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zoom RSS 第62回カンヌ国際映画祭 受賞結果発表!

<<   作成日時 : 2009/05/25 04:42   >>

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 第62回カンヌ国際映画祭の各賞の結果が発表になりました。

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 ◆コンペティション部門

 ・ギャスパー・ノエ “Soudain le vide (Enter the Void)”(仏)

 ・アラン・レネ "Les Herbes folles” (仏・伊) 審査員特別賞(アラン・レネ)

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 ・グザヴィエ・ジャノリ “À l'origine (In the Beginning)” (仏)

 ・ジャック・オーディアール “Un prophète (A Prophet)”(仏) グランプリ

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 ・アンドレア・アーノルド "Fish Tank” (英・オランダ) 審査員賞

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 ・ケン・ローチ "Looking for Eric”(英・仏・ベルギー・伊) エキュメニカル審査員賞
 ・ペドロ・アルモドバル “Los abrazos rotos(Broken Embraces)”(西)
 ・イザベル・コイシェ "Map of the Sounds of Tokyo”(西) Prix Vulcain(Aitor Berenguer(音響))
 ・マルコ・ベロッキオ "Vincere”(伊・仏)

 ・ラース・フォン・トリアー "Antichrist”(デンマーク・スウェーデン・仏・伊) 女優賞(シャーロット・ゲンズブール)、エキュメニカル審査員賞 Anti-Prize

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 ・ミヒャエル・ハネケ “Das weiße Band (The White Ribbon)”(独・オーストリア・仏) パルムドール、国際批評家連盟賞、エキュメニカル審査員賞スペシャル・メンション

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 ・エリア・スレイマン "The Time That Remains”(イスラエル・仏・ベルギー・伊)

 ・ブリランテ・メンドーサ "Kinatay”(フィリピン) 監督賞

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 ・ツァイ・ミンリャン “Visages (Face/臉)”(仏・台湾・オランダ・ベルギー)
 ・ジョニー・トー "Vengeance(復仇)”(香港・仏・米)

 ・ロウ・イエ "Spring Fever(春風沉醉的晚上)” (中・仏) 脚本賞(メイ・フェン)

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 ・パク・チャヌク "Thirst”(韓・米) 審査員賞

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 ・ジェーン・カンピオン "Bright Star”(オーストラリア・英・仏)
 ・クエンティン・タランティーノ "Inglourious Basterds”(米) 男優賞(クリストフ・ワルツ)

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 ・アン・リー "Taking Woodstock”(米)

 ◆ある視点部門

 ・審査員賞:コルネリウ・ポルンボユ(Corneliu Porumboiu)“Police, Adjective”(ルーマニア)
 物語:クリスティは警察官だが、学校で大麻を売った若者を逮捕することをためらう。大麻を売ることは違法なのだが、法律にも問題があり、今、この若者を前科者にしてしまうことで彼の未来を奪ってしまうことにも疑問を感じたのだ……。

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 ・ある視点賞:Yorgos Lanthimos “Kynodontas(Dogtooth)”(ギリシャ)
 物語:郊外にフェンスで囲まれた家があって、そこに両親と3人の子どもが暮らしている。家族は外界との交流を一切遮断していて、子どもたちは飛行機を見てもおもちゃとしか思っていなかった。家族と外界をつなぐ唯一のものは、父親の仕事のセキュリティーを担当するクリスティナのみ。父親は、彼女に長男の性的衝動の処理をもさせようとする。ある日、クリスティナは長女に石のついたヘッドバンドをプレゼントする……。

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 ・審査員特別賞:バフマン・ゴバディ “Kasi As Gorbehaye Irani Khabar Nadareh (No One Knows About Persian Cats)”(イラン)
 物語:ネガールとアシュカンは、刑務所を出た後、バンドを組んでいて、ロンドンでギグすることを夢見ていた。お金もパスポートもなく、国を出ることだけでも大変なのだが、彼らは、その前にまず、なんとかして、レコーディングか、法律で禁じられている公衆の面前での演奏をやりたいと考えていた……。

