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第51回アヌシー国際アニメーションフェスティバルの各賞が発表になりました。(6月11日) 【短編コンペティション部門】 ◆グランプリ(The Annecy Crystal) ◎“Pixels”(2009/仏) 監督:Patrick Jean ゴミ置き場に棄てられたテレビが点いて、中から8ビット時代のゲーム・キャラクターがあふれ出し、インベーダーやパックマンやテトリスなどが町を襲撃する。 サラエボ映画祭2010 ニュー・カレント短編部門出品。 ◆審査員特別賞 ◎“Big Bang Big Boom”(2010/伊) 監督:BLU 当ブログ記事:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201008/article_5.html ◆第一回作品賞(“Jean-Luc Xiberras”Award for a first film) ◎“Świteź(The Lost City of Świteź)”(2010/ポーランド・仏・カナダ・スイス・デンマーク) 監督:Kamil Polak 『パンタデウシュ物語』で知られるアダム・ミツケヴィチの同名の叙事詩を映画化したもの。湖の中に知られざる中世都市があり、そこでは善と悪の絶えざる戦いが繰り広げられている。 クラクフ映画祭2011出品。最優秀短編アニメーション賞 (Silver Horn)受賞。 ◆特別賞(Special Distinction) ◎“Paths Of Hate”(2010/ポーランド) 監督:Damian Nenow 2人の戦闘機パイロットによるサスペンスフルで、壮大な空中戦、または死のダンス。あるいは、人間の心の奥に眠る悪魔をモチーフにしたスリラー。 クラクフ映画祭2011出品。 ◆オリジナル音楽賞(Sacern Award for original music) ◎『マスク』“Maska”(2010/ポーランド) 監督:ティモシー・クエイ、スティーヴン・クエイ 「暗殺の遂行のために、心を持たされ“女”にされた殺人人形。その標的は王への反乱を企てる男。しかしその男に出会うや“彼女は”恋に落ちてしまう。しかし殺人機械として作られた彼女の性は、悲劇を生む…。スタニスワフ・レムの短編小説を原作とし、クエイ兄弟がポーランドで制作した最新作。」 クラクフ映画祭2011出品。 日本では、イメージフォーラム・フェスティバル2011で上映されています。 ◆ヤング審査員賞(Junior Jury Award for a short film) ◎“A Morning Stroll”(2011/英) 監督:Grant Orchard 物語:1人のニューヨーカーが朝の散歩をしていて、チキンの前を通り過ぎるが、真の都会人とは誰かということに頭を悩ませることになる。 ◆観客賞 ◎“Luminaris”(2011/アルゼンチン) 監督:Juan Pablo Zaramella 光のよって支配されている世界で、1人の普通の男が運命を変えてしまおうと計画する。 【長編コンペティション部門】 ◆グランプリ(The Crystal for feature) ◎“Le Chat Du Rabbin”(2009/仏) 監督:ジョアン・スファール(Joann Sfar)、Antoine Delesvaux 声の出演:フランソワ・モレル、モーリス・ベニシュ、アフシア・エルジ、フランソワ・ダミアン、マチュー・アマルリック 物語:1920年代のアルジェリア。ラビ・スファールは、娘のズラビャと、うるさいオウムと、いたずら好きな猫とともに暮らしていた。その猫は、オウムを飲み込んで以来、言葉を話せるようになるが、あまりうるさいので、港に棄てられてしまう。ズラビャのことが大好きでたまらなかった猫は、彼女と一緒にいたいがためにユダヤ教に改宗したいと言い出す。一家は、彼にモーゼの律法を初歩から教え始める。しばらくして、一家が生活を続けるためには、フランス語で読み書きできなければならないということになり、猫も協力しようとするが、神を冒涜するような言葉を吐いたため、しゃべれなくなり、普通の猫と変わらなくなる。彼の友達は、ロシア人画家ただひとりになる。ロシア人画家は、黒人のユダヤ人が住んでいるという空想上のエルサレムを探して、一家と、ツァーの元兵士、歌手、そして猫とともに、旅をスタートさせる。 ◆特別賞(Special Distinction) ◎『カラフル』“Colorful”(2010/日) 監督:原恵一 ◆観客賞 ◎『カラフル』“Colorful”(2010/日) 監督:原恵一 【TVシリーズ部門】 ◆グランプリ(The Crystal for best Tv production) ◎“The Amazing World Of Gumball”-‘The Quest’(2010/英・仏) 監督:Mic Graves、Ben Bocquelet 物語:ガンボールとダーウィンは、アナイスのために、Tレックスのティナから人形を取り戻す。 ◆特別賞(Special Award for a TV series) ◎“Le Petit Nicolas”-‘À La Récré On Se Bat’(2010/仏・ルクセンブルク・インド) 監督:Arnaud Bouron 物語:ニコラスとジェフロイは、決闘の約束をする。しかし、それをやめさせようという横槍が入って、2人は誰もじゃましない場所を目指す。 【TVスペシャル部門】 ◆最優秀作品賞(Award for best TV special) ◎“Das Bild Der Prinzessin”(2010/独) 監督:Johannes Weiland、Klaus Morschheuser 物語:お姫様が近くで牛を見ようとする。 【教育・科学・産業映画部門】 ◆最優秀作品賞 ◎“Comment Nourrir Tout Le Monde ?”(2009/仏) 監督:Denis Van Waerebeke 2050年にはどうなっているかという食糧危機に関するひとつの未来予想図。 【広告作品部門】 ◆最優秀作品賞 ◎“Canal J”-‘Royaume Du Gnagnagna’(2010/仏) 監督:Olivier Jeannel バカげた衣裳、古風な声、甘ったるい歌。コミックのキャラクターたちが反乱を起こす。 