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zoom RSS 映画のプロはこう選んだ! インターナショナル・シネファイル・ソサエティー賞2013!

<<   作成日時 : 2013/02/12 23:04   >>

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 第10回インターナショナル・シネファイル・ソサイエティー賞の結果が発表されました。(2月11日)

 【インターナショナル・シネファイル・ソサエティー賞】

 インターナショナル・シネファイル・ソサイエティー賞(ICS:International Cinephile Society Award)は、オンラインで行なわれるインディペンデント映画と外国映画のための映画賞で、2003年に創設され、今回で第10回を迎えています。

 メンバーは、映画ジャーナリストや映画研究者、映画史家、および、映画祭や各種イベントなどで映画産業に関わる映画のプロフェッショナルで、会員数は約80人で、5大陸に及ぶ、と紹介されています。

 そういった人々が選ぶ映画賞なので、全米映画賞レースの流れとは関係なく、映画の国籍とも無関係に、独自の視点で、映画をチョイスしていて、たとえば、2010年には、作品賞トップ10に、2位に『トウキョウソナタ』、6位に『歩いても 歩いても』、9位に『崖の上のポニョ』を選んだりしています。

 アメリカを拠点としつつも、アメリカ映画のみにこだわらずに、作品をチョイスする映画賞としては、他に、ロサンゼルス映画批評家協会賞や全米映画批評家協会賞、クロトゥルーディス賞などがありますが、それらに比べても、このインターナショナル・シネファイル・ソサイエティー賞は、作品をチョイスする幅がひときわワールドワイドで、ユニークな映画賞になっています。

 今年の受賞結果は以下の通りです。

 *公式サイト:http://icsfilm.org/index.php

 なお、この賞には「国際シネフィル協会賞」という訳語を当てている人もいます。

画像

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 ◆作品賞
 1.『ホーリー・モーターズ』
 2.『熱波』“Tabu”(ポルトガル・独・ブラジル・仏)(監督:ミゲル・ゴメス)
 3.『愛、アムール』
 4.『ゼロ・ダーク・サーティ』
 5.『ザ・マスター』
 6.『ムーンライズ・キングダム』
 7.『昔々、アナトリアで』(トルコ・ボスニア ヘルツェゴビナ)(監督:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン)
 8.『ジャンゴ 繋がれざる者』
 9.『リンカーン』
 10.『クラウド アトラス』

 ◆監督賞
 ・ポール・トーマス・アンダーソン 『ザ・マスター』
 ・キャスリン・ビグロー 『ゼロ・ダーク・サーティ』
 ◎レオス・カラックス 『ホーリー・モーターズ』
 ・ヌリ・ビルゲ・ジェイラン 『昔々、アナトリアで』
 ○ミゲル・ゴメス 『熱波』“Tabu”

 ○印は次点です。

 ◆主演男優賞
 ・ダニエル・デイ=ルイス 『リンカーン』
 ◎ドニ・ラヴァン 『ホーリー・モーターズ』
 ・Anders Danielsen Lie “Oslo, August 31st”(ノルウェー)(監督:Joachim Trier)
 ・ホアキン・フェニックス 『ザ・マスター』
 ・マティアス・スーナールツ 『闇を生きる男』
 ○ジャン=ルイ・トランティニャン 『愛、アムール』

 ◆主演女優賞
 ・ジェシカ・チャステイン 『ゼロ・ダーク・サーティ』
 ○マリオン・コティヤール 『君と歩く世界』
 ・グレタ・ガーウィグ “Damsels in Distress”(米)(監督:ホイット・スティルマン)
 ・ニーナ・ホス 『東ベルリンから来た女』
 ◎エマニュエル・リヴァ 『愛、アムール』
 ・レイチェル・ワイズ “The Deep Blue Sea”(米・英)(監督:テレンス・デイヴィス)

 ◆助演男優賞
 ・ドワイト・ヘンリー 『ハッシュパピー〜バスタブ島の少女〜』
 ◎フィリップ・シーモア・ホフマン 『ザ・マスター』
 ・マシュー・マコノヒー 『キラー・スナイパー』
 ○クリストフ・ヴァルツ 『ジャンゴ 繋がれざる者』
 ・ユ・ジュンサン 『3人のアンヌ』(韓)(監督:ホン・サンス)

