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zoom RSS コンペティション部門以外のラインナップ! カンヌ国際映画祭2011! 

<<   作成日時 : 2011/05/09 07:49   >>

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 今年のコンペティション部門は、実績のある名の知られた監督の作品が目白押しでしたが、そのほかの部門も負けていません。

 ある視点部門は、実質的に、コンペ部門の落選組ということになりますが、ここには、ホン・サンスやキム・ギドク、ガス・ヴァン・サント、ブリュノ・デュモン、アンドレアス・ドレーゼン、アンドレイ・ズビャギンツェフ、エリック・クー、ナディーヌ・ラバキら、錚々たる名前が並んでいます。これらの作品のよりコンペにエントリーされている作品の方が明らかに格が上ということなのでしょうか。

 ま、それはともかく、ここには、コンペ部門に全くエントリーされなかった国や地域(韓国とかロシアとか南米とかインドとかシンガポールとか)の作品がエントリーされています。これらの作品は、2011年度の各国の映画賞レースに顔を出してくるのは必死の作品です。(例年通りの水準であればということですが)

 以下には、日本人監督の作品は1本ありませんが、日本人をモチーフとした作品や、“Bonsai”というタイトルのチリ映画、加瀬亮が出演している作品があります。

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 ◆アウト・オブ・コンペティション部門

 ・Xavier Durringer “La Conquête (The Conquest)”(仏)
 出演:ドゥニ・ポダリデス、フロレンス・ペルネル(Florence Pernel)、ベルナール・ル・コク(Bernard Le Coq)、サミュエル・ラバルト(Samuel Labarthe)、イッポリト・ジラルド、ドミニク・ベネアール(Dominique Besnehard)
 物語:2007年5月6日、大統領選挙、第2回投票。ニコラ・サルコジ(ドゥニ・ポダリデス)が新大統領として選ばれようとしていた時、当のサルコジは、バスローブ姿のまま、打ちひしがれ、家に篭ったままでいた。彼は一日中、彼の元を去ったセシリアに電話をかけ続けていた。そしてその日から5年―。陰謀と策略、対立が散りばめられた、サルコジの政治の舞台での躍進劇―。権力と手に入れながら妻を失った男の物語。


 ・クリストフ・オノレ “Les Bien-Aimes (Beloved)”(仏・英・チェコ)
 出演:キアラ・マストロヤンニ、カトリーヌ・ドヌーヴ、リュディヴィーヌ・サニエ、ルイ・ガレル、ミロシュ・フォアマン、ポール・シュナイダー、ラシャ・ブコヴィッチ(Rasha Bukvic)
 物語:60年代のパリと21世紀のロンドン。マドレーヌと娘のヴェラは、ともに、次々と男を好きになっては、また違う男へと渡り歩いていく。しかし、いつの時代も軽卒な恋愛を許してはくれない。
 実の母娘であるカトリーヌ・ドヌーヴとキアラ・マストロヤンニが母娘役を演じる。


 ・Rakeysh Omprakash Mehra、ジェフ・ジンバリスト(Jeff Zimbalist) “Bollywood-The Greatest Love Story Ever Told”(インド)
 出演:アイシュワリア・ライ・バッチャン、アミターブ・バッチャン、マドゥリ・ディークシット(Madhuri Dixit)、Shammi Kapoor、シェカール・カプール、Saroj Khan、Dev Anand、カトリーナ・カイフ(Katrina Kaif)
 ボリウッドに関するドキュメンタリー。


 ・ウディ・アレン “Midnight In Paris”(西・米)
 出演:キャシー・ベイツ、エイドリアン・ブロディー、カーラ・ブルーニ、マリオン・コティアール、レイチェル・マクアダムス、マイケル・シーン、オーウェン・ウィルソン
 物語:秋に結婚を控えた若いアメリカ人カップルが、パリに小旅行をする。しかし、青年の方は、パリの魅力にとりつかれ、別の生き方をしたいと思うようになる。


 ・ロブ・マーシャル 『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』“Pirates Of The Caribbean: On Stranger Tides”(米)

