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zoom RSS 速報!第61回カンヌ国際映画祭 受賞結果発表!

<<   作成日時 : 2008/05/26 04:21   >>

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 第61回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門、および各賞の結果が発表になりました。う〜ん、そうきたかあ〜。

 結果は以下の通りです。

 ◆コンペティション部門

 ・アルノー・デプレシャン “Un Conte de Noel(A Christmas Tale)”(仏) 第61回大会記念賞(Prix de 61st Festival de Cannes)(カトリーヌ・ドヌーブ)

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 ・フィリップ・ガレル “La Frontiere De l'Aube (The Frontier of Dawn)”(仏・伊)
 ・ローラン・カンテ “Entre Les Murs(The Class)”(仏) パルムドール

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 ・ジャン・ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ “Le Silence De Lorna(The Silence of Lorna)”(ベルギー・仏・伊) 脚本賞

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 ・パオロ・ソレンティーノ “Il Divo”(伊) 審査員賞
 ・マッテオ・ガッローネ “Gomorra(Gomorrah)”(伊) グランプリ
 ・ヴィム・ヴェンダース “The Palermo Shooting”(独)
 ・コーネル・ムンドルッツォ “Delta”(ハンガリー) 国際批評家連盟賞
 ・クリント・イーストウッド “Changeling”(米) 第61回大会記念賞(Prix de 61st Festival de Cannes)(クリント・イーストウッド)

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 ・スティーヴン・ソダーバーグ “Che”(米) 男優賞(ベニチオ・デル・トロ)

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 ・チャーリー・カウフマン “Synecdoche, New York”(米)
 ・ジェームズ・グレイ “Two Lovers”(米)
 ・アトム・エゴヤン “Adoration”(カナダ・エジプト) エキュメニカル審査員賞
 ・フェルナンド・メイレレス 『ブラインドネス』(ブラジル・カナダ・日)
 ・ウォルター・サレス、ダニエラ・トマス “Linha de Passe (Line of Passage)”(ブラジル) 女優賞(サンドラ・コルヴェローニ/Sandra Corveloni)
 ・Pablo Trapero “Leonera”(アルゼンチン・韓国・ブラジル)
 ・ルクレシア・マルテル “La Mujer Sin Cabeza (The Headless Woman)”(アルゼンチン・西・仏)
 ・ヌリ・ビルゲ・ジェイラン “Uc Maymun(Three Monkeys)”(トルコ) 監督賞

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 ・アリ・フォルマン “Waltz With Bashir”(イスラエル・仏・独)
 ・ジャ・ジャンクー “24 City(二十四城記)”(中国)
 ・エリック・クー “My Magic”(シンガポール)
 ・ブリランテ・メンドーサ “Serbis”(フィリピン・仏)

 ※各作品の内容に関しては、こちら(http://umikarahajimaru.at.webry.info/200805/article_2.html)をご覧ください。

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 ◆その他の受賞作品

 ・短編映画部門パルムドール:Marian Crisan "Megatron" (ルーマニア)

 ・短編映画部門 スペシャル・メンション:Julius Avery "Jerrycan" (オーストラリア)

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 ・The Canal +グランプリ(最優秀短編映画賞):ドゥニ・ヴィルヌーヴ(『渦』の監督)“Next Floor”(カナダ)

 ・カメラドール(新人監督賞):Steve McQueen“Hunger”(英)
 【物語】 レイモンド・ローハンは、北アイルランド刑務所の看守で、特に悪名高いHブロックを担当していた。そこには多くのIRAの囚人が収容されていて、囚人と看守の間で熾烈な戦いが繰り広げられていた。

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 ・カメラドール スペシャル・メンション:Valeria Gaï Guermanika “Everybody Dies Except Me”(ロシア)

