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今年、イタリア映画祭はあったけれど、ドイツ映画祭の噂は聞かないなあと思っていたら、毎年ドイツ映画祭をやっていた朝日新聞社は、9月に「日仏交流150周年記念 フランス映画の秘宝」という特集上映をするようです(9月5日(金)〜7日(日)、12日(金)〜15日(祝)@朝日ホール)。 7月半ばにはもうラインナップが発表されていたようですが、私はチラシを見て、はじめて開催を知りました。日仏交流150周年記念て、江戸時代から数えて150周年を記念するというのも凄いですね。 ラインナップは、セルジュ・トゥビアナ(シネマテーク・フランセーズ館長)と蓮實重彦氏による、日本未公開作を中心にしたセレクションで、この上映のためにフランスからプリントを取り寄せるので、今回限りの上映となるようです。地方での巡回上映はありませんが、金・土・日・祝という、観ようと思えば観に来られなくもないスケジュールになっています。 ラインナップは以下の通りです。 A. マックス・オフュルス『マイエルリンクからサラエヴォへ』(1939) B. ジャン・グレミヨン『曳き船』(1941) C. ジャック・ベッケル『最後の切り札』(1942) D. ロベール・ブレッソン『罪の天使たち』(1943) E. サッシャ・ギトリ『あなたの目になりたい』(1943) F. ロジェ・レーナルト『最後の休暇』(1947) G. ジャン=ピエール・メルヴィル『海の沈黙』(1947) H. クロード・オータン=ララ『パリ横断』(1956) I. クロード・シャブロル『肉屋』(1969) J. ジャン=クロード・ブリソー『野蛮な遊戯』(1983) K. モーリス・ピアラ『刑事物語』”(1984) L. エリック・ロメール『三重スパイ』(2003) M. ジャック・ドワイヨン『誰でもかまわない』(2007) 一般前売券:1500円、当日券:1800円。フリーパスの発売はありません。 公式サイトはまだオープンしていませんが(8月4日現在)、すでにぴあでのプレリザーブが始まっていて(8月2日〜7日)、8月9日からは前売りも始まるので、何を観ようかという判断材料にするという意味も込めて、各作品についてちょっとだけ調べてみました(チラシにはキャストの記載がありません)。各作品とも2回ずつの上映で、人気の作品はあっても、売れ切れてしまう作品はないとは思いますが……(最も売り切れの可能性が高いのは、エリック・ロメール作品でしょうか)。 *まずは、ここから→人気ブログランキング −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− A. マックス・オフュルス『マイエルリンクからサラエヴォへ』“De Mayerling à Sarajevo ”(1939/95分) 出演:エドウィジュ・フィエール、John Lodge、エーメ・クラリオン クライマックスは、いわゆるサラエボ事件で、サラエボ事件で暗殺されることになるフランツ・フェルディナンド公とチェコ令嬢ゾフィーの悲恋を描く。 劇場未公開。シネクラブで上映されたことがるようです。 マックス・オフュルスは、『風雲児』(1948)、『無謀な瞬間』(1949)、『快楽』(1952)、『たそがれの女心』(1953)、『歴史は女で作られる』(1955)などが時々アテネ・フランセ文化センターで日本語字幕なしで上映されたりしています。 B. ジャン・グレミヨン『曳き船』“Remorques”(1941/81分) 出演:ジャン・ギャヴァン、マドレーヌ・ルノー、ミシェル・モルガン 妻のある曳き船船長(ジャン・ギャヴァン)と遭難船船長の妻(ミシェル・モルガン)の恋物語。 劇場未公開。ビデオ・リリースあり。 *最初の発表では、同監督の『父帰らず』(1930)が上映されると告知されていましたが、差し替えになったようです。 C. ジャック・ベッケル『最後の切り札』“Dernier atout”(1942/105分) 出演:ミレーユ・バラン、レイモン・ルーロー、ピエール・ルノワール 刑事もの。 ジャック・ベッケルが単独で監督した最初の長編。第2作が『赤い手のグッピー』(1943)。 1988年に開催された「第2回フィルム・ノワール映画祭」で上映されています。 D. ロベール・ブレッソン『罪の天使たち』“Les anges du péché”(1943/96分) 出演:ルネ・フォール、ジャニー・オルト、シルヴィー ロベール・ブレッソンの長編デビュー作。 1999年の第12回東京国際映画祭シネマ・プリズムにて日本初公開。 E. サッシャ・ギトリ『あなたの目になりたい』“Donne-moi tes yeux”(1943/90分) 出演:サッシャ・ギトリ、ジュヌヴィエーヴ・ギトリ、エーメ・クラリオン 劇場未公開。 サッシャ・ギトリは、アテネ・フランセ文化センターや日仏学院で、『夢を見ましょう』(1936)、『毒』(1951)、『パリ語りなば』(1956)、『殺人者と泥棒』(1957)などが日本語字幕なしで上映されたりしています。なぜか今年になってDVD『とらんぷ譚』(1936)が紀伊國屋書店からリリースされました。 