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zoom RSS 日本人監督も受賞! ロカルノ国際映画祭2010 受賞結果発表!

<<   作成日時 : 2010/08/18 01:09   >>

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 第63回ロカルノ国際映画祭の各賞が発表になりました。

 ◆インターナショナル・コンペティション(Concorso internazionale/International Competition)部門

 ◎金豹賞:“Han Jia (Winter Vacation)”(中)
 監督:Li Hongqi
 物語:中国北部。冬休みの最後の日。4人の若者がこれといった目的もなく、仲間の家に集まる。彼らの会話は、まるで10代の会話のようであり、会話のための会話のようでもある。1人が10代の恋愛について話せば、1人は学校教育の意味について語る……。
 本作は、昨年のオープン・ドアーズ部門参加作品だそうです。

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 ◎審査員特別賞:“Morgen”(ルーマニア)
 監督:Marian Crisan
 物語:ネルーは、ハンガリーとの国境に近いルーマニアの小さな町でスーパーの警備員をしている。彼の楽しみは、朝、釣りをすること。この場所は、不法に国境を越えようとする者たちの通り道になっていて、ある日、ネルーは、トルコ人を“釣り上げて”しまい、満足にコミュニケーションもとれないまま、彼を自分の農場に連れ帰る。

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 ◎監督賞:Denis Côté “Curling”(カナダ)
 物語:ジャン・フランソワは、長くシングル・ファーザーを続けている。しかし、ある出来事が起こって、12歳の娘とのバランス関係が危うくなる。
 トロント国際映画祭2010 VISIONS部門出品。

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 ◎男優賞:Emmanuel Bilodeau “Curling”(カナダ)

 ◎女優賞:Jasna Duricic “Beli, Beli Svet (White White World)”(セルビア・スウェーデン・独)(監督:Oleg Novkovic)
 物語:キングは40代で、寂れた炭鉱町で、バーを営んでいる。一匹狼の彼は、愛車のバイクのため、そしてただ今のために生きている。数年前、彼は、親友の妻ルツィカと付き合っていたが、彼女が夫を殺してしまうという結末に至り、後悔と罪の報いとして、今は彼の幼い弟の面倒を見ている。ルツィカが出所する日がやってくる。彼女は、キングへの思いも残しながら、彼女を愛してくれる男性ホワイティーと再婚しようとしている。彼女にはローサという娘がいるが、ローサは酒とドラッグに溺れている。ある日、ローサは、キングと出会う。キングは、彼女に自分と通じ合うものを感じる。ローサがルツィカに似ているとかどうとか、キングは気にしなかったし、知りたくもなかった……。

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 ◎国際批評家連盟賞:“Han Jia (Winter Vacation)”(中)

 ◎国際批評家連盟賞 スペシャル・メンション:“Karamay(克拉玛依)”(中) 監督:Xu Xin(徐辛)
 1994年12月にウルムチの劇場で起こった火災に関するドキュメンタリー。323名の犠牲者を出すが、そのうち288名が児童で、これだけの犠牲者を出したのには、多分に人災の面があり、犠牲者の家族はしかるべき謝罪と補償を求めて、10年以上も闘っている。
 香港国際映画祭2010でプレミア上映。

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 ◎エキュメニカル審査員賞:“Morgen”(ルーマニア)

 ◎エキュメニカル審査員賞 スペシャル・メンション:“Han Jia (Winter Vacation)”(中)

 ◎同賞:“Karamay(克拉玛依)”(中)

 ◎FICC/IFFS Prize(International Federation of Film Societies):“Morgen”(ルーマニア)

 ◎FICC/IFFS Prize(International Federation of Film Societies)スペシャル・メンション:“Karamay(克拉玛依)”(中)

 ◎CICAE Prix Art & Essai(International Art & Essay Cinema Confederation):“Beli, Beli Svet (White White World)”(セルビア・スウェーデン・独)

 ◇ヤング審査員賞

 ◎1位:“Karamay(克拉玛依)”(中) 監督:Xu Xin(徐辛)

