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zoom RSS クロアチアの人口1000人の村で開かれる映画祭が凄い! モトヴン映画祭2012!

<<   作成日時 : 2012/08/03 19:29   >>

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 第14回モトヴン映画祭(Motovun Film Festival)の各賞が発表されました。(映画祭開催は7月28日‐8月1日)

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 全く聞いたことのない映画祭でしたが、これまでの最高賞受賞作品が、『リトル・ダンサー』、ポール・グリーングラスの『ブラディ・サンデー』、『パンチドランク・ラブ』、『やさしくキスをして』、ルーマニア・ニュー・ウェーブを代表する1本“The Death of Mr. Lazarescu”、カルロス・レイガダスの『静かな光』、『フィッシュタンク〜ミア、15歳の物語』という錚々たる作品で、しかも、同じクロアチアで、クロアチア映画界を上げて開催されるプーラ映画祭の直後に開かれる映画祭ということもあって、興味を持ちました。

 しかも、プーラとモトヴンは、一方は海寄りに、一方は山にあるとはいうものの、どちらも同じイストリア半島にあって、距離も比較的近い。

 プーラ映画祭とモトヴン映画祭は、サンダンス映画祭とスラムダンス映画祭のような関係なのか、トロント国際映画祭とモントリオール世界映画祭のような関係なのか、ベネチア国際映画祭とローマ国際映画祭のような関係なのか、あるいは、東京国際映画祭と東京フィルメックスのような関係なのか……。

 調べてみると、モトヴン映画祭は、小さな映画を見せる小さな映画祭として、1999年にスタートしています。
 上映作品も、短編を含めて、全部で70本くらいで、非常にこじんまりした規模の映画祭になっています。
 映画祭を開催しているモトヴン自体、レストランが1つしかないという、人口が1000人未満の小さな村だそうです。

 人口1000未満の村で、上記のような作品を集めて、映画祭を開催できるなんて、ちょっと不思議ですよね。

 この映画祭のディレクターは、Igor Mirkovićというドキュメンタリーの監督で、この人が中心になって映画祭を立ち上げたのか、あるいは、熱心な映画ファンがいて、この人を映画祭ディレクターに祀り上げたのかはわかりませんが、世界中の映画祭が資金繰りと作品集めに苦しんでいる中で、小さいながらも魅力的な作品が集められる映画祭が開催できているというのは、きっと情熱的な映画好きが、その中心にいるからに違いありません。

 エミール・クストリッツァは、セルビアの小さな村に小さな映画学校を作り、そこでクステンドルフ映画祭(Kustendorf Film and Music Festival)を始めましたが、ちょっとそれを思い出しました。(日本にも、小さいながら、非常に魅力的なプログラム編成をしている映画祭が、地方にはいくつもありますが、それらとも近いかもしれません。)

 ラインナップも魅力的だし、開催地も非常に魅力的(クロアチアの中でも特に中世ヨーロッパの雰囲気を色濃く残している)で、上映作品にはプレミア感こそありませんが、映画祭としてはとても惹かれるものがあり、訪れてみたい映画祭の1つになりました。

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 プーラ映画祭との関係はわかりませんが、開催規模も全然違うし、国内の映画ファンにアピールする意味で、ほぼ同時期に開催しているということなのかもしれません。上映作品も一部重なっていますし、ライバル視しているということでもなく、いい関係で共存しようとしている、ということなのでしょうか。

 モトヴンは、ザグレブから車で3時間、一番近い鉄道の駅まで25km、バスも一日数本のみという、でかけるには非常に不便な場所ですが、そうでありながら、外国資本によるゴルフ場建設の話が何度も持ちかけられてきているそうです。

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 ちなみに、Motovunとは、“town in the mountains”の意で、映画祭の公式サイトには、“WELCOME TO THE MOUNTAIN OF FILMS”と書かれています。

 今年のメイン・コンペティション部門のラインナップおよび受賞結果は以下の通りです。

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 【コンペティション部門ラインナップ】 (Movies in main competition)

 ・“Angels' Share”(英・仏・ベルギー・伊) 監督:ケン・ローチ
 カンヌ国際映画祭2012 コンペティション部門出品。審査員賞受賞。

 ・“The Deep Blue Sea”(英) 監督:テレンス・デイヴィス
 トロント国際映画祭2011 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。
 ロンドン映画祭2011 クロージング作品。

 ・“Holy Motors”(仏・独) 監督:レオス・カラックス
 カンヌ国際映画祭2012 コンペティション部門出品。

 ・“Sister(L'enfant d'en haut)”(仏・スイス) 監督:ウルスラ・メイヤー
 ベルリン国際映画祭2012 コンペティション部門出品。特別銀熊賞受賞。