【ミュージック・ビデオ部門】 ◆最優秀作品賞 ◎Wax Tailor Featuring Charlie Winston “I Own You”(2010/仏) 監督:Romain Chassaing 【卒業制作部門】 ◆最優秀作品賞 ◎“Plato”(2010/仏) 監督:Léonard Cohen 空間に指で四角を描く男がいて、気に入らないのか、何度もやり直す。五角形を描き、六角形を描いて、ふと、そこに3本の線を描き足して、立方体に見えるようにすることを思いつく。その中に入ろうとして、立方体が、平面を飛び出して、出て行ってしまう。男も平面の外へと出ようとするが、出られず、先に外に出た立方体に翻弄されてしまう。 動画のフル・バージョンはここ↓で視聴できます。 ・ARTE Creative:http://creative.arte.tv/fr/space/EnsAD/message/1344/PLATO_de_Leonard_Cohen/ ◆審査員特別賞 ◎“Trois Petits Points”(2010/仏) 監督:Lucrèce Andreae、Alice Dieudonné、Tracy Nowocien、Florian Parrot、Ornélie Prioul、Rémy Schaepman 裁縫師が戦争に行った夫を待っている。夜、大きな怪我をした夫が帰ってきて、彼女は、自分の裁縫の腕で、夫の怪我を繕ってしまう。戦争が終わったことを知った妻は、夫を外に連れ出す。妻は、才能を発揮して、あらゆるものを縫い合わせていくが、夫の方は、持たされたハサミの魔力で、少しずつ化け物化していき、妻の縫い合わせたところを切っていく……。 ◆特別賞(Special Distinction) ◎“The Eagleman Stag”(2010/英) 監督:Mikey Please 物語:ピーターは、「フライ」を何度も繰り返すと、「ライフ」に聞こえることに気づく。 ◆ヤング審査員賞(Junior Jury Award for a graduation film) ◎“Plato”(2010/仏) 監督:Léonard Cohen 【その他の賞】 ◆ユニセフ賞 ◎“L'apprenti Père Noël(Santa’s Apprentic)”(サンタの見習い)(2010/仏) 監督:Luc Vinciguerra [長編コンペティション部門] 物語:サンタは、引退したくはなかったが、決まりで、引退して、次の者に仕事を譲らなければならなかった。次のサンタは、純粋な心を持った孤児から選ばれることになっていた。地球の裏側にそれにぴったり合う少年がいたが、彼は自分に自信がなく、高いところも怖いのだった……。 ◆国際批評家連盟賞 ◎“Luminaris”(2011/アルゼンチン) 監督:Juan Pablo Zaramella [短編コンペティション部門] ◆Canal+賞(“Canal+ creative aid”Award for a short film) ◎“Chroniques De La Poisse(Sticky Ends/ No Need to Teach a Bear to Fly)”(2010/仏) 監督:Osman Cerfon クラクフ映画祭2011出品。 ◆Fnac Award for a festure film ◎“Chico & Rita”(2010/西) 監督:フェルナンド・トルエバ、ハビエル・マリスカル、Tono Errando 物語:キューバ革命前後の物語。チコは、若きピアニストで、いつも友人のラモンと一緒にたくさんの女の子を連れて、夜遊びをしていた。彼は、ナイトクラブで、リタを見つけ、その歌声に惚れる。2人は恋に落ちるが、チコのガールフレンドのフアナがじゃまをし、短い恋は終りを告げる。ラモンは、リタをチコとともにラジオ・コンテストに出場させるが、そのおかげで2人は音楽パートナーとしてつきあうようになる。アメリカのプロデューサー、ロンは、そんなリタに目をつけ、彼女をニューヨークに呼ぶ。ニューヨークで、リタはどんどん人気者になっていくが、ロンのしめつけも厳しくなる。一方、チコも、ピアノを売り、リタの後を追って、ラモンとともにニューヨークに向かう……。 トロント国際映画祭2010 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。 テルライド映画祭2010 メイン・プログラム上映。 ゴヤ賞2011長編アニメーション賞受賞。 ザグレブ国際アニメーションフェスティバル2011 コンペティション部門出品。 ◆You Tube賞(Anncey 2011 You Tube Award) ◎“Sidewalk Scribble”(オーストラリア) 監督:Peter Lowey 1枚の紙の上に町が描かれて、そこから1人の男性が歩き出していく。そこから、ストリートの風景を中心に、画がイメージの連鎖でつながっていく。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− この受賞結果に対する一般的な評価はどうなのかはわかりませんが、今年は、ブラザーズ・クエイだったり、BLUだったり、ジョアン・スファールだったり、フェルナンド・トルエバだったり、軒並みビッグネームが賞をさらっていきました。ひょっとすると、新たな才能を見出すことができなかった、不作の年だったということなのかもしれません。 短編部門グランプリの“Pixels”は、昨年からネット上でかなり話題になっていた作品です。 まあ、今っぽいといえば今っぽい(パソコンでちゃっちゃと作っちゃったというような)作品で、面白くないこともありませんが、昨年の『ロゴラマ』に比べても、技術的にも発想としてもちょっと安っぽいんじゃないかという気がしてしまいます。賞を獲ってもいいけど、アヌシーのグランプリというようなものではないような気がするし、だったら、まだBLUの方が断然凄いと思ってしまいます。 今回の受賞作品は、ネット上で、全部または一部が視聴できる作品がたくさんありますが、ちょっとどうなのかなと思った作品は、“Pixels”くらいで、そのほかの作品は、個人的にはけっこう楽しませてもらいました。(昔ながらの古きよきアニメーションを思わせる作品はあまりなくて、パソコンで、アニメーションのためのソフトやらアプリやらを使って、作ってみましたというような作品が多いように思いましたが、まあ、それも時代の流れでしょうか。) 