 ◆助演女優賞
 ◎エイミー・アダムス 『ザ・マスター』
 ○ローズマリー・デウィット “Your Sister's Sister”(米)(監督:Lynn Shelton)
 ・ジーナ・ガーション 『キラー・スナイパー』
 ・ニコール・キッドマン “The Paperboy”(米)(監督:リー・ダニエルズ)
 ・エディット・スコブ 『ホーリー・モーターズ』

 ◆オリジナル脚本賞
 ・『愛、アムール』 ミヒャエル・ハネケ
 ・『ホーリー・モーターズ』 レオス・カラックス
 ・『ザ・マスター』 ポール・トーマス・アンダーソン
 ○『ムーンライズ・キングダム』 ウェス・アンダーソン、ロマン・コッポラ
 ◎『熱波』“Tabu” ミゲル・ゴメス、Mariana Ricardo
 ・『ゼロ・ダーク・サーティ』 マーク・ボール

 ◆脚色賞
 ・『コズモポリス』 デイヴィッド・クローネンバーグ
 ・“The Deep Blue Sea” テレンス・デイヴィス
 ○『リンカーン』 トニー・クシュナー
 ◎“Oslo, August 31st” Joachim Trier、Eskil Vogt
 ・『君と歩く世界』 ジャック・オディアール、トーマス・ビデガン

 ◆撮影賞
 ○『ザ・マスター』 ミハイ・マライメア・ジュニア
 ◎『昔々、アナトリアで』 ギョクハン・ティリィヤキ(Gökhan Tiryaki)
 ・『007 スカイフォール』 ロジャー・ディーキンス
 ・『熱波』“Tabu” Rui Poças
 ・『ニーチェの馬』 フレッド・ケレメン

 ◆編集賞
 ・『クラウド アトラス』 アレクサンダー・バーナー(Alexander Berner)
 ・『ホーリー・モーターズ』 ネリー・ケティエ(Nelly Quettier)
 ・『ザ・マスター』 レスリー・ジョーンズ, ピーター・マクナルティ
 ○『ムーンライズ・キングダム』 アンドリュー・ワイスブラム(Andrew Weisblum)
 ◎『ゼロ・ダーク・サーティ』 ウィリアム・ゴールデンバーグ、ディラン・ティチェナー

 ◆美術賞(Production Design)
 ○『アンナ・カレーニナ』 サラ・グリーンウッド
 ・『ホーリー・モーターズ』 フローリアン・サンソン(Florian Sanson)
 ・『ザ・マスター』 デイヴィッド・クランク、ジャック・フィスク
 ◎『ムーンライズ・キングダム』 アダム・ストックハウゼン
 ・『プロメテウス』 アーサー・マックス

 ◆オリジナル作曲賞
 ◎『アンナ・カレーニナ』 ダリオ・マリアネッリ
 ・『ハッシュパピー〜バスタブ島の少女〜』 ダン・ローマー、ベン・ザイトリン
 ・『クラウド アトラス』 ラインホルト・ハイル、ジョニー・クリメック、トム・ティクヴァ
 ○『ザ・マスター』 ジョニー・グリーンウッド
 ・『ムーンライズ・キングダム』 アレクサンドル・デプラ

 ◆アンサンブル賞
 ・『ホーリー・モーターズ』
 ・『リンカーン』
 ◎『ムーンライズ・キングダム』
 ○『昔々、アナトリアで』
 ・『熱波』“Tabu”

 ◆ドキュメンタリー賞
 ・“How to Survive a Plague”(米) 監督:David France
 ・“The Imposter”(英) 監督:Bart Layton
 ○“Marina Abramovic: The Artist is Present”(米) 監督:Matthew Akers、Jeff Dupre
 ・“The Queen of Versailles” 監督:ローレン・グリーンフィールド(Lauren Greenfield)
 ◎『これは映画ではない』(イラン) 監督:ジャファール・パナヒ、モジタバ・ミルタマスブ

