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zoom RSS ドイツ映画批評家賞2011 結果発表!

<<   作成日時 : 2011/02/16 05:44   >>

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 ドイツ映画批評家賞(VDFK:Preis der deutschen Filmkritik)2011の受賞結果が発表になりました。(2月12日)

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 ◆作品賞(Spielfilm)
 ・“Boxhagener Platz” 監督:Matti Geschonneck
 ・“Das letzte Schweigen” 監督:Baran bo Odar
 ◎“Die Fremde” 監督:Feo Aladag
 ・“Drei” 監督:トム・ティクヴァ
 ・“Goethe!” 監督:Philipp Stölzl
 ・“Habermann” 監督:ユライ・ヘルツ(Juraj Herz)
 ・“Vincent will meer” 監督:ラルフ・ヒュートナー(Ralf Huettner)
 ・“Wir sind die Nacht” 監督:デニス・ガンゼル(Dennis Gansel)

 ◆男優賞(Darsteller)
 ・アウグスト・ディール “Die kommenden Tage”(監督:Lars Kraume)
 ・ファビアン・ヒンリヒス(Fabian Hinrichs) “Schwerkraft”(監督:Maximilian Erlenwein)
 ・アンドレアス・ルスト(Andreas Lust) 『強盗』“Der Räuber”(監督:ベンジャミン・ハイゼンベルク)
 ・セバスチャン・スキッパー(Sebastian Schipper) “Drei”
 ◎デーヴィト・シュトリーゾフ(Devid Striesow) “Drei”

 ◆女優賞(Darstellerin)
 ・ベルナデット・ヘアヴァーゲン(Bernadette Heerwagen) “Die kommenden Tage”
 ◎シベル・ケキリ(Sibel Kekilli) “Die Fremde”
 ・Julia Koschitz “Der letzte schöne Herbsttag”(監督:Ralf Westhoff)
 ◎ゾフィー・ロイス(Sophie Rois) “Drei”
 ・Katrin Saß “Das letzte Schweigen”

 ◆脚本賞(Drehbuch)
 ◎“Die Fremde” Feo Aladag
 ・“Drei” トム・ティクヴァ
 ・“Friendship”(監督:Markus Goller) Oliver Ziegenbalg
 ・“Renn, wenn du kannst”(監督:Dietrich Brüggemann) Dietrich Brüggemann、Anna Brüggemann
 ・“Wir sind die Nacht” ヤン・ベルガー(Jan Berger)

 ◆撮影賞(Kamera)
 ・“Boxhagener Platz” マルティン・ランガー(Martin Langer)
 ◎“Die Fremde” ユーディット・カウフマン(Judith Kaufmann)
 ・“Die kommenden Tage” ソニア・ロム(Sonja Rom)
 ・“Parkour”(監督:Marc Rensing) Ulle Hadding
 ・“Wir sind die Nacht” トルステン・ブロイアー(Thorsten Breuer)

 ユーディット・カウフマンは、『4分間のピアニスト』などを手がける撮影監督。

 ◆編集賞(Schnitt)
 ・“Der Freischütz(Hunter’s Bride)”(監督:Jens Neubert) Martin Hoffmann
 ◎“Die Fremde” Andrea Mertens
 ・“Im Haus meines Vaters sind viele Wohnungen”(監督:Hajo Schomerus) ダニエラ・グロッシュ(Daniela Grosch)
 ・“Jud Süß – Film ohne Gewissen”(監督:オスカー・レーラー) Bettina Böhler
 ・“Orly”(監督:Angela Schanelec) マティルド・ボンフォワ(Mathilde Bonnefoy)

 ◆音楽賞(Musik)
 ◎“Die Fremde” ステファン・ムーシャ(Stéphane Moucha)、マックス・リヒター(Max Richter)
 ◎“Die kommenden Tage” Christoph M. Kaiser、ジュリアン・マース(Julian Maas)
 ・“Die Liebe der Kinder”(監督:Franz Müller) Tobias Ellenberg、Daniel Backes、Jennifer Jones
 ・“Jane's Journey – Die Lebensreise der Jane Goodall”(監督:Lorenz Knauer) Wolfgang Netzer、クリス・ハイネ(Chris Heyne)
 ・“Jerry Cotton”(監督:Cyrill Boss、Philipp Stennert) Helmut Zerlett、Christoph Zirngibl