 ・ジョディー・フォスター “The Beaver”(米)
 出演:メル・ギブソン、ジョディー・フォスター、ジェニファー・ローレンス、アントン・イェルチン、チェリー・ジョーンズ
 物語:ウォルターは、鬱になって、家族や近しい人々と距離を置くようになり、ついには、子供たちのためにと妻から家を追い出されてしまう。彼は、偶然見つけたビーバーの操り人形に、家族や同僚に言えないことを吐き出すようになり、そのことによって、次第に自信を取り戻していく。しかし、彼は、もうビーバーの人形なしでは生きられなくなっている……。

 ◇ミッドナイト・スクリーニング

 今年は、たった2作品しかありませんが、そのためか、公式サイトでは、アウト・オブ・コンペティション部門のプログラムに組み込まれてしまっています。

 ・ピーター・チャン “武侠(Wu Xia)”(中・香港)
 出演:ドニー・イェン、金城武、タン・ウェイ、ジミー・ウォング
 物語:清朝時代。製紙職人が、妻と2人の子とともに人里離れた村で平穏に暮らしていた。しかし、そこに刑事(探偵?)がやってきて、彼らの生活を引き裂いてしまう。


 ・Everardo Gout “Dias De Gracia (Days Of Grace)”(メキシコ・仏)
 出演:テノック・ウエルタ(Tenoch Huerta)、クリスティアン・フェルレール(Kristian Ferrer)、ドロレス・エレディア(Dolores Heredia)、カルロス・バルデム(Carlos Bardem)、Eilen Yanez、マリオ・サラゴサ(Mario Zaragoza)、ホセ・セファミ(José Sefami)
 物語:ワールドカップが行なわれた2002年と2006年と2010年のメキシコシティー。警官。人質。妻。腐敗、暴力、復讐。3つのワールドカップ、30日間、そして3つの人生。生き残るための3つの方法。


 ◆特別招待部門

 「特別招待部門」と銘打たれてはいますが、ドキュメンタリーを中心としたプログラムが組まれています。

 ・レティ・パニュ(Rithy Panh) “Duch, Le Maître Des Forges De L'enfer (Duch, Master Of The Forges Of Hell)”(仏・カンボジア)
 民主カンボジアの政治犯収容所S21の所長カン・ケク・イウ、別名ドッチ(Doch)に関するドキュメンタリー。殺人機構と化したS21と、彼の人間像―イデオロギーに対する信念、成功への強迫観念、ヒエラルキーの崇拝、指導者たちに評価されることの不安―を明らかにしていく。
 監督のリティ・パニュは、日本でも『戦争の後の美しい夕べ』(1998)、『S21 クメール・ルージュの虐殺者たち』(2002)が紹介されています。


 ・マイケル・ラドフォード “Michel Petrucciani”(仏・独・伊)
 出演:アレクサンドル・ペトルチアーニ(Alexandre Petrucciani)、アルド・ロマアーノ(Aldo Romano)、フランク・キャサンティ(Frank Cassenti)、ジョー・ロヴァーノ(Joe Lovano)、ジョン・アバークロンビー(John Abercrombie)、チャールズ・ロイド(Charles Llyod)、Francis Dreyfus、ロン・マクルーア(Ron Mcclure)
 物語:骨形成性疾患を乗り越えて、フランス最高のジャズ・ピアニストと称されるまでになったミシェル・ペトルチアーニに関するドキュメンタリー。


 ・Christian Rouaud “Tous Au Larzac (Leader-Sheep)”(仏)
 出演:Pierre Bonnefous、ジョゼ・ボヴェ(José Bove)、Pierre Burguière、Christiane Burguière、Michel Courtin、Léon Maille、Christian Rocqueirol、Marizette Tarlier、Michèle Vincent
 物語:1971年10月のある日、国防大臣ミシェル・ドブレは、事前に協議することなく、ラルザックの軍事基地を3000ヘクタールから14000ヘクタールへと拡大する決定を下す。しかし、たちまち拡大反対闘争が巻き起こり、1981年5月の大統領選挙まで続く、泥沼の争いとなる。