 ・ある視点部門 グランプリ(Fondation Groupama Gan pour le Cinéma ) セルゲイ・ドボルツェボイ(Sergey Dvortsevoy) “Tulpan”(独・スイス・カザフスタン・ロシア)
 【物語】 兵役を終えた青年Asaは、姉夫婦が暮らすカザフスタンの草原に帰る。Asaが遊牧民生活に入るためにまずやらなければならないことは結婚して身を固めることであった。彼は、他の遊牧民の娘チュルパンを嫁に迎えたいと思ったが、Asaは貧しく、しかもAsaの耳は大きくて嫌いだとチュルパンに断られてしまう。それでもAsaは諦めず、耳が大きいことは恥ずかしいことではないと説得しようと努めるのだった……。
 監督のセルゲイ・ドボルツェボイは、これが初長編で、これまで短編や中編ドキュメンタリーで、いくつかの受賞歴を持つ。

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 ・ある視点部門 審査員賞:黒沢清“Tokyo Sonata(トーキョー・ソナタ)”(日)
 【物語】 仕事をこよなく愛する父は家族に秘密を持っていた。大学生の長男は滅多に家には帰らず、次男は家族に内緒でピアノのレッスンを受けていた。母は、自分の役割は家族を1つにすることだと信じていた。一見、模範的にも見えたこの家族はささいなことから、内側から崩壊していく。
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 ・ある視点部門 ワン・フロム・ザ・ハート賞(the One-From-The-Heart Award):Andreas Dresen “Wolke 9 (Cloud 9)”(独)
 【物語】 インゲは、60代半ばで、結婚生活も30年以上に及び、夫も愛していた。しかし、思いもかけず、76歳の男性カールと情熱的な恋に陥ってしまう。

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 ・ある視点部門 ホープ賞(the Hope Award):Jean-Stéphane Sauvaire “Johnny Mad Dog ”(仏・ベルギー・リベリア)
 【物語】 現代のアフリカ。ジョニーは15歳の少年兵士で、狂犬と呼ばれることに憧れ、自分の前をふさぐ者を皆殺しにしてきた。ラオコレは、16歳の少女で、身体障害者の父の世話をしていたが、少年兵士に占領され、殺し合いが行なわれているような街から、いいかげんに抜け出したいと考えていた。ジョニーがラオコレの住む町に迫る頃、ラオコレは逃げ出すことに決める。

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 ・ある視点部門ノックアウト賞(the KnockOut Prize):ジェームズ・トバック“Tyson”(米)
 マイク・タイソンについてのドキュメンタリー
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 ・監督週間 若者の視点賞(最優秀作品賞/the Prix Regards Jeunes/Young Eyes Prize)):Bouli Lanners “Eldorado”(ベルギー)
 【物語】 40歳のイヴァンは、ヴィンテージ・カーのディーラーで、短気なことで知られていた。ある夜、エリー(男性)に押し入られるが、彼をつかまえたイヴァンは殴ることもせず、逆に彼に妙な親愛の情を感じ、彼を両親の住む実家への旅に同行させることに決める。かくして奇妙な男の2人旅が始まる。

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 ・監督週間 最優秀ヨーロッパ映画賞(the Label Europa Cinéma Prize):Bouli Lanners “Eldorado”(ベルギー)

 ・監督週間 SACD賞:Claire Simon “Les bureaux de Dieu/ God's Offices”(仏)
 【物語】 年頃の女性数人を主人公とした、セックスと妊娠にまつわるドラマ。ジャミラは、ボーイフレンドの仲がいよいよシリアスなものになってきていて、セックスの準備をしなければならないと考えている。ピルの代わりに、ゾーイの母からコンドームを譲ってもらうが、彼女からは売春婦呼ばわりされてしまう。また、グループの中で誰かが妊娠したという噂が広まり、それが誰なのか探りあいも始まる……。

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 ・監督週間 芸術・実験映画賞(CICAE (Art et Essai)賞):Juraj Lehotsky “Slepe lasky(Blind Loves)”(スロバキア)
 目の不自由な人どうしの恋愛に関するドキュメンタリー。

