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zoom RSS インディペンデント・スピリット・アワード2011 ノミネーション発表!

<<   作成日時 : 2010/12/01 12:15   >>

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 第26回インディペンデント・スピリット・アワードのノミネーションが発表になりました。(11月30日)

 この賞は、Film IndependentというNPO団体が選出する映画賞で、制作費が2000万ドル以下で、1週間以上商業公開されるか、または、サンダンス映画祭(1月)、ニューヨークND/NF(New Directors/New Films)映画祭(3月)、ロサンゼルス映画祭(6月)、トロント国際映画祭(9月)、テルライド映画祭(9月)、ニューヨーク映画祭(10月)、のいずれかで上映された作品(70分以上の長さがある)を対象としています。つまり、製作費が少なくても、意欲的な映画、志の高い映画を選んで表彰しようという、コンセプトの映画賞です(設立は1984年)。

 この賞は、年々、製作費が高くなることと、そういう映画を持てはやす風潮に異議を唱える目的で設立されたものですが、それは反アカデミー賞という意味合いも持っていて、授賞式は、意図的にアカデミー賞の前日に設定されています。だから、「アカデミー賞の前哨戦の1つ」のように見えても、決して「アカデミー賞の前哨戦の1つ」などではないわけです。

 過去の受賞作を見てみると、『ザ・プレイヤー』『パルプ・フィクション』『ファーゴ』『メメント』『エデンより彼方に』『ロスト・イン・トランスレーション』『サイドウェイ』となかなかの品揃えで、2007年は『リトル・ミス・サンシャイン』、2008年は『JUNO/ジュノ』、2009年は『レスラー』、2010年は『プレシャス』が選ばれています。

 近年のアカデミー賞を見ると、良し悪しは別にして、明らかにインディペンデント・スピリット・アワード(もしくはその精神)の影響を受けているように思われます。(この項は、昨年の当ブログ記事より加筆修正)

 今年のノミネーション結果は以下の通りです。

画像

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 ◆作品賞
 ・“127 Hours” 監督:ダニー・ボイル
 ・“Black Swan” 監督:ダーレン・アロノフスキー
 ・“Greenberg” 監督:ノア・バウムバック
 ・“The Kids Are All Right” 監督:リサ・チョロデンコ
 ・『ウィンターズ・ボーン』 監督:デブラ・グラニック

 インディペンデント系作品で下馬評の高かった作品が順当にノミネートされています。
 2010年度全米映画賞レースの本命である“The King’s Speech”は、どういう扱いになっているのかわかりませんが、外国映画賞にノミネートされているだけで、あとはどの部門にも一切ノミネートされていません。アメリカ資本の入っている“127 Hours”は、メイン部門の対象にはなるが、アメリカ資本の入っていない“The King’s Speech”はメイン部門のノミネート対象外となるということでしょうか。
 “Greenberg”は、下馬評はさほど高くありませんでしたが、けっこう高い評価を受けています。意外と言えば、これがここに入ったことがちょっと意外でしょうか。

 ◆監督賞
 ・ダーレン・アロノフスキー “Black Swan”
 ・ダニー・ボイル “127 Hours”
 ・リサ・チョロデンコ “The Kids Are All Right”
 ・デブラ・グラニック 『ウィンターズ・ボーン』
 ・ジョン・キャメロン・ミッチェル “Rabbit Hole”

 作品賞にノミネートされた“Greenberg”はここでは落ちて、代わりに“Rabbit Hole”がノミネートされています。

 ◆主演男優賞
 ・Ronald Bronstein “Daddy Longlegs”(監督:Ben Safdie、Joshua Safdie)
 ・アーロン・エッカート “Rabbit Hole”
 ・ジェームズ・フランコ “127 Hours”
 ・ジョン・C・ライリー “Cyrus” (監督:Jay Duplass、Mark Duplass)
 ・ベン・スティラー “Greenberg”

 アーロン・エッカートとジェームズ・フランコは順当なノミネート、Ronald Bronsteinはゴッサム・アワードでブレイクスルー俳優賞を受賞したばかり、ジョン・C・ライリーとベン・スティラーは全く下馬評に挙がってきていませんでした。
 “Get Low”のロバート・デュバルや“Blue Valentine”のライアン・ゴズリングがノミネートされてもよかったはずですが、落選しました。
 アーロン・エッカートは、賞によっては助演男優賞候補扱いになったりもするようです。

 ◆主演女優賞
 ・アネット・ベニング “The Kids Are All Right”
 ・Greta Gerwig “Greenberg”
 ・ニコール・キッドマン “Rabbit Hole”
 ・ジェニファー・ローレンス 『ウィンターズ・ボーン』
 ・ナタリー・ポートマン “Black Swan”
 ・ミシェル・ウィリアムズ “Blue Valentine”(監督:Derek Cianfrance)

 今年は主演女優賞部門が混戦だと言われていますが、そのせいか、この部門だけノミネーションが6人になっています。
 イギリス勢がノミネートされないということであれば、Greta Gerwig以外は、ほぼ下馬評通りの順当なノミネーションです。

 ◆助演男優賞
 ・ジョン・ホークス 『ウィンターズ・ボーン』
 ・サミュエル・L・ジャクソン 『愛する人』(監督:ロドリゴ・ガルシア)
 ・ビル・マーレイ “Get Low”(監督:Aaron Schneider)
 ・ジョン・オーティス 『ジャック、舟に乗る』(監督:フィリップ・シーモア・ホフマン)
 ・マーク・ラファロ “The Kids Are All Right”

 イギリス勢がノミネートされないこともあって、ここは、マーク・ラファロ以外は、下馬評に挙がってきていなかった名前が挙がってきています。

 ◆助演女優賞
 ・Ashley Bell “The Last Exorcism”(監督:Daniel Stamm)
 ・デイル・ディッキー 『ウィンターズ・ボーン』
 ・アリソン・ジャネイ “Life During Wartime”
 ・ダフネ・ルービン=ヴェガ 『ジャック、舟に乗る』(監督:フィリップ・シーモア・ホフマン)
 ・ナオミ・ワッツ 『愛する人』

 “Black Swan”のミラ・クニス、“Rabbit Hole”のダイアン・ウィーストあたりがノミネートされてもよかったのですが、落選して、ちょっと意外な顔ぶれになっています。

 ◆脚本賞
 ・スチュアート・ブルムバーグ & リサ・チョロデンコ “The Kids Are All Right”
 ・デブラ・グラニック & アン・ロッセリーニ 『ウィンターズ・ボーン』
 ・Nicole Holofcener “Please Give”(監督:Nicole Holofcener)
 ・デイヴィッド・リンゼイ=アベアー “Rabbit Hole”
 ・トッド・ソロンズ “Life During Wartime”

 “127Hours”、“Black Swan”、“Blue Valentine”、“Get Low”は落選しました。

 ◆撮影賞
 ・アダム・キンメル 『わたしを離さないで』(監督:マーク・ロマネク)
 ・マシュー・リバティーク  “Black Swan”
 ・Jody Lee Lipes “Tiny Furniture”(監督:Lena Dunham)
 ・マイケル・マクドノー 『ウィンターズ・ボーン』
 ・ハリス・サヴィデス “Greenberg”

 “127Hours”(エンリケ・シャディアック)は落選しています。

 ◆初監督賞
 ・“Everything Strange And New” 監督:Frazer Bradshaw
 ・“Get Low” 監督:Aaron Schneider
 ・“Night Catches Us” 監督:Tanya Hamilton
 ・“The Last Exorcism” 監督:Daniel Stamm
 ・“Tiny Furniture” 監督:Lena Dunham

 ◆初脚本賞
 ・Diane Bell “Obselidia”(監督:Diane Bell)
 ・Lena Dunham “Tiny Furniture”
 ・Nik Fackler “Lovely, Still”(監督:Nicholas Fackler)
 ・Bob Glaudini 『ジャック、舟に乗る』
 ・Dana Adam Shapiro & Evan M. Wiener  “Monogamy”(監督:Dana Adam Shapiro)

 ◆ジョン・カサヴェテス賞(50万ドル以下の低予算映画に贈られる)
 ・“Daddy Longlegs”
 ・“Lovers Of Hate” 監督:Bryan Poyser
 ・“Obselidia”
 ・“The Exploding Girl” 監督:Bradley Rust Gray

 ◆ドキュメンタリー賞
 ・“Exit Through The Gift Shop” 監督:Banksy
 ・“Marwencol” 監督:Jeff Malmberg
 ・“Sweetgrass” 監督:Lucien Castaing-Taylor、Ilisa Barbash
 ・“Restrepo” 監督:Tim Hetherington、Sebastian Junger
 ・“Thunder Soul” 監督:Mark Landsman

 このうち米国アカデミー賞2011長編ドキュメンタリー候補にも挙がっているのは、“Exit Through The Gift Shop”と“Restrepo”のみです。
 “Gasland”、“Inside Job”、“The Tillman Story”、“Waiting for ‘Superman’ ”、“The Oath”、“Joan Rivers: A Piece of Work”などの有力作品は落選しました。

 ◆外国映画賞
 ・“Kisses”(アイルランド) 監督:Lance Daly
 ・“Mademoiselle Chambon”(仏) 監督:Stéphane Brizé
 ・『神々と男たち』(モロッコ) 監督:グザヴィエ・ボーヴォワ
 ・“The King’s Speech”(英) 監督:トム・フーパー
 ・『ブンミおじさんの森』(タイ) 監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン

 このうち米国アカデミー賞候補に挙がっているのは『神々と男たち』と『ブンミおじさんの森』のみです。

 ◆ロバート・アルトマン賞/アンサンブル賞
 ◎“Please Give”(監督:Nicole Holofcener)

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 主な作品のノミネート状況は以下の通りです。
 ・『ウィンターズ・ボーン』(7):作品・監督・主演女優・助演男優・助演女優・脚本・撮影
 ・“The Kids Are All Right”(5):作品・監督・主演女優・助演男優・脚本
 ・“Black Swan”(4):作品・監督・主演女優・撮影
 ・“Greenberg”(4): 作品・主演男優・主演女優・撮影
 ・“Rabbit Hole”(4):監督・主演男優・主演女優・脚本
 ・“127 Hours”(3):作品・監督・主演男優
 ・『ジャック、舟に乗る』(3):助演男優・助演女優・初脚本
 ・“Daddy Longlegs”(2):主演男優・カサヴェテス
 ・『愛する人』(2):助演男優・助演女優
 ・“Get Low”(2):助演男優・初監督
 ・“The Last Exorcism”(2):助演女優・初監督
 ・“Life During Wartime”(2):助演女優・脚本
 ・“Please Give”(2):脚本・アルトマン
 ・“Cyrus”(1):主演男優
 ・“Blue Valentine”(1):主演女優
 ・『わたしを離さないで』(1):撮影
 ・“Tiny Furniture”(1):撮影・初監督・初脚本

 『ウィンターズ・ボーン』が圧倒的な強さを見せ、それに“The Kids Are All Right”が続いています。

 今年のインディペンデント・スピリット・アワードの特徴は、サンダンス・プレミアの作品が非常に多いことです。他の映画賞でもそうですが、サンダンス作品が席捲しまくっています。これまでも有力なサンダンス作品が映画賞レースにからんでくることは多かったのですが、これほど大量の作品がノミネートされることはいまだかつてなかったように思います。

 サンダンス映画祭2010 コンペティション部門出品作品
 ・『ウィンターズ・ボーン』
 ・“Blue Valentine”
 ・“Night Catches Us”
 ・“Lovers Of Hate”
 ・“Obselidia”
 ・“Restrepo”

 サンダンス映画祭2010 コンペティション部門以外の出品作品
 ・“The Kids Are All Right”
 “Cyrus”
 『愛する人』
 “Get Low”
 『ジャック、舟に乗る』
 “Please Give”

 こういう状況を踏まえて、もっとサンダンス映画祭が影響力を増していくのか、あるいは、その反動がきて、インディペンデントの低予算映画ばかりを取り上げるのを多少敬遠するようになるのかはわかりませんが、これまでだってけっこう注目度の高かったサンダンス映画祭がこれまで以上に注目されることになることは確実だと思われます。

 今年のインディペンデント・スピリット・アワードのもう1つの特徴は、今年の全米映画賞レースを賑わわせることになるイギリス映画を(たぶん規定により)入れられなかったことで、そのために“The King’s Speech”や“Another Year”、“Made in Dagenham”といった有力作品とそのスタッフ&キャストが全くノミネートされませんでした。

 まあ、それがインディペンデント・スピリット・アワードなのだと言えば、そうなのですが、これにより、メジャー作品もイギリス映画も一切含まれず、そういった意味でも、今年のインディペンデント・スピリット・アワードは、これまで以上に他の映画賞とは違った受賞結果になるだろうと予想されます。

 個人的には、ちょっとお気に入りの『ジャック、舟に乗る』が3部門もノミネートされたのがうれしかったですね。受賞はどうかなっていう感じですが、初監督作品でここまで評価されたのはよかったのではないでしょうか。監督賞と主演男優賞にはノミネートされませんでしたが(笑)。

 受賞結果の発表は、米国アカデミー賞2011発表の1日前の2011年2月26日です。

 *インディペンデント・スピリット・アワードは、わりとコンパクトな映画賞なんですが、それでもフォーマットを整えたりするのにけっこう手間取ってしまいました。こういうことを続けていくのには、やっぱり応援があると励みになりますね〜。
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 *当ブログ記事

 ・インディペンデント・スピリット・アワード2010 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200912/article_3.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2010 受賞結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201003/article_12.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2009 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_8.html
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2009 受賞結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200902/article_30.html


 ・ゴッサム・アワード2010 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201011/article_33.html

 ・2010年11月時点でのオスカー予想:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201011/article_12.html
 ・2010年にブレイクアウトした10人!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201010/article_5.html
 ・ポスト・トロントでのオスカー2011 詳細予想! 21部門:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201009/article_41.html
 ・25週前のオスカー2011予想!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201009/article_1.html
 ・2010年前半期全米ムービー・チャート TOP35!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201007/article_9.html
 ・早くも米国アカデミー賞2011を予想してみました!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201003/article_25.html

 ・映画祭&映画賞カレンダー 2010年5月〜2011年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201005/article_23.html

 追記:
 ・インディペンデント・スピリット・アワード2011 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201102/article_50.html

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