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米国アカデミー賞2010 短編アニメーション賞を受賞した『ロゴラマ』“Logorama”。 いや〜、びっくりしました。 『つみきのいえ』のような感動とはまた違いますが、実によくできています。 そうかあ、これだったら、『老女と死神』はもちろん、『ウォレスとグルミット』や『フレンチ・ロースト』も敵いませんね。 以前から、『ロゴラマ』が、あそこで観られる、ここで観られるという情報を見つけては、チェックしていたのですが、覗いてみたときには、いつも間に合わず、削除されてしまった後ばかり、でした。 ところが、この度、なんとかタイミングがあって、You Tubeにアップされたところを観ることができた、というわけです。 ここに動画を張り付けようかとも思ったのですが、たちまちのうちにまた削除されてしまうかもしれないので、今回は記事のみにしておきたいと思います。 気になる方は、こまめにYou Tubeをチェックしてみてください。(今ならまだ間に合うかも?) あ、これは↓どうかな? 【物語】 MALIBUの看板。 何羽もの蝶が羽ばたいていく。(蝶の羽はMSN柄) 海上に看板そっくりの、ヤシの木の生えた島が見え、その島に重なるようにして太陽が昇ってくる。 CRUISE AMERICAの車が進んでいく。 道路わきには“AMERICAN FAMILY”と壁面に書かれた同じ形の建物がいくつも並ぶ。 CRUISE AMERICAの車と、 BETTENの車が、 STOP & SHOPの信号機で止まる。 BETTENの車を運転しているのは、プリングルスのホット&スパイシー。 カメラは、今度は、上空から、BETTENの車を追っていく。 RANDY’S DONUTSの回転塔。 ピザ・ハット。 その店の前で、プリングルスのホット&スパイシーが車を止め、タバコをふかしているエッソガールに声をかける。 が、エッソガールは、それを無視して行ってしまう。 ウィングバッジ型の鳥が空を舞う。 CRUZの車の中で、2人のミシュランマン(ミッチとマイク)が話をしている。 その横をNSTAの車が通り過ぎる。 ミシュランマンの一方が、ケンタッキー・フライド・チキンの店内に入る。Bicペンのキャラクターがオーダーに並んでいて、カウンターの右サイドには“MINUTEMAN PRESS”の看板がある。 車内には、もう1人のミシュランマンが待っていて、警察無線が聞こえてくる。 FREE SHIPPING to 48 States の車が駐車しているのが見える。 KFCから出たミシュランマンが、FREE SHIPPING to 48 States の車から降りるロナルド(ドナルド)を見かける。 ミシュランマン2人は、車の上にパトライトを出して、車で去るロナルドを追う。 ロナルドの車の後部ドアにはドルビーマークがある。 上空にはヘリが飛ぶ。操縦しているのもミシュランマン。 ロサンゼルス動物園。 NSTA(National Science Teachers Association)の黄色い車。 園内をめぐるカートの後部には、ハリボーとビッグボーイが座っている。(そのほかの子供たちはBicペンのキャラクター。カートを運転しているのはMr.Clean。) 2人は勝手にカートを降りて園内を見学。 Canadian Naturalのパンダ。 MIKOのペンギン。 MGMのライオン。 ハリボーは、ライオンに尻を見せて、からかい、グリーン・ジャイアントに注意される。 グリーン・ジャイアントの胸には、“Parental Advisory - Explicit Content” (親への勧告 - 露骨な内容)という札が下げられている。 Audiのロゴの入った高架道路。 ロナルドが、自分が追跡されていることに気づく。 追跡の様子がモニターに映し出されているピザ・ハットの店内。 エッソガールがウェイトレスをしている。 プリングルスの2人組(オリジナルとホット&スパイシー)が客として来ている。 ホット&スパイシーが、エッソガールの尻を触って、ドリンクが床に落ち、その痕が、NICKELODEONのマークになる。 グリーン・ジャイアントは、ハリボーとビッグボーイを、NSTAの車に乗せて、見送る。 ロナルドとミシュランマンのカー・チェイス。 m&mの2人組がいて、彼らは、ロナルドの車はよけられたが、ミシュランマンの車に轢かれてしまう。 ロナルドは、NSTAの車との衝突を避けようとして、ハンドルを切って、ドーナツ店前で、車を横転させる。 倒れた車の後部ドアが開いて、中から品物がこぼれ出る。 ミシュランマンたち、そして、シェリフもかけつけ、ピストルや、MD A TFのロゴの入ったライフルで、ロナルドを狙う。 パトカーの上にはDuPontのロゴがまわる。 シェリフは、Carl’s Jr.のマークの入ったカウボーイ・ハットをかぶる。 ピザ・ハットの店内には、ミスターピーナツの姿も見える。 NINTENDOのロゴの入ったNSTAのドアが開いて、ハリボーとビッグボーイが降りてくる。 ロナルドが、ビッグボーイをみつけて、人質に取り、ハリボーを蹴飛ばす。 