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zoom RSS インディペンデント・スピリット・アワード2013 結果発表!

<<   作成日時 : 2013/02/24 21:20   >>

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 第28回インディペンデント・スピリット・アワードの結果が発表されました。(2月23日)

 【インディペンデント・スピリット・アワード】

 この賞は、Film IndependentというNPO団体が選出する映画賞で、制作費が2000万ドル以下で、1週間以上商業公開されるか、または、サンダンス映画祭(1月)、ニューヨークND/NF(New Directors/New Films)映画祭(3月)、ロサンゼルス映画祭(6月)、トロント国際映画祭(9月)、テルライド映画祭(9月)、ニューヨーク映画祭(10月)、のいずれかで上映された作品(70分以上の長さがある)を対象としています。つまり、製作費が少なくても、意欲的な映画、志の高い映画を選んで表彰しようという、コンセプトの映画賞です(設立は1984年)。

 この賞は、年々、製作費が高くなることと、そういう映画を持てはやす風潮に異議を唱える目的で設立されたものですが、それは反アカデミー賞という意味合いも持っていて、授賞式は、意図的にアカデミー賞の前日に設定されています。だから、「アカデミー賞の前哨戦の1つ」のように見えても、決して「アカデミー賞の前哨戦の1つ」などではないわけです。

 過去の受賞作を見てみると、『ザ・プレイヤー』『パルプ・フィクション』『ファーゴ』『メメント』『エデンより彼方に』『ロスト・イン・トランスレーション』『サイドウェイ』となかなかの品揃えで、2007年は『リトル・ミス・サンシャイン』、2008年は『JUNO/ジュノ』、2009年は『レスラー』、2010年は『プレシャス』、2011年は『ブラック・スワン』、2012年は『アーティスト』が選ばれています。

 近年のアカデミー賞を見ると、良し悪しは別にして、明らかにインディペンデント・スピリット・アワード(もしくはその精神)の影響を受けているように思われます。その一方で、インディペンデント・スピリット・アワード自体も変わりつつありますが……。

 今年の受賞結果は以下の通りです。

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 ◆作品賞
 ・『ハッシュパピー〜バスタブ島の少女〜』 監督:ベン・ザイトリン
 ・“Bernie” 監督:リチャード・リンクレイター
 ・“Keep the Lights On” 監督:アイラ・サックス
 ・『ムーンライズ・キングダム』 監督:ウェス・アンダーソン
 ◎『世界にひとつのプレイブック』 監督:デイヴィッド・O・ラッセル

 ◆監督賞
 ・ウェス・アンダーソン 『ムーンライズ・キングダム』
 ・Julia Loktev “TheLongest Planet”
 ◎デイヴィッド・O・ラッセル 『世界にひとつのプレイブック』
 ・アイラ・サックス “Keep the Lights On”
 ・ベン・ザイトリン 『ハッシュパピー〜バスタブ島の少女〜』

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 ◆主演男優賞
 ・ジャック・ブラック “Bernie”
 ・ブラッドリー・クーパー 『世界にひとつのプレイブック』
 ◎ジョン・ホークス “The Sessions”(監督:ベン・リューイン)
 ・トゥーレ・リントハート(Thure Lindhardt) “Keep the Lights On”
 ・マシュー・マコノヒー 『キラー・スナイパー』(監督:ウィリアム・フリードキン)
 ・ウェンデル・ピアース “Four”(監督:Joshua Sanchez)

 なぜかここだけノミネート数が6になっています。

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 ◆主演女優賞
 ・リンダ・カーデリーニ(Linda Cardellini) “Return”(監督:Liza Johnson)
 ・Emayatzy Corinealdi “Middle of Nowhere”(監督:Ava DuVernay)
 ◎ジェニファー・ローレンス 『世界にひとつのプレイブック』
 ・クヮヴェンジャネ・ウォリス 『ハッシュパピー〜バスタブ島の少女〜』
 ・メアリー・エリザベス・ウィンステッド “Smashed”(監督:James Ponsoldt)

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 ◆助演男優賞
 ◎マシュー・マコノヒー “Magic Mike”(監督:スティーヴン・ソダーバーグ)
 ・デイヴィッド・オイェロウォ(David Oyelowo) “Middle of Nowhere”
 ・マイケル・ペーニャ(Michael Péna) “End of Watch”(監督:デイヴィッド・エアー)
 ・サム・ロックウェル “Seven Psychopaths”(監督:マーティン・マクドナー)
 ・ブルース・ウィリス 『ムーンライズ・キングダム』