 ◆アニメーション賞
 ・『フランケンウィニー』
 ・『パラノーマン ブライス・ ホローの謎』
 ◎『借りぐらしのアリエッティ』“The Secret World of Arrietty”
 ○『TATSUMI』“Tatsumi”(シンガポール)(監督:エリック・クー)
 ・『シュガー・ラッシュ』

 ◆外国語映画賞(Film Not In The English Language)
 1.『ホーリー・モーターズ』
 2.『熱波』“Tabu”
 3.『愛、アムール』
 4.『昔々、アナトリアで』
 5.“Oslo, August 31st”
 6.『ニーチェの馬』
 7.『少年と自転車』
 8.『君と歩く世界』
 9.『これは映画ではない』
 10.“Alps”(ギリシャ)(監督:ヨルゴス・ランティモス)

 ◆最優秀未公開作品賞2012(Best Picture Not Released in 2012)
 ・『天使の分け前』
 ・“The Atomic Age(L'âge atomique)”(仏)(監督:Héléna Klotz)
 ・“Berberian Sound Studio”(英)(監督:ピーター・ストリックランド)
 ・“Beyond the Hill(Tepenin Ardi)”(トルコ・ギリシャ)(監督:Emin Alper)
 ・『汚れなき祈り』
 ・“Blancanieves”(西)(監督:Pablo Berger)
 ・『塀の中のジュリアス・シーザー』
 ・“differently, Molussia”(仏)(監督:Nicholas Rey)
 ・『ファウスト』
 ・“Frances Ha”(米)(監督:ノア・バウムバック)
 ・『偽りなき者』
 ・“In the House(Dans la Maison)”(仏)(監督:フランソワ・オゾン)
 ・“Klip”(セルビア)(監督:Maya Milos)
 ・“Laurence Anyways”(カナダ・仏)(監督:グザヴィエ・ドラン)
 ・“Leviathan”(仏・英・米)(監督:Lucien Castaing-Taylor、Verena Paravel)
 ・“Lore”(独・オーストラリア・英)(監督:ケイト・ショートランド)
 ・『NO』(チリ・仏・米)(監督:パブロ・ラライン)
 ・“Our Children(A perdre la raison)”(ベルギー・ルクセンブルグ・仏・スイス)(監督:Joachim Lafosse)
 ・“Stories We Tell”(カナダ)(監督:サラ・ポーリー)
 ・『ある学生』“Student”(カザフスタン)(監督:ダルジャン・オミルバエフ)

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 主な作品のノミネート&受賞状況は以下の通りです。

 ・『ザ・マスター』(2/10):作品・監督・主演男優・助演男優・助演女優・脚本・a撮影・編集・美術・作曲
 ・『ホーリー・モーターズ』(4/9):作品・監督・主演男優・助演女優・脚本・編集・美術・アンサンブル・外国
 ・『ムーンライズ・キングダム』(2/6):作品・脚本・編集美術・作曲・アンサンブル
 ・『熱波』“Tabu”(1/6):作品・監督脚本・撮影・アンサンブル・外国
 ・『愛、アムール』(1/5):作品・主演男優主演女優・脚本・外国
 ・『昔々、アナトリアで』(1/5):作品・監督・撮影アンサンブル・外国
 ・『ゼロ・ダーク・サーティ』(1/5):作品・監督・主演女優・脚本・編集
 ・『リンカーン』(0/4):作品・主演男優・脚色・アンサンブル
 ・『クラウド アトラス』(0/3):作品・編集・作曲
 ・“Oslo, August 31st”(1/3):主演男優・脚色・外国
 ・『君と歩く世界』(0/3):主演女優・脚色・外国
 ・『ジャンゴ 繋がれざる者』(0/2):作品・助演男優
 ・“The Deep Blue Sea”(0/2):主演女優・脚色
 ・『ハッシュパピー〜バスタブ島の少女〜』(0/2):助演男優・作曲
 ・『キラー・スナイパー』(0/2):助演男優・助演女優
 ・『ニーチェの馬』(0/2):撮影・外国
 ・『アンナ・カレーニナ』(1/2):美術作曲
 ・『これは映画ではない』(1/2):ドキュメンタリー・外国