F. ロジェ・レーナルト『最後の休暇』“Les dernières vacances”(1947/95分) 出演:オディール・ヴェルソワ、ミシェル・フランソワ、ジャン・ララ フィルムセンターで上映されたことがあるようです。 田舎を舞台にした思春期もののドラマ。 *ロジェ・レーナルトに関するWikipedia:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%83%88 G. ジャン=ピエール・メルヴィル『海の沈黙』“La silence de la mer”(1947/88分) 出演:ハワード・ヴェルノン、ニコール・ステファーヌ、ジャン=マリー・ロバン 原作:ヴェルコール『海の沈黙・星への歩み』(岩波文庫/1973) ナチ占領下のドイツ人将校と家を徴発されたフランス人家族の物語。 *フランス文学データベース:http://www.syugo.com/3rd/germinal/database/data/writing.cgi?vercors001 IVCよりDVDリリースあり。BSで放映されたこともあるようです。 H. クロード・オータン=ララ『パリ横断』“La traversée de Paris”(1956/82分) 出演:ジャン・ギャヴァン、ブールヴィル、ジャネット・バッティ ナチ占領下、闇の豚肉を運ぶことになった男2人のロードムービー。 原作:マルセル・エイメ(『壁抜け男』早川書房 異色作家短編集/1963 新版2007、『クールな男』福武文庫/1990、『マルセル・エイメ傑作短編集』中公文庫/2005に収録)。「パリ横断」をエイメ(エメ)作品のベストに推す人もいるようです。 JSBで放映されたことがあります。 I. クロード・シャブロル『肉屋』“Le boucher”(1969/82分) 出演:ステファーヌ・オードラン、ジャン・ヤンヌ、アントニオ・パッサリア ヒッチコック・スタイルの(というかシャブロルらしい)スリラー、だとか。 1973年BAFTA最優秀女優賞(ステファーヌ・オードラン)ノミネート。 アテネ・フランセ文化センターなどで日本語字幕なしで上映されたことがあります。 J. ジャン=クロード・ブリソー『野蛮な遊戯』“Un jeu brutal”(1983/90分) 出演:ブリュノ・クレメール、エマニュエル・ドゥベヴェール、マリア・ルイサ・ガルシア チラシには、ジャン=クロード・ブリソーの長編デビュー作とありますが、これ以前にTV作品があり、さらにもう1本アマチュア時代の作品があります(それをエリック・ロメールが観たことで、プロ・デビューへの道が開けたという)。デビュー当時「トリュフォーの再来」などと呼ばれたことも今となっては懐かしい(笑)。 この作品は以前からこの邦題で知られているので、何らかの形で紹介されているということなのでしょう。 K. モーリス・ピアラ『刑事物語』“Police”(1984/113分) 出演:ジェラール・ドパルデュー、ソフィー・マルソー、リシャール・アンコニナ 脚本:カトリーヌ・ブレイヤ 1985年ベネチア国際映画祭最優秀男優賞受賞(ジェラール・ドパルデュー)、1986年セザール賞主演男優賞(ジェラール・ドパルデュー)&編集賞ノミネート。 『ソフィー・マルソーの刑事物語』としてビデオ・リリースあり。 L. エリック・ロメール『三重スパイ』“Triple agent”(2003/115分) 出演:Katerina Didaskalou、セルジュ・レンコ、シリエル・クレール 2004年ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品。 日仏学院で日本語字幕なしで何回か上映されたことがあります。 M. ジャック・ドワイヨン『誰でもかまわない』“Le premier venu”(2007/123分) 出演:Clémentine Beaugrand、ジェラルド・トマサン、Guillaume Saurrel コンスタントに監督作品を発表してきているジャック・ドワイヨンですが、日本での新作の劇場公開は1997年の『ポネット』で途絶えています(2000年に『小さな赤いビー玉』(1975)が劇場公開され、その時に(フランス映画祭で上映されていた)『少年たち』(1999)が1回だけ日本語字幕つきで劇場公開されています )。 あまり商業的ではない映画作家の(ある水準の)作品と、商業的に成功しているような監督の作品でもタイミング的に日本で紹介されることがなかった(初期の)作品、が集められているということのようです。それでも新作が1本もないというのも寂しいので、ドワイヨンの新作を1本加えたというのが、今回のラインナップということになるでしょうか。「秘宝」というタイトルにひっかかる人も多いと思いますが、ひょっとするとパンドラが宣伝していることと関係あるのかもしれません。 上映時間の長い映画が多い昨今、さくさく観れてしまう作品が多いのがいいですね。 気にし出すとどの作品も気になってしまうのですが、個人的には懐具合とも相談しつつ、とりあえず3本(ドワイヨンとロメールとあと1本)、余裕があればもう3本くらい観るということになるでしょうか(現時点で観たことがあるのは1作品のみ)。