 ・Frederikke Aspöck “Labrador (Out Of Bounds)”(デンマーク)
 出演:Carsten Bjørnlund、ヤコブ・エクルンド(Jakob Eklund)、ステファニー・レオン(Stephanie León)
 物語:ネイサンは、荒涼とした吹きさらしの島に、ラブラドール犬と孤独な生活を送っている。そこに娘のステラと夫のオスカルが訪ねる。ステラは妊娠していて、子供を持つのをとても喜んでいるが、オスカルの方は、必ずしもそうではないらしい。それをネイサンが見破って、オスカルをけしかけたところから、二人の男性の間に激しい衝突が巻き起こる。


 ・Mourad Ben Cheikh “La Khaoufa Baada Al'yaoum (No More Fear)”(チュニジア)
 出演:Lina Ben Mhenni、Karem Cherif、Radhia Nasraoui
 高失業率などをきっかけに始まったチュニジアのデモや暴動は、2011年1月に大統領が国外に逃亡する事態までに発展した。史上初のサイバー発の革命とも言われる「ジャスミン革命」についてのドキュメンタリー。


 ・ジョシュ・ティッケル(Josh Tickell) “The Big Fix”(米・仏・独)
 出演:ピーター・フォンダ、ジェイソン・ムラーズ(Jason Mraz)、エイミー・スマート(Amy Smart)
 物語:2010年4月22日、BP社開発の石油プラットフォーム、ディープウォーター・ホライズンは、メキシコ湾で、歴史上最悪の重油による沿岸汚染を引き起こす。9月19日の油井の最終的な閉鎖までに7億7903万7744リットルもの原油と700万リットル以上の油処理剤が海に流さる。海を荒廃させたこのどす黒い潮の真の原因について調査していくうちに、映画監督のジョシュとレベッカ・ティッケルは巨大な汚職ネットワークの存在を突き止める。


 ◆ある視点部門

 ・ブリュノ・デュモン “Hors Satan”(仏)
 出演:ダヴィド・ドゥワエル(David Dewaele)、Alexandre Lematre
 物語:ドーバー海峡に面するオパール海岸。川と沼地のある小さな集落に、不思議な若者が細々と暮らしていた。密猟し、祈り、火をおこして生活する若者に、農家の娘が手助けし、食事を与える。広大な砂浜や森でふたりは時を過ごし、池のほとりで密かに黙祷を捧げていた。しかし、その池には悪魔が彷徨っていた……。


 ・ピエール・ショレール “L'exercice De L'etat (The Minister)”(仏・ベルギー)
 出演:オリヴィエ・グルメ、ミシェル・ブラン、ザブー・ブライトマン(Zabou Breitman)、ロラン・ストーケル(Laurent Stocker)、Sylvain Deblé
 物語:バスが峡谷へ転落したのをきっかけに、次々と連鎖的に事件が起こり、運輸大臣Bertrand Saint-Jeanは思いもかけぬ混乱に巻き込まれていく。
 『ベルサイユの子』のピエール・ショレール監督の最新作。


 ・ロベール・ゲディギャン “Les Neiges Du Kilimandjaro (The Snows Of Kilimanjaro)”(仏)
 出演:アリアンヌ・アスカリッド(Ariane Ascaride)、ジャン=ピエール・ダルッサン、Gérard Meylan、グレゴワール・ルブランス=ランゲ(Grégoire Leprince-Ringuet)、マリリン・カント(Maryline Canto)、アナイ・ドムスチエ(Anaïs Demoustier)、Adrien Jolivet
 物語:ミシェルは、たとえ失職しても、マリクレールと一緒にいれば幸せだった。ふたりは結婚して30年にもなる仲むつまじい夫婦で、子供や孫たちに囲まれ、友人にも恵まれている。ふたりで行なっている労組活動や政治活動は彼らの誇りであり、人生のビジョンも、彼らの意識と同じように澄み切っていた。そんな彼らの家を、ふたりの武装した覆面男が襲う。強盗はミシェルたちを殴打し、結婚指輪をはずさせ、クレジットカードを盗んで逃走した。彼らは、この出来事に大きなショックを受けるが、襲撃犯が、ミシェルと同じ時期に解雇された元同僚の青年クリストフだったことを知って、さらなるショックを受ける。2人は、やがて、クリストフが、弟たちを養い、教育や健康面にも気を配るやさしい心の持ち主であることを知る。
 『マルセイユの恋』『幼なじみ』のロベール・ゲディギャン監督最新作。


