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zoom RSS サラエボ映画祭2012 受賞結果!

<<   作成日時 : 2012/07/17 04:08   >>

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 第18回サラエボ映画祭(7月6日-14日)の受賞結果が発表になりました。

 【サラエボ映画祭】

 サラエボ映画祭は1995年に始まった映画祭で、長編・短編・ドキュメンタリーの3つのコンペティションに、長編と短編のニュー・カレント部門、ワールド・シネマを上映するパノラマ部門、トリビュート(2012年はトッド・ソロンズ)などの部門で構成されています。

 この映画祭は、ボスニア・ヘルツェゴビナ(首都がサラエボ)が独立した1992年からわずか4年後にスタートした映画祭ですが、まだ紛争が続いていたその時期にこうした映画祭を立ち上げたのは、映画という共通言語を用いて、地域を活性化させ、映画人の交流を図ろうという目的もあってのことで(公式サイトにもそうしたことが書かれています)、結果的に、現在の上映作品や受賞作を見ると、それが実を結んでいるらしいことがわかります。

 初期は上映作品も少なかったもの、現在は上映作品も増え、来場する映画人も多くなり、バルカン半島最大の映画祭にまで成長した、とWikipediaにも書かれています。

 上映作品自体は、既にどこかの映画祭で上映されているということも多いのですが、単に映画を上映するだけがこの映画祭の目的ではなく、地域の映画製作の振興・促進にも積極的で、それが、この映画祭のもう1つの特徴となっています。

 ちなみに、過去長編部門作品賞受賞作には、『奇跡の海』、『ぼくのバラ色の人生』、『カノン』、『ノーマンズ・ランド』などがあります。

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 【長編コンペティション部門】

 ※審査員:Kornél Mundruczó (審査員長)、Frederic Boyer、Ada Condeescu、Eva Diederix、 Igor Martinović

 ◆グランプリ(The Heart of Sarajevo Award for Best Film)
 ◎“Everybody In Our Family(Toata Lumea Din Familia Noastra) ” (ルーマニア・オランダ) 監督:ラドゥ・ジュデ(Radu Jude)

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 “Everybody In Our Family(Toata Lumea Din Familia Noastra) ” (ルーマニア) 監督:ラドゥ・ジュデ(Radu Jude)
 物語:マリウスは30代後半でバツイチだ。娘は妻の元にいて、妻は会計士と再婚している。彼にも娘に会う権利は保証されていて、ある休日に彼は娘を海辺に連れて行こうとする。しかし、その日、元妻は不在で、娘は病気だという。彼はそれを信じずに、無理やり娘を連れ出そうとする。
 トランシルヴァニア国際映画祭2012 ルーマニアン・デイズ部門出品。ルーマニアン・デイズ長編賞受賞。

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 ◆審査員特別賞
 ◎“Beyond The Hill(Tepenin Ardi)”(トルコ・ギリシャ) 監督:Emin Alper

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 “Tepenin Ardi(Beyond the Hill)”(トルコ・ギリシャ) 監督:Emin Alper
 物語:晩夏。Nusretは、息子のCanerとZaferを連れて、田舎で暮らしている元林務官の父Faikの家を訪れる。Faikは、地元の遊牧民との間にトラブルを抱えていて、いつも警戒が必要だった。一方、孫のZaferは、兵役以来、メンタル的な問題を抱えていた。やがて残りの家族も集まり、一家が勢ぞろいする。それぞれ気質も違い、社会階級も違うが、衝突することはなかった。脅威なのは、見えざる敵の遊牧民たちだった。夏の終わりにしては、辺りはやけに静かだった……。
 ベルリン国際映画祭2012 フォーラム部門出品。スペシャル・メンション&カリガリ賞受賞。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2012 NETPAC賞受賞。
 台北電影節2012 ニュー・タレント・コンペティション 審査員特別賞受賞。


 ◆男優賞(The Heart of Sarajevo Award for Best Actor)
 ◎Uliks Fehmiu “Redemption Street”(セルビア)

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 “Redemption Street”(セルビア) 監督:Miroslav Terzić
 物語:ドゥシャンは、若き戦争犯罪検察官で、クロアチアからボスニア、コソボへと広がる戦場で作戦を展開していた民兵組織(First Pioneer's unit)が足跡も残さず消え去ったという事件を調査することになる。彼は、この事件にケリをつけるべく、引退した法学部教授である父に協力をあおぐが、同じく戦争犯罪検察官であるドゥシャンのボスは、自分こそこの事件の調査にふさわしいと考えていたから、これは面白いわけがない。そうしたことから、この調査は単なる事件ではなく、個人的な対立を含むものになる。失敗は許されないが、なかなか成果が上がらない。そんな時、民兵組織の唯一の生き残りが見つかる。彼は平和に静かに生きていこうとしていたが、ドゥシャンとの出会いにより、彼のささやかな願いは破られる。結果として、互いの人生は大きく様変わり、それにそれぞれの家族も巻き込まれていく。