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 ・審査員特別賞:Mia Hansen-Love “Father of my Children”(仏・独)
 出演:ルイ=ドー・ド・ランクザン、キアラ・カゼッリ、ドミニク・フロ
 物語:グレゴワールは、すべてを手に入れていた。愛する妻がいて、3人の子どもたちがいて、仕事も成功していた。彼の仕事は、映画製作で、週末以外はすべての時間を仕事に捧げていた。多くの企画が進行中で、多くのリスクがあったが、その責任をすべて彼が負っていた。そんな彼の仕事に暗雲がたれ込め始める……。

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 ・国際批評家連盟賞:コルネリウ・ポルンボユ(Corneliu Porumboiu)“Police, Adjective”(ルーマニア)

 ◆シネフォンダシオン部門

 ・1位:Zuzana Kirchnerová-Špidlová “Baba”(チェコ/ FAMU)
 ・2位:Song Fang “Goodbye”(中国/北京電影学院)
 ・3位:Yaelle Kayam “Diploma”(イスラエル/ Sam Spiegel Film & TV School)
 ・3位:Jo Sung-hee “Don’t Step Out of the House”(韓国/韓国フィルムアカデミー)

 ◆公式部門のその他の受賞作

 ・カメラドール:Warwick Thornton “Samson and Delilah”(オーストラリア/ある視点部門)
 物語:オーストラリア中央の砂漠で悲劇に遭い、命がけで帰還しようとするサバイバル・ストーリー。
 出演:ローワン・マクナマラ、メリッサ・ギブソン

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 ・カメラドール スペシャル・メンション:Scandar Copti&Yaron Shani “Ajami”(独/監督週間)

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 ・短編部門パルムドール:João Salaviza “Arena”(ポルトガル)

 ・短編部門スペシャル・メンション:Mark Albiston & Louis Sutherland “The Six Dollars Fifty Man”(ニュージーランド)

 ◆監督週間

 ・アート・シネマ賞(Art Cinema Award):Xavier Dolan “J'ai tue ma mere(I Killed My Mother)"(カナダ)
 16歳のゲイの少年とその母親の複雑な関係を描いた物語(『美しすぎる母』に似てる?)で、監督自身が主人公の少年を演じている。ただし、脚本を書き、監督をした時、監督は20歳だったとか(19歳という情報もあります)。

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 ・若者の視点賞(Regards Jeunes Prize:Xavier Dolan “J'ai tue ma mere(I Killed My Mother)"(カナダ)

 ・SACD Prize:Xavier Dolan “J'ai tue ma mere(I Killed My Mother)"(カナダ)

 ・ヨーロッパ映画賞(Europa Cinemas Label Award for Best European Film):Rainer Frimmel&Tizza Covi “La Pivellina”(伊・オーストリア)

 ・SFR PRIZE:Mikhael Hers “Montparnasse”(仏)

 ・国際批評家連盟賞:Cherien Dabis “Amreeka"(米・カナダ・クウェート)
 物語:離婚したパレスチナ人女性と彼女の10代の息子がイリノイの田舎に引越し、新しい人生がチャレンジに満ちていることを発見する。
 出演:Nisreen Faour, Melkar Muallem, ヒアム・アッバス, Yussuf Abu-Warda, Alia Shawkat.

 ◎黄金の馬車賞(Carrosse d’Or prize):河瀬直美

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 ◆批評家週間

 ・グランプリ:Nassim Amaouche “Adieu Gary(Farewell Gary)”(仏)
 出演:ジャン=ピエール・バクリ、ドミニク・レイモン
 物語:すっかり過疎化してしまった町が舞台。登場人物は、そんな町に取り残されたようにして生きている、機械修理工のフランソワとその息子のカミール、隣人のマリアとその息子のジョゼという4人。ジョゼは、自分の父親がゲイリー・クーパーだと思い込み、寂れて西部劇の舞台のようになってしまっている町でゲイリー・クーパーがやって来るのを待ち続けている……。

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 ・SACD Prize:Caroline Strubbe “Lost Persons Area”(ベルギー)
 物語:マーカスとベッティナは夫婦で、9歳の娘テッサとともに、ずっと送電線が延びる一帯で暮らしていた。マーカスは、ラインの点検主任で、ベッティナはよりよい生活を期待することにも疲れ、テッサは学校をさぼっては工場に入り込んで遊んでいた。マーカスがハンガリー人のエンジニアを雇ったことで生活に変化が訪れようとしていた矢先、悲劇が起こる……。