 ステファン・ムーシャは、『善き人のためのソナタ』などを手がける音楽家。
 マックス・リヒターは、『戦場でワルツを』『サラの鍵』などを手がける音楽家。
 ジュリアン・マースは、『厨房で逢いましょう』などを手がける音楽家。

 ◆第1回作品賞(Spielfilmdebüt)
 ・“Die Entbehrlichen(The Dispensables)” 監督:Andreas Arnstedt
 ◎“Die Fremde” 監督:Feo Aladag
 ・“Draußen am See(Losing Balance)” 監督:Felix Fuchssteiner
 ・“Parkour” 監督:Marc Rensing
 ・“Schwerkraft” 監督:Maximilian Erlenwein

 ◆ドキュメンタリー賞(Dokumentarfilm)
 ・“Berlin – Stettin” 監督:Volker Koepp
 ・“Das Schreiben und das Schweigen” 監督:Carmen Tartarotti
 ◎“Im Haus meines Vaters sind viele Wohnungen” 監督:Hajo Schomerus
 ・“Mein Herz sieht die Welt schwarz” 監督:Helga Reidemeister
 ・“Neukölln Unlimited” 監督:Agostino Imondi、Dietmar Ratsch

 ◆実験映画賞(Bester Experimentalfilm)
 ◎“Nacht um Olympia” 監督:Timo Schierhorn

 ◆短編映画賞
 2011年4月に発表。

 ◆特別賞(Ehrenpreis)
 ◎Heinz Badewitz Gründer 、Leiter der Hofer Filmtage

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 主な作品のノミネート&受賞状況は以下の通りです。

 ・“Die Fremde”(7/7):作品・女優・脚本・撮影・編集・音楽・第1回
 ・“Drei”(2/5):作品・男優・男優・女優・脚本
 ・“Die kommenden Tage”(1/4):男優・女優・撮影・音楽
 ・“Boxhagener Platz”(0/2):作品・撮影
 ・“Das letzte Schweigen”(0/2):作品・女優
 ・“Wir sind die Nacht”(0/2):撮影・撮影
 ・“Schwerkraft”(0/2):男優・第1回
 ・“Parkour”(0/2):撮影・第1回
 ・“Im Haus meines Vaters sind viele Wohnungen”(0/2):編集・ドキュメンタリー

 いろいろ面白そうな映画がある中で、“Die Fremde”の完全制覇という結果になりました。
 昨年の『白いリボン』が4部門ノミネートで4部門受賞でいたから、今回の7部門ノミネートで7部門受賞というのが、いかに凄いかがわかろうというものです。

 “Die Fremde”は、個人のプライベートを描きながら、その背景にある文化や社会、特に異文化コミュニケーションの難しさを浮かび上がらせるというタイプの作品で、近年、この手の作品はヨーロッパ映画に多いように思いますが、これだけ評価が高いということは、この作品はそうしたタイプの作品の中でもとりわけ傑出しているということなのだと思われます。

 監督のFeo Aladagは、1972年ウィーン生まれの女性。
 大学で、心理学とジャーナリズムを学びながら(2000年に哲学の博士号を取得)、ロンドンとウィーンで演技を学び、90年代半ばに女優としてキャリアをスタートさせています。
 と同時に、ヨーロッパ映画アカデミーとドイツ映画テレビアカデミーで、演出を学んで、アムネスティー・インターナショナルのスポットの演出やドイツのテレビ・シリーズの脚本を手がけるようになり、本作で長編監督デビューする、という足跡をたどっています。

 “Die Fremde”の内容からすると、「ドイツ=トルコ」をモチーフとして、ファティ・アキンの後継者ということになるのかなとも思ったのですが、自身は、トルコ系ドイツ人(オーストリア人)ということでもないようです。

 今回の企画は、アムネスティー・インターナショナルの仕事(女性へのDVに対するキャンペーン)をする過程で、浮かび上がってきたもので、映画化までに7年かかり、ほとんど眠れない日々が続いた、とインタビューで語っています。