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 ◆女優賞(The Heart of Sarajevo Award for Best Actress)
 ◎Marija Pikić “Children Of Sarajevo(Djeca)”(ボスニア ヘルツェゴビナ・独・仏・トルコ)

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 “Djeca (Children of Sarajevo)” (ボスニア ヘルツェゴビナ・独・仏・トルコ) 監督:Aida Begic
 物語:ラヒマは24歳、弟のネディムは14歳。2人は、ボスニア戦争の孤児で、いまはサラエボに住んでいる。サラエボでは、モラルが失われていて、戦争孤児の面倒を見る余裕など全くなかった。犯罪に走りがちな数年を経て、ラヒマはイスラムの教えに慰めを見出し、弟にもそれを求める。ネディムが有力者の息子とケンカして、高価な携帯電話を壊すという事件があり、それ以降、2人の生活はさらに厳しくなる。ひき続いて起こった出来事から、ラヒマは、弟が二重生活を送っていることを知る。
 カンヌ国際映画祭2012 ある視点部門出品。審査員スペシャル・メンション受賞。

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 【ドキュメンタリー・コンペティション部門】

 ※審査員:Damir Šagolj(審査員長)、Thomas Imbach、Audrius Stonys

 ◆グランプリ(The Heart of Sarajevo Award for Best Documentary Film)
 ◎“Turn Off The Lights”(ルーマニア) 監督:Ivana Mladenović
 物語:数年の服役を終えて3人の若いロマ人が刑務所から釈放される。彼らは、家族に、涙と興奮とダンスで出迎えられるが、そうした歓迎にとまどい、逆に、これまでの攻撃的で尊大だった自分たちの人生を思い出させることになる。3人の中でも、アレックスはカリスマ性があって魅力的であり、自分の過去のこと―暴力、女性、犯した罪―について落ち着いて話すことができる。彼は、女嫌いで、ガールフレンドを殺して有罪判決を受けたが、それは刑務所の服役でも変わっていないようであった。
 トランシルヴァニア国際映画祭2012 ルーマニアン・デイズ部門出品。

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 ◆人権賞(Human Rights Award)
 ◎“Real Man's Film”(クロアチア) 監督:Nebojša Slijepčević [短編]
 物語:武器の集中は重大なポイントに来ている。ちょっとした出来事でさえ、脆弱な平和を悲惨な状況に陥れる。神経質な指がちょっと引き金に触れただけで、取り返しのつかないカオスを引き起こすことだってあるのだ。

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 【短編コンペティション部門】

 ※審査員:Ermin Bravo、Nikola Ljuca、Laurence Reymond

 ◆グランプリ(The Heart of Sarajevo Award for Best Film)
 ◎“The Return(Kthimi)”(コソボ) 監督:Blerta Zeqiri
 物語:戦争中のコソボでは手当たり次第に逮捕が行なわれ、青年もその1人となる。彼は釈放されて、4年前の記憶を頼りに家へと帰ろうとする。しかし、戦争の被害は彼の想像を超えていて、混乱してしまう。

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 ◆審査員スペシャル・メンション
 ◎“The Paraffin Prince”(ブルガリア) 監督:Pavel G. Vesnakov
 物語:Yavorは自分の人生がバラバラになろうとしているのに気づいて、まず最初に親友のFertiに会いに行こうとする。2人は、近くで育った幼なじみだ。しかし、2人はともに絶望感に打ちのめされ、思い出とドラッグに慰めを見出すことになる。

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 ◎“Daddy Rulz(Tatal Meu E Cel Mai Tare)”(ルーマニア) 監督:Radu Potcoava
 物語:13歳のアンドリューが晴れの日を迎えていた。彼は、ストリート・ライフでの憧れの人ともにこれまでの成果を数え挙げていた。アンドリューの父は、すぐに何が起ころうとしているのかに気づき、息子を救うことができるのは自分しかいないと悟る。しかし、それには過去の亡霊と向き合わなければならないのだった……。

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 【パートナー賞】(Partner Awards)