 2012年に世界各地で公開された(そしてなんらかの形でアメリカで公開/上映された)すべての映画を視野に入れて、各部門のベストを選ぶと、上記にようになるということなのでしょうか。

 ここの受賞結果はいつもこんな感じだといえば、確かにそうなのですが、アメリカ映画にも全米映画賞レースの結果にもまるでこだわっていない、恐るべき受賞結果です。

 ノミネーションの記事にも書きましたが―
 これまで発表されてきた映画祭や映画賞の結果を見てきて、『愛、アムール』か『ホーリー・モーターズ』のどちらかを選らばなければならなくなった時、『愛、アムール』を選ぶ映画祭・映画賞と、『ホーリー・モーターズ』を選ぶ映画祭・映画賞に二分されるように感じられますが、インターナショナル・シネファイル・ソサエティー賞は、明らかに後者の方で、『ホーリー・モーターズ』を圧倒的に支持しています。

 全世界であれだけ支持されている『愛、アムール』ではなく、『ホーリー・モーターズ』の方が(主演女優賞を除く)あらゆる点で上だと考える根拠がどこなのか、実際に作品を観て、確かめたいと思いますね。

 全米映画賞レースでは、前評判ほどには受賞できなかった『ザ・マスター』や『ムーンライズ・キングダム』も、ここでは確かな受賞結果を残していて、これまでの低評価に対するフラストレーションをちょっとだけ晴らすことができたかもしれません。

 アニメーション賞では、全部門を通して、日本映画として、3年ぶりにノミネートされた『借りぐらしのアリエッティ』が選ばれました。

 各種の映画サイトの採点では、『借りぐらしのアリエッティ』は、長編アニメーションの中で、最上位かそれに次ぐ採点をされていたので、これも当然といえば当然の結果なのですが、やっぱりそうだったのか、と再認識させられます。
 『借りぐらしのアリエッティ』が米国アカデミー賞にノミネートすらさせられなかったのは、『借りぐらしのアリエッティ』をノミネートさせて、もし受賞でもしたら、自社製作の有力作品が3本もあったディズニーの面目まるつぶれになるから、ディズニーがあえてエントリーさせなかったのではないか、と勘繰ったりもしたくなりますね。

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 *当ブログ記事

 ・インターナショナル・シネファイル・ソサエティー賞2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201301/article_52.html
 ・インターナショナル・シネファイル・ソサエティー賞2012 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201202/article_5.html
 ・インターナショナル・シネファイル・ソサエティー賞2012 受賞発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201202/article_40.html
 ・インターナショナル・シネファイル・ソサイエティー賞2011 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201102/article_34.html
 ・インターナショナル・シネファイル・ソサイエティー賞2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201002/article_33.html

 ・米国アカデミー賞2013 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201301/article_30.html

 ・全米映画賞レース2012の結果をまとめてみました! 〈前半戦〉:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_51.html
 ・全米映画賞レース2012の結果をまとめてみました! 〈後半戦〉:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201301/article_40.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2012年12月〜2013年5月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_50.html

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先月某所で先行上映を見に行ったのですが、ホーリー・モーターズはとにかく「凄い」映画でした。ドゥニ・ラヴァンの演技、世界観、テーマ性、どれも規格外で、確実にレオス・カラックス監督の最高傑作と言える代物となっていました。(そんな傑作を無視したカンヌの審査員に不満を覚えないではいられないほど)

ちなみにホーリー・モーターズ、実は現在でもその断片を垣間見ることはできます。というのも、少しネタバレになりますが、前作であるメルド(オムニバス「TOKYO!」の一編)がその関連性を持っているからです。なのでこの映画を見たら、ホーリー・モーターズがどんな映画かわかるかと思います。
タラコフスキー
2013/02/14 06:11
タラコフスキーさま
監督の来日時に、ユーロスペースで行なわれた試写会の時にご覧になったのでしょうか。実は、私も、そこにいたんですよ。な〜んちゃって!
umikarahajimaru
2013/02/14 20:03

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