 ・『天空のからだ』“Celestial Body(Corpo celeste)”(伊・仏・スイス) 監督:アリス・ロルヴァケル
 カンヌ国際映画祭2011 監督週間出品。
 サンダンス映画祭2012 Spotlight部門出品。
 ナストロ・ダルジェント賞2011 新人監督賞受賞。

 ・“Paradise: Love (Paradies: Liebe)”(オーストリア・独・仏) 監督:ウルリッヒ・ザイドル
 カンヌ国際映画祭2012 コンペティション部門出品。

 ・『ブリューゲルの動く絵』“The Mill and the Cross”(ポーランド・スウェーデン) 監督:レフ・マイェフスキ
 サンダンス映画祭2011 ニュー・フロンティア部門出品。
 ロッテルダム国際映画祭2011 スペクトラム部門出品。
 ヨーテボリ国際映画祭2011 ヴィジョナリー部門出品。

 ・“Alois Nebel”(チェコ・独・スロヴァキア) 監督:Tomáš Luňák
 ベネチア国際映画祭2011 アウト・オブ・コンペティション部門出品。
 トロント国際映画祭2011 DISCOVERY部門出品。
 米国アカデミー賞2012 外国語映画賞チェコ代表。

 ・“Death of a Man in the Balkans”(セルビア) 監督:Miroslav Momčilović
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2012 フォーラム・オブ・インディペンデント部門出品。

 ・“Bread and Circuses(Kruha in iger)”(スロヴェニア) 監督:Klemen Dvornik

 ・“Sofia’s Last Ambulance(Poslednata lineika na Sofia)”(ブルガリア・独・クロアチア) 監督:Ilian Metev
 カンヌ国際映画祭2012 批評家週間出品。Visionary Prize受賞。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2012 ドキュメンタリー・コンペティション部門出品。30分以上部門 最優秀ドキュメンタリー賞受賞。

 ・“Alps(Alpis)”(ギリシャ・仏) 監督:ヨルゴス・ランティモス
 ベネチア国際映画祭2011 コンペティション部門出品。オゼッラ賞(脚本賞)受賞。
 トロント国際映画祭2011 VISIONS部門出品。

 ・『プレイ』“Play”(スウェーデン・仏・デンマーク) 監督:リューベン・オストルンド
 カンヌ国際映画祭2011 監督週間出品。
 トロント国際映画祭2011 VISIONS部門出品。
 東京国際映画祭2011 監督賞受賞。

 ・“Avalon”(スウェーデン) 監督:Axel Petersén
 トロント国際映画祭2011 DISCOVERY部門出品。国際批評家連盟賞受賞。

 ・“Chapiteau Show”(ロシア) 監督:Sergej Loban
 モスクワ国際映画祭2012 銀賞(審査員特別賞)受賞。
 トランシルヴァニア国際映画祭2012 コンペティション部門出品。審査員特別賞受賞。

 ・“Back to the Square”(カナダ・ノルウェー) 監督:Petr Lom
 ロッテルダム国際映画祭2012 Signals:Power Cut部門出品。
 香港国際映画祭2012 ドキュメンタリー・コンペティション部門出品。審査員賞受賞。

 ・“Dark Horse”(米) 監督:トッド・ソロンズ
 ベネチア国際映画祭2011 コンペティション部門出品。
 トロント国際映画祭2011 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。

 ・“The Delay(La demora)”(メキシコ・ウルグアイ・仏) 監督:ロドリゴ・プラ(Rodrigo Plá)
 ベルリン国際映画祭2012 フォーラム部門出品。エキュメニカル審査員賞受賞。
 トランシルヴァニア国際映画祭2012 Supernova部門出品。

 ・“Today(Aujourd'hui/Tey)”(仏・セネガル) 監督:Alain Gomis
 ベルリン国際映画祭2012 コンペティション部門出品。

 【受賞結果】

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 ◆グランプリ/モトヴン・プロペラ賞(Motovun Propeller(コンペティション部門最優秀作品賞)