 ・アンドレアス・ドレーゼン “Halt Auf Freier Strecke (Stopped On Track)”(独)
 出演:Milan Peschel、シュテフィ・キューネルト(Steffi Kühnert)、Bernhard Schütz、Talisa Lilly Lemke、ウルスラ・ヴェルナー(Ursula Werner)、Mika Nilson Seidel、Otto Mellies
 物語:彼は医者にもう余命いくばくもないことを告げられる。残された時間は決まっていた。どうして僕で、どうして今なんだ? 妻と子供、両親、友達、隣人に、過去の愛人……。彼の人生の一部となった人々を後に残して彼だけが逝かなければならない。毎日一つのちょっとした別れ。徐々に減る言葉、長くなる沈黙。窓の外では、年月が色を変えていく。死、最後の仕事。全くの孤独でありながら、ひとりではない、それもいいのかもしれない……。
 アンドレアス・ドレーゼン版の『生きる』。


 ・Catalin Mitulescu “Loverboy”(ルーマニア・スウェーデン・セルビア)
 出演:George Pistereanu、Ada Condeescu、Ion Besoiu、Bogdan Dumitrache、Coca Bloos、Remus Marginean、Alexandru Mititelu、Adina Galupa、Clara Voda
 物語:黒海の港町コンスタンタ。ルカには女性たちを惹き付ける魅力があるが、彼はいつも友人たちに女性を押し付けていた。ところが、美しく陽気なヴェリと出会い、恋におちる。夏のドナウ河のほとり、2人は、けたたましい音楽の中で騒ぎ、車で夜明けまで徘徊する。しかし、彼はまだこの恋がどういう結末を迎えるのか、全く気づいていなかった……。


 ・Joachim Trier “Oslo, 31. August (Oslo, August 31st )”(ノルウェー)
 出演:Anders Danielsen Lie、Johanne Kjellevik Ledang、Kjærsti Odden Skjeldal、Petter Width Kristiansen、Hans Olav Brenner、Ingrid Olava
 物語:アンダースは、田舎にある薬物リハビリセンターでの治療を終えようとしていて、治療の一環として、就職の面接のために都会へと外出する。久しぶりに外の世界に出た彼は、街をぶらぶらと練り歩きながら、長い間忘れていた人との出会いを体験する。彼は、良家出身で、知性と容姿を兼ね備えていたが、ふと、これまでの自分はいくつもの好機を無駄にし、人々の期待を裏切ってばかりだったのではないかと思い、深い後悔の念に苛まれる。まだ若いとはわかっていながらも、自分の人生が既に終わってしまったかのようにも感じる。しかし、次の日の朝を迎える頃には気分が変わり、希望も沸き上がる。過去の過ちを教訓にし、また人を愛することができれば、新しい人生を歩むことができるかもしれない。未来を信じてもいいのかもしれない……。


 ・アンドレイ・ズビャギンツェフ “Elena”(ロシア)
 出演:Andrey Smirnov、Nadezhda Markina、Elena Lyadova、Alexey Rozin
 物語:ウラジーミルは裕福で冷淡な男。エレナは質素で従順な女。二人は異なる社会階層の出身で、人生の遅い時期に出会い、結婚した。二人には、それぞれ前の結婚でできた子供がいた。エレナの息子は職を失い、自分の家族の生活を支えることができず、絶えず母親に金を無心していた。ウラジーミルの娘は若く怠惰で自由奔放なところがあり、父親とは距離をとっていた。心臓発作を起こし入院したウラジーミルは、自分の死期を悟り、娘と短くも甘い時間を一緒に過ごしたいという思いから、全ての財産を娘に相続させるという決心をする。夫の決心を知ったエレナは、息子に金銭的援助をするという希望が失われて、ショックを受けるが、息子と孫に人生の真のチャンスを与えるために、あるプランを練る。