 ◎2位:“Pietro”(伊) 監督:Daniele Gaglianone

 ◎3位:“Morgen”(ルーマニア) 監督:Marian Crisan

 ◎«Environment is quality of life» Prize:“Womb”(独・ハンガリー・仏) 監督:Benedek Fliegauf

 ◆フィルムメーカーズ・オブ・ザ・プレゼント・コンペティション(Concorso Cineasti del presente/Filmmakers of the Present Competition)部門

 ◎金豹賞:“Paraboles (The Art Of Telling) (5th Episode Of Mafrouza)”(仏)
 監督:Emmanuelle Demoris
 物語:Mohamed Khattabは、地区で食料品店を営んでいる。一族の長である彼は、金曜日にモスクで説教をしている。ところが、そのモスクを引き継ぐために新しい人物がやってくることが知らされる。人々の関心はモスクの引継ぎが速やかに行なわれるかどうかに集まる。
 2年かけて制作されたシリーズ“Mafrouza”の5本目。“Mafrouza”は、グレコ・ローマン様式の共同墓地を持つ、アレクサンドリアの小さな町に、観る者を誘う。本作に先立つシリーズ4作品は、本映画祭の他のセクションで上映された。

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 ◎審査員特別賞(Special CINÉ CINÉMA Jury Prize):“Foreign Parts”(米・仏)
 監督:Verena Paravel、JP Sniadecki
 物語:クイーンズのウィレッツ・ポイントは、メッツの新スタジアムの陰で、離れ小島のようになり、工業地帯として終焉を迎えようとしていた。ここでは車が解体され、部品ごとに分けられて、リサイクルされていた。ジョーは、古くからのこの地域の住人で、地域が打ち捨てられようとしていることに怒りを感じていた。サラとルイスのカップルは、廃車のヴァンの中で暮らしていたが、食べ物と安全を求めて、この冬を越せるかどうか案じていた。ジュリアは、ジャンクヤードの浮浪者の女王で、なんとか日々の生きがいを見出そうとしていた……。

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 ◎スペシャル・メンション:“Ivory Tower”(カナダ・仏)
 監督:Adam Traynor
 物語:ハーシェルとテディアスは、チェス・プレーヤーの兄弟で、ともにマーシャを愛していた。ハーシェルは、純粋にチェスを愛し、チェスの道を究めるために、4年間、ヨーロッパを放浪し、“ジャズ・チェス”(それは、チェスのためのチェスであり、そこには、勝者も敗者もない)を探求していた。一方、テディアスは、冷酷なチェス・プレーヤーで、カナダのチェス・チャンピオンになり、ハーシェルの元恋人であるマーシャと結婚しようとしていた。帰郷したハーシェルは、“ジャズ・チェス”を披露するが、全く理解されず、彼は、マーシャを取り戻すためにも、チャンピオンシップを賭けてテディアスとの対戦に挑むのだった……。

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 ◎第一回作品賞:“Foreign Parts”(米・仏)
 監督:Verena Paravel、JP Sniadecki

 ◎第一回作品賞 スペシャル・メンション:“Aardvark”(米・アルゼンチン)
 監督:Kitao Sakurai
 物語:ラリーは、アルコール依存症から脱して、生活を立て直そうとしている。体を鍛えようとして入った柔術学校に通ううち、体も逞しくなり、柔術の腕も上がる。しかし、教官であるダーレンとのつきあいから、彼は、闇の世界に引き込まれそうになる……。
 監督のKitao Sakuraiは、1983年生まれの日本人で、日本の衣笠で生まれ、オハイオ州クリーヴランドで育つ。ケヴィン・スミスの『ドグマ』(1999)に子役として出演したりもしている。大学中退後、ニューヨークに移り、舞台美術の仕事に就く。興味は次第に映画に移行し、数編の短編発表後、本作で長編監督デビュー。

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 ◆レパード・オブ・トゥモロー/短編コンペティション部門(Pardi di domani /Leopards of Tomorrow)

 [インターナショナル・コンペティション]

 ◎金豹賞(Pardino d’oro for the Best International Short Film):“A History Of Mutual Respect”(ポルトガル)
 監督:Gabriel Abrantes、Daniel Schmidt

