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zoom RSS 脚本賞も『ハート・ロッカー』が受賞する可能性 米・脚本家組合賞2010 発表!

<<   作成日時 : 2010/02/22 01:39   >>

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 米・脚本家組合賞(WGA:The Writers Guild of America) の受賞結果が発表になりました。(2月20日)

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 ◆オリジナル脚本賞(Original Screenplay)
 ・『(500)日のサマー』 脚本:スコット・ノイスタッター、マイケル・H・ウェバー
 ・『アバター』 脚本:ジェームズ・キャメロン
 ・『ハングオーバー』 脚本:ジョン・ルーカス、スコット・ムーア
 ◎『ハート・ロッカー』 脚本:マーク・ボール
 ・“A Serious Man” 脚本:ジョエル&イーサン・コーエン

 ◆脚色賞(Adapted Screenplay)
 ・“Crazy Heart” 脚本:スコット・クーパー 原作:Thomas Cobb
 ・『ジュリー&ジュリア』 脚本:ノラ・エフロン 原作:ジュリー・パウエル 『ジュリー&ジュリア』、Julia Child with Alex “My Life in France”
 ・『プレシャス』 脚本:ジェフリー・フレッチャー、原作:サファイア
 ・『スター・トレック』 脚本:ロベルト・オーチー、アレックス・カーツマン ジーン・ロッデンベリーの『スター・トレック』に基づく
 ◎『マイレージ、マイライフ』 脚本:ジェイソン・ライトマン、シェルドン・ターナー 原作:Walter Kirn “Up in the Air”

 ◆ドキュメンタリー部門
 ・“Against the Tide” 脚本:Richard Trank
 ・『キャピタリズム マネーは踊る』 脚本:マイケル・ムーア
 ◎『ザ・コーヴ』 脚本:マーク・モンロー(Mark Monroe)
 ・“Earth Days” 脚本:Robert Stone
 ・“Good Hair” 脚本:クリス・ロック、Jeff Stilson、Lance Crouther 、Chuck Sklar
 ・“Soundtrack for a Revolution” Bill Guttentag、Dan Sturman

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 以下、テレビ部門ほかは結果のみ列記することにします。

 ◆ドラマ・シリーズ部門
 ◎『MAD MEN』
 2年連続受賞。

 ◆コメディー・シリーズ部門
 ◎“30 Rock”
 3年連続受賞。

 ◆新シリーズ部門
 ◎“Modern Family”

 ◆エピソード部門(ドラマ) Episodic Drama – Any Length – One Airing Time
 ◎‘Broken、Part 1 And Part 2’(『Dr.HOUSE』)

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 ◆エピソード部門(コメディー) Episodic Comedy – Any Length – One Airing Time
 ◎‘Apollo、Apollo’(“30 Rock”)
 ◎‘Pilot’(“Modern Family”)

 ◆長編部門オリジナル脚本 Long Form – Original – Over One Hour – One Or Two Parts、One Or Two Airing Times
 ◎“Georgia O’Keeffe”

 ◆長編部門脚色賞 Long Form – Adaptation – Over One Hour – One Or Two Parts、One Or Two Airing Times
 ◎“Taking Chance”

 ◆アニメーション部門 Animation – Any Length – One Airing Time
 ◎‘Wedding For Disaster’(『ザ・シンプソンズ』)
 昨年も一昨年も『ザ・シンプソンズ』からの受賞でした。

 ◆コメディー/バラエティー シリーズ部門 Comedy / Variety – (Including Talk) Series
 ◎『サタデー・ナイト・ライブ』
 2年連続受賞。
 ◎“The Daily Show With Jon Stewart”

 ◆コメディー/バラエティー 音楽/授賞式/トリビュート・スペシャル部門 Comedy / Variety – Music、Awards、Tributes – Specials
 ◎インディペンデント・スピリット・アワード2009
 前回もインディペンデント・スピリット・アワードでした。

 ◆デイタイム シリーズ部門 Daytime Serial
 ◎“The Young And The Restless”

 ◆子ども向け番組 エピソード&スペシャル部門 Children’s Episodic & Specials
 ◎‘Welcome To The Jungle’(“The Troop”)

 ◆子ども向け番組 長編/スペシャル部門 Children’s Script – Long Form Or Special
 ◎“Another Cinderella Story”

 ◆ファミリー・ドキュメンタリー 現在の出来事を扱った番組部門 Family Documentary – Current Events
 ◎“The Madoff Affair” (Frontline)