 ・Bakur Bakuradze “Okhotnik (The Hunter)”(ロシア)
 出演:Mikhail Barskovich、Tatyana Shapovalova、Gera Avdochenok、Vladimir Degilev、Oksana Semenova
 物語:農夫のイワン・ドゥアネフは早起きだ。豚に餌をやり、経理をチェックし、トラクターの整備をし、肉を切って古いトラックに積み、市場でその肉を売る。妻と、ティーンエイジャーの娘と、小さな息子との、いつもの決まりきった生活。趣味と言えるのは狩りくらいものだ。そこへ、近隣の矯正訓練所からリウバとライア というふたりの女性が、新しい労働婦としてやってくる。このままずっと変わらないと思われたイワンの生活は、彼らによって、少しずつ変化を見せていく。


 ・ナディーン・ラバキ “Et Maintenant On Va Ou ? (Where Do We Go Now?)”(レバノン・仏)
 出演:ナディーン・ラバキ、Claude Moussawbaa、Layla Hakim、Antoinette Noufaily、Yvonne Maalouf
 物語:墓場に向かう途中、暑い日差しが照りつける。黒をまとった女たちの行列。それぞれの夫や父親、息子達の写真をしっかりと握りしめている女たち。何人かはベールを覆い、何人かは十字架をつけていたが、不幸かつ無駄である戦争という結果が招いた死別の悲しみをすべての女性たちが分ち合っていた。墓地の入口に到着したとき、葬列が二つに分かれる。イスラム教とキリスト教。戦争によって引き裂かれた国。
 宗教の異なる女性たちは、しかし、自分達の村や家族が外部からの脅威に脅かされた時、宗教の違いを超えて団結しようとする。彼女たちは、利発で滑稽な計画で男連中の宗教の違いによる怒りや対立を忘れさせようとするが、計画は悲劇に終わる。残った者を助けるために彼女たちはどこまで出来るのだろうか?


 ・エリック・クー “Tatsumi”(シンガポール・インドネシア)
 物語:辰巳ヨシヒロは、1934年生まれの日本人の漫画家。終戦直後の占領下の日本で、彼の漫画への若き情熱は、結果的に家族とその生活を助ける手段となる。思春期には、崇拝していた手塚治虫と出会い、さらなる創作への着想を得る。彼は、漫画によって安定した収入と成功を得ることになるが、次第に、気取ったばかばかしい内容の筋書きと絵しか認めない、子供相手の漫画に疑問を持つようになる。1957年、彼は「劇画」という名称を作り出し、大人の読者に向けた新しい漫画の形を創出する。彼は、「劇画」によって、現実的で、陰鬱とした、人生の、より悲劇的な側面を描くことに取り組んでいく。


 ・キム・ギドク “Arirang”(韓)
 出演:キム・ギドク
 アリランを通じて、人生の丘を越え、人を理解しようと努力し、自然に感謝し、現況を受け入れているというキム・ギドクが、自ら三役を演じて、際限のない欲望にかられる現代人に向けて、アリランの世界―心で激怒していても微笑み、嫉妬にかられても愛し、嫌悪しても許し、殺意に震えても、自制する―を説く。


 ・ホン・サンス “The Day He Arrives(北村方向)”(韓)
 出演:ユ・ジュンサン、キム・サンジュン
 物語:ソウルに到着したソンジュンは、ブチョン地区に住む友人に電話をかけるが、連絡は取れない。界隈を歩きながら、ソンジュンはかつて会ったことのあるひとりの女優と偶然出会い、少し言葉を交わす。彼女と別れた後、一人で飲むつもりで入ったインサドンのバーで、そこにいた映画学生たちに、一緒に飲もうと誘われる。以前、ソンジュンは映画監督だったのだ。酔払ってバーを後にした彼は、昔の恋人の家のほうへと向かう。次の日(あるいはいつかはわからないある日)、彼はまた同じ界隈を歩き、ひとりの女優に会って、別れる。
 ソンジュンは、友人と若い女教師を伴って、バー“Roman”を訪れる。昔の恋人に似ているバーの女主人のために、彼はピアノを弾く。次の日(あるいはいつかわからないある日)、ソンジュンと友人は、図書館の中庭を散歩する。ソンジュンは、女の子と出会い、彼女の後を追ったという思い出話をする。夜、ふたりは、ベトナムから戻ってきたばかりの元俳優と酒を飲む。そこに若い女教師が加わって、バー“Roman”に向かう。アルコールの力を借りて、ソンジュンはバーの女支配人にキスする。
 ソンジュンはソウルで数日を過ごしたのだろうか。それともまだ1日目なのだろうか。昔の恋人と再会して何か教訓をつかんだのだろうか。それとも昔の恋人に似ている別の女性と新しい一歩を踏み出す方がいいのだろうか。いずれにしても、彼は自分に与えられた“今日”を歩み続けなければならないだった。