 ◆ヨーロッパ映画賞 サラエボ代表作品
 ◎“The Return(Kthimi)”(コソボ) 監督:Blerta Zeqiri

 ◆CINEUROPA賞
 ◎“Children Of Sarajevo(Djeca)”(ボスニア・ヘルツェゴビナ) 監督:Aida Begić

 ◆CICAE賞
 ◎“Crossing Boundaries(Grenzgänger)”(オーストリア) 監督:Florian Flicker
 物語:1人の女と2人の男。夫である一方の男は、妻に、もう一方の男に言い寄って、取引現場から彼の目をそらさせたいと考えていた。もう一方の男は、彼女に、違法となる証拠を入手する手助けをしてもらいたいと考えていた。女は、2人の男に操られていたのだが、どちらか一方を選ばなければならなかった。

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 ◆EDN Talent Grant
 ◎“24 Buckets, 7 Mice, 18 Years(24 Găleţi, 7 Şoareci, 18 Ani)”(ルーマニア) 監督:Marius Iacob

 ◆学生作品賞
 ◎“Lupus”(ボスニア・ヘルツェゴビナ) 監督:Ajla Hamzić

 ◆学生作品賞 スペシャル・メンション
 ◎“Omega”(ボスニア・ヘルツェゴビナ) 監督:Igor Tešić

 ◆学生作品賞 スペシャル・メンション
 ◎“The Road Of Life’s Beauty(Put Ljepote Života)”(ボスニア・ヘルツェゴビナ) 監督:Amela Ćuhara

 【その他の賞】

 ◆名誉賞(Heart Of Sarajevo Honorary Award)
 ◎ブランコ・ラスティグ(Branko Lustig)(クロアチア人のプロデューサー)
 ブランコ・ラスティグは、1955年にアシスタント・プロデューサーとしてキャリアをスタートさせ、1988年にアメリカに活動拠点を移し、『シンドラーのリスト』や『ピースメーカー』『グラディエーター』などの製作を手がける。

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 [シネリンク賞](Cinelink Awards/製作助成)

 ◆Eurimages Coproduction Development award – 30000 EUR
 ◎“A Blast”(ギリシャ) 監督:Syllas Tzoumerkas、脚本:Syllas Tzoumerkas & Youla Boudali、プロデューサー:Maria Drandaki

 ◆CNC CineLink award – 10000 EUR
 ◎“Man Don’t Cry”(ボスニア・ヘルツェゴビナ) 監督・脚本:Alen Drljević、プロデューサー:Damir Ibrahimović

 ◆Arte International Relations CineLink award – 6000 EUR
 ◎“The Good Wife”(セルビア) 監督・脚本:Mirjana Karanović & Stevan Filipović、プロデューサー:Snezana Penev

 ◆Living Pictures Service CineLink Award – in kind support up to 10,000 EUR
 ◎“S.K.”(ハンガリー) 監督:Laszlo Nemes、脚本:Laszlo Nemes & Clara Royer、プロデューサー:Gabor Sipos、Gabor Rajna

 ◆CineLink Excellence Award
 ◎“Quiet People”(クロアチア) 監督・脚本:Ognjen Sviličić、プロデューサー:Damir Terešak

 ◆EAVE Scholarship
 ◎“Dust Cloth”(トルコ) 監督:Ahu Öztürk、プロデューサー:Nesra Gürbüz

 [ただいま製作中](Work in Progress Awards):

 ◆Post Republic Award – in kind post production services, 80.000 EUR
 ◎“Harmony Lessons”(カザフスタン) 監督:Baigazin Emir、プロデューサー:Anna Katchko

 ◆Restart Award – in kind support, 20.000 EUR
 ◎“Barbarians”(セルビア) 監督:Ivan Ikić、プロデューサー:Milan Stojanovic

 ◆スペシャル・メンション
 ◎“Totonel”(ルーマニア) 監督:Alexander Nanau、プロデューサー:Marcian Lazar

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 既にあちこちの映画祭で受賞を重ねてきている“Everybody In Our Family(Toata Lumea Din Familia Noastra) ”や“Beyond The Hill(Tepenin Ardi)”や“Djeca (Children of Sarajevo)”がここでも受賞を果たしているのが注目されます。

 バルカン半島を中心にした出品作が多いのですが、内戦など過酷な時代を経て、平和な時代を迎えた人々の、後遺症や再生への願いが感じられる作品が多いように思います。

 周辺各国との共同製作が多いのも、この地域の(製作スタイルの)特徴でしょうか。

 ちなみに、日本からの出品作は『さや侍』1本のみでした。

 
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 *当ブログ記事

 ・サラエボ映画祭2009 受賞結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200908/article_28.html
 ・サラエボ映画祭2010 受賞結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201007/article_18.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2012年6月〜2013年1月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201206/article_9.html

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