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 ◎銀豹賞(Pardino d’argento):“Pour Toi Je Ferai Bataille”(ベルギー)
 監督:Rachel Lang

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 ◎ヨーロッパ映画賞2010短編賞ロカルノ代表:“Diarchia”(伊)
 監督:Ferdinando Cito Filomarino

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 ◎Film und Video Untertitelung Prize:“Höstmannen (Autumn Man)”(スウェーデン)
 監督:Jonas Selberg Augustsén

 ◎Cinema e Gioventù Prize – Pardi di domani:“Khouya (My Brother)”(アルジェリア・仏)
 監督:Yanis Koussim

 ◎Cinema e Gioventù Prize – Pardi di domain スペシャル・メンション:“¿Te Vas?”(西)
 監督:Cristina Molino

 [ナショナル・コンペティション]

 ◎金豹賞:“Kwa Heri Mandima”(スイス)
 監督:Robert-Jan Lacombe

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 ◎銀豹賞:“Yuri Lennon’s Landing On Alpha 64”(スイス・独)
 監督:Anthony Vouardoux

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 ◎新人賞(Action Light Prize for Best Swiss Newcomer):“Angela”(スイス)
 監督:David Maye

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 ◎Cinema e Gioventù Prize – Pardi di domani:“Yuri Lennon’s Landing On Alpha 64”(スイス・独)
 監督:Anthony Vouardoux

 ◎Cinema e Gioventù Prize – Pardi di domain スペシャル・メンション:“Dürä..!”(スイス)
 監督:Quinn Reimann、Rolf Lang

 ◆観客賞(Prix du Public UBS)

 ◎“The Mission Of The Human Resources Manager”(イスラエル)(ピッツァ・グランデ部門) 監督:エラン・リクリス
 物語:主人公は、エルサレム最大のパン屋の社長で、彼は妻と離婚し、娘からも疎まれていた。ある日、従業員の1人である外国人女性が自爆テロに遭って、死んでしまう。彼女の遺体の引き取り手がなく、社長がその無関心を責められて、彼女の遺体を故郷であるロシアへと送り届けるハメになる……。

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 ◆ヴァラエティー・ピアッツァ・グランデ賞(Variety Piazza Grande Award)

 ◎“Rare Exports: A Christmas Tale”(フィンランド・仏) 監督:Jalmari Helander
 物語:ピエタリは、フィンランドの北部にある小さな村に住んでいる。まだ幼い彼がサンタクロースの真実について知ったのは、クリスマスの数週間前であった。一方、アメリカの科学者グループがその村の地下500メートルにクリスマスの秘密が隠されていることを発見する。それは、公表すれば、これからのクリスマスが全く変わってしまうだろうというような秘密であった……。

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 ◆批評家週間賞(SRG SSR idée suisse/Semaine de la critique 2010 Prize)

 ◎“Reindeer Spotting – Escape From Santaland”(フィンランド) 監督:Joonas Neuvonen

 ◎スペシャル・メンション:“Blood Calls You”(スウェーデン) 監督:Linda Thorgren

 ◎スペシャル・メンション:“The Furious Force Of Rhymes”(仏・米) 監督:Joshua Litle

 ◆オープン・ドアーズ部門

 ◎Grant for production Open Doors 50.000 CHF:“Sunny Days”(カザフスタン)
 監督:Nariman Turebayev、製作:Limara Zheksembayeva

 ◎Grant for development CNC (Centre National du cinéma et de l’image animée) 7.000 Euros:“Aral”(ウズベキスタン)
 監督:Ella Vakkasova

 ◎Grant for development ARTE 6.000 Euros:“Barzagh”(ウズベキスタン)
 監督:Saodat Ismailova

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 ◎名誉豹賞/レパード・オブ・オナー:ジャ・ジャンクー

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 ◎名誉豹賞/レパード・オブ・オナー:アラン・タネール

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 ◎エクセレンス賞:キアラ・マストロヤンニ

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 ◎プロデューサー賞/Raimondo Rezzonico賞(The Premio Raimondo Rezzonico For The Best Independent Producer This Year):メナハム・ゴーラン

