受賞結果!

<<   作成日時 : 2013/05/12 22:10   >>

トラックバック 0 / コメント 0

 第37回香港国際映画祭(第37届香港國際電影節/3月17日-4月2日)の各賞の結果です。

 【香港国際映画祭】
 香港国際映画祭には、大きく分けて
 ・GALA部門
 ・コンペティション部門
 ・Masters & Auteurs部門
 ・ワールド・シネマ部門
 ・ドキュメンタリー部門
 ・Platforms部門(最新香港パノラマ、インディーズ、アニメーション、ファンタスティック映画、アヴァンギャルド映画、修復された古典作品などを上映)
 ・フォーカス部門(テーマや人物の特集)
 ・トリビュート部門
 ・協賛企画部門
 があり、コンペティション部門には、ヤング・シネマ部門、ドキュメンタリー部門、短編映画部門の3つがあります。

 コンペティション部門は3つですが、オフィシャルの賞は5つあって、コンペティション部門3部門以外の2つの賞、国際批評家連盟賞とSIGNIS賞は、その他の部門から選ばれます(ただし、すべての作品が受賞の対象になるのではなく、候補作品は予め指定されています) 。

 ラインナップ的には、秋の映画祭サーキットをまわってきた作品と、ロッテルダム国際映画祭、ベルリン国際映画祭で上映された作品が多く、その中でもアジア映画を中心にプログラムが組まれています。

 今年のフォーカス部門の特集は、「アンドリュー・ラウ フィルムメーカー・イン・フォーカス」「シネマティック・マトリックス・オブ・ゴールデン ハーベスト」、トリビュート部門の特集は、「ジェームズ・ブロートン 幸福の100年(James Broughton 100years of Happiness)」「木下惠介 隠された4つの宝石(Kinoshita Keisuke Four Hidden Gems)」です。
 「木下惠介 隠された4つの宝石(Kinoshita Keisuke Four Hidden Gems)」は、木下惠介監督の「埋もれた名作」4作品を上映するプログラムで、上映作品は『歓呼の町』『婚約指輪』『夕やけ雲』『死闘の伝説』です。(これに『女』を加えた5作品がベルリン国際映画祭2013フォーラム部門で上映されています。)

 今年の受賞作品は、以下の通りです。

画像

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 ヤング・シネマ コンペティション】(Young Cinema Competition)

 ◎グランプリ(Firebird Award):“In Bloom(Grzeli nateli dgeebi)”(グルジア・独・仏) 監督:Nana Ekvtimishvili、Simon Gross

画像

 “In Bloom(Grzeli nateli dgeebi)”(グルジア・独・仏) 監督:Nana Ekvtimishvili、Simon Gross
 物語:ソ連が崩壊して数年経ったグルジアのトビリシ。エカとナティアは、仲良しの10代の少女。ナティアの家は、父親が刑務所に入っていて、母と姉とで暮らしている。母の戸棚には、大切にしまわれている箱があって、その中には、手紙とソ連時代のパスポートと意味ありげなタバコが入っている。一方、エカの家は、アル中で口うるさい父親がいて、いつも騒々しい。エカには、彼女のことが好きな男の子が2人いて、1人はハンサムなラドで、もう1人は、悪い仲間とつるんでいるコテ(Kote)だ。コテは、エカをさらい、強引に妻にしようとする。コテがラドを殺した時、エカとナティアは、運命の選択を迫られる。エカには、ラドから預かった1発の銃弾が入った銃があった……。
 ベルリン国際映画祭2013 フォーラム部門出品。C.I.C.A.E.賞受賞。

画像

 ◎審査員賞(Jury Prize):『愛の身替わり』“All Apologies(愛的替身)”(中) 監督:エミリー・タン(Emily Tang/唐曉白)

画像

 『愛の身替わり』“All Apologies(愛的替身)”(中) 監督:エミリー・タン(Emily Tang/唐曉白)
 物語:息子が交通事故で死んで、チェンは、車を運転していた男の妻に、俺の子どもを返してくれ、さもなくば俺に新しい子どもをよこせと迫る。彼女は、裁判所の命令と、かさんでいく医療費と、彼女を脅かすチェンの妻の行動とが積み重なって苦しみ、道徳的ジレンマに陥る。
 サンセバスチャン国際映画祭2012 コンペティション部門出品。
 釜山国際映画祭2012 アジア映画の窓部門出品。
 東京フィルメックス2012 コンペティション部門出品。

画像

 ◎スペシャル・メンション(Special Mention):“Longing for the Rain(春夢)”(香港) 監督:Yang Lina(楊嘉鈉)

