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zoom RSS インディペンデント・スピリット・アワード2012 ノミネーション発表!

<<   作成日時 : 2011/11/30 23:58   >>

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 第27回インディペンデント・スピリット・アワードのノミネーションが発表されました。(11月29日)

 【インディペンデント・スピリット・アワード】

 この賞は、Film IndependentというNPO団体が選出する映画賞で、制作費が2000万ドル以下で、1週間以上商業公開されるか、または、サンダンス映画祭(1月)、ニューヨークND/NF(New Directors/New Films)映画祭(3月)、ロサンゼルス映画祭(6月)、トロント国際映画祭(9月)、テルライド映画祭(9月)、ニューヨーク映画祭(10月)、のいずれかで上映された作品(70分以上の長さがある)を対象としています。つまり、製作費が少なくても、意欲的な映画、志の高い映画を選んで表彰しようという、コンセプトの映画賞です(設立は1984年)。

 この賞は、年々、製作費が高くなることと、そういう映画を持てはやす風潮に異議を唱える目的で設立されたものですが、それは反アカデミー賞という意味合いも持っていて、授賞式は、意図的にアカデミー賞の前日に設定されています。だから、「アカデミー賞の前哨戦の1つ」のように見えても、決して「アカデミー賞の前哨戦の1つ」などではないわけです。

 過去の受賞作を見てみると、『ザ・プレイヤー』『パルプ・フィクション』『ファーゴ』『メメント』『エデンより彼方に』『ロスト・イン・トランスレーション』『サイドウェイ』となかなかの品揃えで、2007年は『リトル・ミス・サンシャイン』、2008年は『JUNO/ジュノ』、2009年は『レスラー』、2010年は『プレシャス』、2011年は『ブラック・スワン』が選ばれています。

 近年のアカデミー賞を見ると、良し悪しは別にして、明らかにインディペンデント・スピリット・アワード(もしくはその精神)の影響を受けているように思われます。

 今年のノミネーションは以下の通りです。

画像

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 ◆作品賞
 ・『50/50 フィフティ・フィフティ』 監督:ジョナサン・レヴィン
 ・『人生はビギナーズ』 監督:マイク・ミルズ
 ・『ドライヴ』 監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
 ・“Take Shelter” 監督:Jeff Nichols
 ・“The Artist” 監督:ミシェル・アザナヴィシウス
 ・“The Descendants” 監督:アレクサンダー・ペイン

 ◆監督賞
 ・マイク・ミルズ 『人生はビギナーズ』
 ・ニコラス・ウィンディング・レフン 『ドライヴ』
 ・Jeff Nichols  “Take Shelter”
 ・ミシェル・アザナヴィシウス “The Artist”
 ・アレクサンダー・ペイン “The Descendants”

 ◆主演男優賞
 ・デミアン・ビチル 『明日を継ぐために』(監督:クリス・ワイツ)
 ・ジャン・デュジャルダン “The Artist”
 ・ライアン・ゴズリング 『ドライヴ』
 ・ウッディ・ハレルソン “Rampart”(監督:オーレン・ムーヴァーマン))
 ・マイケル・シャノン “Take Shelter”

 “The Descendants”のジョージ・クルーニーが落選し、デミアン・ビチルが入った以外は、順当なノミネートです。

 ◆主演女優賞
 ・ローレン・アンブローズ “Think of Me”(監督:Bryan Wizemann)
 ・レイチェル・ハリス “Natural Selection”(監督:Robbie Pickering)
 ・Adepero Oduye “Pariah”(監督:Dee Rees)
 ・エリザベス・オルセン “Martha Marcy May Marlene”(監督:Sean Durkin)
 ・ミシェル・ウィリアムズ 『マリリン 7日間の恋』(監督:サイモン・カーティス)

 この部門は下馬評になかった名前がいくつも挙がっています。

 ◆助演男優賞
 ・アルバート・ブルックス 『ドライヴ』
 ・ジョン・ホークス “Martha Marcy May Marlene”
 ・クリストファー・プラマー 『人生はビギナーズ』
 ・ジョン・C・ライリー “Cedar Rapids”(監督:Miguel Arteta)
 ・コリー・ストール “Midnight in Paris”(監督:ウディ・アレン)

 ジョン・C・ライリー以外は下馬評通りです。
 今年はクリストファー・プラマーがこの部門を総なめにしてしまう可能性があります。

 ◆助演女優賞
 ・ジェシカ・チャスティン “Take Shelter”
 ・アンジェリカ・ヒューストン 『50/50 フィフティ・フィフティ』
 ・ジャネット・マクティア 『アルバート・ノッブス』(監督:ロドリゴ・ガルシア))
 ・Harmony Santana “Gun Hll Road”(監督:Rashaad Ernesto Green)
 ・シェイリーン・ウッドリー “The Descendants”