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 ※審査員

 ・インターナショナル・コンペティション部門:エリック・クー(審査員長)、Golshifteh Farahani(イランの女優)、メルヴィル・プポー、Lionel Baier(スイスの監督)、Joshua Safdie(アメリカの監督)

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 ・フィルムメーカーズ・オブ・ザ・プレゼント・コンペティション部門:Eduardo «Quintin» Antin(アルゼンチンの映画批評家)(審査員長)、Anita Caprioli(イタリアの女優)、Maren Ade、Thom Andersen、Joachim Lafosse

 ・第一回作品賞:トニー・レインズ、Francisco Ferreira(ポルトガルのジャーナリスト)、Christian Jungen(スイスの映画批評家)

 ・レパード・オブ・トゥモロー/短編コンペティション部門:Lisandro Alonso(アルゼンチンの監督)、Sylvie Pialat(フランスのプロデューサー)、Nina Meurisse(フランスの女優)、Miguel Gomes(ポルトガルの監督)、Corneliu Porumboiu

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 2年連続で、アジア系の作品(中国人監督の作品)が金豹賞を受賞しました。
 シノプシスを読んだだけでは、これが金豹賞に値する作品なのかどうかはわかりませんが、現代中国の一面を端的に現した才気あふれる作品ということなのかもしれません。

 インターナショナル・コンペティションには、18作品がエントリーされていたわけですが、いくつかの作品が賞を独占する形になりました。

 受賞作の中では、やはり2本の中国映画の健闘が注目されるでしょうか。

 フィルムメーカーズ・オブ・ザ・プレゼント・コンペティションでは、山内崇寛監督の『21世紀』がエントリーされていましたが、受賞はなりませんでした。
 しかし、日本人監督Kitao Sakuraiが第一回作品賞スペシャル・メンションを受賞したことが大いに注目されます。
 このところ日本で映画制作を学ばずに海外で監督デビューする監督が増えてきていますが(ドイツで活躍する『赤い点』の宮山麻里枝監督、アメリカで製作した『ハーブ&ドロシー』が好評の佐々木芽生監督、タイをベースに活躍される西川智也監督、フランスに住んで、最新作がロッテルダム国際映画祭で上映された岩名雅記監督、アンアーバー映画祭2010でグランプリを受賞した斉藤大地監督などなど)、Kitao Sakurai監督もそういう監督の1人ということになるでしょうか。

 そのほか、気のついたことを1つだけ挙げておくと、40代を主人公とする作品が多かったことで、おそらくそれは監督の実年齢が40歳前後だったりするからなのでしょうが、商業ベースで考えると、製作にゴー・サインが出にくいと思われるこうした作品が製作され、こういう映画祭で高い評価を受ける(そして多少なりとも商業的成功に寄与する)、というのは、非常に意義のあることだろうと思われます。

 ロカルノ国際映画祭の上映作品は、金豹賞受賞作品であっても日本で劇場公開された作品は10本程度(うち日本映画が2本)であり、昨年度に限っては、受賞作は劇場公開はおろか、映画祭でも1本も紹介されていません。国際的な評価から考えて、紹介されてもいいんじゃないかと思われる作品はあるんですが、現状では絶無のままです。
 監督が無名、出演者も無名ということになると、内容によほどインパクトがあるか、作家性が突出したものでないと、今の日本で公開/上映されることは難しそうですが、さて、今年の受賞作で、公開/上映される作品はあるでしょうか。

 やや可能性が高いのはエラン・リクリスの新作でしょうか。日本では劇場公開作が1本きりですが、イスラエル映画祭か何かでレトロスペクティヴがあってもよさそうですよね。

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 *当ブログ記事
 ・ロカルノ国際映画祭2010 ラインナップ その1:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201007/article_16.html
 ・ロカルノ国際映画祭2010 ラインナップ その2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201007/article_17.html
 ・ロカルノ国際映画祭2009 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200907/article_16.html
 ・ロカルノ国際映画祭2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200908/article_10.html
 
 ・映画祭&映画賞カレンダー 2010年5月〜2011年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201005/article_23.html

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