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 ・the "Un Regard Neuf" 短編映画賞:Tiao“Muro”(ブラジル)

 ・批評家週間グランプリ:Aida Begic “Snijeg(Snow)”(ボスニア・仏)
 【物語】 スラヴノ村は、戦争によってすっかり寂れて、6人の女性と1人の老人と4人の少女と1人の少年だけになっていた。他の者は殺されて遺体すら見つかっていない。村民は、プラムのジャムや果物、野菜などを売って、村の存続を図ろうとする。そこにビジネスマンがやってきて、村に家を建てたいと言う。よそ者を入れることで村が潤うのがいいのか、村民だけで村を守るのがいいのか、村民は悩む。しかし、大きな嵐がやってきて、より大きな問題に直面することになる。

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 ・批評家週間 ACID賞:Christophe van Rompaey “Aanrijding in Moscou(Moscow, Belgium)”(ベルギー)
 【物語】 モスコーは、ベルギーのゲントの近くにある労働者たちの町。3人の子持ちであるマティーは、ある日、スーパーの駐車場でジョニーのトラックに車をぶつけてしまう。ジョニーが激怒し、マティーも素直に謝らなかったため、警察もやってくるような大きな騒ぎになる。行き過ぎた行動を反省した2人の気持ちは、やがて寄り添い、ベッドを共にするまでになる……。

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 ・国際批評家連盟賞(コンペティション部門):コーネル・ムンドルッツォ “Delta”(ハンガリー)

 ・国際批評家連盟賞(ある視点部門):Steve McQueen“Hunger”(英)

 ・国際批評家連盟賞(批評家週間&監督週間):Bouli Lanners “Eldorado”(ベルギー)

 ・The 27th Youth Prize:セルゲイ・ドボルツェボイ(Sergey Dvortsevoy) “Tulpan”(独・スイス・カザフスタン・ロシア)

 ・同Youth Prize:Bouli Lanners “Eldorado”(ベルギー)

 ・同Youth Prize:Valeria Gaï Guermanika “Everybody Dies Except Me”(ロシア)

 ・The 2008 Radio France-Culture Prize(ラジオ・フランスが贈る年間優秀作品賞):サンドリーヌ・ボネール“Elle s'appelle Sabine ("Her Name is Sabine")”

 ・シネフォンダシオン部門 第1位 Elad Keidan(the Sam Spiegel Film and TV School)“Himmon (Hymn)”(イスラエル)

 第2位 Claire Burger(Femis)“Forbach”(フランス)

 第3位 Park Jae-ok(韓国フィルムアカデミー)“Stop”(韓国)

 同第3位 Juho Kuosmanen(the University of Art and Design)“Kestomerkitsijät (Road Signs)”(フィンランド)

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 今年の受賞結果は、パルムドールもグランプリもカンヌ初参加の監督の作品が受賞するという意外な結果となりました。ベテランや巨匠がいる中で、というか、だからこそ、より若い、未来のある才能を評価していこうという方針が立てられたのだろうと思われます。男優賞のベニチオ・デル・トロはともかく、女優賞を受賞したSandra Corveloniもほとんど知られていない女優さんのようです。

 カトリーヌ・ドヌーブやクリント・イーストウッドに賞を与えたのは、メインの賞をそういう新鮮な作品や若き映画人に与えたのとバランスを取るためだったのだろうと思われます。

 賞のバランスを見ると、一見フランスやイタリア寄りですが、全体的には各地域にバランスよく割り振ったというようにも見えます。
 しかし、今年の審査員の顔ぶれ(ショーン・ペン(審査委員長)、ジャンヌ・バリバール、Rachid Bouchareb、セルジョ・カステリット、アルフォンソ・キュアロン、アレクサンドラ・マリア・ラーラ、ナタリー・ポートマン、マルジャン・サトラピ、アピチャッポン・ウィーラセタクン)とつき合わせて見ると、審査員の出身地域や活躍地域と見事に対応していて、審査員ごとに賞を振り分けたんじゃないか、とも勘繰ってしまいます。真実のほどはわかりませんが。