 アンジェリカ・ヒューストンとHarmony Santanaは、下馬評にはなかった名前です。
 ジャネット・マクティアがここでノミネートされて、製作・脚本・主演まで務めたグレン・クローズがどこにもノミネートされないというのは、彼女にとって大いなる失望に違いありません。ジャネット・マクティアがおっぱいを見せたからノミネートってことは……、まあ、体当たりの演技ってことでは、そういうこともあるかもしれません。

 ◆脚本賞
 ・ヨセフ・シダー “FootNote”(監督:ヨセフ・シダー)
 ・ミシェル・アザナヴィシウス “The Artist”
 ・トマス・マッカーシー “Win Win”(監督:トマス・マッカーシー)
 ・マイク・ミルズ 『人生はビギナーズ』
 ・アレクサンダー・ペイン、ナット・ファクソン、ジム・ラッシュ “The Descendants”

 ◆撮影賞
 ・Joel Hodge “Bellflower”(監督:Evan Glodell)
 ・Benjamin Kuh-Sulk “The Off Hours”(監督:Megan Griffiths)
 ・Darius Kond-Jee “Midnight in Paris”
 ・ギヨーム・シフマン “The Artist”
 ・Jeffrey Waldron “The Dynamiter”(監督:Matthew Gordon)

 Evan GlodellやMegan Griffiths、Matthew Gordonは新人監督作品だったりするので、この部門には比較的なじみのない顔ぶれが並びました。
 作品の勢いが強ければ、ここも“The Artist”が制することになるのかもしれません。

 ◆第1回作品賞
 ・“Another Earth”(監督:Mike Cahill)
 ・“In The Family”(監督:Patrick Wang)
 ・『マージン・コール』(監督:J・C・チャンダー)
 ・“Martha Marcy May Marlene”
 ・“Natural Selection”

 ◆第1回脚本賞
 ・Mike Cahill、Brit Marling “Another Earth”
 ・J・C・チャンダー 『マージン・コール』
 ・Patrick DeWitt “Terri”(監督:Azazel Jacobs)
 ・Phil Johnston “Cedar Rapids”
 ・Will Reiser  『50/50 フィフティ・フィフティ』

 ◆ジョン・カサヴェテス賞
 50万ドル以下の低予算映画を選考対象とする。
 ・“Bellflower”
 ・“Circumstance”(米・イラン)(監督:Maryam Keshavarz)
 ・“Hello Lonesome”(監督:Adam Reid)
 ・“Pariah”
 ・“The Dynamiter”

 ◆ロバート・アルトマン賞/アンサンブル賞
 ◎『マージン・コール』

 ◆ドキュメンタリー賞
 ・“An African Election”(スイス・米・ガーナ)(監督:Jarreth J. Merz、Kevin Merz)
 ・“Bill Cunningham New York”(米・仏)(監督:Richard Press)
 ・“The Interrupters”(監督:スティーヴ・ジェームズ)
 ・“The Redemption of General Butt Naked”(米・グルジア・リベリア)(監督:Daniele Anastasion、Eric Strauss)
 ・『あの頃、僕らは―いま語られるエイズの記憶 We Were Here』(監督:Dデイヴィッド・ワイスマン、Bill Weber)

 この中で、米国アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞候補となっている作品は、“Bill Cunningham New York”と『あの頃、僕らは―いま語られるエイズの記憶 We Were Here』です。
 有望視されている作品はたくさんありながら、最大公約数的にノミネートされているのは、“Bill Cunningham New York”だったりします。ファッション・カメラマンについてのドキュメンタリーのどこがそんなに素晴らしいのか。ビル・カニンガムの人間性が魅力的なのか。それとも彼を通して、現代(あるいはニューヨークの過去から現在)が浮き彫りになっているとか、そういうことなのでしょうか。

 ◆外国映画賞
 ・『別離』(イラン) 監督:アスガー・ファルハディ
 ・『メランコリア』(デンマーク・スウェーデン・仏・独) 監督;ラース・フォン・トリアー
 ・“Shame”(英) 監督:スティーヴ・マックイーン
 ・“The Kid With a Bike(Le Gamin au Velo)”(ベルギー・仏・伊) 監督:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
 ・『ティラノサウルス』(英) 監督:パディ・コンシダイン

 「外国語」映画賞ではないので、英語作品が入っています(2本)。
 米国アカデミー賞外国語映画賞候補にもなっているのは、『別離』のみです。
 どうやら本年度の外国(語)映画賞部門の本命は『別離』であるようです。

 ◆「今後の劇場公開を期待したい」映画賞(Someone To Watch Award)
 まだ大きな映画賞などを受賞したりしていない優れたフィクション作品の作り手に贈られる。
 ・Simon Arthur “Silver Tongues”
 ・Mark Jackson “Without”
 ・Nicholas Ozeki “Mamitas”