 ・ナ・ホンジン “黄海(The Murderer/The Yellow Sea)”(韓)
 出演:ハ・ジョンウ、キム・ユンスク、チョ・ソンハ、イ・チョルミン
 物語:ロシアと中国と北朝鮮の国境。借金だらけで、貧窮のどん底にある男が暗殺を引き受ける。それが家族を助ける最後の手段だったのだ。彼は、ターゲットとなる人物についてはあまり知らされていなかったが、まったく予想もつかない事態に陥ってしまう。


 ・Ivan Sen “Toomelah”(オーストラリア)
 出演:Daniel Conners、Christopher Edwards、Michael Conners
 物語:人里離れたアボリジニのコミュニティで、10才のダニエルは「ギャング」になることを夢見ている。彼にとってはギャングこそが男の模範だった。彼は、ギャングになるべく、授業をさぼり、喧嘩をふっかけ、地元ギャングのボスで麻薬ディーラーでもあるリンデンの使い走りをしていた。ダニエルは、目標のギャングになりつつあった。しかし、服役していた敵対ギャングのディーラーが出所し、暴力的な抗争が始まって、すべてが変わる。リンデンとその手下は刑務所行きとなり、ダニエルは、突然ひとりぼっちになってしまう。


 ・Sean Durkin “Martha Marcy May Marlene”(米)
 出演:エリザベス・オルセン、ブラディ・コーベット、ヒュー・ダンシー、ジョン・ホークス、サラ・ポールソン
 物語:新興宗教を脱退し、そのカリスマ的教祖(ジョン・ホークス)からも離れたマーサ(エリサベス・オルセン)は、もう一度自分の人生をやり直し、普通の生活を取り戻そうとする。彼女は、これまでずっと連絡を取っていなかった姉のルーシー(サラ・ポールソン)とその夫(ヒュー・ダンシー)に助けを請いながらも、自分が長い間行方をくらませていた理由を明かせずにいる。自分の属していた新興宗教団体が、きっと自分を見つけ出すだろうという恐怖にもおびえる。過去の記憶が彼女の心にパラノイアを引き起こし、その恐ろしい妄想が彼女の現実の世界を少しずつ侵していく。
 サンダンス映画祭2011 監督賞受賞。


 ・ヘラルド・ナランホ(Gerardo Naranjo) “Miss Bala”(メキシコ)
 出演:Stephanie Sigman、Noe Hernandez、ジェームズ・ルッソ(James Russo)、ホセ・イェンケ(Jose Yenque)、イレーネ・アスエラ(Irene Azuela)
 物語:法律が機能しない国メキシコ。若きビューティー・クイーン、ラウラは、戦争の犯罪グループに巻き込まれて、自分の夢が潰えてしまったことを悟る。
 ヘラルド・ナランホは、『レボリューション』(2010)の参加監督の1人。


 ・Cristián Jiménez “Bonsái”(チリ・仏・アルゼンチン・ブラジル)
 出演:Diego Noguera、Nathalia Galgani、Gabriela Arancibia、Trinidad González、Hugo Medina、Andrés Waas
 物語:映画の最後に、エミリアが死んでフリオだけが残る。現実にはエミリオの死の何年も前からすでにフリオは孤独だった。でも最後に死んだのはエミリアであってフリオではなかった。フリオが生きて、エミリオが死んだのだ。その事実を除けばあとはすべてがフィクションである。
 Cristián Jiménez監督は、『カタツムリの宝物』“El Tesoro De Los Caracoles (The Treasure of the Snails)”(2004)がショートショートフィルムフェスティバル2005 in 大阪で上映されています。