 ・ACID/CCAS Prize:Sharham Alidi “Whisper with the Wind”(イラク)
 クルド人の悲劇を描きながら、リアルさよりも寓話性を追求した作品で、エミール・クストリッツァやセイゲイ・パラジャーノフを思わせると評判。
 ACID:Association of Independent Cinema for its Distribution
 CCAS:Main Fund of Social Activities

 ・OFAJ (Very) Young Critics’ Award:Sharham Alidi “Whisper with the Wind”(イラク)

 ・若者の視点賞(Regards Jeunes Award):Sharham Alidi “Whisper with the Wind”(イラク)

 ・Canal+短編グランプリ(Canal+ Grand Prize for Best Short Film):Patrick Eklund “Seeds of the Fall”(スウェーデン)

 ・コダック短編賞(Kodak Discovery Award for Best Short Film):François Alaux & Hervé de Crécy & Ludovic Houplain (H5) “Logorama”(仏)

 ◆パルム・ドッグ

 ◎『カールじいさんの空飛ぶ家』(米/オープニング作品)

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 すべての上映が終わった段階で評判がよかったのは、ミヒャエル・ハネケとジェーン・カンピオンとケン・ローチで、それ準ずるのがジャック・オーディアールとマルコ・ベロッキオでした。ラース・フォン・トリアーとギャスパー・ノエの作品は強烈だけれど、賛否両論という感じで、タレンティーノは期待ほどではなかった、というのが鑑賞後の感触としてあったように思います。

 結果は、ジェーン・カンピオンは無冠で、ケン・ローチも本賞での受賞はなし。そして、これまで監督賞とグランプリは受賞したことはあったけど、パルムドールは受賞したことがなかったミヒャエル・ハネケが、5度目のエントリーで初めてのパルムドール受賞となりました。本賞以外でもハネケは既に2つの賞を受賞していたので、やはり誰が観ても凄いと思うようなインパクトのある作品だったということなのでしょう。

 アジアからは3つの作品がそれぞれ1つずつ賞を受賞しましたが、評判はそんなにはよくなかったような気がします。(アジア映画が3つも賞を受賞するのは、初めてではないにしてもこれまであまり例がない。脚本賞以上の3賞受賞というのはおそらく初めて)

 男優賞・女優賞も、作品を観てみれば素晴らしいということがわかるのかもしれませんが、ちょっとピンと来ない受賞結果で(シャルロット・ゲンズブールは脱ぎっぷりがよかったということなのでしょうか?)、ノミネート作品の中にこれという候補はおらず、この2賞に関しては、どんぐりの背比べ状態だったのかもしれません。シャルロットに関しては、アイドル的な人気以外で、女優としてはこれまであまり評価されてこなかったので、これまでの女優としての活動を含めての表彰という意味もあるのかもしれません。

 シャーロット・ゲンズブールは、母ジェーン・バーキン、父セルジュ・ゲンズブール、夫イヴァン・アタル、元義父ジャック・ドワイヨン、妹ルー・ドワイヨンまで含めて、一族でカンヌ初受賞(ただしジャック・ドワイヨンはメイン賞以外の賞は受賞している)。

 フランス人女優の女優賞受賞は、今回審査員長だったイザベル・ユペールがハネケの『ピアニスト』で受賞して以来、7年ぶり(フランス映画からの受賞は2004年の『Clean』でマギー・チャンが受賞して以来5年ぶり)。

 オーストリア映画がパルムドールを受賞したのは初めて(厳密には「オーストリア映画」と言っていいのかどうかわかりませんが、オーストリア出身の監督の作品がパルムドールを受賞したのは初めてで、製作国にオーストリアが入っている作品がパルムドールを受賞したのも初めて)。

 フランス映画のグランプリ受賞は、2006年のブリュノ・デュモン『フランドル』以来3年ぶり。

 ジャック・オーディアール作品の受賞は、1996年の『つつましき詐欺師』で脚本賞を受賞して以来2度目。

 2年連続エントリーで、監督賞を受賞したブリランテ・メンドーサは、フィリピン人/フィリピン映画として初受賞。

 アジアの監督が監督賞を受賞したのは、1997年のウォン・カーウァイ(香港)、2000年のエドワード・ヤン(台湾)、2002年のエドワード・ヤン(台湾)、2008年のヌリ・ビルゲ・ジェイラン(トルコ)に次いで5人目で、日本人/日本映画に先んじている。