 ◆事実は小説より奇なり(Truer Than Fiction Award)
 まだ大きな映画賞などを受賞したりしていない優れたドキュメンタリー作品の作り手に贈られる。
 ・“Where Soldiers Come From” 監督:Heather Courtney
 ・“Hell and Back Again” 監督:Danfung Dennis
 ・“Bombay Beach” 監督:Alma Har'el

 “Hell and Back Again”は、サンダンス映画祭2011で撮影賞を受賞しているほか、監督は国際ドキュメンタリー協会賞IDAアワードでJacqueline Donnet Award(新人監督賞)を受賞しています。ブリティッシュ・インディペンデント・フィルム・アワードでドキュメンタリー賞にノミネートされているほか、アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞候補にもなっています。

 ◆ピアジェ・プロデューサー賞(Piaget Producers Award)
 ・Chad Burris “Mosquito y Mari”(監督:Aurora Guerrero)
 ・Sophia Lynn “Take Shelter”
 ・Josh Bond “Martha Marcy May Marlene”

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 主な作品のノミネート状況は以下の通りです。

 ・“The Artist”(5):作品・監督・主演男優・脚本・撮影
 ・『人生はビギナーズ』(4):作品・監督・助演男優・脚本
 ・『ドライヴ』(4):作品・監督・主演男優・助演男優
 ・“The Descendants”(4):作品・監督・助演女優・脚本
 ・“Take Shelter”(4):作品・主演男優・助演女優・プロデューサー
 ・“Martha Marcy May Marlene”(4):主演女優・助演男優・第1回作品・プロデューサー
 ・『50/50 フィフティ・フィフティ』(3):作品・助演女優・第1回脚本
 ・『マージン・コール』(3):第1回作品・第1回脚本・アルトマン
 ・“Natural Selection”(2):主演女優・第1回作品
 ・“Pariah”(2):主演女優・カサヴェテス
 ・“Midnight in Paris”(2):助演男優・撮影
 ・“Cedar Rapids”(2):助演男優・第1回作品
 ・“Bellflower”(2):撮影・カサヴェテス
 ・“The Dynamiter”(2):撮影・カサヴェテス
 ・“Another Earth”(2):第1回作品・第1回脚本

 何がインディペンデント作品で、何がそうでないのかは、タイトルを見ただけではちょっとわかりにくいので、「ノミネートされるべきなのに、ここにノミネートされていない作品」が何なのかは調べてみないとはっきりとはわからないのですが、少なくとも『ツリー・オブ・ライフ』が全くの選外になったことはわかります。ゴッサム・アワードは獲ったのに、インディペンデント・スピリット・アワードからは完全に無視されてしまいました。

 逆に、ここに来て評価を上げているのは、『人生はビギナーズ』と『マージン・コール』で『マージン・コール』は、第1回作品賞/初監督作品賞の最有力候補に挙がってきました。

 最多ノミネートとなったのは、“The Artist”ですが、白黒映画で、ほとんど台詞もなく、しかもフランス映画で、カンヌ印のついた作品であることを含め、どこまで全米映画賞レースで善戦するかが注目されます。
 ここまで全米の映画賞レースにフランス映画ががっつり食い込むのは、2007年の『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』、作品賞クラスだと2003年の『戦場のピアニスト』以来でしょうか。

 今年の全米映画賞レースは、サンダンス映画祭出品作からのノミネートが少なめの見込みなのですが、インディペンデント・スピリット・アワードでは多数の「サンダンス作品」がノミネートされています。
 コンペティション部門出品作:“Another Earth”、“Circumstance”、“Gun Hll Road” 、“Martha Marcy May Marlene”、“Pariah”、“Take Shelter”、“Terri”、“The Redemption of General Butt Naked”、“We Were Here”、『ティラノサウルス』、“Hell and Back Again” 、“An African Election”
 プレミア部門出品作:“Cedar Rapids”、『マージン・コール』、“Win Win”、“The Interrupters”
 ネクスト部門出品作:“Bellflower”、“The Off Hours”

 この中で、サンダンス映画祭では無冠に終わった“Take Shelter”が最も善戦しているというのは、ちょっと皮肉ですね。

 授賞式は、アカデミー賞発表の前日である2012年2月25日です。

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 *当ブログ記事
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2011 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_1.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2011 受賞結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201102/article_50.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2010 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200912/article_3.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2010 受賞結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201003/article_12.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2009 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_8.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2009 受賞結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200902/article_30.html

 ・ゴッサム・アワード2011 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_25.html

 ・ニューヨーク映画批評家協会賞2011:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_27.html

 ・2011年11月時点でのオスカー予想:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_16.html

 ・映画祭&映画賞カレンダー 2011年6月〜2012年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201106/article_3.html

 追記:
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2012 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201202/article_43.html

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