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zoom RSS 英国ドキュメンタリー賞 グリアソン・アワード2011 発表!

<<   作成日時 : 2011/11/12 15:03   >>

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 英国グリアソン・アワード2011が発表されました。(11月1日)

 【グリアソン・アワード】

 グリアソン・アワード(The Grierson Award)と言っても日本ではほとんど知られていないと思いますが、スコットランド出身のドキュメンタリーのパイオニア、ジョン・グリアソン(1898-1972)の偉業を継承する目的で設立されたグリアソン・トラストが、1972年から始めたドキュメンタリーの祭典で、もう既に40年近い歴史があります。

 ノミネーション対象作品は、前年年5月1日から当年4月30日までにイギリス内で最低1度は上映または放映されたということが条件で、イギリスで製作された作品のみならず全世界で製作された作品が対象になります。(必然的にイギリス作品が多くなり、テレビで発表された作品が多くなります。)

 イギリス中心なので、今年話題になったすべてのドキュメンタリーが網羅されているわけではありませんが、2009年から2010年にかけて製作された英国関係のドキュメンタリーに関しては、目ぼしい作品はほぼエントリーされているようです。

 過去の受賞作で日本でも劇場公開されたものには、『Joy Division』(Best Cinema Documentary 2008)、『ダーウィンの悪夢』(Best Cinema Documentary 2006)、『マイ・アーキテクト』(Best Cinema Documentary 2005)、『ビルマVJ』(UKフィルム・カウンシル最優秀ドキュメンタリー映画部門2009)、『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』(エンタテインメント部門2010)などがあります。

 今年は記事にしませんでしたが、ノミネーションの発表は9月19日でした。 

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 ◆コンテンポラリー部門英国作品(Best Documentary on a Contemporary Theme - Domestic)
 ・“23 Week Babies: The Price of Life”(英) 監督:Adam Wishart
 ・“Battle for Barking”(英) 監督:Laura Fairrie
 ◎“Between Life and Death”(英) 監督:Nick Holt
 ・“Shed Your Tears and Walk Away”(英) 監督:Jez Lewis

 “Between Life and Death”(英) 監督:Nick Holt
 医療と倫理のジレンマに関して、ケンブリッジのAddenbrooke’s Hospitalでの3つのケースを例にとって検証する。

 ◆コンペンポラリー部門インターナショナル作品(Best Documentary on a Contemporary Theme - International)
 ・“Donor Unknown”(英) 監督:Jerry Rothwell
 ・“Marathon Boy”(英・インド) 監督:Gemma Atwal
 ◎“Secret Iraq - The Insurgency” (英) 監督:Sam Collyns、James Jones
 ・“The War You Don’t See”(英) 監督:John Pilger、Alan Lowery

 “Secret Iraq - The Insurgency” (英) 監督:Sam Collyns、James Jones
 2003年のイラク介入以降のイラクの物語を2部構成で紹介する。撮影チームは、アメリカやイギリスの兵士、外交官、人質、スパイのみならず、イラクの政治家や部族の指導者、一般市民にまで取材し、これまでロンドンやワシントンが伝えて来なかった物語を提供する。

 ◆アート・ドキュメンタリー部門(Best Documentary on the Arts)
 ・“Agony & Ecstasy: A Year with English National Ballet (episode 1)”(英) 監督:Rob Farquhar
 ◎“Bird on a Wire”(英) 監督:Tony Palmer
 ・“Elgar - The Man Behind the Mask”(英) 監督:John Bridcut
 ・“The Trouble with Tolstoy”(英) 監督:Rupert Edwards

 “Bird on a Wire”(英) 監督:Tony Palmer
 カナダの詩人でシンガーソングライターのレナード・コーエンの1972年のヨーロッパ・ツアーのドキュメント。このフィルムは失われたと思われていたが、2010年に3000もの未編集のフィルム断片が発見され、38年ぶりに編集されて、公開された。