 内容的には、ラインナップが発表された段階でわかっていたことではありますが、世界的に平和な時を迎えつつあって、そうした平和な日常で起こる“ちょっとしたドラマ”に関心が集まっている、ということが言えるでしょうか。

 フランス映画のパルムドール受賞は、2002年の『戦場のピアニスト』以来の6年ぶりですが、あれは英語の作品だったということであれば、フランス語によるフランス映画のパルムドールは、1987年のモーリス・ピアラ『悪魔の陽の下に』まで溯ります(21年ぶり)。合作まで含まれば、2005年にダルデンヌ兄弟の『ある子供』があります(ベルギーとフランスの合作)。

 イタリア映画からグランプリ以上の賞が出るのは、2001年の『息子の部屋』(パルムドール)、1998年の『ライフ・イズ・ビューティフル』(グランプリ)以来。

 トルコから監督賞が出るのは初めて(ヌリ・ビルゲ・ジェイランは2003年に『Uzak』でグランプリを受賞しているので、次はいよいよパルムドール?!)。

 ブラジルから女優賞が出るのは史上初。南米からでも1985年のノルマ・アレアンドロ(『オフィシャル・ストーリー』)以来23年ぶり2人目となります。

 事前に私がした予想は、監督賞と男優賞の2部門の的中にとどまりました。

 コンペ部門以外では――
 昨年の『迷子の警察音楽隊』と『CONTROL』に当たるのが、ある視点部門グランプリほかを受賞したセルゲイ・ドボルツェボイ監督の “Tulpan”と、監督週間 最優秀ヨーロッパ映画賞ほか受賞のBouli Lanners “Eldorado”で、コンペ部門以外では、これらが複数の賞を受賞しています。受賞によって価格が高騰する前に買えていたら、お買い得だったはずなのですが、どこかの映画会社が買ったでしょうか。日本での劇場公開もありそうですが、とりあえず、今年の東京国際映画祭で観られるかどうか、ですね。

 昨年のコンペ部門22作品のうち、日本で公開もしくは公開予定となっているのは、2008年5月現在で13作品(何らかの形であと2〜3本は上映される可能性があります)。一昨年度の作品も今年になってようやく14作品まで上映となりました(うち劇場公開されたのは11作品)。どうやら今年もそのくらいに落ち着きそうです。

 気が早いと思われるかもしれませんが、来年の米国アカデミー賞の賞レースはここからもう始まっています。今年の米国アカデミー賞は、振り返ってみれば、実は反カンヌがテーマだった(カンヌの雪辱戦・復讐戦だった)のですが、さて、来年はどうなるでしょうか。

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 *当ブログ関連記事
 ・ローラン・カンテ監督について調べてみました!
 ・第61回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門 ラインナップ!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200805/article_2.html
 ・第61回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門以外のラインナップ!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200805/article_3.html
 ・第60回カンヌ国際映画祭 受賞結果発表!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200705/article_30.html

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2008/05/27 07:20

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
イヤーイタリア映画すごいですねー
怖い題材をあつかっているみたいだけど、力作のようで早くみたいです!
マヤ
2008/05/27 21:53
マヤさま
受賞したどちらの監督もイタリア映画祭と縁のある監督なので、日本で劇場公開も映画祭での上映もないということはないと思いますが、ここはやはり劇場公開を期待したいですよね。
ガッローネの方の制作会社は日本のアスミック・エースと関係の深いFandangoなので(『シルク』とか)、アスミック・エースあたりが買い付ける可能性が高いように思います。ソレンティーノの方の制作会社はまだ新しい映画会社のようですね。
umikarahajimaru
2008/05/27 22:31

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