卒業制作部門の“Plato”は、シンプルですが、面白いアイデアの作品で、今後、アニメーション作家となるのか、広告や映像ビジネスの世界で活躍するつもりなのかはわかりませんが、ヴィンチェンゾ・ナタリやBLUに近い才能を感じさせます。他にも作品があるなら見てみたいですね。 “Trois Petits Points”は、ゴブランの学生の作品だそうです。アカデミー賞にノミネートされていいクオリティーがあると思いますが、さて、どうでしょうか。 “Sidewalk Scribble”は、やはりライアン・ラーキンへのオマージュなのでしょうか。 『カラフル』の2冠は、今年のエントリー作品の中では、まあ、順当ということになるでしょうか。これをきっかけにいろんな国でこの作品が上映されていくことになるのではないかと思われます。 今年のラインナップでは、日本以外のアジア作品のエントリーが目を惹きましたが、少なくとも受賞結果だけを見た限りでは、まだ、他の(国の)作品を措いても、取り上げたいというほどのものはなかったようです。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− *この記事がなかなか参考になった!と思ったら、人気ブログランキングにクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓ ↓ ![]() ↑ ↑ ↑ ↑ クリックしてね! *当ブログ記事 ・アヌシー国際アニメーションフェスティバル2011 オフィシャル・セレクション ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201106/article_5.html ・アヌシー国際アニメーションフェスティバル2011 オフィシャル・セレクション以外のラインナップ その1:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201106/article_6.html ・アヌシー国際アニメーションフェスティバル2011 オフィシャル・セレクション以外のラインナップ その2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201106/article_7.html ・アヌシー国際アニメーションフェスティバル2010 オフィシャル・セレクションのラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201005/article_24.html ・アヌシー国際アニメーションフェスティバル2010 オフィシャル・セレクション以外のラインナップ その1:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201005/article_26.html ・アヌシー国際アニメーションフェスティバル2010 オフィシャル・セレクション以外のラインナップ その2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201005/article_27.html ・アヌシー国際アニメーションフェスティバル2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201006/article_13.html ・アヌシー国際アニメーションフェスティバル2009 ラインナップ完全版!その1:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200906/article_11.html ・アヌシー国際アニメーションフェスティバル2009 ラインナップ完全版!その2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200906/article_12.html ・アヌシー国際アニメーションフェスティバル2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200906/article_15.html ・アヌシー国際アニメーションフェスティバル2008 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200806/article_20.html ・アヌシー国際アニメーションフェスティバル グランプリ リスト(〜2007年):http://umikarahajimaru.at.webry.info/200703/article_22.html ・ザグレブ国際アニメーションフェスティバル2011 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201105/article_26.html ・ザグレブ国際アニメーションフェスティバル2011受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201106/article_8.html ・オタワ国際アニメーションフェスティバル2010 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201010/article_21.html ・オタワ国際アニメーションフェスティバル2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201010/article_37.html ・ズリーン国際映画祭2011 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201105/article_27.html ・ズリーン国際映画祭2011受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201106/article_10.html ・クラクフ映画祭2011 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201106/article_1.html ・映画祭&映画賞カレンダー 2011年6月〜2012年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201106/article_3.html |
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