 ◎“The Delay(La demora)”(メキシコ・ウルグアイ・仏) 監督:ロドリゴ・プラ(Rodrigo Plá)
 出演:Roxana Blanco、Carlos Vallarino
 物語:アグスティンは、年をとって、物忘れがひどく、自分でもそれを自覚している。一方、40代の娘マリアは、10代の娘と2人の男の子を抱え、裁縫師として低賃金で忙しく働いて、ほとんど眠る暇もない。2人は、相手のことを愛し、と同時に、相手からイライラさせられてもいる。アグスティンの物忘れは、アルツハイマーの初期症状なのか、それともただの老衰なのかはわからないが、今よりよくなる兆候は見られない。マリアには、妹がいるが、妹は老いた親の面倒を見る責任を負おうとはしない。マリアは、3人の子供たちの面倒をもっとちゃんと見るためには、老いた父親を老人ホームに入れるべきかもしれないと考える。そこで、彼女は、社会保障事務所にでかけていくが、そこで告げられたことは、彼女は、満足に父親の面倒を見るには貧しいが、公的保障を受けるには、稼ぎがありすぎるということだった……。
 メキシコで実際に起きたごとを、ウルグアイを舞台に変えて、映画化した作品。
 ベルリン国際映画祭2012 フォーラム部門出品。エキュメニカル審査員賞受賞。
 トランシルヴァニア国際映画祭2012 Supernova部門出品。

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 ◆国際批評家連盟賞

 ◎『プレイ』“Play”(スウェーデン・仏・デンマーク) 監督:リューベン・オストルンド
 出演:アナス・アブディラーマン(Anas Abdirahman)、セバスチャン・ブリケット(Sebastian Blyckert)、ヤニク・ディアキィテー(Yannick Diakité)、セバスチャン・ヘグマル(Sebastian Hegmar)、アブディアジズ・ハイロウ(Abdiaziz Hilowle)、ナナ・マヌ(Nana Manu)、ヨーン・オーティス(John Ortiz)、ケヴィン・ヴァズ(Kevin Vaz)
 物語:5人組の黒人の少年グループが、ショッピング・モールで今日の獲物を探している。彼らは、裕福そうな白人少年に「携帯電話を見せてくれ」と声をかけ、相手が見せると「これは弟がなくした携帯だ。このキズが証拠だ。これをどこでみつけた? 弟に確認させるからついて来い」と言いがかりをつける。狙われた少年たちは、そんなはずはないと思いながらも、抵抗できず、彼らの言いなりになってついて行くことになる。一方、列車の中に持ち主のわからない揺りかごが見つかり、乗務員が右往左往させられる。
 本作は、2006年から2008年にかけてスウェーデンのヨーテボリで実際に起こった約40件の少年犯罪に基づいている。少年たちは、12歳から14歳まででグループを構成していて、他の少年たちから盗みを働いていた。その手口は、「リトル・ブラザー・ナンバー」とか「ブラザー・トリック」と呼ばれるもので、暴力的ではなく、もっと手の込んだもので、役割分担がなされた、ギャング顔負けのものであったという。
 監督のリューベン・オストルンドは、長編“Involuntary (De Ofrivilliga)”が米国アカデミー賞2010 スウェーデン代表作品に選ばれ、短編“Händelse Vid Bank”がベルリン国際映画祭2010 短編部門金熊賞を受賞している。
 カンヌ国際映画祭2011監督週間出品。The Séance "Coup de coeur" prize受賞。
 トロント国際映画祭2011 VISIONS部門出品。
 東京国際映画祭2011 コンペティション部門出品。監督賞受賞。
 ラックス賞2011ノミネート。

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 ◆Bauer賞
 旧ユーゴスラビア諸国7カ国で製作された作品の中から3ラウンドの審査を経て、最優秀作品に贈られる賞。

 ◎“Klip(Clip)”(2012/セルビア)  監督:Maja Miloš
 物語:ヤスナは、10代半ばの美しい少女。セルビアの田舎町で、気のない母と死の床にある父との生活に幻滅を味わっている。セックスやドラッグなどに耽ってみるが、やがて痛々しい現実と向き合わなければならなくなる。
 監督のMaja Milosは、1983年ベオグラード生まれ。ベオグラード芸術大学で監督学を学び、2006年にはベルリン国際映画祭のベルリナーレ・タレント・キャンパスに参加した。その後、パリのドキュメンタリー映画学校で学ぶ。本作が初監督長編。
 ロッテルダム国際映画祭2012 タイガーアワード&The KNF Award (オランダ映画批評家賞)受賞。
 トランシルヴァニア国際映画祭2012 コンペティション部門出品。監督賞受賞。

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 ◆名誉賞/Honorary Motovun Maverick award
 ◎テレンス・デイヴィス

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 *当ブログ記事
 ・プーラ映画祭2012:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201207/article_22.html

 ・エミール・クストリッツァが作った小さな学校:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200801/article_10.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2012年6月〜2013年1月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201206/article_9.html

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