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 ◆助演女優賞
 ・ローズマリー・デウィット “Your Sister’s Sister”(監督:Lynn Shelton)
 ・アン・ダウド(Ann Dowd) “Compliance”(監督:Craig Zobel)
 ◎ヘレン・ハント “The Sessions”
 ・ブリット・マーリング “Sound of My Voice”(監督:Zal Batmanglij)
 ・ロレイン・トゥーサント(Lorraine Toussaint) “Middle of Nowhere”

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 ◆脚本賞
 ・ウェス・アンダーソン、ロマン・コッポラ 『ムーンライズ・キングダム』
 ・ゾーイ・カザン 『ルビー・スパークス』(監督:ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス)
 ・マーティン・マクドナー “Seven Psychopaths”
 ◎デイヴィッド・O・ラッセル 『世界にひとつのプレイブック』
 ・アイラ・サックス “Keep the Lights On”

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 ◆撮影賞
 ・Yoni Brook “Valley of Saints”(監督:Musa Syeed)
 ・ロル・クローリーロ(Lol Crawley) “Here”(監督:Braden King)
 ◎ベン・リチャードソン 『ハッシュパピー〜バスタブ島の少女〜』
 ・Roman Vasyanov “End of Watch”
 ・ロバート・D・イェーマン 『ムーンライズ・キングダム』

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 ◆第1回作品賞
 ・“Fill the Void”(イスラエル) 監督:Rama Burshtein
 ・“Gimme the Loot” 監督:Adam Leon
 ・“Safety Not Guaranteed” 監督:Colin Trevorrow
 ・“Sound of My Voice” 監督:Zal Batmanglij
 ◎“The Perks of Being a Wallflower” 監督:スティーヴン・チョボスキー(Stephen Chbosky)

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 ◆第1回脚本賞
 ・Rama Burshtein “Fill the Void”
 ◎Derek Connolly “Safety Not Guaranteed”
 ・Christopher Ford “Robot & Frank”(監督:Jake Schreier)
 ・Rashida Jones 、Will McCormack “Celeste and Jesse Forever”(監督:Lee Toland Krieger)
 ・Jonathan Lisecki “Gayby”(監督:Jonathan Lisecki)

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 ◆ジョン・カサヴェテス賞
 50万ドル以下の低予算映画を選考対象とする。
 ・“Breakfast with Curtis” 監督:Laura Colella
 ◎“Middle of Nowhere” 監督:Ava DuVernay
 ・“Mosquita y Mari” 監督:Aurora Guerrero
 ・“Starlet” 監督:Sean Baker
 ・“The Color Wheel” 監督:Alex Ross Perry

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 ◆ロバート・アルトマン賞/アンサンブル賞
 ◎“Starlet” 監督:Sean Baker

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 ◆ドキュメンタリー賞
 ・“How to Survive a Plague” 監督:David France
 ・“Marina Abramović: The Artist is Present” 監督:Matthew Akers
 ・“The Central Park Five” 監督:Ken Burns、Sarah Burns、David McMahon
 ◎“The Invisible War” 監督:カービー・ディック(Kirby Dick)
 ・“The Waiting Room” 監督:Peter Nicks

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 ◆外国映画賞
 ◎『愛、アムール』(オーストリア・仏・独) 監督:ミヒャエル・ハネケ
 ・『昔々、アナトリアで』“Once Upon A Time in Anatolia”(トルコ) 監督:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン
 ・『君と歩く世界』(仏・ベルギー) 監督:ジャック・オディアール
 ・『シスター』“Sister”(仏・スイス) 監督:ウルスラ・メイヤー
 ・『魔女と呼ばれた少女』(カナダ) 監督:キム・グエン

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 ◆「今後の劇場公開を期待したい」映画賞(Someone To Watch Award)
 まだ大きな映画賞などを受賞したりしていない優れたフィクション作品の作り手に贈られる。
 ・“Pincus” 監督:David Fenster
 ◎“Gimme the Loot” 監督:Adam Leon
 ・『エレクトリック・チルドレン』“Electrick Children” 監督:レベッカ・トーマス(Rebecca Thomas)