 “Longing for the Rain(春夢)”(香港) 監督:Yang Lina(楊嘉鈉)
 物語:現代の中国。新興富裕族は、飽くなき物質主義に取りつかれている。それに虚しさを感じながらも、心は渇き、物欲を抑えることができない。本作の主人公ファン・レイもそんな女性のひとりだ。家庭は平和だが、夫との間には愛もセックスもなく、夫と顔を合わせるのも夢の中くらいだ。彼女が気にかけていることと言えば、娘の成長だけだ。ある夜、彼女は、若い男性と出会い、情熱的な愛を交わす。その後、再会して、これまでに体験したことのないような喜びを感じる。彼女は、夢と現実の区別がつかなくなり、現実の夫の方が夢なのではないかとさえ思えてくる。やがてそんな夢の中に嫉妬深いライバルが登場する……。
 初監督作品。
 ロッテルダム国際映画祭2013 コンペティション部門出品。

画像

 [その他のエントリー作品]
 ・“A Fold in My Blanket”(グルジア) 監督:Zaza Rusadze
 ・“What They Don't Talk About When They Talk About Love”(インドネシア) 監督:Mouly Surya
 ・“Forgetting to Know You(陌生)”(中) 監督:Quan Ling(權聆)
 ・“Emperor Visits the Hell(唐皇遊地府)”(中・カナダ) 監督:Li Luo(李珞)
 ・“Pluto”(韓) 監督:Shin Su-won

 【ドキュメンタリー コンペティション】(Documentary Competition)

 ◎グランプリ(Firebird Award):『先祖になる』“Roots”(日) 監督:池谷薫
 『先祖になる』は、ベルリン国際映画祭2013 エキュメニカル審査員賞スペシャル・メンションに続いての受賞になります。

画像

 ◎審査員賞(Jury Prize):“Oh, the San Xia(三峽啊)”(中) 監督:Wang Libo(王利波)

画像

 “Oh, the San Xia(三峽啊)”(中) 監督:Wang Libo(王利波)
 三峡ダムが2012年にフル稼働するまでの最終段階を追ったドキュメンタリー。三峡ダムの建設プロジェクトには、これまで、毛沢東、周恩来、ケ小平、江沢民ら、中国のトップが関わってきた。このプロジェクトには、地域経済の排除、長期にわたる環境破壊、強制移住などの問題がつきまとってきた。監督のWang Liboは、中国でも最も論議の多いこのプロジェクトについて、批評主義的な観点でアプローチする。

画像

 ◎スペシャル・メンション(Special Mention):“Redemption Impossible”(独・オーストリア・ハンガリー) 監督:Christian Rost、Claus Strigel

 “Redemption Impossible(Unter Menschen)”(独・オーストリア・ハンガリー) 監督:Christian Rost、Claus Strigel
 20年前、オーストリアの農場で育ったレナートとアンヌマリーは、当時17歳で、動物看護士を目指していた。しかし、運命のいたずらで、彼らはウィーンにある製薬会社Immunoの動物実験の研究所に送られる。そこでは、チンパンジーが、HIVや肝炎やインフルエンザ・ウィルスの動物実験に使われていた。動物にとっては、拷問のような生活で、実験に使われた動物は、動けず、仲間との接触も認められず、小さな檻の中に閉じ込められることになる。レナートとアンヌマリーは、逃げ出して、今後一切ここであったことを忘れるか、これからもずっとこれを続けるかしかなかった。彼らにできる最低限のことは、将来、動物看護士になるという夢に一縷の望みを託して、サルたちとささやかなやりとりをするくらいしかなかった。
 一方、1973年、ワシントンで動物保護に関する条約(ワシントン条約)が締結される。これを批准すれば、動物の輸入が自由にできなくなる。大手製薬会社にとって、簡単には承服できない話で、オーストリアの批准は、1986年にまで遅れた(世界で74カ国目)。しかし、批准してからも4年間はシエラレオネから20頭のチンパンジーが違法に輸入されたりした。
 1997年、アメリカの製薬会社BaxterがImmunoを引き継ぐ。しかし、問題は何も変わらない。心や体に痛手を負った動物たちをどうすればいいのか。解決策として、ウィーン近くにサファリパークを作り、心や体に痛手を負った動物たちをケアし、動物たちが社会的な集団生活に戻れるように面倒を見るという案が出され、レナートとアンヌマリーがこれに参加することになった。
 ところが計画が順調に進みかけていた2005年、サファリパークの運営会社が倒産する。動物たちも従業員も引き取り手がなく、プロジェクトに関わった人々もどんどん去っていく。こうして厳しい数年間が続いた後、動物保護会社Aiderbichlが名乗りを上げて、プロジェクトを引き継ぎ、動物たちの再社会化に向けて、新たな計画が練り直される。こうしてレナートとアンヌマリーの20年来の夢がようやく実現しつつある。
 ベルリン国際映画祭2013 ベルリナーレ・スペシャル部門出品。