ロナルドは、ビッグボーイを人質にしたまま、RAFのロゴの入ったサブマシンガンをかかげて、ピザ・ハットの店内に入る。 ビッグボーイは、ロナルドの腕を噛んで、逃げる。 ロナルドは、発砲し、逃げたビッグボーイは、隠れていたエッソガールを見つけて、抱きつく。 ミシュランマンの1人が外からロナルドを狙って撃つが、外れ、ロナルドを逆上させる。 動物園。 異変に気づいたのか、MGMのライオンが姿を引っ込め、ラコステのワニも水の中に潜る。 ヘリがred roof innの屋上に降り、さらなるミシュランマンたちが駆けつける。 狙撃手が、ウェンディーズの屋上からLEICAの照準器で狙いをつける。 街路樹は、afri。 その時、大きな揺れが襲う。 Canadian Naturalのロゴつきパンダが身を寄せ、Paramountの山ではプレイボーイのロゴのウサギが身を潜める。上空をたくさんのコウモリの群れが舞う。 地震のせいで、銃弾がドーナツの回転塔をかすめて、ヘリに命中する。 ヘリの計器はBMW Cisco SYSTEMになっている。 さらに大きな揺れ。地面に大きなひび割れができていく。 ヘリは、ピザ・ハットの店舗に落下。その衝撃でⓇが吹っ飛ぶ。 ロナルドが店からころがり出る。 店の外には、何台ものCOURTESY TRANSPORTATIONのロゴ。 動物園もパニック状態になる。 多くの動物が暴走。その中にはecko unltdのロゴも見える。 門から飛び出していく動物たちを、グリーン・ジャイアントも止められない。 地割れが進む。 ピザ・ハットの店内の崩壊が始まる。 エッソガールは、ビッグボーイの手を引いて、逃げる。 テーブルの下に隠れたプリングルスの2人の目の前にOCのロゴが落ちる。 Doughboyも店内を走る。 ロナルドは、McCaiuの看板を押しのけて、外へ出る。 そのままとどまっていたプリングルスの2人は、落ちてきた建材におしつぶされる。 ロナルドが身を隠した壁面にはセックス・ピストルズのロゴ。 ミシュランマン(最初の2人組のうちのドライバーの方)がロナルドを追うが、逆に、ロナルドに額を打ち抜かれて死ぬ。 エッソガールとビッグボーイは、CRUZの車に乗って逃げる。 ゴーストバスターズの駐車禁止の標識。 AGのロゴが落ちてきて、COURTESY TRANSPORTATIONのロゴをつぶす。 カーネル・サンダースも逃げ遅れて、倒れてきたSlim Jim(ビーフジャーキー・ショップ)の下敷きになる。 ロナルドは、GREASEのロゴ型バイクに跨って、逃げる。 地面が割れて、クレバスがX-BOXのロゴになる。 地割れが進み、動物が暴走し、街はどんどん崩壊していく。 WINDOWSのビルから“窓”がハラハラと落ちていく。 GREASEのバイクで逃げるロナルドの前にエンロンのロゴが落ちる。 Freddie Macの看板、Kマートの看板、hpのロゴも落ちてくる。 しかし、大きなWeight Watchersのロゴだけはよけきれずに、衝突し、ロナルドは投げ出される。 ロナルドは道路を横滑りして、地割れの中に落ちる。 エッソガールも崩壊する街から脱出しようと必死。 屋上に“Solutions for a small planet”の文字があるIBMのロゴも倒壊する。 ロナルドが地面から這い出ようとしたところで、エッソガールの車に轢かれそうになる。 エッソガールたちの乗った車は、エビアンの山などが見える郊外へ向かう。 ルート66。 石油採掘地区。 ハリウッド・サイン(HOLLYWOOD Chewing Gum)が見えてくる。 丘からはプレイボーイのロゴのウサギが穴から頭を出したりする。 ハリウッド・サインのWがまず落ち、続いて、Oが落ちて、道路をふさぐ。 エッソガールの運転する車は、道路を飛び出して、斜面を滑り落ちていく。 地割れはさらに進む。 エッソガールの車は木に衝突して止まる。 一瞬の静けさの後、地割れした箇所から次々と石油が噴き出す。 断層ができて、THE NORTH FACEのロゴが現れる。 石油の上に、Wの文字が浮かんで流れていく。 石油が街を沈めていく。 地崩れが起こり、エッソガールたちのいるところだけが石油の中に孤島として浮かぶ。 Wも石油の中に沈んでいく。 BGM ♪“I Don’t Want to Set The World on Fire” 空をウィングバッジの鳥が舞う。 石油の海の中からいろんなビルのロゴが頭をのぞかせる。NINTENDO、SAMSUNE、WALT DISNEY。 とりあえず難を脱したエッソガールは、孤島でくつろぎ、アップルのロゴ型の青リンゴをかじる。 カメラは、どんどん上空へと引いていく。 大陸に寄り添うように浮かぶ島は、NIKEのマークの形。 そして、宇宙空間へ。 ユニバーサルのマーク。 ペプシのマーク。 マスターカードのマーク。 NASAのマーク。 Milky Wayのマーク。 星が小さな光の点となっていく。 最後に、フレームの下から「まだ終わっちゃいないぜ」というように、ロナルドが顔を覗かせる。 ◆作品データ 2009年/仏/15分30秒 英語/字幕なし CGアニメーション カンヌ国際映画祭2009 批評家週間 コダック短編賞(Kodak Discovery Award for Best Short Film)受賞。 ストックホルム国際映画祭2009 最優秀短編賞受賞。 米国アカデミー賞2010 短編アニメーション賞受賞。 ・公式サイト:http://www.logorama-themovie.com/ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 事前の情報としては、この作品は、登場人物を有名企業のロゴや企業の人気キャラクターで表わしているロゴの街の物語だ、ということしか伝わってきていませんでしたが、そういうメインのアイデア以外の、脚本やキャラの立て方、そして、アクションもうまいですね。 犯罪者とそれを追う刑事というメインのプロットに、様々な人々のエピソードがからんでいき、さらに、それらの登場人物に、『日本沈没』ならぬ「ロサンゼルス沈没」が襲いかかるというストーリーの面白さ! ロナルドやビッグボーイ、エッソガールといったキャラクターも生き生きしていて、実に素晴らしい。いずれも、実際のハリウッド映画に出てきそうな、アメリカ人らしいキャラクターばかりです。 『ロゴラマ』は、言ってみれば、ハリウッド映画の、刑事もの、犯罪もの、パニックもののパスティーシュだったりするわけですが、実によく研究されています。 メイン・プロットとサブ・プロット、メイン・キャラクターとサブ・キャラクター、物語の舞台となる世界観&ロケーション、クライマックスからストンと落とすエンディング、そこに意味深な歌詞の懐メロをかぶせるやり方、最後は宇宙規模のスケールになり、最後の最後にちょっとしたおまけをつける。 人物の動きや、画面の中のモノの動き、背景も見事で、相当、手間隙がかけられているんじゃないでしょうか(たぶんお金も)。 それに、プラス、いちいちギャグが貼りつけられているわけですから、さすがに頭の固いアカデミー会員も脱帽してしまうわけです。(ロゴやキャラクターはランダムに選ばれているわけではなくて、それぞれに意味があったりするのですが、それは、下の方で触れます。) 気になったのは、無許可でこういう素材をこういう風に使って大丈夫なのかということでしたが、実際に大丈夫かどうかはともかく、作品自体が面白くて、そんなことは忘れてしまいました。 ロナルドを凶悪犯で使っていいのか、プリングルスはエロオヤジなのか、ビッグボーイは悪ガキなのか……。 まあ、こういうことについて、企業のイメージが傷つけられたとして、企業サイドからクレームがつけられても仕方がないんですが、少なくともいまのところは大丈夫なのかもしれません。(そのくせ、製作サイドは、この動画が動画サイトにアップされると、目ざとくみつけて、削除要請することを欠かさないんですが、それは、こういうことが、おおっぴらにならないようにという配慮だったりもする、のでしょうか?) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ◆監督について 監督・脚本・製作:François Alaux、Herve de Crecy、Ludovic Houplain 『ロゴラマ』は、アントワーヌ・バルドー=ジャケ(Antoine Bardou-Jacquet)とルドヴィク・オープラン(Ludovic Houplain)が1996年に作った、フランスのグラフィックス&アニメーション・スタジオH5の、初の劇場用のCGアニメーションで、François AlauxとHerve de Crecyは、同社のグラフィック・アーティストです。 H5は、これまでさまざまなミュージック・ビデオや広告、エキジビジョンなどを手がけ、世界的にもよく知られています。 1999年に、「奥さんが夜中に産気づいて、旦那さんが通りでタクシーを拾い、2人で病院へ向かう」という物語を、タイポグラフィーと効果音だけで表現した、“The Child”というクリップを発表していますが、それが、今回の『ロゴラマ』の原型になっています。 未見の方は、是非、下記リンクからご覧ください。 *当ブログ記事 ・“The Child”:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200711/article_20.html *参考サイト ・H5に関するWikipedia(英語/仏語):http://en.wikipedia.org/wiki/H5_(French_company) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 『ロゴラマ』について、もう少しこまかく見ておくと― ・オープニングのMALIBUと、エッソガールとビッグボーイが孤島にたどりつくエンディングはリンクしている。 ・ロナルドを凶悪犯にしたのは、本来、ピエロのルックスが恐ろしいものであるからであり、ギャング、おそらくは『バットマン』のジョーカーのイメージに重なるから。 ・ミシュランマンを刑事にしたのは、アメリカの警官は太っているというイメージから。 ・ヴァンのドライバーがプリングルスなのは、ヴァンのドラバーにはみんなヒゲがあるというイメージから。 ・Wが石油の上に流れ、そして沈んでいくのは、ジョージ・W・ブッシュと石油事業の関係を皮肉ったもの。 ・経営破綻したエンロンやFreddie Mac 、Kマートのロゴが落ちてくる。 ・マクドナルド(ロナルド)がWeight Watchersに行く手を阻まれるというのも意味ありげ。 ・出てくるのは、RANDY’S DONUTS 、KFC、マクロナルド、ピザ・ハット、ウェンディーズという風に、ファースト・フードばかり(という様にしてアメリカの食文化を皮肉っている)。 ・ミシュランマンが撃たれるシーンは、もちろん007シリーズのタイトル(モーリス・ビンダー)へのオマージュ。 ・パラマウント、MGM、ディズニー、ユニバーサルが出てくる(が、コロンビアやワーナーは出てこない)。 ・ハリボーが尻を出した後に、“Parental Advisory - Explicit Content” (親への勧告 - 露骨な内容)という札を出す。 ・たくさんの企業のロゴやキャラクターが出てくるが、H5が仕事でつきあったことがあるのは、アウディくらいで、そのほかの仕事でつきあいのある企業(ワーゲン、シトロエン、カルティエ、ヴィトンなど)のロゴは使っていない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【キャスト】 実は、デイヴィッド・フィンチャー監督本人を含め、フィンチャー組がキャストを担当しています。 ・ボブ・スティーヴンソン(Bob Stephenson/『セブン』『ゲーム』『ファイトクラブ』などに出演している俳優):ロナルド、ミシュランマン・マイク、ミシュランマン・シェリフ ・Sherman Augustus:ミシュランマン・ミッチ ・Aja Evans:エッソガール ・ジョエル・マイケリー(Joel Michaely/『ゴースト・ワールド』『キス・キス・バン・バン』『ファクトリー・ガール』などに出演している俳優):ビッグボーイ、グリーン・ジャイアント、Mr. Clean ・マット・ウィンストン(Matt Winston/『ファイトクラブ』『ゾディアック』などに出演している俳優):ハリボー ・アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー(Andrew Kevin Walker/『セブン』『8mm』などの脚本家として知られる):プリングルス ホット&スパイシー ・デイヴィッド・フィンチャー:プリングルス・オリジナル −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− *参考サイト ・『ロゴラマ』に関するWikipedia(英語/仏語):http://en.wikipedia.org/wiki/Logorama ・QUI EST "IN" QUI EST "OUT":http://cherchem.exblog.jp/12779237/ ・THE DESIGN OBSERVER GROUP:http://www.designobserver.com/observatory/entry.html?entry=12457 ・Motionographer:http://motionographer.com/2009/09/24/when-graphic-plays-beyond-narrative/#more-19802 *この記事がなかなかよかった!と思ったら、人気ブログランキングにクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓ ↓ ↑ ↑ ↑ ↑ クリックしてね! *当ブログ記事 ・『老女と死神』:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201003/article_10.html ・『フレンチ・ロースト』:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201002/article_43.html ・米国アカデミー賞2010短編アニメーション賞セミファイナリスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_34.html ・米国アカデミー賞2010 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201002/article_6.html ・アカデミー賞短編アニメーション賞リスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200701/article_11.html ※参考:「tantano 短編映画を楽しむ」を楽しむ ・「tantano 短編映画をたのしむ」INDEX ・「tantano 短編映画をたのしむ」 人気動画 トップ39! |
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