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 ◆ヒストリカル・ドキュメンタリー部門(Best Historical Documentary)
 ・“The Day John Lennon Died”(英) 監督:Michael Waldman
 ◎“Fire in Babylon”(英) 監督:Stevan Riley
 ・“My Perestroika”(米・英・ロシア) 監督:Robin Hessman
 ・“Operation Mincemeat”(英) 監督:Russell England

 “Fire in Babylon”(英) 監督:Stevan Riley
 イギリス国内でもアパルトヘイトの風潮が支配していた70年代から80年代にかけて、さまざまな人種で構成されたクリケット・チームWest Indies cricket teamは、人種的偏見にも負けずに、その技術と、恐れを知らぬ精神力で、活躍していく様子を映したドキュメンタリー。
 ブリティッシュ・インディペンデント・フィルム・アワード2010 ドキュメンタリー賞受賞。

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 ◆サイエンス・ドキュメンタリー部門(Best Science Documentary)
 ◎“The Joy of Stats”(英) 監督:Dan Hillman
 ・“Nothing”(英) 監督:Nic Stacey
 ・“Polar Bear - Spy on the Ice”(英) 監督:John Downer
 ・“Wonders of the Universe - Destiny”(英) 監督:Stephen Cooter

 “The Joy of Stats”(英) 監督:Dan Hillman
 スウェーデンの医師で公衆衛生学者として知られるハンス・ロスリング(Hans Rosling)が、情報洪水の時代にあって、統計学がいかに有用であり、科学を変えているかについて話す。

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 ◆エンタテインメント部門(Most Entertaining Documentary)
 ◎“Bodysnatchers of New York”(英) 監督:Toby Dye
 ・“High Society Brides”(英) 監督:Hannah Berryman
 ・“Sync or Swim (Men Who Swim)”(英・スウェーデン) 監督:Dylan Williams
 ・“True Stories: Guilty Pleasures”(英) 監督:Julie Moggan

 “Bodysnatchers of New York”(英) 監督:Toby Dye
 1000以上もの死体が切り刻まれるという犯罪が21世紀のニューヨークで起こっている。悪名高い犯罪についてはたくさん書かれているが、合法的な組織移植産業の話はほとんど知られていない。撮影チームは、特別の許可を得て、最高の安全が確保された刑務所の中に、NYPDが社会の敵ナンバーワンと名づけた受刑者に会いに行き、元外科医の彼がいかに遺体を切り刻んだかについて話を聞いていく。

 ◆ドキュメンタリー・シリーズ部門(Best Documentary Series)
 ・“Agony & Ecstasy: A Year with English National Ballet”(英) 監督:Rob Farquhar
 ・“Coppers, Ben Rumney”(英) 監督:Anthony Philipson、Tim Wardle
 ◎“Hugh’s Fish Fight”(英) 監督:Will Anderson
 ・“Human Planet”(英) 監督:Mark Flowers、Nicolas Brown、Tom Hugh Jones、Tuppence Stone

 “Hugh’s Fish Fight”(英) 監督:Will Anderson
 Hugh Fearnley-Whittingstallは、漁業の末端で何が行なわれているか調査し、北海で釣り上げられた魚の半数以上がそのまま廃棄されていることを知る。彼は、そうした現状を改めるために、75万人ものサポートを得て、キャンペーン活動を始める。

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 ◆劇場公開作品部門(Best Cinema Documentary)
 ◎“The Arbor”(英) 監督:Clio Barnard
 ・“Marathon Boy”(英・インド) 監督:Gemma Atwal
 ・“Restrepo”(米) 監督:Tim Hetherington、Sebastian Junger
 ・『アイルトン・セナ〜音速の彼方へ〜』“Senna”(英) 監督:アシフ・カパディア