 ・ガス・ヴァン・サント 『永遠の僕たち』“Restless”(米)
 出演:ミア・ワシコウスカ、ヘンリー・ホッパー、加瀬亮
 物語:若くて美しいアナベル (ミア・ワシコウスカ)は末期癌だが、人生と自然を深く愛することで元気づけられている。一方、Enoch (ヘンリー・ホッパー)は、事故で両親を失くしてから世の中を儚んでいる。ある日、偶然に埋葬に居合わせた2人は、お互いに数々の共通点を見出して驚く。特攻隊員の幽霊が親友というEnoch、そしてチャールズ・ダーウィンと創造物すべてに情熱を捧げるアナベル。2人の素晴らしい関係が始まる。アナベルの死期がいよいよ間近に迫ってきた時、Enochは、アナベルに充実した最後の日々を過ごせるよう手助けしようとする。それは、運命や慣習、また死そのものへの挑戦でもあった。2人の間にかけがえのない愛が育つ一方、現実が2人を引き裂こうとする。怖いもの知らずで無邪気な2人は、苦悩し、怒り、喪失感と闘いながら、物事をひっくり返して自分たちのやり方を通すことに成功する。しかし、アナベルに死の影が近づいてくる。
 ある視点部門オープニング作品。


 ・Marco Dutra Juliana Rojas “Trabalhar Cansa (Hard Labor)”(ブラジル)
 出演:Helena Albergaria、Naloana Lima、Gilda Nomacce、Marina Flores、Lilian Blanc、Marat Descartes
 物語:若妻ヘレナは初めての食料品店をオープンさせ、家事と娘の世話を頼むためメイド、パウラを雇う。ヘレナの夫オタビオが解雇になった途端、3人の関係は突然変化し始める。ある出来事によってヘレナのビジネスも危うくなる。


 ・Oliver Hermanus “Skoonheid (Beauty)”(南ア・仏)
 出演:Deon Lotz、Charlie Keegan、Michelle Scott、アルバート・マリッツ(Albert Maritz)、Roeline Daneel、Sue Diepeveen
 物語:フランソワは、南アフリカのブルームフォンテーンで、ごく平凡な生活を送っている。彼には、妻とふたりの娘がいて、真面目な父であり、良き夫であった。そんな彼が、旧友の息子、23歳のクリスチャンと出会って、ひそかに心の紐を解き、激しい情熱と危うい欲望に身を任せることになる。自分に対する嫌悪の中で生きてきた彼が、ついにずっと押し殺してきた感情を露出させ、心の底でずっと探し求めていたもの ―喜び― をつかもうとする。


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 今年のコンペ部門には、テーマらしきものはあまり見えてきませんでしたが、ここに挙がってきている作品には、いくつかの傾向がうかがえます。

 1.「人生の再生」「それまでの人生の見直し」を描く:“Midnight In Paris”、“The Beaver”、“Oslo, 31. August”、“Martha Marcy May Marlene”、“Loverboy”

 2.生活を大きく変えるきっかけとその後を描く:“武侠”、“L'exercice De L'etat”、“Les Neiges Du Kilimandjaro”、“Okhotnik”、“Trabalhar Cansa (Hard Labor)”

 3.死期を悟った時:“Halt Auf Freier Strecke”、“Elena”、『永遠の僕たち』

 4.ボーイ・ミーツ・ガール:“Loverboy”、『永遠の僕たち』、“Skoonheid”

 既に日本での劇場公開が決まっている作品もあり、きっとなんらかの形で日本に紹介されるだろうと思われる監督の作品もいくつかありますが、今のところ、全然、名前が挙がっていない作品で、私が日本で劇場公開されると考える作品に、“Michel Petrucciani”があります。さて、どこが買ってくれるでしょうか。

 ※特別招待作品とある視点部門に1作品ずつ追加作品が発表になりましたが、文字数が上限に達しているため、ここでは書き加えることができませんでした。別の記事に、追記することにします。

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 *当ブログ記事
 ・カンヌ国際映画祭2011 コンペティション部門ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201105/article_4.html

 ・映画祭&映画賞カレンダー 2010年12月〜2011年5月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_48.html

 追記:
 カンヌ国際映画祭2011 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201105/article_21.html

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