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 Feo Aladagは、女優としてテレビを中心に15年以上のキャリアがあって、年齢も40歳近く、新人というには若干年齢も高めですが、監督デビュー作で、こんなにも高い評価を受けるとは、期待の逸材と言ってもいいのではないでしょうか。
 ドイツでもベテラン監督や中堅監督がなかなか新作を撮らせてもらえない状況らしいのですが、それを乗り切れられれば、将来、ドイツ(またはオーストリア?)を代表する監督になっていくとも期待されます。

 今回の“Die Fremde”は、スタッフが女性中心に構成されていて、監督も撮影も編集その他も女性ばかりです。
 そういう点から言えば、劇場公開はともかく、東京国際女性映画祭にはぴったりの素材であるように思えます。東京国際女性映画祭から岩波ホールでの劇場公開へ、というのもいい流れなのではないでしょうか。

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 *当ブログ記事
 ・ドイツ映画批評家賞2011 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201101/article_43.html
 ・ドイツ映画批評家賞2010 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_24.html
 ・ドイツ映画批評家賞2010 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201002/article_31.html

 ・バイエルン映画賞2011 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201101/article_36.html

 ・映画祭&映画賞カレンダー 2010年12月〜2011年5月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_48.html

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 主な受賞作品の内容は以下の通りです。

 ・“Die Fremde (When We Leave)” 監督:Feo Aladag
 出演:シベル・ケキリ、Settar Tanriögen
 物語:ドイツ生まれのトルコ人女性ウマイは、イスタンブールでの抑圧的な結婚生活を逃れるようにして、息子と2人でベルリンに戻ってくる。それは、ベルリンに戻れば、家族が助けてくれるだろうと期待しての帰国だったが、現実はそんなに甘くはなく、伝統としきたりを重んじる家族は、彼女の思いとは裏腹に、息子を父親の元に返そうとするのだった……。
 ベルリン国際映画祭2010 パノラマ部門出品。Label Europa Cinemas受賞。
 ドイツ映画賞2010 ブロンズ賞&主演女優賞受賞。
 トライベッカ映画祭2010 グランプリ受賞。
 ゲント国際映画祭2010 グランプリ&観客賞受賞。
 サンパウロ国際映画祭2010 最優秀作品賞受賞。
 第4回ラックス賞ノミネート。
 米国アカデミー賞2011外国語映画賞ドイツ代表

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 ・“Drei(Three)”(独) 監督:トム・ティクヴァ
 出演:ゾフィー・ロイス、セバスティアン・シッパー(Sebastian Schipper)、デーヴィト・シュトリーゾフ(Devid Striesow)
 物語:40代前半の夫婦ハンナとシモンがベルリンで暮らしている。それぞれ別々に、若い男性アダムと出会い、恋に落ちてしまう。やがてハンナが妊娠していることがわかるが、どっちが父親なのかがわからないのだった……。
 ベネチア国際映画祭2010 コンペティション部門出品。
 トロント国際映画祭2010 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。
 バイエルン映画賞2011 監督賞&受賞賞受賞。

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 ・“Die kommenden Tage(Day to Come)”(独) 監督:Lars Kraume
 出演:ベルナデット・ヘアヴァーゲン(Bernadette Heerwagen)、ダニエル・ブリュール、アウグスト・ディール、ヨハンナ・ヴォカレク
 物語:未来への希望と不安に揺れる3人の姉弟の物語。ラウラは大学を卒業して、愛するハンスと子供たちと暮らす道を選ぶのかどうか決めなければならなかった。セシリアは、コンスタンチンへの報われない愛の深みにはまっていた。末っ子のフィリップは、アジアでの油田開発で絶望的な戦いをしていた……。

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 ・“Im Haus meines Vaters sind viele Wohnungen” (独・スイス) 監督:Hajo Schomerus
 物語:エルサレムの聖墳墓教会に関するドキュメンタリー。聖墳墓教会は、ゴルゴダの丘があったとされる場所に立てられた教会で、キリスト教の6つの宗派、カトリック教会、東方正教会、アルメニア使徒教会、コプト正教会、シリア正教会、そしてエチオピア正教会の共同管理となっていて、一日中、いずれかの宗派の行事が行なわれている。大きな祝日ともなると世界中から多くの信者がかけつけるが、それぞれの宗派は分断されたまま、交わることはない。

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