 “The Arbor”(英) 監督:Clio Barnard
 劇作家アンドレア・ダンバー(Andrea Dunbar(1961-90))に関するドキュメンタリー。ダンバーは1990年に亡くなってしまっているが、Clio Barnard監督は、ダンバーの家族へのインタビューを通して、彼女の人生を1本の映画にまとめる。タイトルの“The Arbor”は、15歳のダンバーが初めて書いた戯曲で、妊娠したティーンエージャーの娘と酔っ払いの父親の物語。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2010 ドキュメンタリー・コンペティション部門出品。
 トライベッカ映画祭2010 新人監督賞受賞。
 ロンドン映画祭2010 ブリティッシュ・ニューカマー賞受賞。
 トライベッカ映画祭2010 ドキュメンタリー・コンペティション部門出品。新人監督賞受賞。ブリティッシュ・インディペンデント・フィルム・アワード2010 第1回監督賞受賞、ドキュメンタリー賞・プロダクション賞・主演女優賞(Manjinder Virk)・技術賞(音響)・新人賞(Manjinder Virk)ノミネート。
 イブニング・スタンダード英国映画賞2011 脚本賞受賞。
 ロンドン映画批評家協会賞2011 4部門ノミネート。

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 ◆新人賞(Best Newcomer Documentary)
 ・“Budrus”(イスラエル・パレスチナ・米) 監督:Julia Bacha
 ・“Innocent! Paco & the Struggle for Justice”(英) 監督:Michael Collins
 ・“My Brother the Islamist”(英) 監督:Robb Leech
 ◎“Storyville: Afghan Cricket Club: Out of the Ashes”(英) 監督:Timothy Albone、Lucy Martens

 “Storyville: Afghan Cricket Club: Out of the Ashes”(英) 監督:Timothy Albone、Lucy Martens
 戦争の後遺症や貧困の残るアフガニスタンで、アフガン人のクリケット・チームが、不可能とも思える夢を追って、ブルカや爆弾やドラッグや荒廃といった問題で揺れるアフガニスタンに一条の光を差し込ませる。
 このシリーズでは、2009年に“Storyville:I'm Not Dead Yet”が新人賞部門受賞。2010年に“Storyville: The Trials of J Robert Oppenheimer”がサイエンス・ドキュメンタリー部門ノミネート。

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 ◆学生ドキュメンタリー賞(Best Student Documentary)
 ◎“Caring for Calum”(英) 監督:Lou McLoughlan(エジンバラ芸術学校)
 ・“Noctuaries”(英) 監督:Olivia Humphreys(ロンドン大学ゴールドスミス校)
 ・“Small Protests”(英) 監督:Zillah Bowes(英国国立映画テレビ学校)
 ・“Vince and Cherry’s Greatest Hits”(英) 監督:Lucy Liddell、Sam Smith-Higgins、Ezra Byrne( Newport Film School)

 “Caring for Calum”(英) 監督:Lou McLoughlan(エジンバラ芸術学校)
 複雑な過去を持つ男が、数年間の亡命生活を経て、ハイランドの家に帰ってきて、92歳の父親の面倒を見る。

 ◆グリアソン・トラスト賞(Honda The Trustees’ Award)
 ◎ジョン・ピルジャー(John Pilger)
 オーストラリア出身のジャーナリストで、ドキュメンタリー作家。70年に最初の映画を制作して以来、58本ものドキュメンタリーを発表している。日本でも著書『世界の新しい支配者たち -欺瞞と暴力の現場からー』が紹介されている。

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 今回からコンテンポラリー部門が英国部門とインターナショナル部門に分かれ(「インターナショナル」といっても製作国のことではなく、題材のことであるようです)、前回まであったドラマ・ドキュメンタリー部門(Best Drama Documentary)が廃され、学生ドキュメンタリー部門が新設されました。

 今年の受賞作品は、観てみると興味深い作品もあるのかもしれないし、何かのタイミングで日本に紹介されたりもする作品もあるかもしれませんが、ざっと見た感じでは、昨年の『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』ほど注目を浴びる作品は見当たらないように思えます。日本人にはなじみ薄いクリケットを題材にしyた作品が2本も受賞したりもしていますし。

 昨年の映画賞レースから1年遅れでここにエントリーされている作品も多いようです。

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 *当ブログ記事
 ・グリアソン・アワード2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201011/article_26.html
 ・グリアソン・アワード2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_13.html

 ・映画祭&映画賞カレンダー 2011年6月〜2012年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201106/article_3.html

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