画像

 [その他のエントリー作品]
 ・“Father's Birth”(仏) 監督:Delphine Lanson
 ・“The Act of Killing”(デンマーク・ノルウェー・英) 監督:Joshua Oppenheimer
 ・“Gulabi Gang”(ノルウェー・インド・デンマーク) 監督:Nishtha Jain
 ・“Trace(痕跡)”(中・日) 監督:Huang Ji(黃驥)、大塚竜治
 ・“Mea Maxima Culpa: Silence in the House of God”(米) 監督:アレックス・ギブニー

 【短編 コンペティション】(Short Film Competition)

 ◎グランプリ(Firebird Award):“Night Shift”(ニュージーランド) 監督:Zia Mandviwalla
 カンヌ国際映画祭2012 短編コンペティション部門出品。

画像

 ◎審査員賞(Jury Prize):“Room 606(Zimmer 606)”(スイス) 監督:Peter Volkart
 モントリオール世界映画祭2012 ワールド・コンペティション部門出品。
 シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭2012 ファンタスティック短編コンペティション部門出品。

画像

 ◎香港特別賞(Special Prize (Hong Kong)):“Soeng(想)”(香港) 監督:Lam Ho-tak(林昊コ)

画像

 【国際批評家連盟賞】

 ◎国際批評家連盟賞:“In Bloom”(グルジア・独・仏) 監督:Nana Ekvtimishvili、Simon Gross

画像

 【SIGNIS賞】

 ◎SIGNIS賞:“The Patience Stone”(アフガニスタン・仏) 監督:Atiq Rahimi

画像

 “The Patience Stone”(アフガニスタン・仏) 監督:Atiq Rahimi
 物語:激しい戦禍を蒙った国。老朽化した部屋で、ひとりの女性が夫を見守っている。夫は首に被弾して、植物人間になってしまったのだ。彼女は、もの言わぬ夫に向って、子ども時代のことや自分のフラストレーション、孤独、願いについて語り始める。
 トロント国際映画祭2012 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。
 釜山国際映画祭2012 ワールド・シネマ部門出品。
 ヒホン国際映画祭2012 コンペティション部門出品。女優賞受賞(ゴルシフテ・ファハラニ)。
 米国アカデミー賞2013 外国語映画賞 アフガニスタン代表。
 アジア映画賞2013 主演女優賞ノミネート。

画像

 ◎スペシャル・メンション(Special Mention):『テセウスの船』“Ship of Theseus”(インド) 監督:アーナンド・ガーンディー

 『テセウスの船』“The Ship Of Theseus”(インド) 監督:アーナンド・ガーンディー(Anand Gandhi)
 物語: 物語:病気にかかった信心深い僧侶、これまで目が見えなかったのに突然視力を取り戻した女性、臓器の国際的な売買に関わっていく株のブローカー。それまで全くの赤の他人だった3人の人生が交わって、ムンバイのストリートを万華鏡のように見せていく。
 トロント国際映画祭2012 CITY TO CITY部門出品。
 BFIロンドン映画祭2012 第1回作品コンペティション部門出品。
 ムンバイ映画祭2012 技術賞受賞(パンカジ・クマール(Pankaj Kumar)(撮影監督))。
 東京国際映画祭2012 コンペティション部門出品。
 ドバイ国際映画祭2012 女優賞受賞(アイーダ・エル・カーシフ(Aida El-Kashef))。
 アジア映画賞2013 脚本賞ノミネート。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 結果的に、既にどこかほかの映画祭で上映されたような作品ばかりになってしまっていますが、現在のアジア各国の現状を如実に映し出すような、興味深い作品が並んでいるような気がしますね。

 “Redemption Impossible(Unter Menschen)”に関して、長々と作品紹介を書いてしまいましたが、こうした事実は全く知らなかったし、これに似たようなことは日本でも起こっていたはずなのに全く知らされてこなかったという思いがあったからですね。
 現在の日本の映画館で、これを上映して需要があるかというと、「よっぽどのこと」がないと厳しそうだし、日本で日の目を見ないのであれば、せめて文字に書き起こすくらいはしておこうという気持ちもありました。
 上映されるとしたら、映画祭くらいのはずで、東京国際映画祭のnatural TIFFか、山形国際ドキュメンタリー映画祭か、どちらかでしょうか。

 *この記事が参考になった!と思ったら、人気ブログランキングにクリックをお願いします。
 ↓ ↓ ↓ ↓
 
 ↑ ↑ ↑ ↑
 クリックしてね!

 *当ブログ記事

 ・香港国際映画祭2012:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201204/article_12.html

 ・香港電影金像奨2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201302/article_10.html
 ・香港電影金像奨2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201304/article_9.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2012年12月〜2013年5月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_50.html
 ・映画賞&映画祭カレンダー 2013年5月〜12月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201305/article_9.html

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
香港国際映画祭2013 受賞結果! 海から始まる!?/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる