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zoom RSS 『しんぼる』と23本の日本映画たち レインダンス映画祭2010 受賞結果!

<<   作成日時 : 2010/10/15 20:55   >>

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 レインダンス映画祭は、1992年にロンドンでスタートした、インディペンデント映画の祭典です。

 イギリスの映画賞といえば、まずBAFTA(英国アカデミー賞)ですが、BAFTAがアメリカ映画ばかりで、ほとんど米国アカデミー賞と変わらないようなものになってしまったのに対抗して、イギリスのインディペンデント映画のみに対象を絞って1998年に設けられた映画賞がブリティッシュ・インディペンデント・フィルム・アワード(BIFA)で、このブリティッシュ・インディペンデント・フィルム・アワードを始めたのがレインダンス映画祭であり、いまや映画祭本体よりも、ブリティッシュ・インディペンデント・フィルム・アワードの方が有名になってしまったと言えるかもしれません。

 まあ、そういうことに力を入れているインディペンデントな映画祭がレインダンス映画祭というわけです。

 もともとは、アメリカのインディペンデント映画の祭典、サン(Sun)ダンス映画祭をもじって、レイン(Rain)ダンスと名づけたようですが、今はそうしたことに触れる人もなく、サンダンス映画祭を引き合いに出されることもなくて、独自の路線を進み、一般にもそう認知されているようです。

 Wikipediaによると、ここで、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』や『メメント』、『オールド・ボーイ』などのプレミア上映が行なわれたと書かれていますが、これはイギリス・プレミアということで、この映画祭は、こういった作品のイギリス・プレミアの舞台にもなっています。

 今年の映画祭は、9月29日〜10月10日に開催されました。

 以下に、7つのコンペティション部門のラインナップと、受賞結果を書き出しておきますが、今年の注目は、メイン・コンペティションに松本人志の『しんぼる』がエントリーされていてことと、長短併せて23本もの日本映画の特集上映が行なわれたことでしょうか。

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 ◆インターナショナル長編コンペティション(Best International Feature)
 ・“Donoma”(仏) 監督:Djinn Carrénard
 ◎“Son of Babylon”(英・イラク) 監督:Mohamed Al-Daradji
 ・『しんぼる』“Symbol”(日) 監督:松本人志
 ・“The Woman With a Broken Nose”(独・セルビア) 監督:Srdjan Koljevic

 “Son of Babylon”(イラク・英・仏・UAE・オランダ・エジプト・パレスチナ) 監督:Mohamed Al-Daradji
 出演:Yasser Talib、Shazda Hussein、Bashir Al-Majid
 物語:フセイン政権の没落後、クルド人の少年と祖母が父/息子を探して、イラク国内を旅をする。
 サンダンス映画祭2010 コンペティション部門出品。
 ベルリン国際映画祭2010 パノラマ部門出品。平和映画賞(Peace Film Award)受賞。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2010 NETPAC賞受賞。
 米国アカデミー賞2011 外国語映画賞イラク代表。

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 ◆英国長編コンペティション(Best UK Feature)
 ◎“Five Daughters”(英) 監督:Philippa Lowthorpe
 ・“Huge”(英) 監督:Ben Miller
 ・“Jackboots on Whitehall”(英) 監督:Edward McHenry、Rory McHenry
 ・“Legacy”(英・ナイジェリア) 監督:Thomas Ikimi
 ・“Rebels Without A Clue”(英) 監督:Ian Vernon

 “Five Daughters”(英) 監督:Philippa Lowthorpe
 出演:イアン・ハート、Sarah Lancashire、Jamie Winstone
 物語:2006年12月にイギリスのIpswichという町で殺された5人の街娼の最後の数日(実話)を映画化した作品。

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 ◆第1回作品コンペティション(Best Debut Feature)
 ・“Armless”(米) 監督:Habib Azar
 ・“Cannibal”(ベルギー) 監督:Benjamin Viré
 ・“Donoma”(仏) 監督:Djinn Carrénard
 ・“Huge”(英) 監督:Ben Miller
 ・“Robert Mitchum Is Dead”(仏・ポーランド・ベルギー・ノルウェー) 監督:Olivier Babinet、Fred Kihn
 ◎“The Story Of My Space”(ロシア) 監督:Yana Polyarush

 “The Story Of My Space”(ロシア) 監督:Yana Polyarush
 物語:セント・ペテルスブルクの公共住宅に住んでいたクララの祖母が死んだ後、なぜか住まいのキッチンの窓ガラスが割れてしまう。その窓ガラスを新しいものに換えた時、その窓は、外の殺風景なコンクリートの庭ではなく、住人たちの思い出を映し出すスクリーンに変わる……。

 ◆ドキュメンタリー・コンペティション(Best Documentary)
 ・“Camp Victory, Afghanistan”(米) 監督:Carol Dysinger
 ・“Rouge Ciel”(仏) 監督:Bruno Decharme
 ◎“Sounds Like A Revolution”(カナダ) 監督:Summer Love
 ・“Stolen”(オーストラリア) 監督:Violeta Ayala、Dan Fallshaw
 ◎“There Once Was An Island”(米・ニュージーランド・パプアニューギニア) 監督:Briar March
 ・“This Way of Life”(ニュージーランド) 監督:Thomas Burstyn

 “Sounds Like A Revolution”(カナダ) 監督:Summer Love
 21世紀になった今でも、政治的イデオロギー的な検閲が行なわれていて、政治的信条を歌に込めて唄うミュージシャンの思いは、なかなかしかるべき観客の元には届かない。本作では、まさにいま現在のアメリカでプロテスト・ソングを唄うミュージシャンにスポットライトを当てる。出演は、パンク・バンドNOFX出身のFat Mike、フォーク&レゲー・シンガーのMichael Frantiなど。

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 “There Once Was An Island”(米・ニュージーランド・パプアニューギニア) 監督:Briar March
 海面上昇によって、少しずつ陸地が失われていって、いまや海抜1メートル、500メートル未満の土地しか残されていない、ポリネシア諸島のTakuuとその住民に関するドキュメンタリー。

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 ◆低予算作品コンペティション(Best Micro Budget Feature)
 ・“Armless”(米) 監督:Habib Azar
 ・“Flooding With Love For The Kid”(米) 監督:Zachary Oberzan
 ・“Incredibly Small”(米) 監督:Dean Peterson
 ・“Lovers of Hate”(米) 監督:Bryan Poyser
 ◎“Macho”(メキシコ・スイス・米) 監督:Rafael Palacio Illingworth

 “Macho”(メキシコ・スイス・米) 監督:Rafael Palacio Illingworth
 物語:ポールは、メキシコ出身で、今はロサンゼルスに住んでいる。ソフィーは、バンクーバー出身で、ポールと出会い、恋に落ちる。しかし、ソフィーがバンクーバーに帰ることになったため、2人の遠距離恋愛が始まる。ポールは、ロサンゼルスから離れられず、ソフィーもバンクーバーを出る決心がつかない。ポールは気がかりが募り、ソフィーには不満がたまっていく……。

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 ◆英国短編コンペティション(Best UK Shorts)
 ・“Dust”(英) 監督:Ben Lavington Martin
 ・“The Golden Boy”(英) 監督:Craig Pickles
 ・“Natural Selection”(英) 監督:Brett Foraker
 ・“Storage”(英) 監督:David Lea
 ◎“Stanley Pickle”(英) 監督:Vicky Mather
 ・“Watching”(英) 監督:Max Myers

 ◆インターナショナル短編コンペティション(Best International Shorts)
 ・“Fly”(独・ポーランド) 監督:Piotr J. Lewandowski
 ・“Happiness Is Hate Therapy”(カナダ) 監督:Brett Blackwell
 ・“I Am A Fat Cat”(米) 監督:Alex Brook Lynn
 ◎“LIN”(英) 監督:Piers Thompson
 ・“Moustachette”(米) 監督:Patrick Stump
 ・“Still”(キプロス) 監督:Alana Kakoyiannis