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 日仏学院では、同時期に「ジャック・ドワイヨン特集:女に愛されたかった少年」が予定されています(9月3日〜25日)。公式サイト:http://www.ifjtokyo.or.jp/agenda/festival.php?fest_id=46 上映作品は以下の通り。 『西暦01』(1972) 劇場未公開 同時通訳付き 『頭の中の指』(1974) 字幕なし/解説配布 『小さな赤いビー玉』(1975) 字幕なし/解説配布 『あばずれ女』(1978) 劇場未公開 字幕なし? 『泣きしずむ女』(1978) 劇場未公開 同時通訳付き 『放蕩娘』(1981) 劇場未公開 同時通訳付き 『ラ・ピラート』(1984) 日本語字幕付き/ニュー・プリント 『家族生活』(1984) 日本語字幕付き 『イザベルの誘惑』(1985) 英語字幕付き 『ピューリタンの女』(1986) 劇場未公開 英語字幕付き 『ふたりだけの舞台』(1987) 同時通訳付き 『恋する女』(1987) 日本語字幕付き 『15才の少女』(1988) 字幕なし/解説配布 『女の復讐』(1989) 英語字幕付き 『ピストルと少年』(1990) 英語字幕付き 『シャルロット・ゲンズブール/愛されすぎて』(1992) 英語字幕付き 『若きウェルテル』(1992) 英語字幕付き 『あまりにも大きな(小さな)愛』(1993) 英語字幕付き 『ポネット』(1996) 日本語字幕付き 『少年たち』(1999) 日本語字幕付き 『イカれた一夜』“Carrément à l'Ouest”(2001) 劇場未公開(2001年のフランス映画祭で『フリーキー・ラブ!』というタイトルで上映) 字幕? フィルムセンター所蔵作品 『ラジャ』“Raja”(2003) 劇場未公開 英語字幕付き それぞれの上映回数は多くはありませんが、日本語字幕付きが5本(7本?)もあるのが凄いですね! ささくれだった気持ちを誰かにぶつけたり、誰にもぶつけられずに迷走したりするのがドワイヨン作品の特徴ですが、それが鮮烈に胸に突き刺さる作品もあれば、うんざりさせられる作品もあり……。『ポネット』は、主演の少女のかわいらしさで日本でも(間違って?)ヒットしちゃいましたが、作品自体はドワイヨンらしいものでした。 ある時期(1989〜1997)、日本でも集中的に劇場公開されたドワイヨン作品の中では、私は『小さな赤いビー玉』と『ピストルと少年』が好きですね。わかりやすいし。 日本でDVD化されているのは、今のところ『小さな赤いビー玉』『ラ・ピラート』『イザベルの誘惑』『ポネット』のみです。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− なお、ドイツ映画祭は、朝日新聞社主催ものは今年は開催されませんが、秋にバルト9で開催予定となっているものがあるようです。 *この記事が参考になった!と思ったら、人気ブログランキングにクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓ ↓ ![]() ↑ ↑ ↑ ↑ クリックしてね! |
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「フランス映画の秘宝」
とりあえず、『曳き船』『最後の切り札』『最後の休暇』『パリ横断』『三重スパイ』『誰でもかまわない』の6作品のチケットを購入。 ...続きを見る |
地球が回ればフィルムも回る 2008/08/15 23:36 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
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私も第30回ぴあフィルムフェスティバル(「巨匠ミロス・フォアマンの世界」を観ました)の会場に置いてあったチラシで「フランス映画の秘宝」開催を知りました。チケット発売まで日がないですよね。詳細な作品紹介ほんと助かります。 |
さひぐー 2008/08/05 12:06 |
さひぐーさま |
umikarahajimaru 2008/08/05 20:31 |
はじめまして。「マイエルリンクからサラエヴォへ」検索でお邪魔しました。「マイエル〜」が気になっているのですが、内容はどのようなものになっているかわかりませんでしょうか? |
ましまし 2008/08/06 09:56 |
ましましさま |
umikarahajimaru 2008/08/06 10:19 |
ありがとうございます。お手数お掛けして申し訳ございませんでした! |
ましまし 2008/08/08 19:57 |
こんにちは。 |
かえる URL 2008/08/13 08:49 |
かえるさま |
umikarahajimaru 2008/08/13 23:18 |
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