 中国映画が脚本賞を受賞するのは初めて。アジア映画としても、ファティ・アキンの『そして、私たちは愛に帰る』(2007)まで含めても2作品目。東アジア圏では初めて。

 男優賞を受賞したクリストフ・ワルツ(正確な発音はたぶんヴァルツ)は、オーストリア人で(主にテレビで活躍)、パルムドールと併せて、オーストリア勢が今回2冠(受賞の知らせを受けてオーストリアは盛り上がっているかも?)

 全体的に見ると、作品の出来はともかく、審査員長であったイザベル・ユペールが出たいと思うような作品に賞を与えた、というような印象もあります(イザベル・ユペール自身もミヒャエル・ハネケ作品の出演者で、彼のファンなのだし)。あるいは、イザベル・ユペールの感覚で、賞を与えなくても興行的に全く関係ないと思えるような作品には賞を与えず、それよりはこの作品に……というような作品に賞を与えた、というような趣向も感じられます。
 審査員の国籍も多少は受賞結果に反映している、ような気もしますね。

 カンヌ国際映画祭の受賞結果は日本での興行に影響するものですが、今年はハネケの作品が劇場公開されればこれまでの作品より多少は注目度もアップし、動員もちょっと増えるくらいのもの(パルムドール受賞作品であっても、2000年の『ダンサー・イン・ザ・ダーク』、2002年の『戦場のピアニスト』、2004年の『華氏911』クラスのヒットは望むべくもありません。『ピアニスト』や『ファニーゲームUSA』程度の動員記録を超えるのも難しいのではないでしょうか。有名な俳優も出ていないし)で、他にはあまり影響はないと思われます。賞を獲ったから日本の配給会社も買い付けて劇場公開に至る、というような(カンヌ印が売りになる)作品が1つもないんですね。賞を獲ろうが獲るまいが、元々日本で公開されると思われたような監督の作品が予定通り買い付けられて公開されるというだけです。そういう意味ではあまり面白みのない受賞結果だったとも言えます。 

 米国アカデミー賞(および米国映画賞レース)は、反カンヌ的な態度を取ることが多い(そういう態度を隠そうとしない)ので、逆に、ケン・ローチやジェーン・カンピオン作品が2009年度の映画賞レースの本命に上がってくる、ということもあるかもしれません。例えば、2年前の『ノーカントリー』のように。

 昨年のコンペ部門出品作22作品のうち、
 現在まで日本で劇場公開された作品:5本
 劇場公開が決まっている作品:4本
 映画祭や特集上映で上映された作品:8本
 公開未定:5本
 という内訳になります。

 今年のコンペ作品からは、劇場公開作品が少し増えて、映画祭上映作品が減りそうです。
 私の計算では、劇場公開作は13本で、劇場で公開されるか映画祭で上映されるか微妙なラインにある作品が3本、映画祭で上映されるかどうかという作品が2本、というところなのですが、果たしてどうなるでしょうか。

 個人的には、コンペティション部門以外で、複数の賞を受賞した作品が気になります。

 ルーマニア映画は、賞の大小はありますが、2005年以降、5年連続でカンヌ受賞を果たしています。

 それにしても今年のカンヌは……、サングラス率の高い映画祭でした(笑)。

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 *当ブログ記事
 ・第62回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門詳細:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200904/article_12.html
 ・第62回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門以外のラインナップ!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200904/article_14.html
 ・映画祭&映画賞カレンダー 2009年5月〜2010年10月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200905/article_6.html

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは!お久しぶりです☆
相変わらずめちゃくちゃ詳しくて凄いなぁ。。。。
関心しちゃいますよ。

タランティーノ作品がそうでもないというのが気になりますが(笑)
今回好きな監督の作品が目白押しでわたしも今さらチェックしました。

ハネケのが特に早く観てみたいです!

そうそう、今年もショートフィルム映画祭が始まりますね、また弟の作品がノミニーされたので
もしお時間あればご覧になってくださいね☆
会場でお会いできるようなことがあれば
御挨拶したいです♪
それでは、、、、☆^^
mig
URL
2009/05/31 15:49

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