 ◆ドキュメンタリー 現在の出来事を扱った以外の番組部門 Documentary – Other Than Current Events
 ◎“The Trials Of J. Robert Oppenheimer” (American Experience)

 ◆ニュース レギュラー/速報/特報部門 News – Regularly Scheduled、Bulletin Or Breaking Report
 ◎“World News With Charles Gibson”(ABC)

 ◆ニュース 分析・特集・コメンタリー部門 News – Analysis、Feature、Or Commentary
 ◎“A Private War: Expose: America’s Investigative Reports” (Bill Moyers Journal)(PBS)

 【ラジオ部門】

 ◆ドキュメンタリー部門 Documentary
 ◎ “2008 Year In Review”(CBS)

 ◆ニュース レギュラー/特報部門 News – Regularly Scheduled Or Breaking
 ◎“World News This Week ? July 11、2009”(ABC Radio)

 ◆ニュース 分析/特集/コメンタリー部門 News – Analysis、Feature Or Commentary
 ◎Paul Harvey: An American Life(ABC Radio)

 【PR/グラフィック・アニメーション】(Promotional Writing And Graphic Animation)

 ◆PR ラジオ・テレビ部門 On-Air Promotion (Radio Or Television)
 ◎“Vegas” (Dateline)、“The Wanted” Promo、NBC Nightly News Promo、“Iran” (Dateline)、“Cheat” (Dateline)

 ◆グラフィック・アニメーション部門 Television Graphic Animation
 ◎“Hudson Splashdown” (CBS Evening News With Katie Couric)

 【ビデオ・ゲーム部門】(Videogame Writing)
 ◎“Uncharted 2: Among Thieves”(Sony Computer Entertainment)

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 【特別賞】

 [WGAウエスト特別賞]

 ◆テレビ部門 生涯貢献賞(Paddy Chayefsky Laurel Award for Television for lifetime achievement)
 ◎Larry David

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 ◆生涯貢献賞(Screen Laurel Award for lifetime achievement)
 ◎バリー・レヴィンソン

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 ◆Paul Selvin Award
 ◎アンソニー・ペッカム(Anthony Peckham) 『インビクタス 負けざる者たち』
 生まれもった権利と市民の自由にスポットライトを当てたことに対して(recognizing written work which spotlights constitutional rights and civil liberties)

 ◆Morgan Cox Award
 ◎Carl Gottlieb
 長期にわたって組合活動に貢献したことに対して(honoring longtime Guild service)

 ◆Animation Writers Caucus Animation Award
 ◎Stan Berkowitz

 [WGAイースト特別賞]

 ◆生涯貢献賞(Ian McLellan Hunter Lifetime Achievement Award)
 ◎Alan Zweibel

 ◆コメディー部門賞(Herb Sargent Award for Comedy Excellence)
 ◎Gary David Goldberg

 ◆Evelyn F. Burkey Award
 ◎エドワード・オールビー
 名誉と威厳ある執筆活動に対して(for contributions bringing honor and dignity to writers everywhere)

 ◆Jablow Award
 ◎David Steven Cohen
 組合活動への貢献に対して(for devoted service to the Guild)

 ◆John Merriman Award
 ◎Philippa Leverman
 大学での放送ジャーナリズムの研究に対して(for Study of Broadcast Journalism at American University)

 ◆Michael Collyer Memorial Fellowship
 ◎Screenwriting to Antal Zambo of Wayne State University

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 オリジナル脚本賞は、前哨戦をリードしていた『イングロリアス・バスターズ』と有力候補だった『カールじいさんの空飛ぶ家』がなぜかノミネートされないという状況で、結果的に、アカデミー賞の本命である『ハート・ロッカー』がここも制することになりました。

 脚色賞は、前哨戦をほぼ制覇した『マイレージ、マイライフ』が順当に受賞しました。

 アカデミー賞のノミネーションは、以下の通りで、脚色賞は、『マイレージ、マイライフ』で間違いないところですが、オリジナル脚本賞は、どの作品が受賞してもおかしくない状況にあります。


 ◆オリジナル脚本賞
 ・『ハート・ロッカー』 マーク・ボール
 ・『イングロリアス・バスターズ』 クエンティン・タランティーノ
 ・“The Messenger” アレッサンドロ・キャモン、オーレン・ムーヴァーマン
 ・“A Serious Man” ジョエル&イーサン・コーエン
 ・『カールじいさんの空飛ぶ家』 ボブ・ピーターソン、ピート・ドクター 原案:ピート・ドクター、ボブ・ピーターソン、トム・マッカーシー