 ◆配給賞(Distribution Award)
 ◎アポロ・シネマ・チェーン。2010年3月のイギリスにおける劇場公開作品に対して。

 ◆フェスティバル賞(Film Of The Festival [短編部門])
 ◎“I Am A Fat Cat”(米) 監督:Alex Brook Lynn
 インディペンデント・フィルム・サポートの支援によって設けられた賞で、今年で6回目。受賞者には、来年の本映画祭の予告編制作という特典が与えられる。

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 【日本映画特集ラインナップ】(Japanese Film)

 ・『不惑のアダージョ』“Autumn Adagio” 監督:井上都紀
 ・『ボーイズ・オン・ザ・ラン』“Boys on the Run” 監督:三浦大輔
 ・『はい!もしもし、大塚薬局ですが』“Hi! Otsuka Drugstore” 監督:勝又悠
 ・『Lost & Found』“Lost and Found” 監督:三宅伸行
 ・『ロストガール』“Lost Girl” 監督:山岡大祐
 ・『ルナの子供』“Lunar Child” 監督:鈴木章浩
 ・『となりのトトロ』“My Neighbour Totoro” 監督:宮崎駿
 ・『風の谷のナウシカ』“Nausicaä of the Valley of the Wind” 監督:宮崎駿
 ・『アジアの純真』“Pure Asia” 監督:片嶋一貴
 ・『しんぼる』“Symbol” 監督:松本人志
 ・『USB』“USB” 監督:奥秀太郎
 ・『イエローキッド』“Yellow Kid” 監督:真利子哲也
 ・『ユリ子のアロマ』“Yoriko’s Aroma” 監督:吉田浩太

 「東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻第一期生修了作品集」“Geidai Shorts”
 ・『四ツ谷いろは』“Yotsuya Alpha beta” 監督:安西奈々
 ・『賢者の贈り物』“The Gift of the Magi” 監督:石井寿和
 ・『収集家の散歩』“Gathering” 監督:大見明子
 ・『服を着るまで』“Getting dressed” 監督:北村愛子
 ・『指を盗んだ女』“Woman who stole fingers” 監督:銀木沙織
 ・『つままれるコマ』“Bring me up” 監督:田中美妃
 ・『強迫的な秩序についてのカエル』“anti-caos” 監督:永迫志乃
 ・『CLIMBER』“CLIMBER” 監督:野中晶史
 ・『PapA』“PapA” 監督:松井久美
 ・『Googuri Googuri』 “Googuri Googuri” 監督:三角芳子

 ※作品集の中で、なぜか和田淳『わからないブタ』だけが外されてしまっています。

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 『しんぼる』が、2009-2010年において、世界の映画祭で、最も多く上映された日本映画であることはまず間違いなく(『空気人形』と同率1位くらい?)、いくつかの映画祭ではコンペティション部門入りして、賞も受賞しています。

 なので、レインダンス映画祭のコンペティション部門にエントリーされたくらいで、今更驚くようなことでもないのですが、ちょっとどうなのかなあと思うのは、今回のラインナップを見ると、どうも作品集めに苦労したことが窺えることで、そうした事情ありきで、『しんぼる』がコンペ入りしたんじゃないかと思えなくもないからです。

 たったこれだけの上映本数しかないのに、いくつかの部門で上映作品がだぶっているし、メインであるインターナショナル長編コンペティション部門のエントリー作品が4本しかないというのも、どうも怪しいですね。その中で、“Son of Babylon”は別格的に国際評価の高い作品であり、対する『しんぼる』はラインナップ的にもちょっと浮いているし、数合わせのために入れられているようにも見えます。

 まあ、だからどうだっていうこともないんですが。

 ただ、少なくとも『しんぼる』がこれだけワールドワイドで上映されたことで、次回作への国際的な注目は高まり、次回作はもっと大きな映画祭、もっと注目度の高い部門での上映が約束された、と言えるかもしれません。もっとも、他のインディペンデント系の映画監督と違って、積極的に国際映画祭に出向いて、海外メディアや映画関係者の要望に応えるということをほとんどしていないので、それがどう影響するかということが懸念されたりもしますが……。

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 *当ブログ記事
 ・映画祭&映画賞カレンダー 2010年5月〜2011年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201005/article_23.html

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天使は歩いてやってくる
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