 ◆事実は小説より奇なり(Truer Than Fiction Award)
 まだ大きな映画賞などを受賞したりしていない優れたドキュメンタリー作品の作り手に贈られる。
 ・“Leviathan” 監督:Lucien Castaing-Taylor、Véréna Paravel
 ◎“The Waiting Room” 監督:Peter Nicks
 ・“Only the Young” 監督:Jason Tippet、Elizabeth Mims

 ◆ピアジェ・プロデューサー賞(Piaget Producers Award)
 ・“Nobody Walks”(監督:Ry Russo-Young) プロデューサー:Alicia Van Couvering
 ・“Prince Avalanche”(監督:David Gordon Green) プロデューサー:Derrick Tseng
 ◎“Stones in the Sun”(監督:Patricia Benoit) プロデューサー:Mynette Louie

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 ◆Find Your Audience Award
 ・“Birth Story” 監督:Sara Lamm、Mary Wigmore
 ◎“Breakfast With Curtis” 監督:Laura Colella
 ・“History of Future Folk” 監督:J.Anderson Mitchell

 ◆特別賞(Special Distinction)
 ◎ハリス・サヴィデス(1957-2012)
 ガス・ヴァン・サント作品の撮影監督として知られる故ハリス・サヴィデスに特別賞が贈られ、プレゼンターを『SOMEWHERE』のソフィア・コッポラが務め、娘のソフィアが父に代わって授賞式に出席しました。

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 主な作品のノミネート&受賞状況は以下の通りです。

 ・『ムーンライズ・キングダム』(0/5):作品・監督・助演男優・脚本・撮影
 ・『ハッシュパピー〜バスタブ島の少女〜』(1/4):作品・監督・主演女優・撮影
 ・“Keep the Lights On”(0/4):作品・監督・主演男優・脚本
 ・『世界にひとつのプレイブック』(4/4):作品・監督・主演女優・脚本
 ・“Middle of Nowhere”(1/4):主演女優・助演男優・助演女優・カサヴェテス
 ・“Bernie”(0/2):作品・主演男優
 ・“The Sessions”(2/2):主演男優・助演女優
 ・“End of Watch”(0/2):助演男優・撮影
 ・“Seven Psychopaths”(0/2):助演男優・脚本
 ・“Sound of My Voice”(0/2):助演女優・第1回
 ・“Fill the Void”(0/2):第1回・第1回脚本
 ・“Gimme the Loot”(1/2):第1回・Someone
 ・“Safety Not Guaranteed”(1/2):第1回・第1回脚本
 ・“Starlet”(1/2):カサヴェテス・アルトマン

 二転三転した本年度の全米映画賞レースを見てきた目で、今回のインディペンデント・スピリット・アワードの受賞結果を見ると、いまさら『世界にひとつのプレイブック』が最多受賞になっても、ちょっと面白みに欠けるなあという印象を持ってしまいます。

 早い時期にノミネーションを発表して、最後から2番目に遅く受賞結果を発表するというスケジュールのインディペンデント・スピリット・アワードだから、仕方がないといえば仕方がないことなのですが、もうちょっと新鮮な驚きが欲しかったというような気もしますね。

 といっても

 ・撮影監督のベン・リチャードソンがかなり若いらしいこと
 ・セザール賞は欠席したミヒャエル・ハネケが、ここには出席していること
 ・撮影監督のハリス・サヴィデスが55歳の若さで脳腫瘍で亡くなっていたこと

 などといった発見はありましたが、受賞結果そのものとはあまり関係がないかもしれません。

 インディー作品をめぐる状況が変わり、インディー作品自体も変わり、さらに今回の受賞結果を受けて、インディペンデント・スピリット・アワードは、インディーとは名ばかりで、大々的に公開されるメジャー作品とほとんど変わらないような公開のされ方をしている「インディー作品」ばかりを取り上げて、インディー・スピリットを失ってしまったのではないかとささやかれています。
 まあ、全くその通りだと頷くしかありませんね。
 いったん動き出した流れは止められませんし、真にインディー作品を応援するためには、新たな「インディペンデント・スピリット・アワード」を立ち上げるしかないかもしれません。

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 *当ブログ記事

 ・インディペンデント・スピリット・アワード2009 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_8.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2009 受賞結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200902/article_30.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2010 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200912/article_3.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2010 受賞結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201003/article_12.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2011 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_1.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2011 受賞結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201102/article_50.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2012 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_28.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2012 受賞結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201202/article_43.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2013 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201211/article_26.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2012年12月〜2013年5月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_50.html

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