 ◆脚色賞
 ・『第9地区』 ニール・ブロムカンプ、テリ・タッチェル
 ・『17歳の肖像』 ニック・ホーンビィ
 ・“In the Loop” Jesse Armstrong、Simon Blackwell、Armando Iannucci、Tony Roche
 ・『プレシャス』 ジェフリー・フレッチャー
 ・『マイレージ、マイライフ』 ジェイソン・ライトマン、シェルドン・ターナー


 以下で、オリジナル脚本賞に関する傾向と可能性を探ってみると―

 1.オリジナル脚本賞に関しては、前哨戦では、『イングロリアス・バスターズ』が最多受賞で、それに続くのが『(500)日のサマー』、そして、わずかに“A Serious Man”が受賞するという結果で、『ハート・ロッカー』は、シカゴ映画批評家協会賞のみでの受賞となっています。
 *前哨戦の全データはこちら:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201002/article_14.html

 2.脚本賞は、監督以外の書き手が手がけたケースが受賞しやすい。
 これは、たぶん、アカデミー会員のバランス感覚で、専門の脚本家の脚本に脚本賞を与えようという意識が働くからだろうと思われます。
 監督のみが手がけた脚本が脚本賞を受賞したケースは、過去10年間で3回、過去20年間で6回あります。ソフィア・コッポラ(2004)、ペドロ・アルモドバル(2003)、キャメロン・クロウ(2001)、コーエン兄弟(1997)、ジェーン・カンピオン(1994)、ニール・ジョーダン(1993)。

 3.脚本も監督が手がけるタイプで、アカデミー賞脚本賞/脚色賞を受賞しやすい監督(ストーリーテラーとして評価の高い監督)としては、コーエン兄弟がいる。
 コーエン兄弟は、これまでアカデミー賞オリジナル脚本賞1回、脚色賞1回受賞。

 4.脚本賞では、ベテランより新しい書き手が評価されやすい。
 新しいストーリーの語り手を欲するからなのか、初めて映画の脚本を手がけるような書き手やこれまではTV作品の脚本を手がけたことがあるくらいの書き手、映画賞レースにからむような作品の脚本を手がけるのはこれが初めてという書き手、の脚本が高く評価される傾向があります。ダスティン・ランス・ブラック(2009)、ディアブロ・コーディ(2008)、マイケル・アーント(2007)、ジュリアン・フェローズ(2002)、アラン・ボール(2000)、マット・デイモンとベン・アフレック(1998)、クリストファー・マッカリー(1996)など。

 5.これまでアニメーション作品がオリジナル脚本賞を受賞したことはない。

 6.オリジナル脚本作品と脚色作品では、明らかに脚色作品が作品賞を獲りやすく、オリジナル脚本賞受賞作品がアカデミー賞作品賞を受賞したのは、過去20年間で3回のみ(『クラッシュ』『アメリカン・ビューティー』『恋におちたシェイクスピア』)で、脚色賞受賞作品がアカデミー賞作品賞を受賞したのは、過去20年間で10回あります。
 逆に言うと、作品賞受賞作品が、オリジナル脚本賞もしくは脚色賞を受賞している確率は、20年間で13回(65%)ということになります。

 7.脚本家組合賞とアカデミー賞オリジナル脚本賞&脚色賞は、せいぜいどちらか一方が一致する程度の合致度でしたが、過去5年間に関しては両部門ともすべて一致しています。

 以上のデータ&傾向性から考えると、『イングロリアス・バスターズ』がオリジナル脚本賞を受賞するという可能性を示しているのは、1のみで、『ハート・ロッカー』が受賞するという可能性を示しているのは、2と4と7があります。3からすれば、コーエン兄弟が受賞してもおかしくないことになります。

 なので、前哨戦の結果からすれば、オリジナル脚本賞は『イングロリアス・バスターズ』が濃厚だけれど、アカデミー賞の傾向性からすれば『ハート・ロッカー』が有力であり、しかも、“A Serious Man”にも十分に受賞の可能性が残されている、ということになります。

 個人的には、『イングロリアス・バスターズ』は、2つのストーリーの収斂のさせ方がさほどうまくなかったのではないかという思いもあり、ここは『ハート・ロッカー』に賭けてみたい気がします。

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 *当ブログ記事
 ・米・脚本家組合賞2010 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_15.html
 ・第22回USCスクリプター 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201002/article_14.html

 ・2009年度映画賞レース スケジュール表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200912/article_32.html
 ・映画祭&映画賞カレンダー 2009年5月〜2010年5月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200905/article_6.html
 ・2009年度映画賞の結果をまとめてみました! アメリカ編 前半戦:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200912/article_43.html

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